※この作品はR-18です。

昨日読んだショタエロ漫画の物語が現実になるおじさん   作:とけそうだら

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昨日読んだショタエロ漫画の展開が現実になるおじさん(後編)

 昨日読んだショタエロ漫画の物語が、翌日には現実となる。

 

 その法則、いや俺だけが神から授かったチート能力を自覚してからというもの、俺の夜は真剣勝負の場となった。

 本棚の前で腕を組み、背表紙を睨みつける眼光は、会社の営業成績表を見ている時よりも遥かに鋭く、熱い。

 なにせ、今夜のオカズ選びが、明日の世界の在り方を決定づけるのだから。

 

 

「中途半端な作品(ズリネタ)じゃダメだ。俺の魂を震わせ、理性を粉砕する最高の一冊でなければ……!」

 

 

 俺は厳選に厳選を重ね、自らの歪んだ性癖という名の設計図を、現実世界へと投影していった。

 

 

―――――――――

 

Day 1:『禁断のブラザーコンプレックス』

 

 記念すべき初日に選んだのは、血の繋がらない義弟が兄に甘える、王道のショタ同人誌だ。

 翌朝、世界は俺の望み通りに改変されていた。

 なんと、疎遠だった実兄とその妻(義姉)が、突然俺のアパートの隣室に引っ越してきたのだ。

 だが、真のサプライズはそこではない。

 三十歳の義姉には、なんと二十歳も年の離れた弟がいて、彼も一緒に同居しているというのだ。

 つまり、俺にとって法的な繋がりこそないが、実質的な「義理の弟」となる十歳の美少年が、すぐ隣の部屋に住むことになったのだ。

 

 

「あ、あの……太おじさん。作りすぎちゃったんで、肉じゃがどうぞ」

 

 

 玄関に立っていたのは、可憐な黒髪の少年だった。

 華奢な肩には不釣り合いな、ぶかぶかのエプロン。

 その隙間から見えるのは、タンクトップと短パンという、あまりにも無防備で暴力的な部屋着姿だ。

 俺が部屋に招き入れると、彼は上目遣いで、とんでもない爆弾を投下してきた。

 

 

「ねえ……お兄さんなのにおじさんって呼ぶの変だよね。やっぱり、『お兄ちゃん』って呼んでいい?」

 

 

 潤んだ瞳と、全幅の信頼。

 コタツに入り、彼の手作りだという湯気の立つ肉じゃがを「あーん」で食べさせてもらう。

 家庭的な温かさと、二人の間でなにか過ちが起きそうという背徳感。

 その距離感の近さに、俺の理性は熱したフライパンの上のバターのように溶けていく。

 

 

「お兄ちゃん、なんか硬いよ? ここ……」

 

 

 不意に、テーブルの下で何かが触れた。

 少年の小さな手が、俺の股間に伸びていた。

 ズボンの上から、熱く膨張したモノを無邪気にいじり始める。

 

 

「あっ、んんっ……♡ お兄ちゃんの、すっごくおっきい……♡」

 

 

 その一言が合図だった。

 雪崩れ込むように一線を超える。俺は少年のエプロンだけを残し、Tシャツを強引にまくり上げた。

 露わになった未発達な薄紅色の乳首を、指先でコリコリと執拗にいじり倒すと、少年は「あぁっ、お兄ちゃんっ!♡ そこ変になっちゃう!♡」と甘い声を上げて身をよじる。

 とろとろに濡れた蕾に指を挿し入れ、狭い中を拡げると、熱い粘膜が指紋の一つひとつにまで吸い付いてくるようだった。

 

 

「入れるからな、弟よ……」

「うんっ、お兄ちゃんの……おっきいの、全部入れてぇッ!♡」

 

 

 近親相姦という禁忌のスパイスと、エプロン一枚という視覚的暴力。

 突き上げるたびに揺れるエプロンの紐。そして「お兄ちゃん、すごいっ、イッちゃう!♡♡♡」と泣き叫ぶ少年の姿に、俺は三回連続で濃厚な種を注ぎ込んだ。

 

―――――――――

 

Day 5:『放課後のエースストライカー』

 

 五日目に選んだのは、サッカー部のエースが公園の浮浪者おじさんに開発される、泥と汗にまみれたスポーツ陵辱ものだ。

 翌日、営業回りで立ち寄った公園で、漫画の通りに日焼けしたサッカー少年が一人、ボールを探してキョロキョロしていた。

 

 

「おじさん、この公園に住んでるんでしょ? ボール、一緒に探してくれない?」

 

 

 屈託のない爽やかな笑顔。

 だが、近づくと若草のような制汗剤の香りと、運動後の雄々しい汗の匂いが混ざり合い、濃厚なフェロモンとなって俺の鼻孔をくすぐる。

 俺は頷き、彼と共に薄暗い藪の中へと足を踏み入れた。そこは、周囲の視線を遮る天然の個室だった。

 

 

「ねえ、おじさん……ボールより、別のタマ遊び、しない?」

 

 

 二人きりになった瞬間、少年の表情が一変した。

 彼は挑発的にニヤリと笑うと、泥だらけのユニフォームを自らまくり上げた。

 露わになったのは、健康的な小麦色の日焼け肌と、そこにクッキリと白く残るパンツのライン。

 その眩しいコントラストが、俺の理性を一瞬で焼き切った。

 

 俺は泥と芝生の匂いが充満する地面に少年を押し倒し、スパイクを履いたままの足を強引にM字に開かせた。

 

 

「ぐっ、うぅっ! 芝生が、背中に刺さって……痛いっ……!」

「痛いか? でも、中はこんなに喜んでるぞ」

 

 

 ズチュンッ!

 

 スポーツで鍛え上げられた括約筋の締め付けは強烈だった。

 グウッ、と内壁全体が万力のように俺の肉棒を締め上げ、一度咥えた獲物を絶対に離そうとしない。

 

 

「ああっ!♡ もっと、もっと激しくドリブルしてよぉッ!♡ ゴールネット、突き破ってぇッ!♡♡♡」

 

 

 試合中よりも熱い嬌声を上げ、少年は自ら腰を振って貪欲に俺を受け入れる。

 泥にまみれ、汗を散らしながら交わる獣のようなセックス。

 射精の瞬間、勢いよく飛び散った白濁が日焼けした太ももに降り注ぎ、小麦色の肌の上に美しい背徳のマーブル模様を描き出した。

 

―――――――――

 

Day 12:『放課後の生徒会室、優等生の裏の顔』

 

 十二日目に選んだのは、高潔な生徒会長が自慰行為を見られ、弱みを握られて開発されるという背徳の王道シチュエーションだ。

 翌日、俺は仕事で中学校への備品納入を任された。

 夕闇が迫る放課後の校舎。

 人気のない静まり返った廊下を歩いていると、生徒会室から微かな吐息が漏れているのが聞こえた。

 

 

「はぁ……っ、んっ……♡」

 

 

 少し開いたドアの隙間から覗くと、そこには信じられない光景があった。

 夕陽に照らされた室内で、眼鏡をかけた理知的な美少年――腕に『生徒会長』の腕章をつけた彼が、机に突っ伏して自らの股間をまさぐっていたのだ。

 制服のズボンを下ろし、露わになった張り詰めた肉棒を、白い手で一心不乱に扱いている。

 

 

「ああっ……♡ だめだ、我慢できない……っ、いくっ……!♡♡♡」

 

 

 ビュルッ!

 

 彼が白濁を机に撒き散らした瞬間、俺はわざとらしくドアを全開にした。

 

 

「……何をしているんだね、生徒会長?」

「ひっ!?」

 

 

 少年がビクリと跳ね上がり、真っ青な顔で振り返る。

 精液にまみれた手、乱れた制服、そして絶望に染まる瞳。完璧な優等生の仮面が剥がれ落ちた瞬間だった。

 

 

「せ、先生!? ち、違うんです、これは……!」

 

 

 どうやら俺を教師と勘違いしているらしい。

 好都合だ。

 俺はゆっくりと彼に近づき、その手首を掴み上げた。

 

 

「神聖な学び舎で、あまつさえ生徒会室でオナニーとは……。生徒会長としてあるまじき行為だな」

「うっ、うぅ……すいません、許してください……!」

「許す? 口封じをしてほしければ……わかるな?」

 

 

 俺は彼を汚れた机に押し倒し、まだ精液でぬめる彼自身のイチモツを握りしめた。

 

 

「いやっ、やめてください! 誰か来ちゃう……!」

「声を出すな。誰かに見られたら、君の変態行為が全校生徒にバレるぞ?」

 

 

 その言葉が最強の鎖となり、彼は抵抗を止めた。

 俺は抵抗できない彼のスラックスを完全に脱がせ、白く無防備な尻を露わにさせた。

 

 

「見ろ、さっき出したばかりなのにもうこんなに硬くなっている。淫乱な生徒会長には、特別な『指導』が必要だな」

「ひっ、ああっ! 入っ、入ってきますぅッ!♡」

 

 

 ズプッ、ヌプッ!

 

 静かな生徒会室に、先ほどのオナニーよりも遥かに卑猥な水音と、机がきしむ音が響き渡る。

 

 

「くっ、うぅ……!♡ 僕は生徒会長なのに……こんな、汚いこと……!♡」

「口ではそう言っても、体は正直だぞ? 自分の精液と俺ので、中も外もグチョグチョじゃないか」

 

 

 俺が奥を突くたびに、少年の眼鏡がズレ、理知的な瞳が快楽で濁っていく。

 普段は全校生徒の前で模範を示している彼が、今は制服を乱し、自分の撒き散らした精液の上でよだれを垂らして犯され、雌のように啼いている。

 その圧倒的な背徳感。

 最後には「先生の……精子、くださいぃっ!♡♡♡」とプライドをかなぐり捨てて懇願する彼の中に、俺はたっぷりと『指導』の証を刻み込んだ。

 

―――――――――

 

Day 20:『湯けむり三助(さんすけ)ご奉仕録』

 

 選んだのは、寂れた銭湯でアルバイトの少年にスペシャルなサービスをされるご当地エロ本。

 翌日の仕事帰り、路地裏に見慣れない銭湯の暖簾を見つけた。

 引き寄せられるように中へ入ると、番台も脱衣所も無人。

 だが、湯気で満ちた浴室の奥に、一人の少年が桶を持って立っていた。

 

 

「いらっしゃい! おっちゃん! 背中、流してやろーか?」

 

 

 腰に手ぬぐい一丁を巻いた、快活な小学六年生くらいの少年。

 湯気で上気した頬と、濡れて額に張り付いた茶髪が妙に艶かしい。

 俺が頷いて洗い場の椅子に腰を下ろすと、少年はたっぷりと泡立てたスポンジで背中を洗い始めた。

 

 

「おっちゃん、めっちゃ凝ってるね。それに立派でふっくらとした体で、磨きがいがあるよ!」

 

 

 小さな手が肩を揉みほぐす。

 その無邪気な感触だけで、下半身が熱を帯びてくる。

 それに気づいた少年の喉が、ゴクリと小さく鳴った。

 

 

「あ……おっちゃん、よかったら……特別なコース……試してみねーかい?」

 

 

 少年は恥ずかしそうに囁くと、自分の身体に大量のボディソープを塗りたくり始めた。

 全身泡だらけになった少年が、背後からそっと俺に抱きつく。

 

 

「んっ……どうかい?♡ 気持ちいい……?♡」

 

 

 にゅるにゅると滑る少年の肌。

 胸の小さな突起が背中に擦れ、未成熟な股間がお尻に押し当てられる。

 いわゆる「泡姫プレイ」だ。

 俺はたまらず振り返り、泡にまみれた少年を抱き寄せた。

 

 

「ああっ! おっちゃんっ! ここはお触り禁止だよぉ!♡」

 

 

 滑りやすいタイルの上、泡のおかげで摩擦ゼロになった少年の肌を堪能する。

 手ぬぐいを引き剥がし、ツルツルの股間を愛撫すると、少年はカランの蛇口にしがみついて甘い声を漏らした。

 

 

「ふあぁっ!♡ おっちゃんの手、ぶよぶよしてるのにっ、すごく滑って……変な感じぃッ!♡」

「最高のサービスだ……チップの代わりに、俺のミルクをやるよ」

 

 

 ローション代わりの泡を使って、濡れた秘部に一気に滑り込ませる。

 ずりゅッ!

 卑猥な水音と共に、根元まで飲み込まれた。

 

 

「ひグッ!♡ あ、熱いっ!♡ お湯より熱いのが入ってきたぁッ!♡♡♡」

 

 

 湯気と泡、そして熱気。

 反響する水音と喘ぎ声。

 俺は滑らかな少年の肢体を洗い場のタイルに押し付け、白濁した泡と精液が混ざり合うまで、何度も何度も腰を打ち付けた。

 

◆

 

 まさに、酒池肉林。

 俺の灰色の人生は、極彩色のピンク色へと塗り替えられていった。

 だが、悲しいかな、人間の欲望という器には底がない。

 満たされれば満たされるほど、より強く、より大きな刺激を求めるようになってしまうのだ。

 ありきたりな日常系シチュエーションでは、もう満足できなくなっていた。

 

 

「……そろそろ、もっと『濃い』のが欲しいな。現実離れした、特大のやつが」

 

 

 深夜。

 充血した目で本棚から取り出したのは、今まで避けてきた禁断のジャンル――『異世界転生・ファンタジー』のカテゴリだった。

 表紙に極太明朝体で踊るのは、『ハーレム無双! 異世界の美少年種族を種付けしまくれ!』という、タイトルだけで胃もたれしそうな力強い一文。

 

 

「くぅ~っ! これだ! エルフに勇者に魔族……! 明日は一体どんなコスプレ少年が現れるんだ!? もしかして近所の公園がダンジョンになったりしてな!」

 

 

 俺は期待に胸と股間をパンパンに膨らませ、その夜も盛大に果てて、泥のように深い眠りについた。

 

 翌朝。

 目覚めは、ある意味で最高にスッキリしていた。昨夜の妄想の余韻を引きずりながら、鼻歌まじりにアパートのドアを開ける。

 

 

「ふふ~ん♪ さて、今日も仕事(という名の退屈な時間)を片付けますか。帰ってきたらエルフが待ってるかもしれないしな」

 

 

 いつもの革靴を履き、カンカンと軽快な足取りで二階の外階段を下り始めた、その時だ。

 

 

「――おっと」

 

 

 ツルッ。

 

 何かに足を取られたわけでもないのに、靴底がまるで氷の上のように滑った。

 世界が急にスローモーションになる。

 青空がぐるりと回転し、次に灰色のコンクリートの階段が迫ってくる。

 

 

「あ、れ……?」

 

 

 ドガッ! バキッ! ゴロンゴロン!!

 

 

「うげっ、ぐぇっ、ぐはぁ!」

 

 

 受け身を取る暇などなかった。

 俺の肉体は安っぽいゴムボールのように無様に跳ね、階段を転がり落ちていく。

 全身を襲う激痛。

 骨がきしむ嫌な音。

 だが、不幸の連鎖(ピタゴラスイッチ)はそこで終わらない。

 勢いのついた体はそのままアパートの敷地を飛び出し、まるで運命に吸い込まれるように、目の前の車道へと転がり込んだのだ。

 

 

「ん?」

 

 

 プァーーーーーーーーーッ!!

 

 耳をつんざくようなクラクション。

 顔を上げると、視界いっぱいに迫りくる大型トラックの銀色のバンパー。

 スローモーションの中で、運転手の引きつった顔と、絶望的な瞳がはっきりと見えた。

 

 

「う、うぎゃあああああああ――ッ!!」

 

 

 ドォォォォンッ!!

 グシャァッ!!

 

 断末魔の叫びは、圧倒的な鋼鉄の質量と激突音にかき消された。

 耳をつんざくブレーキ音。タイヤが焦げる臭い。

 アスファルトに撒き散らされる鮮やかな赤。

 宙を舞う身体と、千切れたサラリーマン鞄。

 中身の書類が雪のように舞い散る中、俺の意識は急速に暗転していく。

 

 

 (あ、トラックに轢かれるのって……異世界転生の導入(テンプレ)でよく見るやつ……てことは、俺……本当に異世界に行っちゃうのか……?)

 

 

 薄れゆく意識の中で、激痛の彼方で、俺はどこか冷静に、そして妙に納得していた。

 

 

 (待ってろよ、エルフの美少年……! おじさんが今行くぞ……!)

 

 

 そんな、死に際にしてはあまりにも不埒で前向きな思考を最後に、俺の意識はプツリと途絶えた。

 

◆

 

「……ん、んん……?」

 

 

 気がつくと、俺は薄暗い石造りの部屋に横たわっていた。

 ひんやりとした冷気が肌を撫でる。いや、「肌」ではない。

 自分の身体を見下ろした俺は、声にならない悲鳴を上げた。

 

 

「(な、なんだこれは……!?)」

 

 

 そこに在ったのは、見慣れたメタボ腹でも、冴えないスーツ姿でもない。

 ぬらぬらと濡れた粘液に覆われた、無数の触手。

 不定形の肉塊から伸びるそれらは、俺の意志に合わせてうねうねと蠢いている。

 俺は人間ではなく――どう見ても「触手モンスター」になっていたのだ。

 

 

「成功した……! ついに、深淵の魔獣を呼び出したぞ!」

 

 

 歓喜の声が響く。

 視線を上げると、そこには魔法陣の前に立つ一人の美少年がいた。

 絹糸のような金髪、透き通るような白い肌、そして深い碧の瞳。

 だが、その美しい顔には、似つかわしくない暗い情念の炎が宿っていた。

 長く尖った耳を持つ、エルフの少年だ。

 

 

「(エルフ……? まさか、異世界転生か? しかも俺、こんな姿で……)」

 

 

 混乱する俺をよそに、少年は魔法陣越しに俺を睨み据えた。

 

 

「聞け、異界の魔獣よ。僕の名はリリアン。貴様を召喚したのは他でもない、復讐のためだ」

 

 

 リリアンと名乗った少年は、憎々しげに唇を噛んだ。

 

 

「勇者も、魔王も……どいつもこいつも僕の村を焼き、仲間を奪った! 『正義』だの『支配』だの言いながら、結局は弱者を踏みにじるクズどもだ!」

 

 

 彼の瞳から涙がこぼれ落ちる。その悲痛な叫びは、俺の中に眠る嗜虐的な本能を強く刺激した。

 

 

「だから僕は魂を売った。禁断の召喚術で、貴様のような醜悪な怪物を呼び出してでも……奴らを皆殺しにしてやる!」

 

 

 なるほど。

 復讐劇か。

 悪くない。

 俺は蠢く触手を持ち上げ、意思を伝達した。言葉は話せないが、念話のような形で直接脳内に響くようだ。

 

 

『……いいだろう。その復讐、俺が手伝ってやる』

「ほ、本当か!?」

『ああ。だが、タダというわけにはいかないな』

 

 

 俺はぬらりと光る触手の一本を、魔法陣から伸ばしてリリアンの足元へと這わせた。

 少年がビクリと身を竦める。

 

 

「な、何を望む……? 魂か? それとも寿命か?」

『そんなものは要らない。俺が欲しいのは――』

 

 

 俺はニチャリと音を立てて、触手の先端で少年の滑らかな頬を撫で上げた。

 

 

『お前のその身体だ。復讐の代償として、俺の性処理係になってもらおうか』

「なっ……!?」

 

 

 リリアンの顔が屈辱と恐怖で染まる。

 高潔なエルフが、こんな汚らわしい肉塊に犯される。

 だが、彼は復讐のために全てを捨てたのだ。後戻りはできない。

 

 

「……わかった。勇者と魔王を殺せるなら……この身など、どうなってもいい!」

 

 

 少年は震える手で自らの服を脱ぎ捨てた。

 月明かりのように白い肌が露わになる。

 その悲壮な決意と、無防備な裸体。

 俺の全触手が、歓喜でブルリと打ち震えた。

 

 

―――――――――

 

 Episode 1:エルフの復讐者 ~契約の儀式は粘液まみれ~

 

 冷たい石畳の上。

 リリアンは四つん這いになり、屈辱に唇を噛み締めていた。

 その白磁のような背中に、俺の太い触手が容赦なく這い回る。

 

 

「っ……冷たい……ぬるぬるする……っ」

 

 

 俺の触手から分泌される特殊な粘液は、強力な催淫効果を持っている。

 ただ撫でるだけで、清廉なエルフの肌は瞬く間に桃色に染まり、熱を帯びていく。

 敏感な長い耳に細い触手を絡ませ、穴という穴を責め立てる。

 

 

「ああっ、耳っ、耳はやめてぇっ……! 頭おかしくなるぅっ!」

 

 

 リリアンが涙目で首を振る。

 復讐者の顔はどこへやら、快楽に翻弄されるただの少年の顔だ。

 俺は無数の触手を使い、彼の手足を拘束して宙に吊り上げた。

 M字に開かれた股間。

 そこには、まだあどけない蕾がひっそりと佇んでいる。

 

 

『ここも開発が必要だな』

「ひっ、そこは……! 排泄するところだぞ……汚いっ……!」

『フン、すぐに気持ちよくしてやる』

 

 

 俺は一番太く、イボイボがついた凶悪な触手を、リリアンの秘所に宛がった。

 抵抗する括約筋を、大量のローション代わりの粘液で無理やりこじ開ける。

 

 ズチュッ……ヌプププッ……!

 

 

「ぎゃあああっ!! 入っ、入ってきてるぅぅッ!! 太いっ、裂けるぅぅッ!!」

 

 

 悲鳴が地下室に木霊する。

 だが、異形の触手は容赦を知らない。

 内壁のひだを一枚一枚蹂躙しながら、結腸の奥深くまで侵入していく。

 

 

「おなかッ! おなかの中、うごいてるぅッ! 内臓かき回さないでぇッ!」

『ほら、復讐したいんだろう? だったらこれくらい耐えてみせろ』

「くっ、うぅ……! 殺す……勇者を、殺すためなら……! んあぁッ♡ そこっ、こするなぁッ♡」

 

 

 憎しみと快楽がない交ぜになり、リリアンの瞳が濁っていく。

 前立腺をグリグリとえぐられるたびに、彼のペニスは意に反してビクビクと勃起し、先端から我慢汁を垂れ流していた。

 

 

『口では嫌がっていても、体は正直なようだな』

 

 

 俺はさらに別の触手を伸ばし、彼の尿道口へと極細の先端をねじ込んだ。

 

 

「ひぎィッ!?♡♡ おちんちんっ、なんか入ったぁッ!?♡♡ やめっ、そこだめぇッ!♡♡」

『全部俺のものだ。お前の穴も、尿道も、復讐心も』

 

 

 ズチュンッ! ズチュンッ!

 

 前後からの激しいピストン。

 触手特有の自由自在な動きと、表面の吸盤が内壁を吸い上げ、エルフの理性を粉々に砕いていく。

 

 

「あひぃッ!♡♡ 魔獣さんのっ、すごいのぉッ!♡♡ 復讐とかっ、もう、どうでもよくなるぅぅッ!♡♡」

 

 

 ついにリリアンが陥落した。

 白目を剥き、舌を出し、ただ快楽を貪る肉人形へと成り下がる。

 俺は触手の先端を膨張させ、彼の子宮などない最奥に大量の種を注ぎ込んだ。

 

 ドピュルルルルッ!!

 

 

「んぐぉぉぉぉぉッ!!♡♡♡ 熱いッ!♡♡♡ お腹パンパンになっちゃうぅぅッ!!♡♡♡♡♡」

 

 

 ビクンビクンと痙攣するリリアンの腹部が、注がれた体液でポッコリと膨れ上がる。

 事後、粘液まみれで床に横たわる彼は、虚ろな目で天井を見上げながら呟いた。

 

 

「はぁ……はぁ……約束だぞ……。僕をこんなにしたんだ……絶対に、仇をとってくれよ……ご主人様……♡」

 

 

 復讐の鬼と化したエルフの美少年。

 その心身を堕とし、俺の性欲の捌け口として飼い慣らす。

 触手モンスターとしての第二の生は、人間時代よりも遥かに刺激的で、最高に充実したものになりそうだった。

 

 

―――――――――

 

 Episode 2:生意気な勇者ショタ ~聖剣は触手に折れる~

 

 リリアンの案内で、俺たちは勇者一行が滞在しているという城塞都市の近く、街道沿いの森に待ち伏せをしていた。

 木陰に身を潜めていると、やがて馬蹄の音と共に、豪奢な馬車と護衛たちが現れた。

 

 

「……あいつだ。あいつが勇者だ」

 

 

 リリアンが憎しみを込めて指差した先。

 先頭を馬で進むのは、燃えるような赤い髪をした少年だった。

 身の丈ほどもある巨大な聖剣を背負い、輝く白銀の鎧に身を包んでいる。

 意志の強そうなつり上がった瞳。

 生意気そうな口元。

 どこからどう見ても、物語の主人公たる「勇者」の風格だ。

 

 

『なるほど、美味そうなガキだ』

 

 

 俺は茂みからぬらりと這い出し、その異形の姿を晒した。

 

 

「なっ、魔物!? 護衛、下がっていろ! 僕がやる!」

 

 

 勇者は瞬時に反応し、馬から飛び降りると聖剣を抜き放った。

 その太刀筋は鋭い。

 普通の魔物なら一刀両断されていただろう。

 だが、この世界はエロ漫画の理(ことわり)で動いている。

 そして「触手モンスター」の前では、「鎧を着た美少年」などただの包装された肉に過ぎない。

 

 

「はぁぁッ!」

 

 

 勇者が斬りかかってくる。

 俺は軟体動物特有の動きで剣撃をかわすと、無数の触手を鞭のようにしならせた。

 

 ビュンッ! ガシャンッ!

 

 

「うわぁっ!?」

 

 

 剣ではなく、彼の手足に触手を巻き付け、四方へと引っ張る。

 勇者は宙吊りになり、身動きが取れなくなった。

 

 

「くっ、放せ! 卑怯だぞ!」

『卑怯? 褒め言葉だな』

 

 

 俺は粘液を滴らせながら、勇者の身体を這い回る。

 そして、鎧の隙間から細い触手を侵入させ、内側から留め具を次々と破壊していった。

 

 カシャン、ガシャン!

 

 勇者の身を包んでいた重厚な鎧が、バラバラと地面に崩れ落ちる。

 残ったのは、薄いインナーシャツと、ピチピチの革パンツだけ。

 

 

「な、なんだと!? 鎧が……!」

 

 

 俺はシャツを引き裂き、日々の鍛錬によって引き締まった、しなやかで健康的な肢体を露わにした。

 腹筋はうっすらと割れ、肌は小麦色に焼け、汗ばんでいる。

 エルフのリリアンとは対照的な、生命力に溢れた肉体美。

 

 

「き、貴様ぁッ! 僕をどうするつもりだッ!」

 

 

 勇者は涙目で睨みつけてくるが、俺はヌルヌルとした触手の先端で、無防備に晒された彼の胸元の突起をコリコリと弄った。

 

 

「ひゃっ!?」

『へえ、勇者様ともあろうお方が、こんなところが敏感なのか?』

 

 

 吸盤で吸い付き、粘液を擦り込む。

 

 

「ば、バカ! そこ触るな! 聖なる力が……力が抜けちゃうだろッ! あっ、い、いじらないでっ!♡」

 

 

 強気な態度とは裏腹に、性感帯を責められると、勇者の身体はガクガクと震え始めた。

 顔を真っ赤にし、唇を噛み締めて快感を堪えようとするその表情が、たまらなくそそる。

 

 

『威勢がいいのは口だけか? リリアン、よく見ておけ。お前の仇が堕ちていく様を』

 

 

 俺は革パンツを引き裂き、勇者の秘部を完全に露出させた。

 引き締まったお尻。

 その中心にある、誰にも触れられたことのない聖なる穴。

 そこへ、俺の最も太く、表面がイボイボした触手を宛がった。

 

 

「やめろ、魔物……くっ、入るな……! そこは、ダメだ……!」

 

 

 ズチュゥッ!!

 

 

「ひぎぃっ! 痛いっ、裂けるっ! 勇者のケツが、裂けちゃうッ!!」

 

 

 悲鳴を上げる勇者。

 筋肉質な肉体は、異物の侵入を拒むように強く収縮する。

 だが、触手は生き物だ。内壁の形に合わせて変形し、隙間なく埋め尽くしていく。

 

 

『くくく、いい締め付けだ。さすが勇者、鍛え方が違うな』

 

 

 ギチギチと音を立てるような圧迫感の中、俺は触手を脈動させ、さらに奥へと侵入させた。

 

 ズプ、ズプ、ズンッ!

 

 内側から内臓を押し上げられる感覚に、勇者の身体が宙で跳ねる。

 

 

「ああっ!♡ んあっ!♡ 汚いっ、触手の……っ、なんか、ヌルヌルしてキモチイイっ!!♡♡♡」

 

 

 最初は痛みに顔を歪めていた勇者だが、触手から分泌される強力な催淫粘液が粘膜から吸収され、徐々にその表情が変わっていく。

 前立腺をイボ付きの触手でこね回されるたびに、聖なる力ではなく、淫らな快楽が全身を駆け巡るのだ。

 

 

『ほら、どうした? 聖剣で俺を斬るんじゃなかったのか?』

「うっ、うぅっ……! うるさいっ! 今、戦ってるんだっ……! あんたの、汚い触手と……!」

 

 

 涙目で睨みつけてくるが、その腰は無意識のうちに俺の動きに合わせて揺れ始めている。

 開発されたばかりの肉体は、理屈よりも快楽を優先し始めていた。

 さらに俺は、別の細い触手を彼の尿道へと潜り込ませた。

 

 

「ひぃッ!? おちんちんに、入ってくるぅッ!?」

『二穴同時攻略だ。耐えられるかな?』

「許して……もう入りません……奥、深いのは無理ぃッ……!」

 

 

 ついに勇者が陥落した。

 涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにし、プライドを捨てて懇願する。

 だが、俺は止まらない。

 世界の希望である勇者が、森の中で触手モンスターに四肢を拘束され、白目を剥いてアクメする。

 その背徳的な光景は、復讐を願ったリリアンさえも顔を赤らめて見入ってしまうほどだった。

 

 

「いけぇッ! 勇者ッ! 俺の種で、孕んでしまえッ!」

「あがぁッ!♡♡♡ イくッ!♡♡♡ 勇者、イっちゃううううッ!♡♡♡♡♡」

 

 

 ドピュッ! ドピュルルルッ!

 

 

 俺の触手の先端が膨張し、大量の白濁液を勇者の腸内へと放出した。

 宙吊りのまま、ガクガクと痙攣する勇者。

 その口からは涎が垂れ、虚ろな目で空を見上げている。

 ぽっこりと膨らんだ下腹部には、魔物(俺)の刻印がたっぷりと注ぎ込まれていたのだった。

 

 

―――――――――

 

 Episode 3:淫らな魔族のショタ魔王 ~玉座は粘液の海に沈む~

 

 エルフのリリアン、勇者の少年、そして俺。

 奇妙な一行はついに魔界の最奥、魔王城へとたどり着いた。

 重厚な扉を無数の触手でこじ開け、広間に踏み込む。

 そこには、豪奢な玉座に座り、退屈そうに頬杖をつく一人の少年がいた。

 

 

「ほう……勇者と共に現れたのが、そのような醜悪な肉塊とはな」

 

 

 漆黒の翼を背中に生やし、頭にはねじれた角を持つ魔族のショタ魔王。

 紫水晶のような瞳が、冷徹に俺たちを見下ろしている。

 身にまとっているのは、ボンデージのような際どい黒の衣装だけ。

 その露出度の高さは、高貴な魔王というよりは、高級な愛玩奴隷のようにも見えた。

 

 

「魔王! 今日こそお前を倒す!」

「余の玩具になりに来たか? 身の程を知れい」

 

 

 魔王は妖艶な笑みを浮かべ、手にした魔鞭をヒュンと振るった。

 空気を切り裂く鋭い音と共に、衝撃波が俺たちを襲う。

 

 

『リリアン、勇者、下がっていろ。こいつは俺が美味しくいただく』

 

 

 俺は仲間たちを制し、ぬらりと前へ出た。

 

 

「フン、汚らわしい低級の魔獣め。消え失せろ!」

 

 

 魔王が魔法を放つが、俺の軟体ボディは衝撃を吸収し、無効化してしまう。

 異世界転生特典、物理・魔法耐性MAXの触手ボディだ。

 俺は一瞬で玉座までの距離を詰めると、無数の触手を一斉に射出した。

 

 

「なっ、速い……!?」

 

 

 シュルシュルシュルッ!

 

 触手は魔王の手足を絡め取り、玉座へと縫い付けるように拘束した。

 さらに、背後の黒い翼にも粘着質な触手を絡ませ、羽ばたけないように固定する。

 

 

「ぐっ、離せ! 貴様、余に触れるな!」

『生意気な口だ。まずはその口を塞いでやろう』

 

 

 俺は太い一本の触手を、魔王の口へとねじ込んだ。

 

 

「んぐっ!? んむーっ!?」

 

 

 口内を蹂躙され、言葉を封じられる。

 そして、俺の触手は彼の最も弱い部分――腰から伸びる細くしなやかな尻尾の付け根へと這い寄った。

 

 

『ここが弱点なんだろう?』

 

 

 グリグリ、と吸盤で付け根を刺激する。

 

 

「――んんぅッ!?♡♡♡」

 

 

 魔王の身体がビクンと跳ね、力が抜けるのがわかった。

 やはりだ。

 エロ漫画の法則通り、高飛車な魔族には必ず「性感帯となる弱点」が存在する。

 俺はさらに執拗に、尻尾全体をヌルヌルと扱き上げた。

 

 

「ふぁ……っ♡ やめっ、そこは魔力の源……♡ んぁっ、こするなぁっ!♡♡」

 

 

 触手が口から離れると、魔王は涙目で喘いだ。

 顔は瞬く間に紅潮し、紫の瞳が潤んでいく。

 プライドの高い魔王は、快楽の前ではあまりにも脆かった。

 

 

『いい顔だ。もっと見せてみろ』

 

 

 俺は魔王の際どい衣装を触手で溶かし、濡れそぼっている秘所を露出させた。

 魔族特有の濃い紫色の粘膜。そこからは甘い香りのする蜜が溢れ出していた。

 

 

「見るなっ! 下等生物が、余の裸を見るなぁッ!」

『見るだけじゃない。味わうんだよ』

 

 

 俺は無数の触手のうち、先端がドリルのように波打つ特殊な一本を、魔王の秘裂へと宛がった。

 

 

「ひっ……! そ、それは……大きすぎる……!」

 

 

 言い訳を許さず、俺はズチュンッと一気に触手を貫いた。

 

 

「んぎぃぃぃぃッ!!♡♡♡」

 

 

 魔王が首をのけぞらせ、絶叫する。

 固定された黒い翼がバタバタと痙攣し、空を切る。

 玉座の上で、魔界の王が異形の触手に犯され、支配される姿。

 それは、この世のどんな芸術よりも美しく、背徳的だった。

 

 

「魔物ごときのがッ、余の中をッ……かき回すなぁッ!♡♡♡」

『口では罵倒しながらも、中はこんなに喜んでるぞ』

 

 

 触手は内壁の形状に合わせて変形し、隅々までを舐め回すように蠢く。

 さらに、表面の突起が魔王の前立腺を的確に攻撃し続けた。

 

 

「あひぃッ!♡♡ そこっ、魔力が、逆流するぅぅッ!♡♡」

『イけ。魔王としてのプライドごと、全部吐き出してしまえ』

 

 

 俺はさらにピッチを上げ、触手を高速ピストンさせた。

 ジュボッ、ジュボッ、グチュチュチュ!

 玉座が粘液と愛液で汚れていく。

 

 

「あがぁッ!♡♡ イくッ!♡♡ 余は、イってしまうぞぉぉッ!♡♡ 魔界の王が、触手なんかにイかされるぅぅッ!♡♡♡♡」

 

 

 王のプライドが、快楽の奔流に飲み込まれて粉々に砕け散る。

 最後には口からだらしなく舌を出し、白目を剥いて絶頂を迎えた。

 

 ドピュッ! ドピュルルッ!

 

 俺の触手もまた、魔王の胎内という名の深淵に、大量の白濁液を放出した。

 子宮口らしき場所をこじ開け、中出しの限りを尽くす。

 

 

「はぁ……はぁ……♡」

 

 

 事後。

 玉座の上でぐったりと横たわる魔王の姿は、もはや威厳ある支配者ではない。

 全身を白濁と粘液にまみれさせた、一匹の雌だった。

 彼は俺の触手にすがりつき、消え入りそうな声で呟いた。

 

 

「……余の負けだ……。責任、取れよな。……ご主人様♡」

 

 

 その言葉を聞いた瞬間、俺はこの異世界での真の「魔王」が誰になったのかを、はっきりと理解したのだった。

 

 エルフ、勇者、魔王。

 種族を超え、立場を超え、俺の触手は世界を統一していく。

 だが、冒険はまだ終わらない。

 この世界にはまだ、獣人、ドラゴン、そして天使や悪魔さえもが存在するのだから。

 触手魔獣・二久房太(にくぼうふとし)の酒池肉林の旅は、まだまだ続いていく――はずだった。

 

 ◆

 

 数日……いや、もう数週間が経っただろうか。

 俺はこの異世界で、ありとあらゆる種族の美少年を味わい尽くした。

 

 高潔なエルフ、生意気な勇者、傲慢な魔王に、ネコミミ獣人。果てはショタ型スライムからドラゴン少年、聖なる天使に淫らな悪魔まで。

 右を見ても左を見ても、視界を埋め尽くすのは美少年だらけの肉の海。

 まさに、桃源郷(パラダイス)。

 触手という全能の器官を駆使して、彼らの穴という穴を開発し、骨の髄まで搾り取ったと言っても過言ではない。

 

 

『ふぅ……。いやー、食った食った』

 

 

 濃厚な事後の賢者タイムが訪れる。

 俺が支配した王宮の、最も豪奢な大寝室。

 天蓋付きの巨大なキングサイズベッドの上で、俺はドロリとした不定形の肉体を横たえ、満足げに天井を見上げた。

 

 俺の周りには、事果てた美少年たちが、粘液まみれの肢体を折り重なるようにして、幸せそうな寝息を立てている。

 エルフのリリアン、元勇者の少年、魔族のショタ魔王……かつて命を賭けて敵対していた彼らが、今は等しく俺の種を胎内に受け、仔猫のように仲良く眠っている。

 この頽廃的な光景こそが、俺が築き上げた帝国の証明だ。

 

 

『最高だったな、異世界転生編。間違いなく過去イチの神回だったよ』

 

 

 だが、どんな極上のフルコースも毎日続けば飽きが来る。

 触手プレイも、異種姦も美味いが、たまには「人間」の姿で、もっとノーマルなセックスがしたくなるのも事実だ。

 それに、さすがに少し胃もたれしてきた。

 

 日本の安っぽいコンビニ弁当の味も恋しいし、HDDに溜まっている今期アニメの消化具合も心配だ。

 そろそろ「現実」という名の休憩所に戻って、また新しいジャンルの漫画を探すとしよう。

 次は近未来SF……いや、無機質なサイバーパンクの世界で、感情のないアンドロイド少年たちを量産ラインで犯しまくるのもいいかもしれない。

 

 

『さてと。そろそろこの長編エロ同人のストーリーも、大団円(フィナーレ)といきますか』

 

 

 俺は触手で身体を起こし、こびりついた愛液やローションを触手をしならせて払った。

 今までの経験則からすれば、漫画の展開を一通り体験し、満足すれば魔法は解ける。

 目が覚めればいつもの安いアパートの天井があり、冴えないサラリーマンとしての日常が戻ってくるはずだ。

 

 

『…………ん?』

 

 

 魔王も倒した(犯した)。

 勇者も落とした。

 世界も征服した。

 確かにこの漫画の結末まで体験したはずだ。

 

 しかし……風景が切り替わらない。

 自分の姿も、醜悪な肉塊のままだ。

 

 

『あれ? おかしいな』

 

(……まあ、強く念じれば戻るか)

 

 

 俺は全ての眼球を触手に収納し、意識を集中させる。

 

 

 『現実世界へ帰還! ログアウト! 夢オチ終了!』

 

 

 数秒の静寂。

 そして、ゆっくりと目を開ける。

 

 そこには、変わらず豪華な王宮の寝室と、無防備に寝息を立てる美少年たちがいるだけだった。

 自分の手を見る。相変わらず、ヌルヌルとした触手が蠢いているだけだ。

 

 ツゥ、と触手を冷や汗のような分泌液が伝う。

 まさか。

 いや、そんなはずはない。

 これは俺の妄想が作り出した世界なのだから、主導権は俺が握っているはずだ。

 

 

『おーい! 誰か! 案内役の女神とかいないのか!?』

 

 

 焦りを隠せず、天井に向かって念話を飛ばす。

 すると、俺の目の前に、ポワンと半透明のウィンドウが浮かび上がった。

 RPGのシステムメッセージのような、無機質な青い枠。

 そこには、残酷なまでに読みやすい明朝体で文字が綴られていた。

 

 

 【クエスト完了:異世界ハーレムの構築】

 【エンディング到達を確認】

 

『お、ゲームみたいなメッセージが表示されたな。よし、物語は終わった! なら元の世界に帰してくれ!』

 

 

 俺が心の中で叫んだ瞬間、次のメッセージが無慈悲に表示された。

 

 

 【警告:帰還先が存在しません】

 【対象『二久房太』の肉体は、トラックとの衝突により全損しています】

 

『…………え?』

 

 

 時が止まった。

 脳裏に鮮烈にフラッシュバックする、あの瞬間の記憶。

 迫りくる巨大な銀色のバンパー。

 肉と骨が砕ける、嫌なほど生々しい音。

 そして、宙を舞った自分の視界の端に見えた、アスファルトにへばりつくグチャグチャになった肉塊のような“何か”。

 

 

『そ、そんな……あれはただの漫画の世界に入るための演出(イベント)じゃ……』

 

 【補足:前日に閲覧された漫画のジャンルは『異世界転生』です】

 【当該ジャンルの導入条件『現世での死』を忠実に再現しました】

 

 

 システムメッセージは、あまりにも残酷な事実を淡々と告げた。

 つまり、俺はもう死んでいる。

 帰る場所など、最初からどこにもなかったのだ。

 じゃあ、俺はどうなるんだ?

 物語が終わった今、このまま消滅するのか?

 

 不安に駆られたその時、ウィンドウに最後のメッセージが表示された。

 

 

 【オートリプレイ機能:ON】

 【物語の最初に戻ります】

 

『……は?』

 

 

 その瞬間、世界が裏返った。

 豪奢な王宮の寝室が、ビデオテープを早戻しするように歪み始めた。

 天蓋付きのベッドが粒子となって霧散し、重厚な絨毯が剥がれ落ちていく。

 スヤスヤと眠っていた美少年たちの姿が、かき消えるように透明になっていく。

 

 リリアンも、勇者も、魔王も。

 俺が開発し、愛し、支配した彼らの姿が、光の帯となって逆流していく。

 甘い喘ぎ声、交わした言葉、肌の温もり。それら全てが、螺旋を描いて吸い込まれていく。

 

 

『お、おい! 俺のハーレムが! 俺の帝国が消えるのか!! そして俺も消えて……嘘だろ!!』

 

 

 触手を伸ばして掴み取ろうとするが、全ては蜃気楼のようにすり抜ける。

 色彩が失われ、極彩色のピンク色の世界が、モノクロームの線画へと還元されていく。

 

 

『あ、これ、俺死ぬのか……』

 

 

 めくるめく快楽の記憶が、走馬灯のように高速で脳裏を駆け巡る。

 テレビの電源が切れたときのような、圧倒的な暗黒世界。

 そして俺の意識は――プツリと断ち切られた―――。

 

 

 

 

 

―――。

――――――。

―――――――――。

――――――――――――。

 

『………………』

 

 

 ドンッ!!

 

 強烈なGと共に、意識が強制的に着地させられる。

 

 

『な、なんだ!! いったい俺は……』

 

 

 目を開けると、そこは冷たく湿った石造りの地下室だった。

 つい先刻まで身を委ねていた豪奢な王宮のベッドも、天蓋も、甘い香りもどこにもない。あるのはカビ臭い空気と、床に描かれた魔法陣の妖しい光だけ。

 

 

『あれ……ここは? どこだ? 天国か、地獄か』

 

 

 俺は死んだ。

 ならここはあの世だろう。

 意識が混濁する中、ゆっくりと目を開ける。

 すると目の前には、おぼろげに小さな人影が見えた。

 

 

「成功した……! ついに、深淵の魔獣を呼び出したぞ!」

『あれ……こいつは……』

 

 

 視界の揺れが収まると、目の前には見覚えのある人物が立っていた。

 それは深刻な表情のリリアン。

 まだあどけなく、復讐の炎だけをその碧眼に宿した彼がいた。

 

 

『あれ? リリアン、何してんの? あの世になんでリリアンもいるんだ』

「聞け、異界の魔獣よ。僕の名はリリアン。貴様を召喚したのは他でもない、復讐のためだ」

『おいおい、何いってんだ。お前の復讐はもう終わって、今は俺の性奴隷となって勇者も魔王もみんなで仲良くセックス三昧してただろ? 忘れたのか?』

 

 

 だが、リリアンは止まらない。

 俺の念話など、最初からノイズとして処理されているかのように、台本通りのセリフを厳かに紡ぎ続ける。

 

 いったいどういうことだ。

 冗談? たちの悪い演技? それとも夢?

 

 

 ――いや、違う。

 混乱していた思考の霧が晴れるにつれ、残酷な現実が輪郭を帯びてくる。

 石畳から伝わる底冷えする寒気、鼻をつく黴の臭い、魔法陣が放つ妖しい燐光。これらは夢と断じるには、あまりにも解像度が高すぎる。

 

 その時、俺の記憶の奥底がけたたましい警鐘を鳴らした。

 リリアンのその言葉、その立ち位置、その悲壮な表情。

 強烈な既視感――いや、そんな生易しいものではない。

 これは、俺がこの世界に初めて召喚された時の、あの光景そのままだ。

 一ミリの狂いもなく再現された「冒頭」だ。

 

 

 そして、冷静さを取り戻すにつれて、先ほど網膜に焼き付いたシステムメッセージの意味が、刃物のように鋭く理解できてしまった。

 

 

 【警告:帰還先が存在しません】

 【対象『二久房太』の肉体は、トラックとの衝突により全損しています】

 

 

 背筋を、氷のような冷たい戦慄が駆け抜ける。

 

 

 【補足:前日に閲覧された漫画のジャンルは『異世界転生』です】

 【当該ジャンルの導入条件『現世での死』を忠実に再現しました】

 

 

 そして、決定的な宣告。

 

 

 【オートリプレイ機能:ON】

 【物語の最初に戻ります】

 

 

 その文字配列の意味を理解した瞬間、俺の思考は凍りついた。

 

 つまりこれは……本当に物語の最初に戻ったということなのか?

 「二久房太」としての肉体がもう元の世界に存在しないから、あのアパートには戻れないと?

 元の世界に帰ることも、死んで無に還ることすらも許されず、あのショタエロファンタジー漫画の最初の1ページ目へと、強制的に巻き戻されたというのか。

 

 

『う、嘘だ……嘘だろ!?』

 

 

 リリアンの反応を見る限り、彼は俺との記憶を何一つ持っていない。

 あの背徳的な「契約」も、涙を流して懇願した「陵辱」も、王宮で過ごした甘美なハーレム生活も、全て初期化《フォーマット》されている。

 

 

 間違いない。

 俺の記憶と肉体感覚だけを残して、世界だけが残酷なまでに綺麗に巻き戻っているのだ。

 

 お気に入りの漫画を読み終えて、また1ページ目を開くように。

 この世界は、俺が死ぬ直前に読んだ「たった一冊の漫画」の中なのだ。

 

 そして俺の本体(ハードウェア)は、現実世界ですでに物理的に消滅している。

 帰る場所はない。

 死ぬことすらできない。

 つまり、俺はこの一冊の薄い物語の中を、永遠に周回し続けるしかないということか!?

 

 

「さあ、契約だ魔獣よ! 僕の身体を好きにしていい、だから力を貸せ!」

 

 

 リリアンが決意の表情で服を脱ぎ始める。

 その透き通るような白い肌も、これから味わう粘膜の感触も、あげる喘ぎ声の高さも、痙攣のタイミングさえも、俺はすべて知っている。

 

 飽きるほどに。

 気が狂うほどに。

 

 

『あ、あ゛ぁ゛ぁ゛ぁぁぁぁぁああ゛ッ!!!』

 

 

 魔獣の絶望的な咆哮が、湿った地下室に空しく反響する。

 

 この世界にはコンビニの弁当も、ネットも、ゲームも、新作のエロ漫画もない。

 あるのは、この無限に繰り返される、同じストーリー、同じ展開、同じ体位の「理想の性生活」だけ。

 

 永遠に続くループ。

 枯れることのない欲望。

 決して進まない時間。

 

 それはかつて夢見た天国であり、同時に逃げ場のない無間地獄。

 

 どんなに泣きわめこうが、後悔しようが、物語は無慈悲に進んでいく。

 二久房太は、自らの欲望が作り出した桃源郷という名の無限の檻に、異形の怪物として永遠に閉じ込められたのだった。




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