※この作品はR-18です。

彼氏の寝取らせ癖に悩む幼馴染みの竿役に抜擢されたんですが…うちの恋人まで何故かノリノリなのはどうしてだろう?   作:かくろう

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第12話 修学旅行

 ラブホの翌週の平日、朝の通学路。

 

 俺は恋歌ちゃんと手を繋いで学校に向かっていた。

 翔子は少し遅れて合流する約束で、今日は二人きり。

 

 恋歌ちゃんが俺の腕に絡みつき、いつもの明るい笑顔で話しかけてくる。

 

「翔くん、昨夜よく寝れた? 体だいじょうぶ?」

 

 俺は少し照れながら頷く。

 

「うん、おかげさまで。恋歌ちゃんこそ、疲れてないか?」

 

 恋歌ちゃんが俺の肩に頭を軽く寄せて。

 

「私は翔くんと翔子ちゃんが楽しそうだったから、元気いっぱいだよ」

 

 彼女の言葉はいつも優しくて、俺の心を落ち着かせる。

 でも、ラブホの夜の翔子の姿が頭から離れなかった。

 バニーガールやメイド服で俺を求めてくる翔子は、熱すぎて、悠真くんのためだけじゃ説明がつかない気がした。

 プレイの最中、「翔吾に奪われた……」って何度も言ってたけど、あれは本当に彼氏のためか?

 悠真くんの名前を出す時、翔子の目が少し遠くなるような……そんな気がする。

 

 学校に着いて教室に入ると、翔子がすでに席に座っていた。

 俺を見て、明るく手を振る。

 

「おはよう、翔吾。レンたんも」

 

 恋歌ちゃんが翔子の隣に座り、俺は後ろの席から二人を見る。

 授業中も、翔子が時々俺の方を振り返って微笑むのが目に入る。

 あの笑顔は、幼馴染みの時から変わらないけど、最近少し違う熱が混じってる気がして、胸がざわつく。

 

 昼休み、屋上で三人弁当の時間。

 

 翔子が手作り弁当を広げ、恋歌ちゃんがコンビニのおにぎりをシェア。

 俺は二人の間に座って、交互に食べさせてもらう。

 

 翔子が唐揚げを俺の口に運んで。

 

「翔吾、食べて。次のプレイのために栄養つけなきゃ」

 

 恋歌ちゃんがおにぎりを差し出して。

 

「翔くん、私のもどうぞ」

 

 俺は笑いながら食べるけど、心の奥で小さな疑問がまた浮かぶ。

 翔子の手が俺の口元を拭く時、少し長く触れてる気がする。

 悠真くんのためって言ってるのに、翔子の視線が俺に絡みつくような……。

 

 食事が終わって、三人で空を見上げている時、俺は軽く訊ねてみた。

 

「翔子、ラブホの後、悠真くんからまた連絡来た?」

 

 翔子が少しだけ間を置いて、スマホをポケットから出す。

 

「うん、来たよ。『次も楽しみ』って」

 

 画面をちらりと見せてくれたけど、また角度が悪くて読めない。

 俺は少し気になったけど、恋歌ちゃんが俺の肩を抱いて。

 

「翔くん、翔子ちゃんの幸せが一番だよね」

 

 その言葉に、俺は頷いた。

 疑うのはやめよう。

 翔子は悠真くんを愛してる。

 俺は恋歌ちゃんを愛してる。

 三人で協力してるだけだ。

 

 でも、胸の小さなざわつきは、完全に消えなかった。

 

 次のプレイの話は、まだ出てこなかったけど、きっとまた過激になるんだろう。

 その時、翔子の本心が少し見えるかもしれない。

 

 

 ただ、やはり最近、恋歌ちゃんのことが少し気にかかるようになった。

 

 きっかけは、ラブホの朝だった。

 俺たちが激しく絡み合ってる最中、恋歌ちゃんが翔子の胸を優しく愛撫しながら、俺の耳元で囁いた言葉。

 

 「翔くん、翔子ちゃんをいっぱい感じさせてあげて」

 

 あの声は甘くて優しかったけど、目が少し深かった。

 翔子が俺に抱かれて喘いでる姿を、恋歌ちゃんは本当にただ「翔子ちゃんのため」に見てるだけなのか?

 恋歌ちゃんはいつも「翔子ちゃんの幸せが翔くんの幸せ」って言う。

 でも、プレイの流れを恋歌ちゃんが主導してる気がする。

 リモコンを握ってるのも、タイミングを決めてるのも、ほとんど恋歌ちゃん。

 翔子が俺に積極的になるように、恋歌ちゃんが後押ししてるみたいで……。

 

 学校で三人でいる時も、恋歌ちゃんの笑顔は完璧だ。

 俺の腕に絡みついて、翔子に優しく話しかけて。

 でも、時々恋歌ちゃんの目が、俺と翔子を交互に見る瞬間がある。

 その視線が、優しいのに、どこか計算してるような……

 いや、そんなはずない。

 恋歌ちゃんは俺の彼女で、天使みたいに優しい。

 俺の欲求を全部受け入れてくれる。

 翔子を抱くのを許してくれるのも、恋歌ちゃんの包容力だ。

 

 でも、もし恋歌ちゃんが何か知ってて、黙ってるなら?

 翔子の秘密を察知して、俺を試してる?

 それとも、俺の心を深く繋ぎ止めるために、この関係を続けさせてる?

 

(翔子と自分。3人で付き合うみたいな事も言ってたけど、まさかな)

 

 家に帰って一人になると、そんな考えが頭をよぎる。

 恋歌ちゃんの笑顔を思い出すと、すぐに疑念は溶けるけど。

 恋歌ちゃんは俺を愛してる。

 俺も恋歌ちゃんが一番大事だ。

 

 でも、胸の奥で、小さな棘がまた刺さった。

 恋歌ちゃんへの疑念……それは、俺の思い込みだと思うのに、完全に振り払えない。

 

 次のプレイで、何か変わるかもしれない。

 俺は恋歌ちゃんを信じてる。

 信じてるはずだ。

 

 

 

 ある土曜の午後、恋歌ちゃんの家で三人で過ごしていた。

 翔子は少し遅れて来るというので、俺と恋歌ちゃんの二人きり。

 

 リビングでくつろいでいると、恋歌ちゃんが棚から古いアルバムを取り出してきた。

 

「翔くん、見て。昔の写真」

 

 アルバムを開くと、小学校の頃の写真がいっぱい。

 俺と恋歌ちゃんが同じクラスになった頃の遠足写真。

 恋歌ちゃんが俺の隣で笑ってる。

 翔子は別のクラスだから、写真にはほとんど出てこない。

 

 恋歌ちゃんがページをめくりながら、懐かしそうに言う。

 

「実はね、私たち小学生の頃から知り合いだったんだよ」

 

 俺は少し驚いてアルバムを見る。

 

「え、そうだった? 俺、全然覚えてないな」

 

 恋歌ちゃんがくすくす笑う。

 

「うん、私も翔くんと同じ小学校だったけど、クラスが違ってて、ほとんど絡みなかったの。

 翔くんはいつも翔子ちゃんと一緒にいて、私から見たら遠い存在だった。

 翔くんが翔子ちゃんと砂場で遊んでるの、教室の窓から見てて『あの男の子、優しそう』って思ってたよ」

 

 俺は照れながら笑う。

 

「そうだったのか。俺は恋歌ちゃんのこと、全然気づいてなかったな」

 

 恋歌ちゃんが少し遠い目をして、続ける。

 

「小学校高学年まで、ほとんど話したことなかった。

 でも、中学校で同じクラスになって、ようやく隣に座れるようになった時、嬉しくてたまらなかった。

 翔くんのこと、ずっと好きだったんだよね」

 

 彼女の言葉に、胸が少し締めつけられた。

 恋歌ちゃんは昔から俺のことを想ってくれてたのに、俺は気づいてなかった。

 翔子とは幼馴染みで自然に一緒にいたけど、恋歌ちゃんは遠くから俺を見てたんだ。

 

 恋歌ちゃんがアルバムを閉じて、俺の肩に頭を寄せる。

 

「今は三人でいられて幸せ。

 翔子ちゃんも、翔くんも、私の大事な人だから」

 

 俺は恋歌ちゃんを抱きしめた。

 

「恋歌ちゃん、ありがとう。俺も恋歌ちゃんが一番だよ」

 

 恋歌ちゃんが少しだけ目を伏せて、静かに微笑む。

 

 その瞬間、俺は恋歌ちゃんの過去に、少しだけ触れた気がした。

 恋歌ちゃんは昔から、俺の幸せを考えてくれてた。

 この関係も、恋歌ちゃんが受け入れてくれたから成り立ってる。

 

 翔子が来て、三人でまた笑い合う。

 恋歌ちゃんの過去の秘密――それは、俺への長い長い想いだった。

 

 俺は二人の笑顔を見て、幸せを感じた。

 

 

 ◇◇◇

 

 

 冬休みが終わって、学校が再開してから数週間後のことだった。

 クラスで修学旅行の班決めがあった。

 行き先は京都。

 班は自由編成で、俺は迷わず恋歌ちゃんと翔子を誘った。

 

 「三人で同じ班にしよう」

 

 恋歌ちゃんがすぐに「もちろん♡」って笑って、翔子も「翔吾とレンたんと一緒なら楽しみ!」って喜んでくれた。

 班は無事三人で決まり、俺は少しドキドキした。

 修学旅行で三人きりになる時間がいっぱいあるって思うと、なんだか特別な感じがした。

 

 旅行当日、バスで京都へ。

 席は俺が真ん中、恋歌ちゃんが窓側、翔子が通路側。

 恋歌ちゃんが俺の肩に頭を乗せて、翔子がおにぎりを分けてくれる。

 

 「翔吾、食べて。朝早かったでしょ」

 

 恋歌ちゃんが俺の手に自分の手を重ねて。

 

「翔くん、私もお菓子持ってきたよ」

 

 バスの中は賑やかで、三人で映画の話や京都の観光地の話で盛り上がった。

 

 京都に着いて、班行動の自由時間。

 金閣寺を見た後、三人で清水寺に向かう道を散策。

 冬の京都は観光客も少なくて、静かでいい雰囲気。

 恋歌ちゃんが俺の腕に絡みつき、翔子がもう片方の手を握ってくる。

 

 「三人で歩くの、楽しいね」

 

 恋歌ちゃんが笑う。

 翔子も頷いて。

 

 「うん、翔吾とレンたんと一緒なら、どこでも幸せ」

 

 俺は二人の手を握り返して、胸が温かくなった。

 

 清水寺の舞台で写真を撮ったり、お土産屋を覗いたり。

 翔子がふとスマホを取り出して。

 

「ちょっと、悠真くんにメール送るね。京都の写真送ってあげようと思って」

 

 翔子が少し離れたところでスマホをいじる。

 俺は恋歌ちゃんとベンチに座って待ってたけど、なんとなく翔子の姿を見ていた。

 翔子がスマホを打つ指が少し速くて、時々周りを気にするように見回す。

 返事が来たらすぐに画面を隠すような仕草。

 ……なんか、変だな。

 

 恋歌ちゃんが俺の肩に頭を乗せて。

 

「翔くん、翔子ちゃん待ってる間、こっち来て」

 

 彼女の優しい声に、俺の視線が翔子から離れる。

 

 夜、旅館に着いて、班ごとの夕食の後、自由時間。

 旅館の近くで小さな花火大会があって、三人で浴衣に着替えて見に行くことに。

 

 浴衣姿の恋歌ちゃんと翔子は、いつもより大人びて見えて、俺はドキドキした。

 花火の下で、三人で並んで座る。

 

 恋歌ちゃんが俺の左手を握り、翔子が右手を握る。

 

 花火が夜空に上がるたび、二人の顔が照らされる。

 翔子が少し遠い目をして、花火を見上げてる。

 

 寒空に上がる冬の花火も乙なものだ。

 

 俺は翔子に小声で訊ねた。

 

「翔子、悠真くんから返事来た?」

 

 翔子が少し驚いた顔で、笑う。

 

「うん、来たよ。『楽しんで』って」

 

 また画面を見せない。

 俺の胸に小さなざわつきが残るけど、花火の音と二人の温もりがそれを優しく包む。

 

 花火が終わって旅館に戻る道、三人で手を繋いで歩く。

 

 恋歌ちゃんが言う。

 

「修学旅行、最高だね。翔くんと翔子ちゃんと一緒で」

 

 翔子が頷いて。

 

「うん、忘れられない思い出になる」

 

 俺は二人の手を強く握った。

 

 この旅行は、楽しい思い出になった。

 でも、翔子のスマホの仕草が、少しだけ頭に残った。

 

 

 

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