そして
…やっちゃいけない事をやっちゃった場所。
見ないで
深く吐き出る、熱に浮かされた重たい息。
夕焼け頃、私の行動を責める様にも、私の心を勝手に映し出せれてる様にも感じる空の下。
心の中の情動が、私の理性を茹で上がらせて理性を溶かす。
誰も居ない教室で、みんなの、友達の…貴方の声が、聴こえる気がする。
勿論気のせい、そうじゃ無ければこんなこと出来るわけがないもの。
まっすぐ、ちょっとふらついた足取りで目的の机に寄り、
何の変哲もないはずの木の板を幾許か眺めた後、指を這わす。
唯の量産品、でも私にとってはちょっと違う。
いつも頑張っていて、いつも明るくて、いつも優しい、いつも私が目で追っちゃう人。
私の好きな人の机。
肘を、手を、指を、時には頭を置いちゃってる机。
…ん…
机の端に触れる私の大事な箇所。
ちょっぴり残った理性で口を抑える。
行けない事だなんてわかってる、それでも心の中の想いは膨れ上がって、だからこそ上手く話せなくなっちゃって、それでも想いだけはこんなに大きくなっちゃって。
今までこんな事なかった。布団の中でこっそりお股に触れていれば解消したのに、貴方に会ってから変になっちゃった。
拙く、あまりに情け無い動きで擦り付ける。
脳裏に浮かぶのはあなたが向けてくれた笑顔、貴方と近くに居る時ふと香る男性の匂い、時々香らせる拭いても残る微かな汗のすっぱい匂い。
…んっ…ふっ……あぁっ…
思い出すたびにお腹が切なくなって、頭によくわからない指令を飛ばす。
でもその指令の意味はいまだによく分かってなくて。
こんな形で不恰好に発散してる。
摩りつけ、擦り付けて、押し潰して、そうして行くうちに声が抑えられなくなり、体は本能の制御下でヘコヘコと腰を動かす。
もはや周りを気にすることも無く自分の世界に入り込む。
いつもより激しくしていることも気づかずに、
本能のままに、誰にも見られちゃいけない恥ずかしいところを刺激する。
思わずあなたの名前が漏れる、決壊した様に何度も名前が、出……
…?
今日は何か、いつもは、?
これで済んだのに。
…ようやく気づいた。
…ダメ、止まらない、ダメ!、口からだけじゃ無い、
気付いたところで無駄だった。
急激に吹き帰った理性が警告するも、本能に支配された体は止まってくれなかった。
何か!ダメ!だめ溢れっ…!?
ーー…ッッッ!!ッ!?……ッ!
………♡
ーーーーー
「………気のせい…か?」
そう零して教室内を調べ始める先生を尻目に、理解できない余韻を抱え
水滴を落としている事も知らずにガクガクと、子鹿の様な足取りで冷たい廊下を逃げ帰った。