彼氏の寝取らせ癖に悩む幼馴染みの竿役に抜擢されたんですが…うちの恋人まで何故かノリノリなのはどうしてだろう? 作:かくろう
ラブホの翌週の平日、朝の通学路。
俺は恋歌ちゃんと手を繋いで学校に向かっていた。
翔子は少し遅れて合流する約束で、今日は二人きり。
恋歌ちゃんが俺の腕に絡みつき、いつもの明るい笑顔で話しかけてくる。
「翔くん、昨夜よく寝れた? 体だいじょうぶ?」
俺は少し照れながら頷く。
「うん、おかげさまで。恋歌ちゃんこそ、疲れてないか?」
恋歌ちゃんが俺の肩に頭を軽く寄せて。
「私は翔くんと翔子ちゃんが楽しそうだったから、元気いっぱいだよ」
彼女の言葉はいつも優しくて、俺の心を落ち着かせる。
でも、ラブホの夜の翔子の姿が頭から離れなかった。
バニーガールやメイド服で俺を求めてくる翔子は、熱すぎて、悠真くんのためだけじゃ説明がつかない気がした。
プレイの最中、「翔吾に奪われた……」って何度も言ってたけど、あれは本当に彼氏のためか?
悠真くんの名前を出す時、翔子の目が少し遠くなるような……そんな気がする。
学校に着いて教室に入ると、翔子がすでに席に座っていた。
俺を見て、明るく手を振る。
「おはよう、翔吾。レンたんも」
恋歌ちゃんが翔子の隣に座り、俺は後ろの席から二人を見る。
授業中も、翔子が時々俺の方を振り返って微笑むのが目に入る。
あの笑顔は、幼馴染みの時から変わらないけど、最近少し違う熱が混じってる気がして、胸がざわつく。
昼休み、屋上で三人弁当の時間。
翔子が手作り弁当を広げ、恋歌ちゃんがコンビニのおにぎりをシェア。
俺は二人の間に座って、交互に食べさせてもらう。
翔子が唐揚げを俺の口に運んで。
「翔吾、食べて。次のプレイのために栄養つけなきゃ」
恋歌ちゃんがおにぎりを差し出して。
「翔くん、私のもどうぞ」
俺は笑いながら食べるけど、心の奥で小さな疑問がまた浮かぶ。
翔子の手が俺の口元を拭く時、少し長く触れてる気がする。
悠真くんのためって言ってるのに、翔子の視線が俺に絡みつくような……。
食事が終わって、三人で空を見上げている時、俺は軽く訊ねてみた。
「翔子、ラブホの後、悠真くんからまた連絡来た?」
翔子が少しだけ間を置いて、スマホをポケットから出す。
「うん、来たよ。『次も楽しみ』って」
画面をちらりと見せてくれたけど、また角度が悪くて読めない。
俺は少し気になったけど、恋歌ちゃんが俺の肩を抱いて。
「翔くん、翔子ちゃんの幸せが一番だよね」
その言葉に、俺は頷いた。
疑うのはやめよう。
翔子は悠真くんを愛してる。
俺は恋歌ちゃんを愛してる。
三人で協力してるだけだ。
でも、胸の小さなざわつきは、完全に消えなかった。
次のプレイの話は、まだ出てこなかったけど、きっとまた過激になるんだろう。
その時、翔子の本心が少し見えるかもしれない。
ただ、やはり最近、恋歌ちゃんのことが少し気にかかるようになった。
きっかけは、ラブホの朝だった。
俺たちが激しく絡み合ってる最中、恋歌ちゃんが翔子の胸を優しく愛撫しながら、俺の耳元で囁いた言葉。
「翔くん、翔子ちゃんをいっぱい感じさせてあげて」
あの声は甘くて優しかったけど、目が少し深かった。
翔子が俺に抱かれて喘いでる姿を、恋歌ちゃんは本当にただ「翔子ちゃんのため」に見てるだけなのか?
恋歌ちゃんはいつも「翔子ちゃんの幸せが翔くんの幸せ」って言う。
でも、プレイの流れを恋歌ちゃんが主導してる気がする。
リモコンを握ってるのも、タイミングを決めてるのも、ほとんど恋歌ちゃん。
翔子が俺に積極的になるように、恋歌ちゃんが後押ししてるみたいで……。
学校で三人でいる時も、恋歌ちゃんの笑顔は完璧だ。
俺の腕に絡みついて、翔子に優しく話しかけて。
でも、時々恋歌ちゃんの目が、俺と翔子を交互に見る瞬間がある。
その視線が、優しいのに、どこか計算してるような……
いや、そんなはずない。
恋歌ちゃんは俺の彼女で、天使みたいに優しい。
俺の欲求を全部受け入れてくれる。
翔子を抱くのを許してくれるのも、恋歌ちゃんの包容力だ。
でも、もし恋歌ちゃんが何か知ってて、黙ってるなら?
翔子の秘密を察知して、俺を試してる?
それとも、俺の心を深く繋ぎ止めるために、この関係を続けさせてる?
(翔子と自分。3人で付き合うみたいな事も言ってたけど、まさかな)
家に帰って一人になると、そんな考えが頭をよぎる。
恋歌ちゃんの笑顔を思い出すと、すぐに疑念は溶けるけど。
恋歌ちゃんは俺を愛してる。
俺も恋歌ちゃんが一番大事だ。
でも、胸の奥で、小さな棘がまた刺さった。
恋歌ちゃんへの疑念……それは、俺の思い込みだと思うのに、完全に振り払えない。
次のプレイで、何か変わるかもしれない。
俺は恋歌ちゃんを信じてる。
信じてるはずだ。
ある土曜の午後、恋歌ちゃんの家で三人で過ごしていた。
翔子は少し遅れて来るというので、俺と恋歌ちゃんの二人きり。
リビングでくつろいでいると、恋歌ちゃんが棚から古いアルバムを取り出してきた。
「翔くん、見て。昔の写真」
アルバムを開くと、小学校の頃の写真がいっぱい。
俺と恋歌ちゃんが同じクラスになった頃の遠足写真。
恋歌ちゃんが俺の隣で笑ってる。
翔子は別のクラスだから、写真にはほとんど出てこない。
恋歌ちゃんがページをめくりながら、懐かしそうに言う。
「実はね、私たち小学生の頃から知り合いだったんだよ」
俺は少し驚いてアルバムを見る。
「え、そうだった? 俺、全然覚えてないな」
恋歌ちゃんがくすくす笑う。
「うん、私も翔くんと同じ小学校だったけど、クラスが違ってて、ほとんど絡みなかったの。
翔くんはいつも翔子ちゃんと一緒にいて、私から見たら遠い存在だった。
翔くんが翔子ちゃんと砂場で遊んでるの、教室の窓から見てて『あの男の子、優しそう』って思ってたよ」
俺は照れながら笑う。
「そうだったのか。俺は恋歌ちゃんのこと、全然気づいてなかったな」
恋歌ちゃんが少し遠い目をして、続ける。
「小学校高学年まで、ほとんど話したことなかった。
でも、中学校で同じクラスになって、ようやく隣に座れるようになった時、嬉しくてたまらなかった。
翔くんのこと、ずっと好きだったんだよね」
彼女の言葉に、胸が少し締めつけられた。
恋歌ちゃんは昔から俺のことを想ってくれてたのに、俺は気づいてなかった。
翔子とは幼馴染みで自然に一緒にいたけど、恋歌ちゃんは遠くから俺を見てたんだ。
恋歌ちゃんがアルバムを閉じて、俺の肩に頭を寄せる。
「今は三人でいられて幸せ。
翔子ちゃんも、翔くんも、私の大事な人だから」
俺は恋歌ちゃんを抱きしめた。
「恋歌ちゃん、ありがとう。俺も恋歌ちゃんが一番だよ」
恋歌ちゃんが少しだけ目を伏せて、静かに微笑む。
その瞬間、俺は恋歌ちゃんの過去に、少しだけ触れた気がした。
恋歌ちゃんは昔から、俺の幸せを考えてくれてた。
この関係も、恋歌ちゃんが受け入れてくれたから成り立ってる。
翔子が来て、三人でまた笑い合う。
恋歌ちゃんの過去の秘密――それは、俺への長い長い想いだった。
俺は二人の笑顔を見て、幸せを感じた。
◇◇◇
冬休みが終わって、学校が再開してから数週間後のことだった。
クラスで修学旅行の班決めがあった。
行き先は京都。
班は自由編成で、俺は迷わず恋歌ちゃんと翔子を誘った。
「三人で同じ班にしよう」
恋歌ちゃんがすぐに「もちろん♡」って笑って、翔子も「翔吾とレンたんと一緒なら楽しみ!」って喜んでくれた。
班は無事三人で決まり、俺は少しドキドキした。
修学旅行で三人きりになる時間がいっぱいあるって思うと、なんだか特別な感じがした。
旅行当日、バスで京都へ。
席は俺が真ん中、恋歌ちゃんが窓側、翔子が通路側。
恋歌ちゃんが俺の肩に頭を乗せて、翔子がおにぎりを分けてくれる。
「翔吾、食べて。朝早かったでしょ」
恋歌ちゃんが俺の手に自分の手を重ねて。
「翔くん、私もお菓子持ってきたよ」
バスの中は賑やかで、三人で映画の話や京都の観光地の話で盛り上がった。
京都に着いて、班行動の自由時間。
金閣寺を見た後、三人で清水寺に向かう道を散策。
冬の京都は観光客も少なくて、静かでいい雰囲気。
恋歌ちゃんが俺の腕に絡みつき、翔子がもう片方の手を握ってくる。
「三人で歩くの、楽しいね」
恋歌ちゃんが笑う。
翔子も頷いて。
「うん、翔吾とレンたんと一緒なら、どこでも幸せ」
俺は二人の手を握り返して、胸が温かくなった。
清水寺の舞台で写真を撮ったり、お土産屋を覗いたり。
翔子がふとスマホを取り出して。
「ちょっと、悠真くんにメール送るね。京都の写真送ってあげようと思って」
翔子が少し離れたところでスマホをいじる。
俺は恋歌ちゃんとベンチに座って待ってたけど、なんとなく翔子の姿を見ていた。
翔子がスマホを打つ指が少し速くて、時々周りを気にするように見回す。
返事が来たらすぐに画面を隠すような仕草。
……なんか、変だな。
恋歌ちゃんが俺の肩に頭を乗せて。
「翔くん、翔子ちゃん待ってる間、こっち来て」
彼女の優しい声に、俺の視線が翔子から離れる。
夜、旅館に着いて、班ごとの夕食の後、自由時間。
旅館の近くで小さな花火大会があって、三人で浴衣に着替えて見に行くことに。
浴衣姿の恋歌ちゃんと翔子は、いつもより大人びて見えて、俺はドキドキした。
花火の下で、三人で並んで座る。
恋歌ちゃんが俺の左手を握り、翔子が右手を握る。
花火が夜空に上がるたび、二人の顔が照らされる。
翔子が少し遠い目をして、花火を見上げてる。
寒空に上がる冬の花火も乙なものだ。
俺は翔子に小声で訊ねた。
「翔子、悠真くんから返事来た?」
翔子が少し驚いた顔で、笑う。
「うん、来たよ。『楽しんで』って」
また画面を見せない。
俺の胸に小さなざわつきが残るけど、花火の音と二人の温もりがそれを優しく包む。
花火が終わって旅館に戻る道、三人で手を繋いで歩く。
恋歌ちゃんが言う。
「修学旅行、最高だね。翔くんと翔子ちゃんと一緒で」
翔子が頷いて。
「うん、忘れられない思い出になる」
俺は二人の手を強く握った。
この旅行は、楽しい思い出になった。
でも、翔子のスマホの仕草が、少しだけ頭に残った。