「本日より、アイドルとしてデビューさせていただきます! 如月八重です! よろしくお願いします!」
「八重ちゃんね。いいねぇ、可愛いし元気、しかも今どき珍しい清純派! 売れる気がするねぇ〜」
中身は社長にイマラチオされて喜んでる変態だけどなガハハ。
……今日はいよいよアイドルとしてのデビュー日。
なんと、テレビ出演である。
「東堂くんイチオシって触れ込みだからね。なかなか根性もありそうだし、こんな掘り出し物どこで見つけてきたんだろうねぇ〜」
そして今話してる相手はテレビ番組のプロデューサーである。
社長の知り合いらしく、イチオシアイドルとしてねじ込んだらしい。
「今日はよろしくお願いします。スターライト所属、如月八重のマネージャーの柚子です」
「はいはいよろしく〜。イイ画が撮れれば今後も使ってあげられるからよろしくたのむよ〜」
柚子さんと二人で深々と頭を下げる。
このテレビ番組でバズれば、人気アイドルへの一歩が踏み出せる大事な機会だ。
年収数億! 笑ってるだけで大金が転がり込む夢の生活!
待ってろよな!
★
「今回は、関東ローカルのお昼の情報番組『GOGO! ランチタイム』にお邪魔しまぁす! 八重、テレビ初めてだからドキドキだけど、がんばりますっ♡」
カメラに向かってガッツポーズ。
よし、掴みは完璧だ。
ローカルとはいえ、司会はベテランタレントの石田さん。毒舌ではないが、バラエティのノリは心得ているはず。
新人の俺なんて、どうせ右も左も分からない雛鳥だ。
きっと「段取り悪いよ!」とか「コメントが薄い!」とか、プロの洗礼(ツッコミ)を浴びせてくれるに違いない。
頼むぞ石田さん。俺をサンドバッグにして番組を盛り上げてくれ!
俺は雑に扱われる準備万端だ!
「本番、5秒前! 4、3……」
赤ランプが点灯し、番組のテーマ曲が流れる。
「さぁ〜、今日のゲストは! 話題の新人アイドル、如月八重ちゃんでーす!」
「はじめましてぇ! 如月八重ですっ! よろしくお願いしますっ♡」
俺は精一杯の愛想を振りまきながら、スタジオセットの中央へ進み出た。
さぁ来い、洗礼!
「…………」
「…………(ドキドキ)」
司会の石田さんが、眼鏡の奥の目を丸くして俺を凝視している。
そして、おもむろに口を開いた。
「いやぁ……たまげたなぁ。お人形さんかと思ったよ」
ズコーッ!
昭和か! 昭和の褒め方か!
「いや本当に。孫にしたいナンバーワンだねこれは。視聴者の皆さんもテレビの前で拝んでるんじゃない?」
「え、あ、そんな……私なんて、ただの新人ですしぃ……」
「謙虚! しかも声まで鈴を転がしたみたいだ!」
スタジオのアシスタントやスタッフまでもが、「うんうん」「可愛い」と頷いている。
なんだこの空気は。老人ホームの慰問に来たんじゃないんだぞ。
(くっ……負けるか! もっと隙を見せて、ツッコミ待ちをするんだ!)
俺は作戦コード『ドジっ子』を発動することにした。
続くグルメリポートのコーナー。
紹介されたのは、クリームたっぷりの特大シュークリームだ。
「わぁ〜! おっきぃ〜♡ 私の顔くらいありますねっ!」
俺はシュークリームを両手で持ち、あざとく顔の横に並べてみせる。
そして、わざと大口を開けてかぶりついた。
ガブッ! ムニュッ!
計算通り、中のカスタードクリームが溢れ出し、俺の鼻先や頬にべっとりと付着する。
どうだ! 汚いだろう!
アイドルの顔がクリームまみれだぞ!
「食い方汚ねぇよ!」とか「顔で食うな!」って罵倒してくれ!
「ああっ! 八重ちゃん、お口についても可愛い〜!」
「まるでCMのワンシーンみたいだねぇ」
アシスタントのお姉さんが、すぐさまハンカチを持って飛んできた。
「八重ちゃん動かないでね〜、拭いてあげるから。……はい、キレイになったよ」
「あ……ありがとぉございまぁす……」
……優しすぎる。
まるで赤子を扱うような手つきで、優しくクリームを拭き取られた。
俺が求めていたのは、そんなバブみ溢れる介護じゃない。
「自分で拭けよ(笑)」って投げ出される放置プレイだ。
その後も、俺への『接待』は続いた。
クイズコーナーで的外れな回答をすれば「その発想はなかった! 天才!」と持ち上げられ。
特技のダンスを少し披露すれば「後光が見えた」「寿命が延びた」と拝まれ。
エンディングでは、司会の石田さんに「また絶対来てね、おじさんが美味しいお菓子用意しとくから」と、完全に孫扱いされて終わった。
「はい、カット! お疲れ様でしたー!」
「八重ちゃんお疲れ! いやー華があったねぇ!」
「これ、局のノベルティグッズ! 全色あげる!」
収録後。
スタッフたちに囲まれ、俺は引きつった笑顔でお辞儀を繰り返していた。
「ありがとうございまぁす♡ 嬉しいですぅ♡」
いらねぇ……。
手には大量のタオルやボールペン。
誰も俺を傷つけない。
誰も俺を汚さない。
俺が座っていたパイプ椅子には、いつの間にか高反発のクッションまで敷かれていた。
(……不完全燃焼だ)
楽屋に戻る廊下を歩きながら、俺は深い深いため息をついた。
チヤホヤされるたびに。
大事にされるたびに。
俺の中の「ドMなオッサン」が、飢餓感で干からびそうになっていた。
「八重さん、お疲れ様でした。初回にしては上出来ですね。SNSの反応も上々です」
「……上出来? 何もしてないよ。ただニコニコして、クリーム拭いてもらっただけ」
「それが求められているのです。あなたのその『守ってあげたい』オーラは、最強の武器ですから」
柚子さんが淡々とタブレットを見ながら言う。
画面には『八重ちゃん尊い』『国の保護指定にすべき』という、甘ったるいコメントが並んでいる。
俺は元オッサンで、カスみたいな人生しか歩んでこなかった。
こんな俺に、優しくなんてする必要ないのだ。
「……守護とか、いらないのに」
ボソリと呟く。
俺が欲しいのは、泥水と罵倒と、痛みだ。
社長のレッスンのような、あのヒリヒリするような暴力的な時間が恋しい。
こんな……こんな、綿菓子で窒息させられるような毎日じゃ、俺の精神が持たない。
「……柚子さん。今日、この後って」
「オフです。明日は雑誌の撮影が朝からあるので、今日は直帰させます」
「……そっか。ありがと」
オフ。
一人きりの時間。
誰の目もない、誰にも「清純派」を演じなくていい、閉ざされた空間。
俺は無意識のうちに、スカート越しに内股をぎゅっと擦り合わせた。
子宮の奥に、黒く澱んだ熱が溜まっている。
チヤホヤされすぎて行き場を失ったストレスと性欲を、どうにかして排出しなければ。
「…………ちょっと寄るところあるから、先に帰るね」
「はい、わかりました。……変なことしないでくださいよ」
抜け目なく釘を刺されてちょっとドキッとするが、すまん。
今すぐ発散しないとどうにかなりそうなんだワ。
「……今日はお疲れ様でしたぁ♡ またお仕事一緒になったらお願いします♡」
アイドルスマイルでプロデューサー筆頭に現場のスタッフ達にも丁寧にお辞儀をしてその場を後にする。
テレビ出演の感触はまずまずといったところだろう。
だからこそ、これからもこのキャラで売っていく為にストレスの発散を確立させねばならない。
「…………ちょっと興味もあったしぃ」
駅のトイレでこっそりと着替えを済ませた俺は、夕方の帰宅ラッシュでごった返す駅の構内を歩いていた。
変装は完璧だ。
顔の半分を覆う大きめのマスクに、黒縁の伊達メガネ。
華やかな銀髪はまとめてキャスケットの中に押し込んでいる。
一見すれば、原宿あたりにいそうな今どきのオシャレ女子だ。
だが、その服装の「中身」は狂っている。
「……んっ、くぅ……。風が……直接当たる……」
身につけているのは、薄手のオフショルダーニットと、お尻が隠れるかどうかも怪しい超マイクロミニのプリーツスカートのみ。
そしてその下は──正真正銘の、すっぽんぽんだ。
トレンチコートのような「逃げ場」はない。
もし今、強い突風が吹いたり、誰かがスカートの裾を引っ掛けたりすれば、俺のあられもない秘部が白日のもとに晒される。
そのスリルが、チヤホヤされすぎて麻痺していた俺の脳髄をジリジリと焦がしていく。
(うわぁ……うわぁ。本当にノーパンになっちゃった。
さっきまで清純派アイドルって言われてたのに、今はノーパンでオッサンだらけの改札抜けてる♡
バレたら芸能界追放どころか、伝説の放送事故として歴史に残るレベルだ……♡)
俺は少しガニ股気味になりそうな足を必死に閉じながら、電車へと乗り込んだ。
車内はそこそこの混雑具合だ。
俺はドア付近の優先席が空いているのを見つけ、そこへ滑り込むように腰を下ろした。
目の前には、吊り革に捕まる数人のサラリーマン。
そして向かい側の席には、疲れ切った顔でスポーツ新聞を読んでいる、冴えない中年男性が座っている。
(……いいなぁ、あのおじさん。疲れてそうだし、ちょうどいいご褒美になるかもなぁ……♡)
電車の揺れに合わせて、俺の短いスカートの裾がヒラヒラと頼りなく舞う。
太ももの裏側が、電車のシートの起毛素材に直接触れてチクチクする感覚。
それがまた、「直穿き」している事実を強調して俺を興奮させる。
ガタンッ、ゴトンッ……。
「……んっ……♡」
電車の振動が、下から直接おまんこに響く。
愛液がじわりと滲み出し、シートを汚さないか心配になるレベルだ。
──プシュー。
電車がカーブに差し掛かり、車体が大きく傾いた、その瞬間だった。
俺は踏ん張るフリをして、組んでいた足をふわりと組み替えた。
わざと、大きく、スカートの防御力をゼロにするように。
パカリ……♡
無防備に開かれた太ももの間。
本来ならパンツのクロッチがあるはずの場所に、何もない。
あるのは、つるつるに処理された白磁の恥丘と、興奮で充血し、愛液でテラテラと光るピンク色の「ワレメ」だけ。
「…………ッ!?」
向かいのオジサンが、新聞から顔を上げた。
そして、その目が釘付けになった。
偶然じゃない。確信犯的に見せた。
オジサンの目が大きく見開かれる。
「え?」「まさか?」「ノーパン?」
そんな驚愕と困惑、そして隠しきれない劣情が、その濁った瞳に宿るのを俺はハッキリと確認した。
(見た……! ほら、これがさっきテレビで「守ってあげたい」って言われてたアイドルのおまんこだよ!
パンツも履かずに街中歩いてる、発情したメス豚の秘部だよっ……!!♡)
オジサンは固まったまま動けない。
俺の股間の奥まで視姦している。
俺は慌ててスカートを直すフリをしながら、マスクの下でニチャァと卑猥な笑みを浮かべた。
ゾクゾクゾクッ!!
背筋を突き抜けるような背徳感。
羞恥心なんてとっくに消し飛んでいた。あるのは「見られた」という事実に対する、爆発的な興奮だけだ。
プシュー。
駅に到着し、ドアが開く。
俺は逃げるように──しかし、スカートの裾から愛液の滴る内股を見せつけるようにして、電車を飛び出した。
「はぁっ、はぁっ……! やばいっ、濡れすぎて歩けないっ……!」
足がガクガクと震える。
太ももの内側がヌルヌルと滑る。
俺は本能のままに、ホームの端にある公衆トイレへと駆け込んだ。
バタンッ! ガチャンッ!
誰でもトイレの個室に入り、鍵をかける。
その瞬間、俺はスカートを捲り上げ、便座に座ることも忘れてその場にしゃがみ込んだ。
「あぁっ♡ もうダメっ♡ 我慢できないぃっ……!!」
ビチャビチャと音を立てて、もはや洪水のようになった秘部に指を突き立てる。
ズプッ! ヌチュッ! グチュチュチュッ!!
「あ゛っ、あ゛ぁっ♡ オジサンの目っ、すごかったぁっ♡
俺のおまんこ見てっ、目が点になってたぁっ♡」
薄汚い駅のトイレ。
アンモニアの臭いと芳香剤が混じった不快な空間。
そこで、国民的清純派アイドルが、マスクも外さずにガニ股でオナニーに耽っている。
「ひグッ♡ んあっ♡ イイっ、この安っぽさがイイっ♡
俺なんてっ、所詮は駅の便所でシコるような変態なんだよぉっ♡」
二本の指で膣内を激しく掻き回し、親指でクリトリスを擦り潰す。
鏡ごしに自分の顔を見る。
伊達メガネは曇り、マスクは涎で濡れ、目は完全にイッてしまっている。
「見てっ、神様見てっ♡ これが如月八重の正体だよぉっ♡
守る価値なんてないっ、ただの露出狂の肉便器だよぉぉぉぉっ♡」
ズポッズポッ! ぬちゃぬちゃ!
下品な水音が個室に反響する。
脳裏に焼き付いているのは、さっきのオジサンの驚愕の表情と、テレビ局での過剰な「優しさ」の対比だ。
「イクッ! このまま汚くイッちゃうっ!
誰にも知られずにっ、便所の床に潮吹き散らかしてイッちゃううううううっ!!♡」
俺はつま先立ちになり、痙攣しながら指を根元までねじ込んだ。
ドピュッ! ブシャアアアアアアッ!!!
「あひぃいいいいいいいいいいっ!!??♡」
盛大な音と共に、大量の潮が噴き出した。
スカートを汚し、タイルの床に白濁した水溜まりを作る。
俺は白目を剥き、よだれを垂らしながら、駅のトイレの片隅で、誰よりも汚く、誰よりも幸せな絶頂を迎えたのだった。