※この作品はR-18です。

霧の牢獄   作:宇藤百足

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◇二階堂 佳緒里(にかいどうかおり)
 女性 十六歳(一年生)
クールな聖水常用者。

◇柘植 斗真(つげとうま)
 男性 二十六歳(用務員)
少々粗暴な性格の用務員。

◇柘植香織(つげかおり)
 女性 二十歳(大学生)
現世にいる斗真の妹。



二階堂佳緒里①

 

敷地内の屋内外あちこちが用務員と女生徒との性行為で溢れかえる

放課後のリトリス女学院。

 

真横から朱い陽光が差す本校舎二階の廊下の片隅でも、

筋肉質の大男が愛らしい女生徒の尻を目掛けて腰を振っている。

 

そのわかりやすい圧倒的なサイズの対比。

 

狼と仔猫を思わせる二人は両者汗の雫を撒き散らしながら、

格闘技の稽古のような激しい行為に没頭していた。

 

 

――パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!

 

「……ッしゃおらッ!

 アガってきたぜぇカオリ、三発目だ……ッ!

 トロトロまんこに特濃妊娠エキス、どっぷりとぶち込むぞッ!」

 

 

用務員の男は柘植斗真(つげとうま)。

 

日頃から徹底的に鍛え上げている暴力的な牡の肉体。

 

そこから繰り出される豪快な一突き一突きは

牝の華奢な腰を打ち砕かんばかりの強烈さで攻め立てる。

 

 

「……はーッ!はーッ!はーッ!

 あー、うっさいうっさいッ!

 そんなに出したけりゃ勝手に出せばいいでしょ……ッ!」

 

 

女生徒は一年生の二階堂佳緒里(にかいどうかおり)。

 

 

【挿絵表示】

 

 

かなり早い段階から聖水の常用に踏み切った彼女。

 

否応なしに込み上げる快楽に頬を染めつつも、

その眼差しは聖水常用者とは思えない強い光を孕んでいる。

 

 

「ヘヘッ、愛してるぜぇ……俺のカオリ……

 俺たちの可愛い赤ん坊、バッチリ作ろうな……ッ!」

 

「……キ、モい……ッ!」

 

 

それは立ちバックというよりは、

体格差を生かして牡が牝を壁に押し付ける一種の拘束セックス。

 

ろくに身動きも取れない佳緒里は止め処なく刺激される快楽を

どうにか外へ逃がそうと必死にイヤイヤをする。

 

側頭部で結い上げられたポニーテールが右へ左へと暴れ回るが、

それは悲しいくらい無駄な抵抗だ。

 

佳緒里の小さな穴では斗真の巨根は収まり切らず、

必然的に最奥の子宮口をズンズンとノックされ続ける。

 

そのたびに揺れる天使の小部屋は

『キュン❤キュン❤』と狂おしい疼きを帯び、

牝としての役目を果たそうと本能を昂らせてゆく。

 

 

(あっ……これ……

 体が妊娠したがってる……

 そんなのだめッ……だめよ……だめだめ……ッ!)

 

「オ……オォーッ、締まるッ!!

 いいぞ、いいぞカオリ……ッッ!!」

 

「……はーッ!はーッ!はーッ!

 っく!……ぅぅ~~っっ!!」

 

 

佳緒里の脳がどれだけ『抵抗』を命令しても、

既にその肉体は繋がる牡と合意してしまっている。

 

となれば。

 

あとは粛々と子作りが行われるだけだった。

 

 

「おらッ!

 観念しろカオリ……は、孕めぇッッ!!」

 

《ビュプッ❤……ブビュルルルルルッッ❤》

 

「あ……あッ❤

 だめッ……意識が跳ねるッ、跳ねちゃ――」

 

 

牝最大の弱点に直接撃ち込まれた快楽の弾丸。

 

その防ぎようのない悦びは

佳緒里を遠いまどろみへと連れ去っていった。

 

 

 

 

◆

 

 

 

 

あたり一面の真っ黒い世界。

 

その中を意識だけがゆらゆらと漂っている。

 

恐らくここは夢の中。

 

どこかぼーっとしたまま佳緒里はそう認識していた。

 

 

――ねえ、そこにいるのは誰?

 

 

ふと闇の中から聞こえてくる声。

 

それは佳緒里には聞き覚えのある声だった。

 

 

「……私?

 私は私よ。」

 

 

動じることなく返したのは身も蓋もない返事。

 

そしてもう一言付け加える。

 

 

「貴方は?」

 

――えっ? わ、私は……

 

 

すると自信なさげに言い淀む声。

 

なぜこの声の主はこんな簡単な問いに答えられないのか。

 

それも佳緒里にはわかっていた。

 

 

「貴方は私。

 誰かになりたかった私。

 去年までの私よ。」

 

――うん。

 

 

去年までの佳緒里はとかく存在感の無い少女だった。

 

度胸もなく、決断力もなく、何より自分がない。

 

どこにいても自然と周囲に埋もれてしまう惨めな存在だった。

 

そんな彼女が一念発起したのが所謂高校デビュー。

 

友人から家族まで、今までの自分を知る存在が誰一人いない

新たな環境での再スタートに踏み切ったのだ。

 

 

――ねえ、新しい環境はどう?

 

――貴方はうまくやっているの?

 

「新しい環境?

 最低よ……女囚もいいところね。

 その上、変な男に目をつけられて、ほとんど毎日犯されてる。」

 

 

魔都の名門・聖リトリス女学院。

 

仄かな希望を抱いて佳緒里が足を踏み入れた先にあったのは

牡たちの欲望にまみれた霧の牢獄だった。

 

 

――え……えっ?

 

「ま、そういう反応よね。

 でもね、これだけは言っておいてあげる。」

 

――……。

 

「私は私よ。

 アンタよりはまし。」

 

 

言い放った言葉。

 

視界を通さない暗闇の中で、たしかに声の主は微笑んだ。

 

そこで意識はまた現実へと引き戻されてゆく。

 

 

 

 

◆

 

 

 

 

「……ッ、アァッ!!!!」

 

 

まず戻るのは聴覚。

 

それは上から降ってくる雄叫びを捉える。

 

次に視覚。

 

廊下の天井と、

その手前には自分にのしかかるようにして見下ろす男の顔。

 

その他の感覚も次々と戻ってくる。

 

獣臭くさえ感じる牡の汗の匂い。

 

直接触れておらずとも空気を通して伝わる牡の体温。

 

そして、体の最奥。

 

生命の神秘に満ちた牝の器を『ドクンドクン』と牡で満たされる感覚。

 

到底耐えることなどできない、蕩けるような肉体の悦び。

 

 

「ぁ……あッ❤」

 

 

たまらずそんな声を漏らしたあと。

 

『ジト…』とゆっくりと目を細めて目の前の男――斗真を睨みつける。

 

 

「……失神させた女相手にまだガンバってたワケ?」

 

「子宮口に目覚めのキスだよ。

 いや目覚めの一発か?

 どっちにしてもいいもんだろ?」

 

 

斗真は三発目の注入で佳緒里を失神させたあとも

その獣欲を剝きだしてそのまま第四ラウンドに突入、

容赦なく責め立てる。

 

衰えを知らない四発目の射精に敏感に反応する佳緒里の肉体は、

そこに伴う絶頂により夢の中にあった意識を強制的に覚醒。

 

無理やり引きずり戻されたのだ。

 

 

「ヘヘッ。

 眠り姫のカオリも……可愛かったぜ。」

 

「……」

 

 

冷たい眼光による牽制を気にすることもなく

キスの距離まで顔を詰めてくる斗真に対して

今度は力いっぱい平手を打つ佳緒里。

 

だが。

 

所詮は鍛え抜かれた牡とか弱い牝だ。

 

ダメージは打たれた頬ではなく打った掌の方に入る。

 

手のしびれに顔を歪めた瞬間、

佳緒里はしたたかに唇を奪われていた。

 

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