【なみなみ!ジョッキチャレンジ!】
1番の紙を引いためぐると甜花が挑戦するチャレンジの名前を、ぽゆちが高らかに宣言する。
「ジョッキチャレンジ?」
めぐると甜花が首を傾げる中、ぽゆちの目配せによって一台のワゴンが運ばれてくる。
銀色のワゴンの上には、銀の覆いが二つ。
まるで高級料理でも提供される時のような外観にめぐると甜花の視線が集まる。
「それでは開けてみましょ〜うっ! ジャン☆」
浮かれ調子のぽゆちが言って、両手で二つの覆いを持ち上げる。
「……!」
そして現れたソレに、めぐるは思わず息を呑んだ。
「え……」
甜花も呟いたきり動けず、ワゴンの上のジョッキを見つめている。
「は〜い注目! こちら、めぐると甜花のファンたちにシコってもらったザーメン入りジョッキで〜すっ!」
ぽゆちが声を張り上げると、スタジオに用意されたモニターには男の姿が表示される。
「!」
スタジオ前面と両サイド、合計三枚のモニターが映し出す映像はそれぞれ違う。
どの映像にも一人の男が映っており、彼らは雑誌やテレビの画面、スマートフォンなどを前に、ひたすらオナニーをしている模様。
「ひっ……」
ノーモザイクで展開される自慰姿に、めぐると甜花の顔が引きつる。
『あぁ……ッ、めぐる、なんだそのおっぱいは……!』
『甜花ちゃん、あぁっ、今日もエッチだねぇ……っ!』
荒い息を上げながらめぐると甜花の名前を呼ぶ男たちの前にある雑誌や画面には、撮影された二人の姿。
アイドルとして真っ当な仕事を――性的な意図が強くはない仕事をするめぐると甜花の姿を彼らは性的な目で捉え、ペニスをしごき続けている。
『あぁッ、めぐるぅ……ッ!!』
めぐるがユニットメンバーと写る写真集を見下ろしていた男は短く叫んで精を迸らせ、
『んっ、甜花、ちゃ……!!』
グルメロケで甜花が笑顔になったシーンで一時停止した男もまた、ザーメンを発射。
「……」
「……」
モザイク無しで流れ続ける、冴えない風貌の男どものオナニーショーに、めぐるも甜花も言葉を失う。
「こんな感じで! 二人をオナペットにシコシコやってもらって、ザーメン集めまくりました☆ いや超大変だったわ、マジ味わって飲め?」
カメラ目線では丁寧に、アイドル相手には乱暴に言って、ぽゆちは二人の手を掴んでジョッキを握らせる。
「はいっ、じゃー飲んでー」
「あ……あの……」
有無を言わせず促すぽゆちを前に、おどおどと口を開いたのは甜花。
「甜花、さっきおやつ食べて……ウエハースで、お腹いっぱい……」
もじもじと、甜花はそんなことを言い出す。
「はぁ?」
ぽゆちが白けきった表情でドスの効いた声を出すと、甜花は肩をビクリと震わせる。
そんな甜花に代わって、めぐるが口を開いた。
「あのっ、甜花ってデビ太郎が好きなんですけど! デビ太郎のカードがつくウエハースが少し前に発売されたから、控室で食べてて……」
「いや知らんし」
ジョッキいっぱいのザーメンをなんとか回避しようと言葉を継ぐめぐるだが、ぽゆちはたった一言で切り捨てる。
「てかめぐるも甜花も早くしろっての、ガッと飲めば一瞬じゃん? まーアタシなら絶対ヤだけど」
「その、これは私も……」
いつもの快活さはどこへやら、めぐるも歯切れ悪くモゴモゴ呟く。
甜花とは違い、めぐるにはお腹に空きはある。
だからといって、おぞましいジョッキの中身は口にしたくはない。見ているだけで生理的な嫌悪感が湧き上がるソレから距離を取るように、めぐるは後ろに一歩下がってしまう。
「はぁ〜? 協力したファンの気持ち考えたことあるぅ〜?」
煮えきらない二人の姿に、イライラとワゴンに指の爪を打ちつけるぽゆち。
ぽゆちの言う通り、特大ジョッキいっぱいにザーメンを満たすのには、かなりの人数の協力を要した。
だからこそ、ジョッキの中の白濁は地層のように折り重なり、絶妙な濃淡を描いている。
『あぁっ! おじさんの精子……全部めぐるちゃんにあげるよぉっ!』
『甜花ぁっ、俺のザーメン搾り取れッ!!』
モニターの中では、また別の男たちがマスかきの結果をジョッキの中に注いでいる。
ザーメンをジョッキに溜める経験は彼らにとっても初めてのものだろう。不慣れなことに狙いを外す者も多く、白濁はジョッキの外側にもこびりついて汚らしい。
一リットル超の容積を誇る特大ジョッキに一人ひとりが射精したのだから、最初に注がれた精子は随分時間が経っているのだろう。
下の方はすっかり黄ばんで、不気味な色合いは腐敗を連想させるもの。
ジョッキの表面や内側側面にある陰毛は縮れ具合から見て、複数人のものだろう。
どこを取っても汚らわしいザーメンジョッキに口をつけるなど、おぞましくてとても出来ないが。
「ほら早く早く! 現役アイドルだろぉキビキビ動け〜!」
手をパンパン叩いて急かすぽゆちが考える余地を奪い、めぐるは握りしめたジョッキを見下ろす。
「や、やります……!」
「八宮さん……!」
覚悟を決めた表情のめぐるに甜花もハッとした顔で、ぐっとジョッキを持ち上げ。
「甜花も、いきます……!」
そして、二人はジョッキを傾ける。
「んぅ゛……!」
重たげに揺れた液体が唇に触れる寸前、プンと異臭が鼻につく。
嗅いだこともない精子の悪臭が群れになって、顔面全体に襲い来るよう。
(でも、やらなきゃ……!)
ひるみかけた気持ちを奮わせ、めぐるは口に精液を流し込む。
ドロっとした液体は一拍遅れてめぐるの口内に侵入――最初の一口は比較的新しいスペルマのはずだが、かえって青臭さが際立っている。
「ン……ぅうッ、ぅ……!」
眉間に皺を寄せ、それでも嚥下するめぐる。
「うーわ、顔険しすぎ〜。それアイドルがやっていい顔なん?」
そんなめぐるの顔を覗き込むぽゆちはおちゃらけた雰囲気で言ってから、甜花の方に向き直る。
「あ……あぅ……」
甜花もめぐるを見習って精液を飲もうとしているが、土壇場で勇気が出なかったらしい。
ピンク色の舌をチロチロ伸ばして精子を口に受け入れてはいるものの、めぐるのジョッキと比べれば量の違いは明らかだ。
「おい甜花ぁ〜、手ぇ抜いてんのかぁ? ヌくのはチンポだけにしろ〜?」
「あう……」
アイドルに向けるにはキツすぎる下ネタを挟みつつ、ぽゆちはジョッキを握る甜花の手に手を重ねる。
ぎゅうっと甜花の手を押さえつけるぽゆちの手つきは厳しい。
「……いたい……」
「あ?」
鋭利なネイルの先が当たって痛いのもお構いなしに、ぽゆちは甜花のジョッキを傾けさせ。
「いいから飲めっつってんの〜!」
語気だけ明るく凄んで、無理やり甜花の口にザーメンを流し込む。
「ぅう……!? ん、んぅ……!!」
口を満たす粘性の液体に、甜花の喉が反射で拒む。
舌に障る長い陰毛がまた不愉快。モゾモゾと舌を動かして陰毛だけを吐き出そうとする甜花だが、まとわりついた精子が口の両端からポタポタ垂れる。
「こぼすんじゃねーよ」
高らかに舌打ちしながら、ぽゆちは腕組みをして二人の精飲を見守っている。
「ぐ……っ、ぅ、んん、……っ!!」
努めて何も考えないようにして、めぐるは必死に喉を動かしている。
「お? めぐるの飲みっぷりイイじゃんイイじゃん! ザーメン美味しいねえ」
「んぐ……っ、ぅえ、っぅう……!!」
ぽゆちの声にも眉をひそめながら、それでもめぐるは精液を飲み続ける。
ここから逃げられないのなら、いっそすぐにでも飲みきってしまえば良い……そう念じてめぐるはジョッキを傾け、中身をひと塊にして飲み下す。
「ぅぐう……ッ!!」
ゴキュッと喉を鳴らすたび押し寄せるザー臭に唇を結び、さほど時間を空けずにもう一度ジョッキを傾ける。
(我慢……我慢、がま――ッ!?)
なるべく心を殺して精子を喉に流し込むめぐるだが、半分ほど飲み進めたところで完全に動きが止まる。
「ぐ……ッ、うぇ、え……ッ!!」
イカ臭い精液臭に混ざる酸味が舌を突き刺し、イガイガと喉を攻撃しだす。
突然のことに身体が固まって動けない。ブワッと汗が吹き出して、ジョッキの持ち手にこびりついた精子が溶けだしてぬめる。
手元からも青臭いオスの臭いが立ちのぼる中、めぐるは衝撃に動けずにいた。
(この味、さっきと違う……!!)
必死になるあまり閉じていた青い瞳を見開けば、ジョッキの中身はずいぶん減っている。
といっても、元が特大ジョッキだから、残りは普通のコップ一杯よりはずっと多いだろう。
残る種汁は、ギトギトと黄ばんだ渦を作っている。
「あー、底の方のザーメン、出してからけっこー時間経ってっし腐ってるかも。まぁ飲めるっしょ」
こともなげに言ってのけるぽゆちは、思い出したように付け加える。
「アタシは死んでも嫌だけどね〜」
「……っ、……!」
ヘラっと無責任な笑みを浮かべるぽゆちは、目を三日月型に歪めてめぐるの様子を注視している。
「ぅ、うう……」
ジョッキの中身は淀んだ白色で、じっと見ているとカビの集合体のようにも見えてきた。
カビと腐敗ザーメン、どちらの方がマシだったか――答えの出ない、出す必要もない疑問を頭に浮かべながら硬直するめぐるを前に、ぽゆちはハイヒールのつま先で床を叩いて。
「めーぐーるー? はよ飲めし」
「っでも、これ……」
「は・や・く・の・め」
嫌味たっぷりに命令するぽゆちは、じっとめぐるを見つめている。
「うう……っ!」
ぽゆち、次いで撮影スタッフにも目を向けるめぐるだが、誰も彼もが意地悪な笑みを浮かべて、精飲に苦しむめぐると甜花を眺めている。
「ぅ……あぅう……っ……」
めぐるの隣、甜花は一口飲むたびに呻き、涙目になって咳き込む。
「うぇ……っ、ぅう……」
「ま~た甜花こぼしてんのぉ? いい加減にしろよお前~」
ジョッキを両手に持ち、ちびちび中身を減らす甜花に苛立ったようにぽゆちが声を上げる。
「あ……あう……」
飲み込みにくいザーメンは甜花の小さい口からこぼれ出て、薄くリップを塗った唇はその上から白く化粧を施されている。
口の両端にもベットリと精子の筋が走っているし、何度もこぼしているのか、白く愛らしいアルストロメリアの衣装には青臭いシミがこびりついている。
「ぷぇ……っ、へ、あうぅ……っ!」
ジョッキを持つ両手はプルプル震えて、甜花の限界が近いのは明白。
震えながら、ジョッキに顔を近づけては反射で背ける甜花の姿がめぐるの胸に突き刺さる。
(甜花……!)
そして、めぐるは自分のジョッキと向き合う。
もう半分は終わっている――甜花の苦しみを代わってやれるのは自分だけだと言い聞かせて、めぐるはひと思いにジョッキに口をつけ。
「んぐぐ……ッ、ぅ、ぅぐんッ……!!」
汚物そのものとなったザーメンを喉に流し込み始めた。
「う~~わ、ヤッバぁ~~!」
勢いよく腐敗精子を飲み始めためぐるを前に、ぽゆちの歓声が響く。
「キモい男がシコシコやったくっせぇ汁飲んでる~!!」
「……ッ!!」
屈辱的な言葉をぶつけられる悲しみが胸に迫る。
だが、その悲しみを追い越して、口いっぱいに腐ったザーメンの味が広がって。
(っ、臭い、気持ち悪い、何これ……っ!!)
粘りは強く、口の中で糸を引く。
ビリッと走る刺激が舌に痛く、反射的に喉がこわばって動かなくなる。
(無理……っ、これは無理、飲んだら死んじゃう……!!)
理屈ではなく直感でそう分かる。
発酵されたスペルマは、舌先で爆ぜるような感触をめぐるに伝える。
炭酸ジュースに似ているものの、甘さや爽やかさはちっともない。種汁の異臭は舌先でスパークするたび口内で広がり、有害物質をめぐるの口全体に染みこませていく。
「ぅ゛げ…………ッ!」
こみあげる吐き気はこれまでの比ではなく、喉の奥で感じられた胃液の酸っぱさすら美味しいと誤認しそうになる。
汚物としか言いようのないものでいっぱいになった頬は膨らんで、今にも吐き出してしまいそうだが、
(飲……む……っ!!)
頭に灯る危険信号を無視して、めぐるは必死に喉を開く。
ボイストレーニングで教わった通りに開かれた喉へ、汚濁は流れ込む。
「ン゛……ン、ン゛ン゛ン゛ッ!!」
途端に、食道が爛れ、胃が腐るような感覚に襲われる。
「――――ッ゛!!」
背筋を悪寒が駆け抜け、揺れる視界の中でぽゆちが嗤っている――本心、本能、本音のすべてが口内を満たすザーメンを拒絶しているのに、めぐるはグイっとジョッキを傾ける。
「ッは、ぁあ……っ!!」
いっそ一思いに、一瞬で飲み干したいのに、ジョッキの中を移動するスペルマはゆったりと動いて、ナメクジのようなスピードでめぐるに近付いてくる。
(早く、終わってよぉ……っ!)
ゾッとするような悪臭を口に含んで、めぐるは自分に言い聞かせる。
発射から時間が経って、精子のテクスチャは液体から固体に近づいていた。
何人分ものザーメンが折り重なった淫塊はベットリとめぐるの口蓋に張り付いて、簡単には喉に落ちていかない。
「ンぅう……ッ!!」
唇を窄め、必死にザー汁を喉へ追いやろうとするめぐる。
しかし濃厚精子の粘度はかなりのもので、めぐるは唾液を分泌してスペルマに混ぜ、少しずつ飲み下すことにした。
「ぅ……ッ、んん……ッ!!」
恐怖に乾いた喉がやっとの思いで絞り出した唾液は、水分が少なく粘度が高い。
それでも口を占める精液の塊よりは遥かにサラサラで、無味無臭にも思える唾液を口の中でザーメンと混ぜ、めぐるはゆっくり飲み込んでいく。
「ン……、っぐ、ぅう……ッ!!」
酷い扁桃腺の時に水を飲むような不快な刺激が、喉を内側から突き刺す。
大きく眉を寄せためぐるだが、ゴクリと喉を動かせば、やっと口の中は空になって。
「――っぷへぁ……ッ!!」
遂に空になったジョッキから口を離して、めぐるは大きく息を吐く。
窓がないスタジオの淀んだ空気すら、精液まみれの口からすれば遥かに美味しい――ゼエゼエと喘ぐめぐるに、ぽゆちはパチパチ拍手を贈り。
「すごいすご〜い! ファンのクソキモザーメン完飲おめ〜☆ あ、口くっさいだろうから近づかないでね」
わざとらしくめぐるから距離を取ったぽゆちは、さて、と腕組みをして甜花に接近し。
「甜花ぁ〜? お前遅すぎねえ? チンタラやってりゃ許されると思ってる?」
「う、あう……」
言い募るぽゆちに焦った様子で、甜花は一生懸命ジョッキを傾ける。
「んく……っ、ぅ、ぅうっ……」
しかし、抵抗感が上回るのだろう。甜花は呻きを漏らしてはたびたびジョッキから口を離し、むせてしまう。
ぽゆちがそんな甜花の様子を見守っていた時間は、一分にも満たないだろう。腕組みをしたぽゆちは舌打ちすると、ツカツカと甜花に近づいて。
「マジでおっっせぇ」
「ひぃん……!」
吐き捨てたぽゆちは、無遠慮に甜花の顎を掴む。
「ぁう……!」
いびつな形に開いた口に、ぽゆちはジョッキの底を掴んで残りを一気に注ごうとする――観念したように目を閉じた甜花の目の端から、大粒の涙がこぼれ落ちる。
「……っ、待って……!!」
そんな様子を目にして、めぐるは甜花のジョッキを奪い取る。
甜花のジョッキには四割程度の種汁が残っている……残りは薄黄色に固まった腐敗ザーメンだから、甜花には飲むのはつらいだろう。
「私が、飲むから……!」
「八宮さん――」
目を見開く甜花、ニンマリ笑うぽゆち――二人の視線を受けながら、めぐるはグッとジョッキをあおり。
「ンぐ…………ッ!!」
飲み方は先ほどと同じ。
だが、二度目であっても慣れることはなく、めぐるは前と寸分違わぬ苦しみを受けながら精子を飲み込むハメになる。
「――ッぅあ゛……っ、はぁあ……ッ!!」
「八宮さん、大丈夫……?」
大きく息を吐いためぐるに、甜花は駆け寄る。
不安そうにめぐるの顔を伺う甜花の口元はベットリ精子まみれで、めぐるもそれは同じ。
顔を寄せ合えばムワッとザーメン臭が漂うが、もうどちらの臭いなのかも分からない。
――最悪のチャレンジは、とにかくこれで終わった。
そう思って、胸を撫で下ろす二人だが。
「はぁ〜? ズルすんなし」
白けたぽゆちは目を細めて吐き捨てると、スタッフサイドに大声で呼びかける。
「これはペナルティっしょ」
ぽゆちが発した『ペナルティ』の言葉に、壁際にいた二人の男がスタジオに登壇。
「え……っ、え?」
「な、何……するの……?」
現れた男たちを前に不安そうに視線をさまよわせる二人を前に、ぽゆちは高らかにペナルティを宣言。
「今回のペナルティは〜……強制イラマ!!」
笑顔の言葉が何を示しているのか――理解するより早く、二人の男はめぐると甜花の頭を掴む。
「っぁう!?」
力づくで床に膝をつかされた甜花の顔面に、男の肉棒が突きつけられる。
「ひぅっ――あ、や……」
柔らかな頬にペニスが擦りつけられ、ふっくらした甜花の頬がひしゃげる。
男はぽゆちがそうしたように甜花の顎を掴んでこじ開けると、口内にペニスが押し込まれる。
「んぅうっ!?」
煮えたぎる雄幹が甜花の頬の内側を強くこすって、残っていたザーメンの香りを口内に広げる。
「ぁうう……っ、ぅあ、ああ……っ!!」
苦悶の声を上げながら大きく顔を歪める甜花の頭は、男の両手に掴まれている。
「ぁぐ……、あ゛ッ、ぅうっ!!」
男に掴まれた頭皮が痛く、衣装とセットの髪飾りごと髪を引っ張られて目に涙が浮かぶ。
「んぅぶ……っ、ぅぶ、ぅうう……ッ!!」
忙しなく甜花の頭を前後に揺らす男によって甜花の顔面は大きく振れて、男の毛むくじゃらの下腹部にめり込んでは引き離される。
「ふ……っ、ぅ、ううーっ……」
付け根までチンポを咥えこまされれば、甜花の喉奥を亀頭が押し潰す。
「ん゛……、ン゛ぐ……!」
そのままグリグリとペニスを押し付けられると、カウパー汁が直に甜花の喉に塗り込まれる。
強烈なえぐみが甜花の口を支配する――ただでさえお腹はいっぱいなのに、喉奥を突かれまくって濁った声がこぼれて。
「ぇ゛う……ッ、ぐぇ゛う……ッ!!」
「うわ、声ヤッバ」
目元を隠しがちな前髪を掴み上げられて、泣き顔をあらわにした甜花の顔面を見て、ぽゆちは心から愉快そうに口元を歪める。
「んぎ――ぅ゛、ぅう゛……!!」
喉奥ばかりを刺激されて、こみ上げてくるものをもう我慢できない。
涙に濡れた瞳は白目を剥きかけて、あらわになった細い肩はビクビクと痙攣を繰り返している。
「――ぅ゛、づぅ……!!」
口オナホを良いように扱われる甜花の鼻の奥、針で突き刺すような痛みが生まれる。
ツンとした刺激が鼻奥に加わったかと思えばせり上がって、ドロリと鼻穴から何かが滴った。
「ぁう゛……っ……」
鋭い痛みに支配されて、甜花には何が起こったのか理解が遅れるが。
「っぷ……ふふ、やっばぁ……っ!」
そんな甜花に知らしめるかのように、ぽゆちは大声で甜花を嗤う。
「鼻穴からザーメン垂れてる~っ!! キッモ!!」
「んぅ゛う……!」
言われた途端に、甜花の鼻の中にザーメンの悪臭がたちこめる。
「んぶ……、ぅぶ、んぅぶ……っ!!」
執拗に喉奥ばかりを責められて、甜花の頭は嫌悪感と不快感でいっぱい。
男が甜花の頭を揺らすたびに鼻からザーメンが滴って、上唇を伝って精子が再び口の中に這入り込もうとしてきて。
(やだ……、やだぁ……っ!)
嫌悪感がピークに達した瞬間、喉が酸っぱいもので満たされて。
「ぅ゛う゛え゛ぇ゛え゛……っ!!」
これまでの中で一番汚い声を上げて、甜花は口から精液を吐き出した。
「うわ! きったね!」
思わず声を上げるぽゆちだが、甜花の口を使う男はお構いなしにイラマチオを続行。
「んぅぶ……っ゛、ぶへ、ぇ゛げえ゛……っ!」
胃液と混ざって酸味を増した種汁が喉粘膜を灼く。
必然的に口オナホを使うペニスもダメージを負っているはずだが、イラマチオに無上の快感を見出しているらしい男はその程度ものともせず、ガシガシと激烈な前後運動を繰り返す。
「んぐぅ゛うっ!!」
鼻穴も口腔も精液でいっぱいになって、呼吸が出来ない。
「甜花またサボってるくない? めぐる見習えし」
言って、ぽゆちはめぐるに目を向ける。
「んぐ……っぅ、あ゛っ、あ゛っ、あ゛ぁ……っ」
体力の差もあるのだろう、めぐるはかろうじて嘔吐をこらえている様子。
「あ゛げ……、へっ、へェ゛……ッ!!」
だが、低い位置のツインテールを下方向に引っ張られながら口腔にペニスを摩擦される苦しみはかなりのもの。
嘔吐寸前の呻きを繰り返し上げるめぐるは、チンポに引っ張られるままに口元の皮膚を引き伸ばし、不器用なひょっとこフェラ顔を披露している。
「いやフェラ顔えっぐ~! これ抜けんのぉ?」
間抜けなめぐるの顔を指さして笑うぽゆちだが、アイドルに無様顔を晒させていることもまた男の欲情を煽る。
撮影中だからと男たちは声を抑えているものの、食いしばった歯の隙間からは切羽詰まった呻きを漏らして。
「ッぐゥ……!!」
堪えきれない声が上がったかと思えば、生臭い雄汁がめぐるの口内に発射される。
「……ッ!!」
単純な量だけで言えば、何とか捌ききれたかもしれない。
しかし、勢いよく噴出した種汁は、一直線にめぐるの喉奥に叩きつけられる。
「ぉ゛え……っ!?」
ギリギリのところで抑えていた嘔吐感が一気に高まる――新鮮な精子の味に、飲んだばかりの腐敗したザー臭が口の中に蘇り。
「ゥえ゛げェえええええッ!!」
射精以上の勢いで、めぐるは吐瀉物を撒き散らす。
両鼻と口からゲロが溢れ、男の下腹部とめぐるの顔面が白と白濁と薄黄色のマーブル模様にまみれていく。
「ぉごえ゛ッ!! へ、ッェ゛げェ゛!!」
吐き出したそばから吐瀉物まみれのチンポが喉奥を叩いて、ますます嘔吐感を煽る。
嘔吐が嘔吐を呼ぶ悪循環に突き落とされためぐるは、隣の甜花も同じ状況に陥っていることにすら気付けず、胃を蠕動させ続ける。
「ぉぼえッ!! ご……ッ゛、ぉ゛ごぉ゛……ッ!!」
イルミネーションスターズらしい輝きに満ちた衣装が、特濃ザーゲロに染まっていく。
ビチャビチャと床に落ちる吐瀉物はとめどなく、床に着けた膝がヌルヌルして滑ってしまう。
「お゛……ッ、げェ゛、おゥええェ゛ッ……!!」
放っておけば滑った膝が大きく開いてしまいそうで、めぐるは震えながらも脚を閉じようと下半身に力を入れる。
「お゛ぶぇえええェ゛ッ!!」
だが、その際に腹筋に力が入ってしまって、胃袋が刺激される。
再びゲロをぶちまければ身体は今度こそ浮遊感に包まれてしまう。
「ぶへ……ッ、ぇ゛……ぶぇ゛へェ゛……ッ!!」
胃酸で焼けた喉の痛みとザーゲロの味と臭いに意識を持って行かれためぐるは自分の身体を支えることすらままならない。
男が頭を手放せば、めぐるの身体はゲロ溜まりに倒れてしまうことだろう。
「いやゲロやっば、無限か~?」
とめどなく続く嘔吐を眺めて呟くぽゆちは、二人の口腔を犯す男に呼びかける。
「ここまで来たんだし、全部出させね? ゲロ出なくなるまでやっちゃって~」
返事の代わりに彼らは二人の頭を掴む手に力を入れ、勃起が収まらない肉塊でガツガツと喉マンコを掘削する。
「ぇ゛ひ……ッ、ひ、ひィ゛……ッ!!」
体力に自信のあるめぐるとはいえ、何度も嘔吐させられ、体力の消耗は激しい。
手足はどんどん冷たくなって、めぐるの意思とは無関係に震えだす。
「ぁお゛……、は゛ーッ、はァ゛ーッ……!」
掴まれた頭を男の下腹部にぶつけられるたび、引っ張られて乱れた金色のツインテールが前後に揺れる。
その揺れだけは年齢相応の愛らしさがあったが、すぐに毛先はザーゲロにまみれて揺れ動くのをやめる。
透明感があった毛先はドロドロと濡れて、ツンとくる胃液の悪臭を纏っている。
「……ッ゛、ぁ゛え…………」
吐瀉物が落下する音と自身の嘔吐声の合間、めぐるの耳に小さな呻きが届いた。
(甜花……?)
弱々しい呻き声は間違いなく甜花のもの――遅れて届いたべしゃっという重い音が何を指しているのか、めぐるには理解できなかったが。
「ぁ゛お゛……ッ、ご……ッ!!」
ほとんど胃液だけの吐瀉物を鼻穴から噴出させると同時に、脳が眩んで身体が傾ぐ。
糸が切れたようなめぐるの頭から男が手を離せば、めぐるはゆっくりと床に倒れこむ。
べしゃっ。
吐瀉物の飛沫を上げて倒れためぐるは、身体も心も汚濁に呑み込まれていく――。
●
「いや終わりじゃねーし。早く起きろっての」
ぺちんっ。
「……っ?」
頭に軽い衝撃が走って、めぐるは意識を取り戻す。
床に倒れたはずの二人は椅子にくくりつけられていた。
「ぁ……あう……?」
同時に意識を取り戻したらしい甜花の声はくぐもっていて、めぐるは口元を占める違和感に気が付いた。
「ぅ……!?」
口の中には太めのホースが突っ込まれ、乱暴に貼りつけられたガムテープで口に固定されている。
ホースの先を辿れば、ザーメンジョッキを運んできた銀色のワゴン。
ワゴンに乗ったピッチャーの中には、二人がぶち撒けたザーゲロが詰まっていた。
「……!? ……!!」
状況を把握した瞬間、めぐるは肩を跳ねさせる。
ガタンッと大きく椅子が揺れるが、椅子にくくりつけられた手足はそれ以上動かない。
「はーいちゅうもーく。お前らがザーゲロ散らかすから罰ゲームでーす」
二人の意識が戻ったタイミングを見計らって、ぽゆちはやる気なさげに番組を進行。
「んでめぐるが甜花のノルマザーメン飲んだじゃん? だから罰として、ザーゲロは交換しといたから」
めぐるが吐いた分は甜花が、甜花が吐いた分はめぐるが。
「……っ!」
ぽゆちを、甜花を見て、めぐるはピッチャーに目を戻す。
ピッチャーのサイズは特大ジョッキの倍程度だろう。しかし二つのピッチャーの中身には、無視できない差がある。
吐瀉物と化したザーメンには胃液が混ざっている。胃の中が空になっているのは感覚で分かるから、このピッチャーの中身が二人の胃の中にあった全てだ。
「ぁ……、あぁ……っ……!」
恐怖に震える甜花の声を、めぐるは黙って聞くほかない。
収録前にウエハースを食べてお腹が膨れていた甜花の代わりに、めぐるは多く精液を飲んだ。
しかしザーゲロは交換された。甜花の口に繋がれたピッチャーの方が量は遥かに多く、ピッチャーいっぱいにザーゲロが詰まっているのだ。
「んじゃあ強制精飲装置のスイッチオン! ザーゲロごくごく、頑張れーっ☆」
からっと明るい悪魔の声がしたかと思えば、低いモーター音が響いた。
「ッン、ぁううーッ!!」
性格の悪いことに、ホースもピッチャーも透明色。
モーターの駆動音に合わせてドロリとピッチャー内の吐瀉物が動き出し、迫るさまがありありと見えた。
「あ、速度ゆ〜っくりにしておいたから。もう二度と吐くんじゃねーぞぉ?」
「んぁうーッ!?」
ゆっくり近付いてくるにつれ、汚濁の臭いがムワッと迫る――ワナワナ震える唇に生あたたかいものが触れたかと思えば、ソレがドロっと流れ込んだ。
「ぁげ……ッ!」
胃酸のツンとした染みる臭気と、ザーメンの青臭さ。
絶妙なブレンドの最悪汁に吐き気が高まるが、もう胃の中に吐き出せるものは何もなかった。
「ぁあ゛あああ゛ッ!!」
この期に及んで抵抗したくて、めぐるはあらん限りに声を絞る。
「ひぃ゛あ゛ッ!! あ゛――あァ゛ッ!!」
「無駄な抵抗おつおつ〜」
声帯を震わせ、少しでもザーゲロを遠ざけようとするめぐるだが、それはぽゆちの言う通り無駄なこと。
歯列を、口蓋を、舌を侵食した吐瀉物が喉を滑り落ちると、胃酸で焼けた喉が再び炙られる。
「ァ゛あがァッ!?」
味も食感も最悪な液体を口にした汚辱感だけでなく、痛めつけられた喉のダメージは無視できない。
傷ついた喉粘膜に染みる甜花のゲロがめぐるの胃に落下する――信じがたいほどの絶望を抱いて涙を流すめぐるを覗き込んで、ぽゆちは心から嬉しそう。
「甜花のゲロ味どんな〜? 食レポしてみ」
「ァ゛がぁ……ッ、はァ゛ッ、はーッ゛……!!」
ゆっくり、ゆっくり流れ込む嘔吐物の味が、舌全体を包みこむ。
嘔吐の一瞬にしか感じることのないゲロ味が、味蕾のひとつひとつに染み入り、脳に汚物の味を刻み込む。
めぐるのザーゲロより少ないとはいえ、甜花のザーゲロも一リットルはゆうに超える。
食べ物を丁寧に一口ずつ口に運んでもらうようなペースで流れ込む吐瀉物にめぐるは怖気が走って、ゲロまみれのままの身体を震わせる。
「ぁ゛――ぇげ、げェあ゛……ッ」
「甜花のゲロの方が色濃くね〜? これ何?」
ニヤニヤとめぐると甜花の様子を鑑賞するぽゆちの素朴な疑問に、不意にめぐるの頭の中に甜花の言葉が蘇る。
――甜花、さっきおやつ食べて……ウエハースで、お腹いっぱい……――
「……ぁ゛えぇ゛ッ!!」
ぽゆちと甜花の言葉が繋がった瞬間、ザーゲロの味が克明になる。
酸味、青臭さ、イカ臭さ、そしてほのかな甘み――食べ物の味と気配が濃くなると、口に流し込まれる吐瀉物の違和感が高まる。
ウエハースの味は確かに感じられるのに、あの軽やかな歯ざわりはどこにもなく、ただネチャネチャとした液体だけが喉に纏わりつく。
咀嚼後の物体を口にしていると思い知らされる感触に、まだ少ししか埋まっていない胃が蠕動する。
「あはっ、めぐるの顔やっばぁ! ウケる〜!」
「ぁ゛おご……、ぉあ゛、あァ゛……ッ……!」
断末魔を思わせる呻きを繰り返すめぐるの頭の中では、めぐる自身を追い詰める連想ゲームが繰り返されている。
浮かぶのはいくつもの食べ物のこと――あらゆる食べ物の味、食感、風味、においのどこかがザーゲロと繋がるから、食べ物にまつわる思い出までもが貶められていく。
「あ゛……ッが、ぁがァ゛あ……ッ!!」
記憶が、思い出が、何もかもが、ザーゲロの白濁と悪臭に塗り替えられていく。
「はぁ゛あ……ッ!!」
積み上げてきた大切なものが目の前で砕かれるような感覚に叫ぶほど、喉を流れる吐瀉物の存在感は増す。
「ぁあ゛ぅっ、ぅあ゛……ッ!!」
形にならない恐怖に呑まれて泣き叫びながら、めぐるの胸には暗黒に輝く確信がある。
(もうずっと、これから――)
もしもここから無事に逃れることができて、平和な生活を取り戻せたとしても。
何かを口にするたび、今日のことを思い出すに違いない。
「あぁ゛……、あ、あぁあああぁ゛……ッ!!」
失ったものは、今は全容も把握できないほど大きいのだと悟る。
ジョッキを満たすザーメンを飲み込んだ、あの粘っこさ。
イラマチオでペニスに蹂躙される口の不快感。
噴き出たザーメンに続くザーゲロの味。
そして今、飲まされ続ける甜花の嘔吐物の悪臭。
「ひぁあ゛ッ、あ――あぁあ゛ッ!!」
絶望の叫びを上げるめぐるは、隣にいる甜花も同じだと気付く余裕すらない。
「ぇ゛へぁ……、あぁ゛……、…………っ……」
甜花の口を満たすのは、めぐるが嘔吐した精液。
甜花の分もザーメンを担っためぐるの吐瀉物は甜花のものと比べてはるかに多い。
しかも、ジョッキの底に沈んでいた腐った精液に胃液がブレンドされているのだから、悪臭はめぐるが飲む嘔吐物の比ではない。
「ぁえ゛……、ぅ、ぁ゛う゛…………」
めぐるが飲みこむ甜花のザーゲロとは違い食べ物の連想は起こらないものの、そのぶん醜悪さがダイレクトに伝わる。
めぐるの胃の中で新鮮なザーメンも腐ったザーメンもシェイクされてしまって、ザーゲロの全てが腐敗に覆われていた。
「ぉえ゛う……、ぅ゛…………」
気絶から復帰したとはいえ、甜花の体力は万全ではない。
「ひぇ゛ぅ……っ、ぅ゛え、ぇ゛ええ……っ!!」
吐瀉物を押し込まれ続けて、口内は腐ったザーゲロの臭いでいっぱい。
呼気までゲロ臭くなってしまい、身体が内側から腐っていくような幻想に囚われてしまう。
「ぇ゛……っ、あぁ……っ……」
「あ゛ァうッ!! っあ――あ、あァ゛ッ!!」
無気力に腐ったザーゲロを流し込まれる甜花と、不快感に叫び続けるめぐる。
強制的に精を飲まされ続けながら対照的な反応を見せる二人を、ぽゆちはニヤニヤと眺めている。
「てか服とかもマジきったね……こいつら臭ェんだよな」
デロデロと口にザーゲロを流し込まされる二人の有様に、やらせた側のぽゆちがドン引き。
めぐると甜花が気絶している間にザーゲロはかき集められ、床は掃除されていた。
しかし、二人の髪や衣装は乱れたままで、アイドルとは思えないほど無様な有様だ。
「ぉぐェ゛……ッ!! ぇげ、へぁう゛ッ!!」
嚥下に喉を上下させるたび、めぐるは身体を跳ねさせては椅子をガタガタ騒がせる。
胸元を飾る黒色リボンはザーゲロを浴びて白く汚れ、輝きを帯びていたイルミネーションスターズの衣装もゲロまみれ。
衣装の黄色の上に白濁が重なれば、衣装の色すら汚物じみて見える。
ショートパンツから覗く健康的な脚は嚥下のたびに痙攣して、肌に乗ったザーゲロのしずくがあちこちを這い回っていた。
「ぁえ゛……、ぁ、……ぇう゛……」
甜花は意識や思考をこの場から切り離そうとするかのように、グッタリと椅子に背中を預けている。
眼差しをうつろにして現実逃避を試みる甜花だが、ザーゲロが舌に触れるたびに涙を流して、逃れられない汚物に苦悶の呻きを漏らしている。
愛らしい衣装はザーゲロでグチャグチャだし、男に掴まれた髪は寝起きよりもボサボサ。
アイドルにあるまじき悲惨な姿のまま、二人の口にはひたすらザーゲロが運ばれてゆく。
「ぉ゛えぶ……ッ、ぅぷ……ッ!!」
特に固形になった精子の塊がめぐるの口に押し込まれて、めぐるの精飲は終わる。
「あー、やっと終わったかぁー」
ちょっと飽き始めていたぽゆちがモーター音の変化を聞きつけて顔を上げると、グッタリしためぐるの姿が目に入る。
「ぉぷ……ッ、ぅ゛ぷぅ……ッ……」
こみ上げる吐き気に痙攣を繰り返すめぐるの瞳は濁りきって、元の快活さはなりを潜めている。
繋がれたままのホースからは絶えず異臭が届けられ、口にドロドロと流れ込むザーゲロの味がまざまざと思い出される。
「甜花がまだなんだよなー、マジおっせぇ」
甜花の方のピッチャーには、まだザーゲロが残っている。
嘔吐物の量はめぐるが代わってあげたザーメンの量とまったく同じ。
「あん時、めぐるがザーメン飲んでやらなかったら甜花ももう終わってたのにね、あーかわいそ」
「……っ、……!」
ぽゆちが何気なく口にしたその言葉が、めぐるの心を削る。
焦点が不確かだっためぐるの瞳にジワリと後悔の色が滲む――その様子を見て、ぽゆちは思いついたようにめぐるの口のガムテープを引き剥がす。
「っづ……!」
アイドルの顔面なのもお構いなしにガムテープを引っ張り、べりっと勢いよく剥がすぽゆち。
引っ張られた肌の表面は痛いが、それより声を漏らした拍子にこみ上げたザーゲロの風味の方がよほどつらい。
「手もほどいてやるよ」
口に繋がれていたホースと手を解放したぽゆちは、空になったピッチャーをめぐるの膝に乗せる。
「精液濃すぎて内側にかなり残っちゃってんだよねー。指ですくって全部綺麗にしてくんね?」
「ぇあ……、」
言葉にならない返事をしためぐるがピッチャーの中を覗けば、内側はベットリと白濁がこびりついている。
「早くしろって」
めぐるが座る椅子の足をつま先で小突きながら命令するぽゆちに、もはや逆らう気力はない。
「う、……っ」
蓋を取ったピッチャーのフチについた液体をすくい上げると、コッテリした液体は垂れる気配もなくめぐるの指先に乗る。
「ん……ぇ、ぇ゛え……ッ!」
スペルマ色に塗り替えられた舌を突き出してペロっと舐めれば、凝縮させた悪夢をドブに突き落としたような最悪の味。
「ふ、ぅ……っ、ぅううぅっ……!」
もう枯れたはずの涙がこぼれる。
「あ、また泣いてる。ザーメンで水分補給したから?」
ぽゆちに下品な言葉を投げつけられながら、めぐるは言いつけ通りに指でザーゲロをすくってはペロペロ舐め続ける。
下品で意地汚い姿を晒すめぐるの隣、甜花に注がれるザーゲロもやっと終わりが近付いているが、
「ッ、……?」
ホースの内側からくぐもった音がしたかと思えば、絶え間なく運ばれていたザーゲロが止まる。
(もう……終わり……? おしまい……?)
体力の限界を迎えた甜花の視界はすっかり靄がかって、目の前に何があるのかも不確かだ。
お菓子やゲームやデビ太郎――そんな都合の良い空想に逃げ込もうとする甜花だが、ホースを通る青臭く酸っぱい汚物臭はすぐに甜花を現実に引き戻す。
「あ? 動き止まった〜?」
ピッチャーの中、そしてホースの内側にも、まだ吐瀉物は詰まっている。
それなのに甜花の口にザーゲロを運ばないホースの様子を見に近づいたぽゆちは、ひどい悪臭に顔をしかめながらもうなずいて。
「あー、ザーメン濃すぎて詰まっちゃったわ」
「…………?」
大量のザーゲロを胃に詰め込まれ、苦しさで朦朧とする甜花はぼうっとしたまま頭を揺らすばかり。
「普通にしてても流れてこねーから吸って」
「……、ぁう……」
ぼやけた頭では、突きつけられるぽゆちの言葉の意味すら曖昧だ。
「ぅ……ぁう、…………」
でも、きっと恐ろしいことを言われたのだろう……そんな恐怖だけが甜花の胸を占めていて、甜花はごく小さく首を振るが。
「吸えって!」
バシン! と音を立てて、甜花の椅子の背もたれを叩くぽゆち。
「ひぅ……ッ!」
衝撃に椅子ごと身体が揺れ、恐怖の声を漏らせば、詰まっていたザーゲロがするっとホースを抜けて甜花の口に滑り込む。
「ぁ゛も゛……ッ!!」
詰まるだけあって、その塊はスノーボールクッキーほどのサイズ感。
勢いよく口に転がりこむ異物の感覚に甜花は息を詰まらせ、飲み込みにくい一塊を前にして目を白黒させる。
「ほら早く飲め~?」
「ん゛ぅ゛……っ、ぅ、あ゛あぅ……っ」
舌の上にデロリと乗った精子の塊が甜花の体温でとろけて、世にもおぞましい悪臭を口いっぱいに広げる。
めぐるの胃の中でシェイクされてひとつになったザーゲロは、甜花の口に飛び込んだ拍子に形が崩れた。
ドロっと崩壊すれば、ひと塊だった汚物が多くの人間の性欲と悪意で織られたモノだとよく分かる。質感も味も微妙に異なる、しかし等しく穢れた物体は、甜花の口内で悪臭から悪臭に移ろう醜悪なグラデーションを描いている。
「ぅ゛……、ぅえ゛、ぁ゛う……っ!!」
ソレは特に腐敗ザーメンが集まっているのだろう、とろけるほどに悪臭を振りまき、甜花の舌先に発酵臭の針が突き立てられる。
「ぁえう゛……、ぅう゛……っ!」
潤んだ瞳を左右に向けて、助けてくれる誰かはいないかと探す甜花だが。
「ぅ……っ、うぇ、ぅうえ゛……っ」
めぐるはピッチャーの底に手を突っ込み、肘までベトベトにしながらザーゲロを舐め取っている最中。
そしてぽゆちは、厚化粧な顔いっぱいにサディスティックな笑みを浮かべてニヤニヤと傍観。
「テメーがヤッたことなんだからテメーで処理しろよ~?」
「んぁう゛……っ!」
助けの来ない場所で、甜花はネチャネチャと口を動かして、腐ったザーゲロをどうにか嚥下するしかない。
ホースを取り付けられているせいで、口を完全に閉じることはできない。
「うぇう……っ、ぅ゛……っ……」
奥歯で浅くゲロ塊を噛みしめると、幾層にも重なった精子の隙間から粘度の低いザー汁がピュルッと飛び出る。
「ん゛げぅ゛……!」
汚水を喉にダイレクトに浴びて、甜花の肩が跳ねる。
諦めて受け入れようにも、不気味な食感と異常な酸性を帯びた味は常に新鮮に甜花を苛む。受ける汚辱の過酷さに甜花は涙が止まらず、何度も首を振りたくる。
「ん゛ぐ……っ、ぅぐ、っく……!」
「味わって食いすぎじゃね〜? そんなにザーメン気に入ったなら、めぐるの分も食うかぁ?」
言いながらぽゆちは、めぐるの方を顎でしゃくる。
「っぅあ……あ、あぁ……」
見れば、めぐるはピッチャーの中にこびりついた精液を舐め終えて、今はジョッキの外側にこびりついた精子を舐め取っているところ。
カピカピに黄色く固まったザーメンがまぶされたジョッキの取っ手をしゃぶっては、口の中に薄汚いチンポ汁の層を口に取り込んでいく。
「ひ……っ、ひぁ゛うぅ゛……っ!」
散々な目に遭わされて抵抗の意思をくじかれためぐるは、青い瞳を濁らせてジョッキを舐め続けている。
ジョッキにこびりついた精子はただ舐めるだけでは取りきれないのだろう、めぐるはジョッキに前歯を突き立てて、ゾリゾリと固まった精子を歯で削ぎ取ってすらいる。
「めぐるー? 甜花がザーメン美味しいからもっと食べたいってよ〜?」
「……っ!」
言ってもいない言葉を代弁されて、甜花は必死に首を振る。
「え…………」
思わず顔を上げためぐるの眼差しに、確かな期待の光。
この地獄から逃げられる――その可能性に瞳を輝かせてから、めぐるはふっと瞳を伏せる。
「……」
何も言わず首を振ったのは、甜花にこの地獄を押し付けようと一瞬でも考えた自分を恥じてのことか。
(八宮、さん……)
そんなめぐるの様子にかえって心を痛める甜花の口に、また新たな精子の塊が流れ込んでくる。
「ぉ゛ぐェえ゛っ!!」
先ほどのものよりも固いザーメン球は、ころりと甜花の口の中を転がる。
口の中にある精子や胃液の残滓まで巻き取って転がったソレが舌の上に戻ると、混合物の悪臭がジワッと舌の上に広がる。
「ぅ゛えぇええぇ…………っ……」
長々とした悲鳴を上げながら、甜花はソレを噛み締め、小さくすりつぶして、自分の唾液と混ぜて喉に送るほかない。
やっていることは普通の食事と同じはずなのに、行為はこのうえなく汚辱感に満ちている。舌が強い酸味を感じ取るたびに大粒の涙を流す甜花を見やって、ぽゆちはニイッと笑みを浮かべる。
「あ、甜花にもピッチャーの中舐めてもらうから~。まだまだザーメンあって良かったねぇ?」
「ぇあ゛……っ!? っ、ぁうう゛……っ……!」
こともなげに言ってのけるぽゆちの言葉に、甜花は甲高い悲鳴を上げる。
「ぁ゛ぅう゛――っも、ぉも゛ぉ…………!!」
しかしその悲鳴も、また流れ込むザーゲロによって塞がされてしまって。
「ぉぐ……ぅえ゛ぇっ、ぇ゛う――……」
気が遠くなるほどの量の吐瀉物を口に戻されて、甜花は吐き気が隠せない。
えづき続けてもホースからは絶えずザーゲロが供給され、腐敗臭が口を満たす……ピッチャーの中身はゼロに近づいているが、これで終わりでないことは近くにいるめぐるが証明している。
「ぇあ゛……っぅ、ううぅ……っ」
意識はどんどん虚ろになって、この世界のあらゆるものが甜花の前から遠のいていく。
遠ざかるものの中には、これまで享受していた平穏な日々も含まれていて。
「ぅあ……っ、あぁああ……」
めぐると甜花は髪の毛から腹の奥まで白い汚濁に呑みこまれ、ただ泣きじゃくることしか出来なかった――。