※この作品はR-18です。

量産型魔法少女   作:Toygun

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量産型魔法少女 03 消極的な協力

「ペアだったのか」

『ご存知なかったので?』

 

廃ビルの屋上、離れていく自分に似た装束に対しつい口にした。そういうパートナーも知らなかったわけだが、それ以前に引き摺る程のマントにフード、隠蔽優先の装束だ。あれに更に何らかのマジックを使っていてもおかしくはない。

 

「能力の割りに生き残っている理由はそれか」

 

戦闘能力に難があっても耐久性はピカ一の前衛、常にアンブッシュで待機している支援担当。生き残る事を優先するなら、手堅い構成だ。ただまあ、

 

「ファミリアに忌避感がない、というのは有り難いが」

 

無さすぎるというのもな、と呟く。

 

『気の迷いでしょう、ええ、そうですとも』

 

そう言うことにしておいてやれ、と言わんばかりにパートナーは語気を強めた。私としてもその方がいいと思う。あれは薬物の影響下の出来事だ、正気ではない。コマユバチが伝えてきた興奮状態の彼女―欲情した彼女の幻影を振り払いつつそう評した。インクブスの恐怖から逃げ込む先が私のファミリアでは、幾らなんでも救いがない。

 

 

「シルバーロータス様」

 

別方向から戦域に参入していたアズールノヴァだ。

 

「お疲れ」

 

「この程度、どうって事はありませんわ」

 

彼女の実力ならオークごとき差程ではないだろう、通常ならば。

 

「不意打ちには気を付けた方がいい」

 

徒歩で廃都に消えていく二人を見ながら、基本単騎の彼女につい忠告してしまう。

 

「ご忠告、有り難くいただきます」

 

彼女も去って行く二人を見る。

 

「ナンバー444のブルーウインド、それにブルファントムですね」

 

「そんな名前だったのか」

 

「実力があるとは言い難い方々ですが、ずっと活動していますわ」

 

成る程、生存特化型の古参か。ある意味気が合うわけだ、必要以上に馴れ合うことなく失っても気にしない、いなくなっても気にするなと。

 

考えすぎだ、私達は―彼女らは兵士じゃない。

 

『ブルファントムという方は?』

 

「そもそも他の方に認識されているかどうか。私も直接会った時にそう名乗られただけですので」

 

「徹底しているな、それだけ彼女の支援があのペアの命綱なんだろう」

 

「詮索するのもなんですけど、おそらく転移系でしょう、色々な所でお会いしますし」

 

確かに、大分遠いエリアのファミリアもそこで彼女に会う時があったな。

 

「急にファミリアの前をふさいだかと思えば、運べないらしいゴブリンの骸の山を押し付けられた事もあったな。事の運び方が上手いのだろうな」

 

本当に弱いのなら群れをまとめて退治など困難だろう。

 

『ファミリアを見かけたので後始末を考えなくていい、と開き直られただけでは?』

 

「否定はしない」

 

お互いに利用しているだけ、そう考えればいいだけだ。死ぬのはインクブスだけ。

 

「なんにしても口外無用だな、口を滑らして味方を危機にさらしたくない」

 

「同感ですわ」

 

 

 

 

 

 

「青い風、と青い幽霊か」

 

妹の弁当を作りながらつい一人ごとを漏らす。ほぼ夜にしか目にしないため認識しづらいが、青い髪に青いトーガではあったと思う。

 

『気になりますか?』

 

「もう一人に至ってはマントにフードで、何が青いのか分からないしな」

 

ただの白いフード付きマントだった。ただまあ、

 

「深い仲ではあるようだ」

 

言葉を濁す。

 

『バディですし、当然では?』

 

どうやらこのハエトリグモは聞き逃していたようだ。それならそれでいい。取り立てて二人の仲について吹聴することもない。

 

「そう言うことにしておこう」

 

 

 

 

 

 

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