※この作品はR-18です。

霧の牢獄   作:宇藤百足

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倉重シエラ②

 

女子寮エリア内に幾つか存在する共同浴場。

 

夕方から夜を通して開放されるこのリラクゼーション空間は、

寮の共同浴場というより大きな銭湯に匹敵する広さがある。

 

浴場内には淡いピンク色の花畑をイメージした内装が施され、

耳が寂しくならない程度に鳥の囀りや木々のざわめきなどの

自然環境音がかかっている。

 

日々、レイプと背中合わせで落ち着く暇のない女生徒たちにとって、

ここは数少ない憩いの場として人気がある。

 

だが、それでも深夜になってから、ここを訪れる者は多くない。

 

何故なら、深夜は夜遅くまでのおつとめから

漸く解放された女生徒たちがやって来る時間だからだ。

 

聖水で心に傷を負わなくなっている女生徒たちならいい。

 

だが、そうでない女生徒たちは非常にナーバスになっていることが多く、

下手に刺激してしまえばトラブルになることも多い。

 

そのため、誰もが自然と避けるのだ。

 

 

――ガラガラガラ。

 

 

今夜もそんなデリケートな空間を訪れる者がある。

 

眩い程の美貌で人目を惹きつけて離さない

魔都の姫君たちの中にあって、なお際立ったその風貌。

 

この国の民にしては白すぎる肌の色に、

人の手の入っていない天然のブロンド髪。

 

まだ幼さが残る愛らしい肉体は、

まるで西洋の森林から迷い込んできた妖精を思わせる。

 

それはもちろん、倉重シエラその人だった。

 

 

「……」

 

 

俯き加減、疲れの見える横顔。

 

その面持ちは深く沈んだままだ。

 

力なく顔を上げると、浴場内を軽く見渡す。

 

奥の湯船に一人先客がいるようだ。

 

シエラは湯船から距離のあるシャワー前に腰を下ろすと蛇口をひねった。

 

シャワーヘッドから放たれる温水が、

激しい性行為で疲労の溜まった筋肉が優しく解きほぐしてゆく。

 

男に散々触られ、舐められてついた肌の穢れを、

綺麗なお湯がさらさらと洗い流してゆく。

 

まずは髪を洗うと、次に顔を、四肢を、そして胴を洗う。

 

髪や顔、乳房や尻や太ももなど、

男の手がベタベタと触った場所は特に念入りに洗う。

 

そして。

 

最も念入りに洗わなければならない場所にシャワーヘッドを向ける。

 

言わずもがな、それは股間。

 

今日、九回もの射精を受け止めさせられた性器だ。

 

 

「……」

 

 

どこかうな垂れたような姿勢のまま入り口を優しく広げ、

そこにぬるま湯を強めにあててゆく。

 

ぬるま湯はまず勢いのままに肉の洞窟を突き進むと、

内部の異物を押し流すように捉え、また入り口から溢れ出てくる。

 

 

――コポコポコポコポ……

 

 

そんな水音と共に牝の聖域から次々と吐き出されるのは、

十五歳の肉体を妊娠させんとする牡の欲望の欠片たち。

 

それは本人が直視するには、

あまりにも凄惨で生々しい光景だった。

 

 

「……っ。

 ひぐっ。」

 

 

そこでついに嗚咽が漏れる。

 

シャワーの温水ではない透明な液体が、ポタポタとタイル床に落ちた。

 

 

「パパ、ママ……

 う、うえぇぇぇぇぇん。」

 

 

あと三年間近く、絶対に会うことのできない両親の名をつぶやくと、

シエラは堰を切ったように泣き出していた。

 

泣くのを邪魔する者はいない。

 

爽やかな自然環境音はただ静かに流れ続け、

湯船の女生徒も静かに湯に浸かったままだ。

 

そうして、しばらくシエラのさめざめと泣く声が続き、止む。

 

シエラは蛇口をひねって立ち上がると、

おぼつかない足取りで湯船へ向かう。

 

女生徒とは対角の位置で、湯船に足先を入れようとした時だった。

 

 

「ねえ、貴方。

 よかったら、こっちに来ないかしら?」

 

 

それまで無言を守っていた女生徒が声をかけてくる。

 

シエラには聞き覚えのある声だ。

 

 

「あ……

 さっき、門の前にいらしたお姉さま。」

 

「うふふ。

 霧の牢獄での一年、思っていた以上に長いものね。

 漸く私も『お姉さま』と呼ばれるようになったか。」

 

 

その女生徒は先程若い用務員と抱き合っていた二年生だった。

 

聖水常用者特有の妙に落ち着きすぎた眼差しがシエラの姿を捉えている。

 

 

「私は浅賀ほとり(あさかほとり)よ。

 去年は貴方と同じ一年生だったわ。」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「あっ、えと……

 シエラ、倉重シエラと申します、ほとりお姉さま。」

 

「シエラか。

 素敵な名前ね。

 その髪と肌、ハーフか何かなのかしら?」

 

「あ、はい。

 父が北の大国出身で……」

 

「そう。

 とても綺麗よ、羨ましいわ。」

 

「あ、ありがとうございます。」

 

 

ほとりの口ぶりはどこか耳に心地よく、

ここで流されている自然環境音のようだ。

 

初対面の相手に無意識に作り出される警戒をすり抜け、

シエラを自分の隣に座らせることに成功していた。

 

 

「シエラ、貴方ご兄弟はいるの?」

 

「いえ、一人っ子です。

 前にセントバーナードを飼っていたんですが、

 その子ももう死んでしまって……」

 

「そう……」

 

「ほとりお姉さまは?」

 

「私? 私は兄がいるわ。

 今、大学生。

 海が好きでね、まあ波乗りバカよ。」

 

「まあ、サーフィンをなさるお兄さまなのですね。」

 

「今の季節なら、もう波に乗ってるんじゃないかしら。

 可愛い妹が霧の牢獄に囚われていて……

 そこで今どんな目にあっているかなんて、知る由もなく、ね?」

 

「あ……」

 

 

話が、そこに触れる。

 

ふっと表情を暗くするシエラを、

ほとりの動じない眼差しがジッと見つめた。

 

 

「でも、私はこうして日々を生きていて。

 夢のリトリスマジックへと一歩ずつ近づいている。」

 

「ほとり、お姉さま……」

 

「シエラ?

 貴方も足を踏み入れてしまった以上は、

 ここでしたたかに、小賢しく、生きていかないとダメよ?」

 

「したたかに、小賢しく……」

 

「そうよ。

 この霧に包まれた閉鎖空間には世間の目というものがない。

 だからここのルールの範囲内なら何をしたっていいの。」

 

「……」

 

「だから……

 どんな自分にだってなれるわ。」

 

 

――クスッ……

 

 

そこで、また笑い声。

 

どこからともなく響くそれは不思議と誰の鼓膜も揺らさない。

 

 

「今日は随分遅くまでのおつとめだったみたいね?

 辛いことがあったの?」

 

 

ほとりは自分の肩の上にシエラの頭を抱き寄せ、

美しいブロンドの髪をそっと撫でる。

 

まるで母親が揺りかごに乗せた赤子にそうするように、

優しく静かに語り掛ける。

 

すると、シエラもやがてぽつぽつと口にし始めた。

 

 

「今日、うちのクラス。

 帰りのHRがだいぶ長引いてしまって……」

 

「あるある……

 一番メジャーなケースね。」

 

「皆、一生懸命走ったのですが……

 校門を抜けた時には、もう獣のチャイムが鳴り響いていて。

 もう統率なんか取れず、ただ蜘蛛の子を散らすようで……」

 

「生きた心地がしないわよね。

 私も去年、何度も経験したわ。」

 

「シエラ、足が遅いものですから、

 皆の背中を見失わないよう必死に追いすがったのですが、

 どんどん先に行かれてしまって、その内に息が切れて、それで……」

 

 

それで息切れの行動不能に陥ったシエラの肩を叩いたのが勝久だった。

 

芸術品の如き絶対の美貌を誇る魔都の姫君の中でも、

北の大国の血が混ざったシエラは新物である以上にレア物だ。

 

勝久はこれを大層気に入り、まずは時間をかけて遊歩道を連れ回した。

 

こうして用務員が狩った女生徒を連れ回すのには幾つかの理由がある。

 

その理由は人によって異なるが

それは『性行為に適したスポット探し』であり、

『愉しいデートの時間』であり、『他の用務員への獲物自慢』であり……

 

そして、『怯える獲物にニタニタ顔で頬ずりをする至福の時間』なのだ。

 

勝久はまさにこのタイプだった。

 

狩った獲物を連れ回しつつ

『自分がこれからどうされるのか』を延々とチラつかせては、

その心に不安を植え付けて弱い獲物を更に弱らせてゆく。

 

やがて、十分に震え上がらせて力を奪ったところで

牡の威厳を見せつけるかのような荒々しい行為に及び、悦に浸るのだ。

 

その結果が、途中場所を移しつつの九回もの膣内射精だった。

 

 

「まあ、呆れた。

 一日で九回って……

 どこまでしつこいのかしらね、そのお兄さま……」

 

「それにそのお兄さまは『シエラのこと絶対妊娠させるんだ』って、

 それはもう張り切っていらっしゃって。

 シエラ、本当は怖いのに……ぐすっ。」

 

「私たちにとっては怖いわよね……妊娠。

 知らない誰かの命をお腹の中に植え付けられるんだから。」

 

 

シエラの潤んだ眼差しがほとりを見上げる。

 

 

「ほとりお姉さまは……

 その、そこはどう対処されてるのですか?」

 

「この霧の牢獄では男とのダンスから完全には逃げきれない。

 それは即ち、妊娠という可能性からも逃げられないということ。」

 

「はい……」

 

「その対処、私は二つしてる。

 多分ある程度は気づいているんじゃないかしら?」

 

「……、聖水?」

 

 

奥の見えない濁った瞳でほとりは頷く。

 

深い霧で心を隠すことで精神的ダメージを無効化する薬品、聖水。

 

それは当然、妊娠の恐怖からも心を隠してくれる。

 

 

「最終的には自己責任となるけど。

 私としてはおすすめするわ。」

 

「……」

 

 

――クスクス……

 

 

どこかでまたあの笑い声がした。

 

 

「そして、もう一つだけど。

 こっちはわかる?」

 

「あのお兄さま、ですか?」

 

「……」

 

「特定のお兄さまと恋仲になることで、

 ある程度の犠牲は払いつつも身を守る方法がある。

 そんな話を聞いたことがあります。」

 

「正解よ。

 まあ、恋仲だと思っているのは

 向こうだけでしょうけれどね?」

 

 

ほとりの微笑に仄かな悪意が揺らめく。

 

したたかに、小賢しく。

 

それはほとりが霧の牢獄で一年生活してきた中で培ったモノだった。

 

 

「あのお兄さまを、騙してらっしゃるんですね?」

 

「魔都の姫君として使うべき力を行使しているだけよ。

 男の腕に捕まれば私たちの腕力では逃げられないのと同じ。

 男だって、私たちの側から仕掛けられた色恋からは逃れられないのよ。」

 

「……」

 

「いい? シエラ。」

 

「は、はい。」

 

「ここの男たちは、貴方たち一年生を『新物』なんて呼んで有難がるでしょう?

 まだ穢れていないモノを自分の色に穢せるから。

 でもね、それはこっちだって同じことなのよ?」

 

「……?

 どういうこと、ですか?」

 

「男だって新物がいいってコト。」

 

 

ほとりは親指と人差し指を伸ばして銃の形を作ると、

それをシエラに向けてにやりとする。

 

 

「シエラは……

 ここに来る男たちが皆世捨て人だって話、知ってる?」

 

「あ、はい。

 採用面接の時に『二度と現世には戻れない』と通告されるんだとか。」

 

「そう。

 だから現世に適応できず、はじき出されて傷ついていたりする人が多い。

 それこそ自殺を考えていた人とか……ね?」

 

「……。

 要はそこに、付け入るのですね?」

 

「ええ、新物がこちらのぬるま湯世界に慣れてしまう前にね。

 たっぷりと傷を舐めてあげたら、魅惑のダンスで夢見心地にさせてあげる。

 そうしたら、もう彼らは働きアリよ。」

 

「……なるほど。」

 

「卒業式を迎えて、女王アリがこの地を去るその日まで……

 全てを投げうってでも守ってくれるわ?」

 

 

そこまでを冷ややかに言い切っておいて、

ほとりはふと困ったような笑みを浮かべる。

 

 

「でもダンスって、どうしても情が移っちゃうモノだから。

 別れの日に辛い想いをするのは、

 必ずしも向こうだけではないかもしれないけれど。」

 

「あ……」

 

「もしも、その時に心の痛みを伴うようであれば、

 それだけは聖水抜きで負ってあげようと思ってる。

 愛する者を永久に失う哀れな男への、せめてもの手向けに、ね。」

 

 

黙り込むシエラ。

 

ほとりはその頭をぽんぽんとやる。

 

 

「な~んてね。

 そんな物悲しいロマンスを愉しむってのも悪くはないでしょう?」

 

「ほとりお姉さま……」

 

「だから、シエラ。

 貴方も辛いことにばかり目を向けていてはダメよ。

 こうして誰かとお風呂を愉しむ余裕くらい持ちなさい?」

 

「あ……」

 

「だって私たち、夢見る女の子なんだから。」

 

 

また二人は頭と頭でこつんとやる。

 

互いに寄りかかりあうように。

 

互いに支え合うように。

 

 

「……っ。

 ひぐっ、ぐすっ……

 お姉さま、ほとりお姉さま……」

 

 

シエラの瞳からぽろりぽろりと零れ落ちる涙。

 

ほとりの細やかな指がそれをそっとすくう。

 

その時、だった。

 

 

――クスッ……

 

――クスクスクス……

 

 

またあの笑い声。

 

それも今度は耳障りなほどによく聞こえる。

 

その声は次第に大きくなり、やがてその全貌を現す。

 

 

「……あははははは。」

 

 

笑っていたのは、ほとりだった。

 

 

「えっ? えっ?」

 

「ご、ごめん、シエラ。

 でも、貴方のその『泣き』、ちょっと癖が強すぎるのよ。

 始める前に、必ず相手を引き込むための『溜め』が入る。」

 

「え……?」

 

 

ポカンとした顔をするシエラ。

 

今まで見せたことのない探るような視線をほとりに向ける。

 

 

「うふふ、どうやら……

 舞台の上でのお芝居しか学んで来なかったようね、アクトレス?」

 

「……」

 

「貴方の見せる所作は全て大げさなのよ。

 それは女優が舞台上で観客席の目を惹きつけるためのモノ。

 舞台の下で同じことをするなら、もう少し演技をいじらないと……」

 

「……」

 

「同じ女優の目は、ごまかせないわよ?」

 

 

――クスッ。

 

 

すると、シエラも笑う。

 

『演技』という仮面を外した女優二人が笑い合う。

 

 

「なぁ~んだ、バレてましたの……」

 

「ええ、門の前で一目見た時にピーンとね?」

 

「えぇ~?

 ちょっとは自信あったのですけれど。」

 

「こう見えても劇団所属だったのよ。

 あまり舐めないで頂戴?」

 

「は~、なるほどなるほど。

 演劇部あがりのシエラ如きとは格が違うってことですか~。」

 

 

ガラリと豹変する場の空気。

 

それはまさに『舞台上』から『舞台裏』への変化だった。

 

二人は互いに挑発的な笑みを浮かべ合う。

 

 

「でも……

 貴方があまりにも可愛らしいものだから、

 乗ったふりをしたまま食べちゃおうかとも迷ったのだけれど……」

 

「あぁん♪

 シエラ、虎視眈々と待ち構えてましたのにぃ~❤」

 

「それにしても、すごいわね。

 今日は九発?

 随分と頑張って絞ったじゃないの。」

 

「あ~あ。

 あのお兄さまも、あと一歩男気が足りないと言いますか。

 もう一発ドピュッと撃ち込んでいれば、新記録どころか二桁の大台でしたのに。」

 

 

そんなことを軽やかに話すシエラの瞳に恐怖の色はない。

 

そこにはほとりと同じ聖水の霧がかかっていた。

 

 

「へぇ~?

 聖水の霧まで演技で隠してたか。

 そっちは気づかなかったわ。」

 

「いぇいですわ☆」

 

「でも、そっかそっか。

 単純明快に『悲劇のヒロイン』。

 それが貴方の演じるキャラクターってわけね?」

 

「はい。

 だって、下衆な男たちにたかられ、それでも健気に尽くす。

 そんな可愛そうなシエラって……可愛いでしょう?」

 

「うふふ、歪んでるわねえ?」

 

「やぁだ。

 そういうほとりお姉さまこそ~。

 『悲恋の踊り子』といったところでしょうか?」

 

「だって、現世じゃなかなかできないじゃない?

 そういう小説のヒロインみたいな恋愛ってさ。」

 

「「うふふ……」」

 

 

『ここには世間の目はない。

 だから、どんな自分にだってなれる。』

 

それを聖水の魔力も借りて実践しているのが、

ほとりとシエラという女優二人の本性だった。

 

だが、不自由と理不尽を強いられるこの霧の牢獄では

こういった一芸こそが選べる選択肢を増やし、

引いては身を救うモノとなる。

 

彼女たちのような女生徒こそが、

したたかなサバイバーとなりうるのだ。

 

 

「ところで、ほとりお姉さま。

 シエラを仔猫にしてくださらない?

 シエラ、ほとりお姉さまの舞台にも上がってみたいですわ。」

 

「あら、いいけれど、盗らないでよ?

 よ~く飼い慣らした美味しい男なんだから。」

 

「そこは確約はできませんけれども。」

 

「あ~ら、生意気な仔猫ちゃんね?

 さっそく躾が必要かしら?」

 

「「うふふ……」」

 

 

そこで二人の会話は不自然に途切れた。

 

自然環境音のBGMだけが、しばし流れる。

 

 

「「……」」

 

 

更衣室に人の気配がある。

 

二人が耳を澄ますと、

そこで弱々しくすすり泣く声が聞こえた。

 

 

「(獲物ですわ、ほとりお姉さま。)」

 

「(ちょうど貴方を食べ損ねて少々物足りなかったところよ。

  せっかくだし二人で美味しく食べちゃいましょうか、シエラ。)」

 

 

女優たちは静かに仮面を被り直す。

 

シエラは酷いおつとめでボロボロに傷ついた一年生に。

 

ほとりはそんなシエラを優しく慰める二年生に。

 

そこには瞬く間に『誰もが自然と逃げ込める場所』が演出される。

 

 

――クスッ……

 

――クスクスクス……

 

 

百合姫たちの甘い罠。

 

この霧の牢獄で手と手を繋いだ可憐な牝たちは、

傷つき帰って来た手負いの獲物をジッと待ち構えるのだった。

 

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