この淫猥なる学びの園・聖リトリス女学院において、
用務員と女生徒が二人きりですることなど一つしかない。
ただ男は牡となり、女は牝となる。
それぞれに趣向を凝らし様々な形で肉体の悦びを求めあう。
昌磨が苗を求める形も、またそんな内の一つだ。
「んぅ……っ❤
あ、ちょっ……んふ、んん……っ❤」
ベッドの上に足を広げて四つん這いとなり、
また頭を下げることでより高く尻を突き出す。
けだるそうに従う苗にそんなポーズを取らせると、
昌磨は差し出された尻にむしゃぶりつくよう深く鼻先を埋めている。
特に恥ずかしく敏感な場所にかかる牡の熱い吐息。
更に大きくグロテスクな舌先が、その小さな穴をネロリネロリと舐め回す。
しわの一本一本を丁寧になぞるように、ゆっくりと時間をかけて舐め回す。
「いっ……いつも思うんですケド。
なんで“そっち”ばかりなんです?」
「……、うん?」
「そこ……うんちの出る穴ですよ?」
「もちろんわかっているよ。」
「いくら聖水を使ってても……
さすがにちょっと恥ずかしいんですケド……」
こんな行為の最中に話しかけるのは苗なりの照れ隠しだ。
そんな反応はまた男の目には可愛らしく映り、
“いじめたい”という気持ちをくすぐってしまう。
昌磨は舌先をUの字に折りたたみ尖らせると、
その先端を小さな蕾の穴へと突き入れてゆく。
「え……?
あ、やだ……っ!
ま……待っ……んんんっ❤」
それは苗の直腸を内側から舐め回す禁断の遊び。
穴の内部で感じたのは確かな体温と微かな苦味。
やがて背徳感でたまらなくなった昌磨は唇をぴったりと肛門の周りに押し当てると、
そのまま力いっぱい息を吸う。
《ヂュルッ……ヂュ、ヂュヂュヂュヂュゥゥ……!!》
「あ、あぁ……っ❤
ひぃぃぃぃぃぃ……ンっっ❤」
いつもは内側から中身をひり出す場所が、
逆に外側から強烈に吸い上げられるという、なんとも『危うい』感覚。
それはまるで肛門から意識そのものを外に吸い出されているかのようだ。
今まで感じたことのないほどのゾクゾク感に鳥肌を立て、
ベッドに顔を埋めたまま必死にイヤイヤをし続ける苗。
その耐えがたい攻めがひと段落ついた時、
苗はゆらゆらと虚空に意識を漂わせながら
軽いアクメをキメた自分をどこか遠くで認識していた。
「さて、じゃあ食べごろかな?」
昌磨は下肢に纏っていた衣服をベッドに脱ぎ捨てる。
そこから顔を出すビッシリと血管の浮き出た男根を、
たっぷりと唾液を塗りたくった蕾の穴に押し当てた。
「……。
もう……っ。
好きにすればいいんじゃないですか?」
「うん、そうする。」
牡の腰に力が籠り、牝の腰との距離を縮めてゆく。
やがて距離がゼロになると昌磨は『よくできました』とばかりに苗の尻を撫でてやる。
そして、今度はまたズルズルと引き抜いてゆく。
「……っん……っあ、あぁん……っ❤」
まずはちゃんと苗が快楽を感じているのかを確かめるように、
昌磨の行為は決して急くことなくじっくりと繰り返される。
すると、今度は苗もそれに応えるかのように、
切なげに鼻を鳴らし、ぽっと頬を染め、甘い吐息を漏らし始める。
「牧さんは……
その……どうです?
ちゃんと気持ちいいんです?」
「うん、蕩けちゃいそう❤
酒井さんは?」
「さ、酒井も……んっ❤……
……わりと、ヤバいです……ケド❤」
「じゃあ、今日も酒井さんのお尻の穴にミルク出しちゃっていい?」
「……、どーぞご勝手に。」
苗の意思を確認すると、その小さな尻を大きな手がギュッと掴む。
再び大きく緩やかなストロークが開始される。
――ヌチャッ……ズルルル……❤
――ヌチャッ……ズルルル……❤
「あ、あのっ……
男の人って、こういうの激しくしたがるものじゃないんですか?
したかったら、その……酒井は大丈夫ですから……」
「ううん、これでいい。
こっちは粘膜が傷つきやすいし、それに……
このまま酒井さんのお尻を存分に愛したいんだ。」
「は、はぁ……
まあ、じゃあ……それで。
……、……。」
どこか歯切れが悪い言葉。
行為中もチラチラと後ろに視線を投げかける苗。
これが彼女なりのおねだりであることを昌磨は知っていた。
「ん……なに?
もしかして、もうちょっと激しくした方が気持ちいい?」
「あ……その、そうじゃなくって……」
「いいよ、何でも言ってごらん?」
「あ……えと、そうじゃなくって……
えと……」
「ん、どうしたの?」
「……いっぱい、出してください……
酒井……牧さんをお尻で受け止めるの……
その、嫌いじゃない……ですから……」
「……そっか、嬉しいね。
じゃあスパートいっちゃおうか……頑張るからね。」
こうして。
幾度も言葉のやりとりを挟みながら続けられてきた行為も、
とうとう一つの区切りを迎えようとしていた。
昌磨と苗。
年の離れた二つの意識と肉体が一つに絡み合い、
二重螺旋を描くようにどこまでも上昇してゆくような感覚。
それはすぐにボーダーへと差し掛かる。
「あ……あッ❤
さ、酒井……もうイク……っ❤
イ……イキます……っ❤」
「ハァッ……ハァッ……
やっぱり可愛いな、酒井さんは……
お望み通り、お尻にいっぱいッ、出すからね……ッ❤」
「が……頑張って、牧さ……っ」
「あぐ……ッ!
さ……酒井さ……ンオォォォッッ!!」
――ブビュゥッ!!
――ドプドプッ……コプコプコプコプッッ!!!!
「ぅふ……ッッ❤
イッくぅぅぅぅ~~~~っっ❤❤」
そこに行われたのは腸内射精。
牝の排泄器官と、牡の妊娠エキス。
それぞれに本来の用途とは異なる二つの要素の空しい交差は、
しかしそれでも“悦びの共有”という一つの結果を作り出していた。
◆
先ほど互いに満足のいく“ご休憩”を終えたばかりの昌磨と苗。
二人が無人寮を離れて女子寮エリアへと向かう道すがらのことだ。
「牧さん。」
ふと苗が声をかける。
その独特のダウナーボイスは、どこか沈んだような色を帯びていた。
「うん?」
「さっきも聞いたことです。
なんでその……いつもお尻なんですか?」
その問いかけ。
たしかに先ほど昌磨ははっきりとした答えを返していなかった。
「なんだか、珍しいね?
酒井さんからのそういう追及って。」
「追及……?
ん、もし答えたくないことなら、いいですケド。」
「あーいや……
別にそういうわけじゃないよ。
でも、なんでそんなことが気になるんだい?」
「牧さんは、その……
酒井のこと、妊娠させたいとかって……考えないんですか?」
苗の口をついて出たのはそんな言葉。
それを聞いて、昌磨は少し顔を曇らせた。
「それはね。
“考えてはいけない”んだよ。」
「と、いうと?」
「だって。
僕はもう二度とここから出ることはできない。
酒井さんと一緒に学院を卒業することはできないんだから。」
「それはまあ……たしかに、そうですケド。」
もし今、聖水の効果が切れていたなら、そんな言葉は返さなかっただろう。
なぜなら苗の中には彼女なりの昌磨への好意は確かに存在しており、
やがて離れ離れになるしかないなどと告げられようものなら、
どうにかそれに抗おうと感情が動くはずだからだ。
だがそこは聖水に魂を売った者の悲しい末路だった。
「でも、男の人って気に入った異性は妊娠させたいものですよね?
酒井、牧さん相手なら、別にデキちゃってもいいですよ?」
「それは今の酒井さんだからこそ言える言葉だ。」
「え……?」
「君たちは卒業して現世に戻っても、ここでの記憶は残るはずだ。
そして、あちらには心を守る聖水など存在しない。
言ってる意味がわかるかい?」
「え……っと……」
「女の子にとっての妊娠と出産は、そんな軽いものでは決してない。
もし聖水に心奪われたまま僕の子供を妊娠して出産しても、
その子供は規則により執行部に取り上げられてしまう。」
「まあ、そーですね。」
「そんな記憶は必ずいつか深い心の傷になるよ。
聖水に逃げられなくなった酒井さんは必ず悩み苦しむことになる。
この地獄での生活と引き換えに得た順風満帆の人生に濃い影を落とすことになるんだ。」
「そんな……ものなんでしょうか?」
昌磨が好きだからこそ、
ただ彼を牡として満足させるためだけに自らの子宮を捧げようとする苗。
苗が好きだからこそ、
最後の一線では必ず彼女の好意をシャットアウトしなくてはならない昌磨。
しかし苗の心に聖水の深い霧がかかっている限り、
二つの想いは永遠にすれ違うことしかできない。
それはどこか二人の交わす悲しい肛門性交に似ていた。