妖精庁を辱め♡リレイ&ルミス&ミホロはお風呂場で羞恥まみれ 作:高牧園
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「もう、汗だくだわ」
ある日の昼下がり。
ルミスフィレスが唇を尖らせて呟くと、鶴音リレイも手で首元を仰ぎながら頷いた。
「暴走妖精が収まって良かったけど……暑かったね……」
妖精庁に暴走妖精の情報が寄せられ、リレイ、ルミス、そして織機ミホロの三人は先ほどまで対処に当たっていた。
暴走妖精がいたのは、よりによって遮蔽物が何もないビルの屋上。七月の真っ昼間、焼き付ける太陽の下に立っていた三人は暑さに体力を奪われ、全てが終わる頃には汗だくになっていた。
「汗でビショビショ……早くさっぱりしたいなぁ……」
身体を引きずるように歩いていたリレイは、ふと足を止める。
「リレイちゃん、どうしたの?」
小首を傾げるミホロがリレイの視線を辿ると、そこには小さな銭湯があった。
昔ながらの小ぢんまりとしたお風呂屋さんといった雰囲気で、まだ早い時間なのもあって中に人はいない。番台らしいおばあちゃんが退屈そうにクロスワードを解いていて、店内の薄暗さから見てもあまり繁盛している様子はない。
「銭湯だ……ねえ、寄って行かない?」
リレイの問いに、ミホロはコクリと頷き。
「汗もかいちゃったし、すっきりしてから帰った方がいいかも」
「えぇ? 寄り道するの?」
ルミスは露骨に眉を寄せるが、眉間の皺に沿って流れる汗の気持ち悪さには勝てず、不承不承と銭湯に足を向ける。
「まあ、たまにならいいけど――」
「女湯には週替わりの香り湯もあるんだって! 楽しみだなー!」
「ちょっと、聞きなさいよ!」
楽しそうなリレイに、つんけんしつつもお風呂に行く気になったルミス。そんな二人を微笑ましく見つめるミホロ――を、銭湯の中から伺う影がある。
「……♪」
番台の後ろから三人の様子を伺っていた妖精は、ささやかな悪戯心から力を発揮。
すると、番台のおばあちゃんの後ろで男湯と女湯の札が付け替えられてしまう……しかし、おばあちゃんはクロスワードに夢中で、三人からはその様子は見えていない。
「もう汗だく。早く入ろう?」
微笑むミホロと連れ立って、三人は銭湯に入る。
番台のおばあちゃんはクロスワードに目を向けたまま三人を通す。付け替えられた札を見て女湯のある右手の戸を開け、リレイたちは汗に濡れた服を脱ぎ始める。
「誰もいないのね」
先客のいない脱衣室を見回してルミスは呟く。
整然と並んだ脱衣かごには誰の荷物も入っておらず、浴室にも誰もいないようだ。独占状態の浴場には太陽の光が燦々と降り注ぎ、湯船に浸かると渋っていたルミスも寛いだ表情に変わる。
「ん……気持ち良いじゃない……」
「ルミちゃんも気に入った?」
「私たちしかお客さんがいない時間で、広々使えて嬉しいね」
微笑むミホロが言う頃、銭湯には新たに六名の客が現れていた。
「あっちぃ……早く入ろうぜ」
「おう」
全員男で、何らかの仲間内と見える。彼らが銭湯に入るやいなや、番台の影にいる妖精は目を煌めかせて、もう一度悪戯の手を伸ばす。
妖精が狙うは脱衣室に掛けられた札。『男湯』『女湯』の札を再び入れ替えた妖精は、男達に見つかる前にと再び身を潜ませてしまう。
「――ん?」
誰にも気付かれないまま姿を眩ませる妖精だが、浴室のリレイだけは声を上げて。
「リレイちゃん?」
「あ……いえ、さっき、何か音がした気がして」
「音?」
髪をまとめるタオルを調整しつつ問い返すミホロに、耳を澄ませつつ頷くリレイ。
「なんかこう……イタズラが成功した時みたいな音っていうか……?」
「……確かに、何か聞こえた気がするわね」
「そうだった?」
妖精の音に敏感なリレイが言い、妖精のルミスが頷き、うまく聞き取れなかったミホロは苦笑。
「今日はもう事件とか起こらないといいなあ……あ、誰か来るみたい」
言うミホロでも聞こえる物音は、脱衣室から。
数名が入ってきたのが物音で分かる。ミホロがリレイとルミスに視線を向けると、二人はそろそろ上がる頃合いと見えた。ミホロは二人を先導する形で湯船から上がり、脱衣室の戸を開ける。
「――――え」
引き戸を開けると、今から風呂に入る途中の男六人がそこに立っていて。
「え、」
「……あ……!?」
戸惑いと混乱にリレイとミホロは硬直――男たちも想像していなかった事態に、ぎょっとした表情のまま固まっている。
「え、っ……!?」
口をパクパクさせるリレイの隣、ルミスの頭には先ほど聞こえた楽しそうな音がよぎる。
(イタズラしたような音だったけど、あれって、もしかして――!?)
間違いなく妖精の仕業だと確信するルミス。
その考えに至らないリレイとミホロはパニック状態。慌てて身体を隠そうとするも、小さなフェイスタオル一枚ではあまりに頼りない。縦一枚のタオルを身体の前面に張り付かせて屈むことで乳首と割れ目を隠す二人だが、屈む姿勢のせいもあって胸の膨らみは谷間まで丸見えだ。
「こ、ここ女湯ですよ……!?」
「……! ……!!」
悲鳴に近い声を上げるリレイと、真っ赤な顔で何度も頷くミホロ。
素っ裸の男たちは一足先に冷静さを取り戻した。戸惑いの中にほのかな好奇心を覗かせて三人を見やる男は「いや」と口を開いて。
「入る前にちゃんと確認したけど、ここは男湯だったぞ」
「そうそう、全員見たよな?」
「おう。さすがに女湯と間違えることはねえって」
「で、でも私たちは女湯に――」
真っ赤になりながらもミホロは抗弁しようとするが、男の一人は脱衣室から首だけ伸ばして入口の表示を確認して。
「うん、男湯だ」
「もしかして、露出狂か? 女湯だと思ったんですぅ~って言いながら男湯に入ってくる変態女とか?」
「……!!」
男たちの心無い言葉に絶句するリレイとミホロに、ルミスは身体を隠しつつ囁きかける。
「リレイ、ミホロ……多分、さっきのイタズラっぽい音ってこれじゃないかしら……男湯と女湯が入れ替わってた、とか」
「こ、これイタズラじゃ済まないよね……!?」
「どうしよう……ま、まずは服を着ないと……」
顔を突き合わせてヒソヒソと会話をする三人の姿を、男たちはジットリした目で見つめていた。
「全員上玉だな」
「逆ナンでもすりゃ入れ食いだろうに、それじゃ満足できない変態なんだろうよ」
「カワイソー。俺らが満足させてやるか?」
前を隠すのに必死になってあらわになったヒップラインや、タオルからはみ出た乳房を眺めつつ下世話な会話を繰り広げた男たちは、ミホロらの前を塞ぐように立ちはだかる。
「あ、あの、とにかくもう出ますから……!」
顔を上げたミホロは脱衣室へ行こうとするのに、男たちは行く手を阻む。
「……!?」
入口を塞がれてしまってたたらを踏むミホロは、戸惑いながら彼らの顔を見上げる。
「あの……」
困ったように眉を下げて男たちを見上げるミホロの顔は抜群の美しさ。
好ましい見た目の女三人を変態だと思い込んだ男はニンマリ笑って一歩進み、ミホロたちを浴場へ追い込む。思わず下がってしまった彼女たちを取り囲んで、無遠慮な視線を三人の身体に注ぐ。
男は六人いるが、リーダー格の男が先頭に立っている。中肉中背、これといって特徴のない容姿だが、眉が太く意志の強そうな目元が恐ろしい。その男は両隣にいる男二人と特に親しいようで、後ろの男三人を顧みることなく隣の二人に問いかける。
「昼田、夜野、お前らはどの子が好きだ?」
中肉中背の男が尋ねると、昼田(ひるた)と夜野(やの)と呼ばれた男たちはギョロギョロした目を三人に向ける。
「……!」
裸にタオル一枚しかない状態でむき出しの欲望に晒されて、ルミスの肩が強張る――夜野は、そんなルミスを指差して。
「俺はこの子かな、胸もデカいし下の毛も生えてなさそうな感じする」
「!!」
日焼けのない細い男の言葉に、ルミスはタオルで殊更にタオルを押さえつける。
小さなタオルで下を隠せば豊かなバストがこぼれそう。ぺろんとタオルの上辺がめくれると、一番背が高くて体格の良い昼田はルミスの胸を覗いて。
「お、乳輪見えた。朝倉も見てみ」
「な――!!」
中肉中背の朝倉(あさくら)は促されてルミスの胸元を覗く……男たちの遠慮ない視線に晒されて震えるルミスの姿はとても見ていられず、ミホロはルミスをかばうように前に進み出る。
「やめてください、こんなこと……!」
「お? おっぱいちゃんが前に出た」
「……!?」
急に下品なあだ名で呼ばれたミホロの顔が強張る。
今度はミホロの胸に男たちの視線が集まる――凍りついたように動けなくなるミホロと、更にリレイまで彼らの無遠慮な視線に晒されて。
「こっちのお姉さんおっぱいデカすぎるよなぁ」
「でも、この子は健康的に引き締まっててエロくね?」
「言えてる。てか二人ともマン毛チラ見えしてるし、誘ってるでしょ」
ニタニタと笑いながら卑猥な言葉を繰る男たちの股間は力を持っている。必死で身体を隠そうとする彼女たちに対して男たちはむき出しのサオを跳ねさせながら三人のカラダを凝視する。
「っ、コイツら……」
低く、地の底から這い出るような呻きを上げたルミスは、恥ずかしさと怒りに肩まで真っ赤。
「――実力行使しかないわ」
覚悟を決めた呟きとともに、ルミスが動き出そうとした瞬間。
「あ、てかこの子たちアレじゃね、妖精庁、だっけ?」
昼田が、唐突にそんなことを口走る。
「!!」
その瞬間、三人の顔色はサッと青ざめ、身体が勝手に震えだす。
彼女たちの反応が何よりの答え合わせだった。「へえ!」と朝倉は大きい声を出し、夜野は情報を噛みしめるように妖精庁と呟きながら、改めて三人の裸身を眺める。
「あ、……あ……」
特に、ミホロの反応は大きい。
会社勤めをしながら妖精庁に協力するミホロからすれば、自分の身元を知られることは積み上げてきた全てが危険に晒されることと等しい。ミホロの顔は青くなったり赤くなったり目まぐるしく、リレイとルミスも絶句したまま何も言えない。
「へえ~? お役人サンなのに、こんな変態趣味持ちなんだ?」
厳密には妖精庁職員はリレイだけではあるものの、そんなことは関係ない。
彼女たちの情報をひとつ握った夜野はニヤリと笑って、ねちっこい口ぶりでリレイたちに尋ねる。
「妖精庁って出来たばっかだよな? ただでさえ微妙な立場なのにこんなのがバレたらヤバいんじゃねえの?」
「っ……!」
呆然とするミホロは身動きが取れず、リレイは唇を噛んだまま押し黙る……二人にとって、妖精庁がトラブルを起こすことがどれほど重いことか分かっているから、ルミスは実力行使に出ようとした手を止めて事の成り行きを見守るしかない。
「ふぅ~ん、妖精庁ねえ……」
ニヤニヤ笑いながら、朝倉は残る五人と目配せ。
彼女らのウィークポイントを突いたと分かって、男たちは目の前にいる極上の獲物をどう調理しようかと考え始める――弱みを握られて震え上がる女たちはほとんど抵抗の意欲も見せないのだから、彼らの胸には苛烈な欲望が花開く。
(せっかくだ、思いっきりやっちまおうぜ)
(徹底的にな)
昼田と夜野がヒソヒソ言って、朝倉はリレイたちに向けて告げる。
「そんなにビビんなよ。せっかくの縁だし、まずは自己紹介をしてくれよ」
言って、男たちは端的にフルネームと会社名を告げる。
パニック状態に陥った三人は彼らの苗字を覚えるのがやっとで、下の名前も会社名も記憶に残らない。
「ほら、俺らも言ったんだから自己紹介だ。本名フルネームと、所属……会社名とか色々、教えてくれよ」
早く早く、と急かされて、頭の中の整理もできないままリレイは口を開く。
「……鶴音リレイです。その、妖精庁職員です……」
「リレイちゃんはお役人サンかぁ~! やっぱお堅いんだろうなあ、もしかして処女だったり?」
「っ……!!」
不躾な問いに、タオルの端をぎゅっと掴んで身を縮めてしまうリレイ。
「……ルミスフィレス。妖精よ」
「名前長ぇな、ルミちゃんでイイ? ルミちゃんはパイパンっぽいけど、妖精って皆そうなの?」
「そんなの……何だって、いいじゃない……」
ニタニタとタオル越しの下半身を眺め回され、悔しさを滲ませつつ呟くルミス。
「織機ミホロです。○○社の社員、です」
「へえ、あそこの! 社員証用の写真、今撮ってあげよっか? スリーサイズも教えてよ」
「し、知りません……」
下世話な疑問をぶつけられ、力なく呟くミホロ。
フェイスタオルからはみ出た身体に男たちの視線が容赦なく突き刺さる。耐えがたい羞恥に襲われるミホロは、それでも必死に己を鼓舞して、男たちに視線を向ける。
(私が、しっかりしないと……!)
泣き出してしまいそうになりながらも、ミホロは気丈さを保とうとする。
もっとも、今まで経験したこともないほど辱められて冷静でいられるわけもない。ミホロの目は潤み、湯上がりの火照った身体はプルプル震え続けてみっともない――それでも、ミホロは彼らにこう言った。
「もう、いいですよね……? すぐ出て行きますから、解放してください……!」
タオルを掴む指先すら震わせての懇願に、朝倉は決然と首を振る。
「いやいや、まだ始まったばっかだろ? ゲームしようぜ」
「ゲームって……」
「三回勝負だ」
言って、朝倉はミホロの眼前で指を三本立てる。
「ミホロさん達が一回でも勝てたら、その場で解放してやる。今日見たことも全部忘れてやるよ」
ただし、と言うと、男たちの顔には笑みが広がって。
「一回も勝てなければ、そのエロい身体は俺たちのモノだ」
「それって――」
「犯す」
昼田の端的な補足が、ミホロたちの心をえぐる。
(犯――)
ますます顔から色を失くす三人の美女の様子は、それだけで興奮を煽り立てる。
三回勝負のうち、ミホロ達は一回勝てば良く、朝倉らは全勝しなければいけない――ルールだけ見ると男どもが不利だが、彼ら卑劣漢は負ける気などさらさらない。
「さァて、ゲームの時間だぜ?」
犯る気満々の笑顔で、朝倉は第一ゲームの開始を告げる。