春休みの静寂が、夜の高度育成高等学校の女子寮を包み込んでいた。
学期中の喧騒が嘘のように静まり返った廊下の奥、櫛田桔梗の部屋の中だけは、外の静けさとは対照的な、濃厚で不穏な空気が満ちていた。
「——ねえ、春樹くん。恵ちゃんの情報まとめておいたよ」
完全に山内春樹の支配下に入り、従順な僕(しもべ)となった櫛田は、机の上に広げたノートを指差しながら、おねだりするように山内を見上げた。その瞳には、かつて学年の人気者として君臨していた面影はなく、ただ目の前の主人に褒められたいという狂信的な色が浮かんでいる。
「恵ちゃんは表向きは強がっているけれど、実は中学時代にひどいイジメに遭っていたっていう決定的な弱みがあるの。それを突けば、絶対に逃げられないわ。……この春休み中なら、周囲の目も届きにくいし、クラスの連中に気づかれずに処理できる絶好のチャンスだよ」
櫛田は山内の膝にそっと手を置き、具体的な接触方法を提案し始める。
「でも、恵ちゃんって警戒心が強いじゃない? 春樹くんが普通に近づいても部屋に入ってくれないかもしれないわ。だから、私が『どうしても今夜中に話したい大切な相談がある』って言って、夜中に彼女の部屋を訪ねるわ。私が普段通りの『良い子』を演じれば、あの子は絶対に疑わないでしょ?」
「なるほどな。で、中に入り込むってわけか?」
「うん。それより確実な方法にするわ」
櫛田は妖艶な笑みを浮かべ、山内の耳元に唇を寄せた。
「ドアを開けさせたら、私が話を長引かせたり、内側からドアノブを固定したりして、わざとドアを開けた状態をキープしておくの。ロックがかからないようにね。春樹くんは廊下の闇に隠れて待機しておいて、私が合図を出したら一気に侵入するの。そうすれば、誰にも邪魔されない完全な密室が出来上がるわ」
「ひゃはは! 完璧じゃんか、桔梗! わざとドアを開けとくなんて、お前マジで頭いいな!」
完璧な作戦がまとまったことに興奮した山内は、櫛田の頭を乱暴に撫で回した。櫛田はその手に猫のように嬉しそうに目を細める。
「お役に立てて嬉しいです、春樹くん……。ねえ、作戦を頑張るご褒美に……もっと、春樹くんのすごいやつ、私にちょうだい……♡」
櫛田は熱っぽい吐息を漏らしながら、山内のジッパーに手をかけた。躊躇うことなくその場に跪き、取り出した肉茎を両手で握りながら恍惚の表情で奉仕し始める。
じゅぶ…じゅぷ……
「くぅ、いい口してんな……!」
「んむ……春樹くんの……んん、硬くて大きい……おいしいよぉ……」
しばらくして山内は櫛田をベッドへ押し倒し、背後から猛烈な勢いで腰を叩きつけ始めた。
パンパンパンパンと肉と肉が激しくぶつかる結合音と、ぐちゃぐちゃという淫らな水音が室内に響き渡る。櫛田はかつての聖女のプライドなど微塵も残さず、白い肌を紅潮させて狂ったように喘ぎ声を上げた。
「あ、あぁっ……! は、春樹くん……っ、すごいの入って……あぁッ!」
山内はその瑞々しい身体を蹂躙しながらも、その視線はすでに次の獲物へと向いていた。
(軽井沢が……今の桔梗みたいに俺のナニに縋り付いて、泣き叫びながら堕ちていくんだ……)
耳元で響く櫛田の甘い喘ぎ声をBGMにしながら、山内の脳裏には、夜の密室で恐怖に顔を歪め、やがて自分なしでは生きられない身体へと調教されていく軽井沢恵の陥落光景が鮮明な映像となって広がっていた。
「この学校の女は全員……俺が支配してやる……ッ!」
圧倒的な征服欲と支配の確信が山内を突き動かし、彼は歪んだ笑みを浮かべたまま、櫛田の最深部へと自身の熱い欲望を激しく叩きつけた。
春休みの昏い闇の中で、次なる絶対的な支配へのカウントダウンが、今確かに始まった。
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ーーーーーー
春休みの中盤。高度育成高等学校の女子寮は、学期中の喧騒が嘘のように消え失せ、深夜の靜寂に沈み込んでいた。白い光が無機質な壁を照らす。誰も歩かない通路を、一人の少女の足音が規則正しく響いていく。
櫛田桔梗。
ショートボブのベージュ色の髪が、歩くたびに小さく揺れる。誰からも愛される完璧な「聖女」の笑みを浮かべた彼女が足を止めたのは、Dクラスのギャル係リーダー、軽井沢恵の部屋の前だった。
スマートフォンの画面で時間を確認する。午前二時十七分。常識的な人間なら誰もが眠りについているか、自室で一人の時間を過ごしている時間帯だ。櫛田は迷うことなく、呼び出しボタンに白い指を伸ばした。
ピンポーン。
靜寂を破る電子音が室内に響く。しばらくの沈黙の後、不機嫌そうな足音が近づき、ドアチェーンが外される金属音がした。
「何よ、こんな夜中に。非常識じゃない?」
怪訝そうな顔でのぞかせたのは、お気に入りのふんわりとした可愛いパジャマ姿に、特徴的なポニーテールを少し崩した軽井沢恵だった。普段の強気なメイクを落とした素顔には、深夜の訪問者に対する純粋な警戒心と不快感が浮かんでいる。
長い睫毛の下の瞳が櫛田を射抜く。
「ごめんね、恵ちゃん。こんな時間に突撃しちゃって」
櫛田は申し訳なさそうな、けれどどこか縋るような絶妙な表情を作ってみせた。クラスの誰もが信頼を寄せる「良い子」の演技だ。その瞳の奥には、計算された媚び諂いの輝きが潜んでいる。
「実はね、春休み中のクラスのことで、どうしても今すぐ恵ちゃんにだけ相談しておきたい大切なことがあって……。ちょっとだけでいいから、お話聞いてくれないかな?」
「相談? 明日じゃダメなの?」。背中をドアに預けるような不自然な体勢。軽井沢からは見えない角度で、櫛田は細い指先でドアノブをしっかりと掴み、ロックがかからないよう、わざとドアを数センチ開けた状態を維持した。
「ありがとう、恵ちゃん。本当に助かる。……最近、クラスの雰囲気がちょっとギクシャクしてる気がしてさ」
「そう? 春休みだし、みんな遊んでるだけじゃないの?」
軽井沢が背を向けて部屋の奥へ歩き出そうとした、その瞬間だった。
ガチャン!
と激しい音を立ててドアが完全に押し開けられた。廊下の暗闇から、大柄な男の影が弾丸のように室内に飛び込んでくる。
「な、何っ——!?」
軽井沢が驚愕して振り返る間もなく、男の太い腕が彼女の細い身体を組み伏せ、そのままベッドへと押し倒した。重力と圧力で肺が潰れそうになる。
「よう、軽井沢。夜分遅くにお邪魔するぜ?」
下卑た下品な薄笑いを浮かべ、上から軽井沢をのしかかるように見下ろしたのは、Dクラスの底辺であるはずの男、山内春樹だった。不格好な体躯に、欲望を剥き出しにした濁った瞳。普段の冴えない態度からは想像もつかない、獣のような獰猛さがあった。
「ん、んんっーー!?」
パニックになり、悲鳴を上げようとした軽井沢の口を、背後から近づいた櫛田の冷徹な手つきが素早く塞ぐ。先ほどまでの聖女の笑みは完全に消え去り、櫛田の顔には冷酷な、獲物をいたぶるような笑みが浮かんでいた。告げる弔鐘のように響いた。
「な、なによこれ……あんた、頭おかしいんじゃないの!? 今すぐ出ていって!櫛田ちゃん助けて!」
軽井沢は櫛田に縋るような視線を向けた。
だがそんな頼みのつな櫛田に山内が命令する。
「桔梗ちゃん、後は俺がやる。お前は外で見張ってて」
櫛田は「はい、春樹くん♡」と、とろけるような甘い声を上げた。彼女は軽井沢を裏切ったことへの罪悪感など微塵も見せず、むしろ山内に奉仕できる悦びに浸るように、
「恵ちゃん、山内くんの『すごさ』、たっぷり教えてもらいなよ?♡」
櫛田は軽井沢の耳元で囁く、軽井沢はその声への妖艶さに恐怖を覚えた。
冷ややかに言い残し、櫛田は優雅な足取りで部屋を後にした。パタン、とドアが閉まる音が、軽井沢にとっての「日常」の終わりを告げる弔鐘のように響いた。残されたのは、自分を組み敷く山内と、自分の支配者になったこの男だけだった。
「な、なによこれ……あんた、頭おかしいんじゃないの!? 今すぐ出ていって! じゃないと、あんたなんか……綾小路くんに言えば、すぐに……っ!」
軽井沢は必死になって山内を睨みつけた。彼女の細い胸の奥にある唯一の心の拠り所(盾)、自分をイジメから守ってくれるはずの絶対的な存在——綾小路清隆の名を、縋るように叫んだ。
だが、山内はその名を耳にしても、怯えるどころか愉快そうに肩を揺らした。下卑た笑みを深めながら。
「ひゃはは! 綾小路ぃ? あんな陰気な奴が、今のお前を助けに来てくれるわけねえだろ。……お前さ、あいつが万能の神様だとでも思ってんの?」
「なっ……」
山内はニヤニヤと笑いながら、手にしたスマートフォンの画面を軽井沢の目の前に突きつけた。そこに映し出されていたのは、軽井沢が命に代えても隠し通したかった、中学時代の凄惨なイジメの全記録、そして彼女の心の傷を抉る赤裸々なデータだった。
「これ……なんで、あんたがそれを……っ!?」
軽井沢の顔から、完全に血の気が引いた。全身の毛穴が収縮し、心臓が破裂しそうなほどの衝撃が彼女を襲う。あり得ない。なぜそれを、この男が。
「なんでだろうな? まあ、俺がお前を完全に支配するための『鍵』ってことだよ。新学期が始まった瞬間、これを学校中の掲示板と生徒の端末に一斉送信されたくなかったら……お前がどうすべきか、分かってるよな?」
山内の冷酷な宣告が、軽井沢の鼓膜を突き刺す。
中学時代の凄惨な記憶が鮮明に映し出された画面を突きつけられ、軽井沢恵の思考は完全にフリーズしていた。呼吸の仕方を忘れたように胸を上下させ、ただカタカタと歯の根を鳴らす。
「どうしたよ、軽井沢。さっきまでの威勢はどこ行っちまったんだ?」
山内はベッドに膝を突き、這い寄るようにして軽井沢との距離を詰める。その不格好で大きな身体から放たれる、容赦のない「悪意」の圧迫感に、彼女は悲鳴を上げることさえできなかった。唯一の救いであるはずの綾小路清隆の名を呼ぼうとしても、喉が完全に押し潰されて音にならない。
パニックに陥り、涙をボロボロとこぼしながらベッドの隅へと幾度も幾度も這いずり逃げようとする軽井沢。しかし、その細い足首を山内の無骨な手が荒々しく掴み、いとも簡単に引き戻した。
「嫌、いやっ……! 来ないで、触らないで……っ!」
「嫌がるなって。お前を可愛がってやるって言ってるんだよ」
山内は軽井沢のパジャマの胸元を乱暴に掴み、抵抗する彼女の身体を完全に組み伏せた。圧倒的な筋力の差の前に、彼女の細い腕は何の抵抗にもならなかった。恐怖で狂いそうになりながら涙を流す軽井沢の顔を見下ろし、山内はさらに彼女の心を絶望の深淵へと叩き落とす言葉を告げる。
「お前さ、自分が最初で最後の特別な被害者だとでも思ってんのか? 安心しろよ、お前で終わりじゃねえし、お前が最初でもねえんだわ」
「……え……?」
恐怖の隙間に、純粋な疑問が割り込む。山内はニヤリと下卑た笑みを深くし、彼女の耳元で信じがたい事実を囁いた。
「坂柳も、神室も、あの櫛田もさぁ……もう全員、俺のモノなんだよ。この春休み中に、2年の主要な女は全員俺の配下に収める予定だ。……そう、次はお前らのクラスのリーダー、あのすました堀北鈴音を堕としてやるんだよ」
「……っ!? うそ……嘘よ、そんなの……っ! あんたみたいな無能に、坂柳さんたちがそんなわけ……!」
必死の拒絶。しかし山内は「そう言うと思ったぜ」と鼻で笑うと、ニヤニヤしながらスマートフォンの画面をスワイプし、フォルダに保存された数枚の「写真」を軽井沢の眼前に突きつけた。
「じゃあ、これを見てからもう一回言ってみろよ」
「——あ」
画面に映し出された光景を目にした瞬間、軽井沢の喉が引きつったように鳴った。
それは、偽物や見間違いなどでは到底片付けられない、あまりにも生々しい「支配の証拠」だった。
一枚目は、あのAクラスの頂点に君臨する天才、坂柳有栖の写真だった。いつも冷徹な仮面を貼り付けている彼女が、衣服を乱され、愛液で汚れたシーツの上で、恍惚とした表情を浮かべながら山内に肉体を差し出している。
二枚目は神室真澄。常にクールで棘のある態度を崩さなかったはずの彼女が、ここでは完全に雌の顔になり、涙を滲ませながらもどこか嬉しそうに、自ら望んで山内の強大な肉茎を咥え込み、愛撫を受け入れている。その表情には、強者への服従の快楽に蕩けきった、自発的な歓びすら浮かんでいた。
そして三枚目は櫛田桔梗。学年一の聖女が、誰よりも卑猥な笑顔を浮かべ、自ら進んで山内の腰にしがみつき、快楽を貪っている決定的な瞬間。
「嘘……嘘でしょう、これ……っ」
決定的な現実を突きつけられ、軽井沢の脳裏に強烈な衝撃が走った。
彼女たちほど優秀で、プライドが高く、誰もが手の届かない場所にいるはずの存在が、屈辱に塗れるだけでなく、自ら嬉々としてこの男の蹂躙を受け、その配下として幸せそうに生きている——。
その信じがたい現実は、軽井沢の残されたプライドを完全に粉砕した。しかし同時に、彼女の傷だらけの精神の中で、奇妙で歪んだ「防衛本能」が激しく鎌首をもたげ始める。
(坂柳さんや櫛田さんだけじゃない……あの神室さんまで……あの人たちですら、この山内に逆らえずに、こんな……こんなに気持ちよさそうにしてる……?)
それは、屈辱を遥かに超えた、異常なまでの「安堵」だった。
独りで怯え、いつ剥がれるか分からない「偽りの女王」の仮面に縋り続け、過酷な実力至上主義の学校で常にビクビクと生きる日々。もし、そのすべてを諦めて、優れた彼女たちを文字通り「従順な雌」に変えた絶対的な強者——山内春樹の所有物になってしまえば。この男の圧倒的な力と、彼女たちをも蕩けさせた極上の快楽の庇護下に下ってしまえば、もう誰かに怯える必要もなく、自分の身の安全は最も確実に保障されるのではないか。
「……あ……、あ……」
思考のバランスが急速に崩壊していく。生き残るために、そしてこれ以上の恐怖から逃れるために、軽井沢の防衛本能は「山内の支配への寄生」という最悪の選択肢を、自ら受け入れようとしていた。
「へへ、いい顔になってきたじゃねえか。納得したろ? ……お前もあいつらと同じように、俺の言うこと何でも聞く忠実な犬にしてやるよ」
山内は軽井沢の瞳から拒絶の光が完全に失せ、従順な諦めと歪んだ依存の兆しが混ざり合う瞬間を見逃さなかった。欲望を限界まで膨ませた山内は、スマートフォンを放り出すと、パジャマのボタンを次々と引きちぎり、無防備になった軽井沢の白い肌へと、その獣のような肉体を押し付けた。春休みの深夜の密室で、かつての女王が安全を求めて強者に屈していく、背徳的な調教の幕が上がろうとしていた。
「嫌っ……やめて……っ!!」
心が折れた軽井沢は嫌がる声はだすがどこかそれはあきらめが混じったものだった。それでも身体は、生命として当然の生存本能によって抵抗しようとしていた。
「大丈夫だよ軽井沢はめっちゃ気持ちよくしてやるから、嫌がらず楽しめよ」
ボタンをすべて外された開かれた胸元に、そこには推定Cカップほどの美しい乳房が現れている。それは形がよく、白く滑らかな肌をしており、山内はその双丘に容赦なく吸い付きながら彼女の抵抗する両腕をベッドヘッドに押し付けて動かさないように完全に押さえつけた。その圧倒的な力の差の前では軽井沢の細い腕など何の意味もない。
「んっ…やめて、離して……っ」
軽井沢は涙で濡れた瞳を大きく見開きながら顔を左右に激しく振る。山内が今度は小さな尖りに吸い付きながら指で先端をくりくりといじると、
「ん、んあぁっ……!」
今まで感じたことのない鋭敏な快楽が彼女を貫き、その甲高い嬌声が部屋に響いた。自分で慰めた時とは比べ物にならない気持ち良さに思わず下腹部がキュッと疼き愛液が溢れてくる。
「はは!これからどんどん気持ちよくしてやるよ」
山内は完全に抵抗する気力を削がれた軽井沢に覆いかぶさるように抱きしめると乳房全体を揉み込みつつ先端を舌先で転がし舐め吸い上げた。
「ふぅっ……んんんーっ♡♡♡」
その巧みなテクニックによりたちまち快楽に溺れていき意識が朦朧としてしまう。
「あぁっ……そんな強く吸わないでよ……いぃ……」
無意識に懇願してしまうほど強い吸引によって乳首が伸びてしまいそうで恐ろしささえ感じてしまうものの逆らい難い快感を感じているのも事実であったのだ。
山内は左乳房だけではなく右乳房に対しても同様に行い軽井沢はただただ翻弄されるばかりとなり喘ぎ続けるしかなかったのであった。また新たな弱点を見つけてしまい余計混乱状態となるのである。
(こんな奴に負けたくないのに……)
それでも体が求めてしまう悔しさがあった。
ついには自分でもわからない内に腰を動かしていたようでそれに気づいた時には羞恥心と共に屈辱感も覚えていた。
「腰が動いているぜ。本当は欲しいんだろ?」
「そ、そんなわけないんむぅっ!…んぅあぅ」
軽井沢が否定しているなか山内はその口を塞ぐ。
んっ、んうっ!はぁっ、はぁ……んぅ。
山内は貪るように彼女の口を犯していく。粘ついた舌を這わせ、逃げ惑う軽井沢の舌を搦め捕り、口腔内を隅々まで蹂躙する。混ざり合った互いの唾液が糸を引き、軽井沢の唇の端から垂れて顎を伝っていく。それは今まで感じたことのない感覚であり気持ちよさすら覚えるほどなのである。
(こんなの初めて……こんなの知らない……っ)
軽井沢はいつしか自分もその行為に夢中になっていった。
ふぅ……はぁ……っ。
やっと解放されると大きく呼吸をするしかなかった。それほど深いものであったからだ。そこで初めて男との接吻を経験してしまい大きなダメージを与えられる結果となってしまうのだ。(キスってこんなにえっちなの……?)
そして再び山内の手が下へと移動し始め局部へと辿り着こうとしている事実に気づいた時も最早手遅れだったと言わざるを得なかったくらい迅速な行動力を見せてしまったのだ。
「ちょっ待って!そこはダメだってばぁ!」
慌てて阻止しようと試みるものの既に遅すぎてあっという間にパジャマのズボンも脱がされる。
下半身はショーツ一枚になりそのショーツは割れ目部分を中心に湿っていて色が変わってしまっていたことは明白でありそれを指摘されると赤面して俯いてしまうしかないのであった。
「なんだよこれは?随分濡れてるじゃないか」
グチュ、ヌチャといった音とともにショーツ越しに割れ目を擦りあげると更なる蜜液を分泌しシミを広げて行った。その様子を見られて恥ずかしさが増す一方だった。
「違うもん……っこれは汗で……っ」
「そうか?なら直接確かめてみるか」
そう言うなりあっという間に布地を横にずらし入り口を露出させる。
そこは既に準備ができておりヒクついており物欲しそうな様子を見せていたのだ。
勿論本人としては認めたくないところであろうが身体は正直であるためどうしようも出来ないことなのだと思い知らされることとなったのである。(どうしてこんなになってるんだろう……わたし変なのかも……)
混乱しながらも何もできずにいる間にも山内によって攻められている最中でもあるということであったため結局受け入れるしかない状況となってしまったのである。
山内はその花弁に沿って指を滑らせるとその膣穴へと挿入していく。まずは一本だけだが十分な潤滑油のおかげもあり容易く飲み込むことができてしまうほどの柔軟さを持っていることも判明してしまったことだろう。
「ひぃ!ダメェ!やめ……んぁあ!」
中をかき回すように動かすとその度に甘い声が漏れ出てくるという状態になってしまう始末であり最早抵抗する術など残されていないと言えるくらいまで追い詰められてしまっていたようである。(なんで気持ちいいの……?こんな奴に負けるなんて……
「まだ一本だぜ?もうこんなに善がって」
「ちがっ……あぁあ……ああっ!! イクッ!」
さらに激しく刺激を与えていくことでさらなる快楽を得ることができてしまうという悪循環にはまってしまうような状態になってしまっていたようで本人としても何とか耐えようとしているものの無駄な努力となってしまうのであった。(もう無理……我慢できないよぉ……!)
遂には我慢の限界を迎えたのか絶頂を迎えることとなってしまい大きな声を上げながら果ててしまうのであった。
「はぁ……はぁ……」
荒くなった息を整えながらぐったりとしており最早何も考えられないといった感じとなっているようでありただ呆然としているだけとなってしまっているようだ。
「まだだぜ」と告げるなり今度はクリトリスへ標的を定めそこを集中的に責めていくことにしたようでそこへ吸い付いて行く。
「ひぅ!そこはだめぇっ!おかしくなっちゃうっ」
舌先を使ってチロチロと舐めつつ時折強く吸ってみたり様々な手法で弄ってみせることにより次々と襲ってくる快感に対して為す術もなくただ流されてしまうしかなくなってしまうと言う感じとなってしまったようである。
山内は一度指を引き抜くと今度は二本同時に入れることに決めたようである。
ズブゥ! 「あぁっ!」
思った以上に簡単に入っていくことに驚きつつもさらに激しく掻き回すことによってより大きな反応を見せるようになったことに満足感を覚えつつ続けていった。
「ああぁっ!そこはだめぇ!」
膣壁を擦り上げるようにして動かすとそのたびに身体が跳ね上がり大きな声が上がるのであった。
「おお!ここが弱いみたいだな」
山内はその感触をしっかり覚え込んだようですぐさまそこばかりを重点的に攻め立てていくことに決めたようで執拗に攻め続けた結果ついに我慢の限界を迎えてしまったようである。
「あぁ……だめぇぇえ!」
軽井沢は背中を大きく仰け反らせながら痙攣し盛大に潮吹きをしてしまうのであった。
ジョロォオオ……
大量の液体が排出されベッドシーツに染みを作っていくさまを見て軽井沢は恥ずかしさでいっぱいになるしかなかったのだが今はそれどころでは無いと思わざるを得ないくらい混乱状態となっており何もできないまま時間が過ぎて行くしかなかったのである。(こんな量出したことないのに……)
全て出終わったあと放心状態となってしまいどうすることもできなくなってしまったのだがあまりにも無防備な姿を晒してしまったことで羞恥心が湧き上がり赤面してしまうほかなかったようだ。
「お前の中最高だぜ」
そういうと再びキスをしてきてその柔らかい唇を堪能したあと舌を入れて口内を犯していくとそれに応えるように彼女の方も舌を絡ませてきてお互いを求め合い濃厚なものへと変わっていった。
「はぁ……はぁ……」
ようやく解放されると二人共荒くなった呼吸を整えるのに必死であり特に軽井沢に関していえば意識が朦朧としている状態であったため暫く動けなくなっていたようだった。
「これから本番だぜ軽井沢、今からこれが全部お前の中に入るんだぜ」
そう言いながら山内はギンギンになったペニスを取り出した。
「あっ……」
(な、何あの大きさ……あんなのがわたしに入るの……?…でも怖いのになんだろう。すごく欲しいって思っちゃってる……)
見ただけで理解できたそれは今まで見たこともないサイズでありそれが今から自分の中に挿入されるという事実に恐怖を感じる一方で期待している自分も居ることに気づかされてしまい複雑な心境になってしまうのであった。
(どうしてだろう?……今からあれを挿れられるなんて絶対無理なはずなのに……)
「さぁてお待ちかねの時間だぜ」
そう言いながら彼女の入り口に宛がいゆっくりと挿入し始める。
「あっ……ああ!」
ミシッメリッ!
「んあぁ!」
今まで感じたことのない圧迫感に襲われ軽井沢は苦悶の声を上げてしまうもののそれとは裏腹に身体は喜んでいるようで蜜壺は愛液を大量に出して迎え入れようとしていたのだ。
「どうだ?俺の味は?」
「やぁ……んんっ 痛いっ」
「あぁ、初めだったのじゃあ、やり方を変えるか」
「あぁ、ああぁあっ!」
今まで少しずつ慣らしてきたおかげか痛みよりも快感の方が勝っているようでむしろもっと欲しいという意思表示なのか積極的に動くようになってきていた。
「おぉ、締め付けがすげぇな。これは癖になりそうだぜ」
ヌチャ……ヌチャヌチャ……! パンッパンッパン!
「あぁっ……当たってる……! 子宮口に当たってるよぉ!」
初めて感じる感覚に戸惑いつつも徐々に順応しつつあり今は快楽のことしか考えられなくなってきていた。
「だめぇ!そんな激しくしたら壊れちゃう!」
「まだまだこれからだろ?」
パンパンパンパン!「ひぃい!無理ぃっ!!」
今まで経験したことのない速度と勢いでピストン運動を行いそれに伴い激しい水音も聞こえてくるようになり部屋中に響き渡るようになる。
「あぁっ!そこ駄目ぇ!おかしくなるっ!」
激しい抽挿を繰り返しているうちに子宮口まで到達したようでそこからは亀頭が入り口に何度も触れてしまいその度に電流が走ったような衝撃を受けることとなってしまい軽井沢は悶絶してしまうしかなかった。
「ここか?ここが良いのか?」
そう言いながら執拗に責め立てるように突き上げていく。
「ひぅう!そこばっかり突かないでぇ!!」
そう言いつつも身体は正直であり膣内はキュウキュウと締め付けていき精液を搾り取ろうとしており本人の意思とは関係なく求めてしまっているようだ。
「出すぞ!受け止めろ!」
「えっ!待って!今出されたら私ぃっ!」
ドクンドクン……!! 大量の白濁液が解き放たれそれが胎内へと注ぎ込まれていき熱い奔流が流れ込んでくる感覚に襲われてしまったのだ。
「あぁあっ!出てるぅ!熱いよぉっ!!」
その快感によって軽井沢もまた同じタイミングで達してしまい盛大に潮吹きをしてしまうのであった。
「はぁ……はぁ……」
「あぁ……すごい……中にいっぱい出てる……」
軽井沢は虚ろな目で天井を見つめながら呟く。未だに中に留まっている肉棒から熱い液体が断続的に放たれておりその度に身体がピクンピクンと反応してしまうのだ。
「ふぅ……良かったぜ軽井沢」
そういうと山内はゆっくりと引き抜いていくと栓を失ったことで注ぎ込まれたものが溢れ出してきてしまいシーツに染みを作っていくのであった。
「さて続きを始めようか」
「えっ?嘘でしょ……もう無理だよぉ……」
「まだまだ付き合ってもらうぜ」
そう言いながら再び挿入していくと先程よりも滑りやすく簡単に奥まで入ってしまったようだ。
「んぅうっ!まだするの……?」
「当たり前だろ」
そう答えながらゆっくりと動き始めるとそれに合わせて彼女も動くようになり一緒に気持ちよくなろうとしているようである。
「ほら、お前も気持ちいだろう軽井沢、俺はお前乱暴に扱うつもりはないんだぜ」
山内は軽井沢の耳元で頭を撫でながらささやく。
(なんでだろう…山内なのにすごく安心できる……暖かい………)
「山内くん……」
軽井沢はそんなことを考えながら無意識のうちに抱きしめるように手を回していた。
「んっ……ちゅぷ……れろ……」
舌を絡ませてきたのでそれに応えるようにしながら行為を続けていき次第に激しいものになっていくのを感じていた。
パンパンパンッ!
「あぁっ!激しいよぉ!壊れちゃうっ!」
「耐えろよ!これからもっと激しくするからな!」
そう言われてより一層強く打ち付けられてしまい大きな声で喘いでしまうほどになっていたのである。(もう何も考えられないよ……気持ちいい事以外感じられない)
パンパンッパンパンッ! ヌチャヌチュッ! 肉同士がぶつかり合い卑猥な音を奏で続けている。それに混じり結合部からはいやらしい音が響き渡りそれが余計に興奮材料となっていたのであった。
「お前の中最高だぜ」
「私も……気持ちいいです……山内くんがほしいです……もっと突いてください」
そう言いながら自分から求め始めてしまうぐらいには虜になってしまっていたようで貪欲に求めていくのであった。
「俺に任せておけよ、気持ちよくしてやるからさ」
「はいっ……お願いします……」
素直に頷き答えると嬉しそうに微笑むとさらに速さを上げていったのだった。(なんて温かくて幸せなんだろう)
幸せな気分のまま快楽の渦に飲まれていくのであった。
それからどれくらい経っただろうか? もう何度果ててしまったか分からない程繰り返し絶頂を迎えてしまっていた軽井沢だが一向に衰える気配はなくそれどころかどんどん敏感になり易くなっているようで些細な刺激ですら反応してしまうようになっていたようである。
「あぁんっ!すごいぃっ!」
もはや何度目かも分からない絶頂を迎えたところでようやく止まってくれたようだがそれでも物足りなさを感じてしまう自分に驚きを隠せないでいたようで困惑した表情を浮かべていたようだ。
「どうした?」
不思議そうな顔をしている山内に対してなんと言えば良いのか悩んでいるようでなかなか答えられない様子だったのであった。
「いえ……なんでもないです……」
そう言うと少し寂しげな表情を見せた後に微笑みを浮かべて言った。
「ねぇ……続きして……」
そう言いながらキスをしながら腰を動かし始めていくのだ。(もっと……もっと……ほしい……)
「ははっ……お前結構積極的だよな」
そんな風に茶化されるも気にしないと言わんばかりに激しく動き続ける軽井沢だったがやはり体力の差がありすぎて途中から一方的に攻め立てられる形となってしまったのであった。
「んんっ!もうイッちゃう!!」
ビクビクッ!大きく背中を仰け反らせながら盛大に果ててしまったようであり同時に潮吹きまでしてしまったようで大きな水溜りを作ってしまっている様子であった。
「凄いな軽井沢、そんなに良かったのか?」
「んんっ……はい……とても素敵でした……」
「そうかそうか、じゃあもう俺のものでいいような軽井沢、それとも綾小路がいいのか」
そんな問いかけに対しても即座に否定するような口調で返事をしてきたのであった。
「はい、私は山内くん……春樹くん♡のものです、綾小路くんは要りません春樹くんのが欲しいです♡」
完全に堕ちた証拠だろうか?今まで見せていた嫌悪感は一切感じられないほどに淫靡な笑みを浮かべており完全に雌の顔になっているようであった。
「可愛いな恵は」
そう言いながら優しく頭を撫でると嬉しそうな声を上げて身体を震わせていたようだ。
「んんっ……春樹くん♡……」
(下の名前で呼ばれちゃった♡……)
改めて宣言されたことで何故かゾクゾクとした快感が走り思わず身震いしてしまうほどであった。(やっぱり私もう春樹くんのことが好きなんだ)
「明日から宜しく頼むぞ軽井沢」
「はい……こちらこそお願い致します♡」
その言葉を聞いた途端また嬉しくなってきたようで軽井沢は激しく腰を動かしていくのであった。
(ずっと春樹くんと一緒にいれるなんて嬉しい……!)
こうして軽井沢の長い夜は終わりを迎えるのであった。
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翌日の昼。
春休み中盤の陽光が、ケヤキモールのガラス天井を透過して降り注ぎ、人目のつかない裏通路を不気味に照らし出していた。Aクラスの頂点に君臨する天才、坂柳有棲は、いつもの白杖を頼りに、その通路を一人で歩いていた。
表向きは変わらぬ優雅な微笑み。しかしその足取りには、誰にも気づかれぬ内面の破綻が滲んでいた。
——昨夜。山内春樹の宿舎を訪れてから、数え切れぬほど絶頂を迎えた肉体は、今もなお彼の凶悪な肉莖に開拓された下半身の疼きを鮮明に覚えていた。天才の理性を汚す、あの粘つく快楽の余韻。歩くたびに、膣奥を抉られた記憶が蘇り、思わず腰が砕けそうになるのを、必死の自製で押さえ込んでいた。プライドをかなぐり捨てて喘ぎ狂った恥辱が脳裏を掠める。もし誰かにバレたら? それすらも山内の肉欲に囚われている証だと思うと、羞恥よりも甘い戦慄が走るのだった。
「――おや。奇遇ですね。坂柳さん」
背後からかけられた冷徹な声が、彼女の歩みを完全に停止させた。
振り返ると、そこに佇んでいたのは――月島だった。
学園の理事長代理を務める元エリート。隙のない高級スーツに身を包み、常に他人を嘲笑するような冷酷な笑みを湛えている男。その瞳が、じっと坂柳の全身を品定めするように見据えている。まるで、昨日の痴態をすべて見透かしているかのように。
「月島先生ですか。このような場所で私に御用でしょうか?」
坂柳は咄嗟に、いつもの不敵で上品な微笑みを浮かべ直し、平静を装って答えた。が、内心では警報がけたたましく鳴り響いていた。この男がここで声をかけてきた時点で、ただ事ではない予感しかない。
月島は薄く嗤うと、ゆっくりと近づき、まるで獲物に牙をかける狼のように坂柳との距離を詰めた。
「ええ。少々“進捗”が気になりましてね」
月島の目が、坂柳の顔から肢体へとゆっくりと移動する。昨夜の情事で薄らと汗ばんだ肌。制服の下に隠された、山内による痕跡――そのすべてを見透かされているような錯覚に、背筋が凍る。
「……進捗、と申しますと?」
「決まっているではありませんか。貴女と――山内春樹との“共同作業”ですよ」
月島の言葉に含まれた明確な皮肉に、坂柳の表情が僅かに固まる。
「ふふ。彼にはまだ利用価値がありますから。無能なりに泳がせているだけ――」
坂柳は虚勢を張るように、得意の饒舌で言い募ろうとした。天才たる自分にとって、山内はただの道具。そう言い聞かせなければいけなかった。たとえその肉体が、すでに彼を主人として認めていようと。
「強がりはそこまでにしなさい。坂柳有栖」
だが、月島は冷酷に彼女の言葉を切り捨てる。その声色には侮蔑と嘲笑が含まれていた。
次の瞬間、月島は坂柳の顔に自身の顔を寄せ、彼女の耳元へと口を近づけた。
そして――あまりにも生々しい“真実”を低く囁いた。
「昨日。山内の住む寮の一室にて。貴女はどのような様子だったのですかね? 天才坂柳有栖が、あの落ちこぼれの前で――自ら衣服を脱ぎ捨てたそうじゃありませんか。そして? この天才的な頭脳の持ち主が、山内の醜悪な巨根の前に平伏し、何度も名前を連呼し――下品な喘ぎ声を上げて絶頂に達していたと。その愛液でシーツをぐしゃぐしゃに濡らしていた。まったく……見るに堪えませんでしたよ」
「――っ」
坂柳の全身が、まるで氷漬けになったかのように硬直した。
完全に理解していたはずの“監視”。しかし、ここまで克明に――しかも他人の口から、自分の最も醜く、淫らな失態を読み上げられるとは。
思考が真っ白に漂白されていく。常に冷静沈着で、すべてを手のひらの上で操っていると自負していた天才の瞳が、これまでにない衝撃と羞恥で激しく泳いだ。冷や汗が背中を伝い、震えが止まらない。
(見られていた? 月島に? あの――私の、あの姿を――)
脳裏に焼き付くのは、昨夜の痴態。山内の肉茎の熱さ。快楽に支配され、理性を失い、“有栖”としてではなく、“雌”として喘ぎ狂った自分。そのすべてをこの男に知られているという恐怖が、今になって津波のように押し寄せてきた。
「ふふ、これはよそ以上に当たっていたようですね、さすが寮の部屋の中まではカメラは仕込まれていませんが山内くんが部屋から抜け出しているときに少し外を見ればわかるというもの。」
「――違います!」
坂柳は反射的に声を上げた。普段の冷静さを欠いた、余裕のない声音だった。
「言い訳はいいですよ」
月島は冷笑を浮かべ、再度彼女の耳元へと顔を寄せた。その口調は、今度は別の種類の“毒”を含んでいた。
「心配しなくても大丈夫です坂柳さん…私別にあなた方の行為を責めるきわありません。…むしろ提案をしに来ました。
「…提案ですか?」
坂柳は恐る恐る尋ねる。
月島は冷笑を浮かべ、耳元でささやき始めた。それは――あまりにも甘美で、狂気じみた提案だった。
「……山内くんに関して、学校側からあなたに一つ、条件付きの提案があります。彼が……掌握すれば、……を用意しましょう。そこでなら、あなたは今後も……」
その内容を聞いて坂柳は驚愕する。
今まで彼女を苛んでいた月島への恐怖や動揺は一転して吹き飛び、坂柳の顔に歪んだ笑みが浮かぶ。
「あ……ああ……っ!」
――なるほど。月島はすべてを見透かし、計算尽くで動いていたのだ。自分と山内を弄んでいるのではない。自分たちを利用して、さらに大きな“成果”を上げさせようとしているのだ。
「ふふ、ふふふっ!」
坂柳は抑えきれぬ笑い声を漏らした。頬が上気し、瞳が欲望と希望で爛々と輝いている。肉体の疼きが一気に昂ぶり、山内の肉茎を思い出すだけで腰が揺れそうになる。
「素晴らしい、素晴らしい提案ですね、月島先生……っ」
坂柳は熱に浮かされたような声で月島を見上げる。
「ええ、ええ、喜んでその提案をお受けいたしますわ。ちょうど彼の次のターゲットである『堀北鈴音』は攻略できそうですから。彼の今の勢いなら――この春休み中にもすべて完了するでしょう」
月島の唇に、満足そうな冷酷で醜悪な笑みが深く刻まれた。
「ほう、春休みのうちに、ですか。それは実に素晴らしい。私が望む以上のスピードです。ならばこちらもその報酬の手配を急がなければなりませんね」
月島は踵を返し、コツコツと靴音を響かせながら去っていく。その背中に向かって、坂柳は静かに呟いた。
「ありがとうございます、月島先生。必ずや、彼女を――堀北鈴音を堕としてご覧にいれますわ」
月島が立ち去ると、坂柳はその場に佇んだまま、一人愉悦に浸っていた。
(春樹くん。これで貴方から私はもっと……最高の快楽を得られるのですね)
全身をゾクゾクとした快感が駆け巡る。これから始まるであろう至福の日々を思うと、抑えきれぬ期待が胸を満たすのだった。
坂柳と月島の密約からおよそ一時間が過ぎたころ。
ケヤキモールのにあるカラオケボックスの最奥——唯一カメラが設置されていない部屋。
そこは厚い防音材によって外界の音を完全に遮断し、内部でどれほどの悲鳴や喘ぎ声が上がっても決して外部には漏れない特殊な構造となっていた。今まさにその空間は、完全に山内春樹の王国と化していた。
流れているのは最新流行の明るいポップソング。しかし部屋の主である山内も、集められた少女たちも誰一人として歌おうとしない。BGM代わりの陽気な旋律は、中央のソファーで繰り広げられる不気味で淫猥な光景を際立たせるだけだった。
「……へぇ、こんな歌流行ってんのか? 全然知らなかったぜ」
山内は鼻歌交じりにそう言うと、隣に座る軽井沢の乱れた髪を乱暴に掻き毟るように撫でた。軽井沢恵。数日前まで学園のDクラスで頂点に君臨していたギャル系女王の姿はもはやない。山内の手が自分の髪に触れるだけで全身にぞくりとした快感が駆け巡り、条件反射的に腰がくねる。
(ダメ……。少し触れられただけなのに……また、あの時の……)
彼女の思考の大半はすでに昨夜から今朝にかけて身体に刻み込まれた絶頂の記憶に支配されている。肉茎の熱さ、質量、貫かれる感覚。それらがフラッシュバックし、股間がじわりと湿ってくるのが自分でもわかった。
「んっ……は、春樹くん♡……っ」
彼女は山内の太腿に縋り付くように身を乗り出し、涙の混じった甘えた声を出した。
「冷たくしないでよぉ……。もっと撫でて、もっと触ってほしいの……」
昨日までの彼女なら、プライドが許さなかっただろう懇願の言葉。しかしもはやその誇りは跡形もなく砕かれていた。軽井沢にとって今の最大の幸福は山内の側に侍り、その武骨な指先で触れられることだけ。そのためならどんな醜態も演じられる。かつて彼女をイジメから救ってくれた綾小路の名前など、もう脳裏をよぎることもない。
「ふふ、恵さん。ずいぶんと早く春樹くんの好みに染まったようで」
反対側の席から品のある涼しい声がかかる。視線を向ければそこには坂柳有栖の姿があった。
彼女はいつもの穏やかな微笑みを浮かべながらも、その瞳には明らかな嫉妬と興奮の色が宿っている。坂柳もまた昨夜山内との性交で狂わされた一人。肉体はあの圧倒的な雄の象徴を求めて疼いていた。白い頬をほのかに上気させ、熱に浮かされたように山内の肩にそっと手を添える。
「春樹くん……。私も見てください。あなたに会うだけで私のここはこんなに熱くなって……」
囁くように言葉を零しながらワンピースのスカートの裾をぴらりとめくった。そこには彼女の細い太腿が露わになり、黒レースのパンティには明らかに濡れた跡が滲んでいる。
「ああ!?おいおい有栖ちゃん……もしかして今日ここに来るまでずっと興奮してたのかよ?」
山内は大袈裟に驚いた声を上げると、坂柳の太腿を遠慮なく撫でた。パンティの上から熱い部分を指で軽く押すと、「ひぅっ!」と短い嬌声が漏れる。膝がぴくりと震え、椅子から滑り落ちそうになる。
「……ごめんなさい。春樹くんのこと考えるだけで……私…」
「ったくしょうがねえ奴だなぁ!」
言葉とは裏腹に山内は完全にその反応を愉しんでいた。下卑た笑みを浮かべると今度は自らの手を坂柳のワンピースの胸元へと忍ばせる。ブラジャー越しに形良く膨らんだ胸をまさぐられるとすぐに呼吸が乱れ始め、「んぅ……」と悩ましげな声が漏れた。
そんな光景を見ていたもう一人の少女——神室真澄が我慢しきれずに立ち上がる。
「ちょっと……坂柳さん。春樹くんの正面は私の場所でしょ」
冷淡な声音とは裏腹に表情は完全に蕩けている。彼女はその場でスカートを捲り上げながら山内の膝の間に無理矢理割り込んできた。黒いショーツが露わになり、そこもまたしっとりとした跡をつけている。
「はぁ……っ。ねぇ春樹くん……私のも触ってよ。ここ……もうびしょ濡れ……」
自分でショーツをずらしながら濡れそぼった割れ目を指差す姿には以前のクールな印象は微塵も感じられない。彼女は山内の視線を浴びただけで達しそうなほどの性感を抱えており、「んあぁ……!」と背中を弓なりに反らせる。
部屋の隅では櫛田桔梗が全てを観察していた。元聖女の面影をわずかに残しつつもその眼差しは昏くねっとりとした光を帯びている。
(堀北さんがこの中に加わったら……春樹くんはどうしてくれるんだろう……?)
彼女の思考の中ではすでに次の標的が思い描かれていた。Dクラスのリーダー・堀北鈴音。気高い高飛車なあの女が山内に犯され狂ったように啼き出す光景を想像すると心がざわついた。同時に軽井沢へ向ける視線にはわずかな嫉妬と優越感が混ざっている。
その様子に櫛田もまた同じ感情を抱いていた。 (坂柳さんたちばかりずるい……! 私だって、私だって……!)
今ここにいる誰もが山内の寵愛を争い合っている。しかし全員が等しく一つの恐怖—すなわち山内からの関心を失うこと—を共有していた。
坂柳はその理由を知っている。月島との密約を思い出すたびに頬が緩むのを抑えることができない。
(ふふっ……春樹くん。月島先生との密約が達成されでば、より私たちはあなたから慰めてもらえるように……あぁ、楽しみでしかたないです♡)
秘密を胸に秘めながら坂柳は山内の耳元で熱っぽく囁いた。
「春樹くん……。次のターゲットの堀北さん、早く堕としてしまいましょうね……」
「当たり前だろ! 俺を誰だと思ってんだ!? 」
山内は三人の美女から同時に迫られ完全に舞い上がっている。「堀北鈴音を堕とすこと」でさえも己の魅力ゆえだと思い込んでいる。「無能」から「偉大な支配者」へと認識をねじ曲げられたまま彼は声高に宣言した。
「軽井沢と櫛田! 同じクラスメイトして堀北を堕とすためサポート期待しているからな。あいつの生意気な顔を俺の手で絶望の表情に染めてやるぜ……! 」
その命令に従属する少女たち—軽井沢と櫛田—は互いに見つめ合ってから同時に同じ言葉を紡いだ。
「「はい……っ♡ 春樹くん♡のために全力を尽くしますっ! だからもっと可愛がってくださぃ♡」」
そうしてこの夜も山内に堕とされた女たちの喘ぎ声が防音室に充満した。