私は、他人が無様な姿を晒すのを見るのが好きだった。
例えば、修学旅行の時、幼稚園の時から信じていた友人に好き放題に犯されて自失呆然となる姿は、芸術だと思える程に、白く彩る姿に私は、初めて勃起を経験し、発情期を迎えて精通する。スマホの隠しフォルダに残してある写真は、今も自慰のオカズである。
私は兎の獣人、親愛なる純人間にラビラビと呼ばれている。
今回の性行実習。鼠の子、チュウタロウは、思わぬ無様を晒す。
大きく股を開いて膝を着いた姿、足首は曲げて爪先を立てており、彼女の股間の奥には自身の尻尾が尻穴に突っ込んであるのが見える。鼠の尻尾は細長いが、彼女の尻尾は案外太く、器用に物を持ち上げたり、尻尾でビンタが出来る程度には艶めかしく動く。弾力の強い、一本の触手の様でもあった。それが、尻穴を通して彼女のお腹を妊婦のように膨らませている。しかし傍から見れば、それはもっと悍ましい何かだ。彼女が痙攣する度、尻尾も連動して動いている様で、お腹の中にある何者かが胎動しているかの様にすら思えた。背後から親愛なる純人間に抱き締められてピンと勃った乳首を摘まれている。彼女は、乳首の感度が一番高く、服越しに触れるだけでも、ンッと嬌声を零す。チュウタロウは意外と両性具有人気が高い、不意に見せる雌が情欲を煽り、小学校では、彼女の着替え写真が裏取引される程。彼女で精通を迎えた者も多い。全身を冷や汗で濡らす。快感とは別に恐怖でガクガクと身を震わせている。両手で力なく作られたダブルピース、青褪めた顔で涙と鼻水、涎を垂らした姿で無理やり笑顔を作っている。
そして股間で鼠人族の中だと巨根に分類される彼女の陰茎、ツルリとした突起物の先端からトロトロと溢れ出す精液。最早、射精ではなく、押し出されているだけだった。
芸術だと思った、私の、陰茎が勃起し過ぎて痛い。
願わくば、彼女に劣情を抱き続けたクラスメイトをけしかけて輪姦したい程だ。首輪を付けて、油性ペンで落書きし、自己保身の為に媚びを売るまで堕としてやりたいと心の底から願った。
だけど、それは不可能で、何故ならば、彼女はマコのお気に入り。マコも結構、独占欲が強い方でチュウタロウを売り渡すなんて事を許して貰えるはずがなかった。
もったいない、と考えながら今日のオカズにする事を心に決める。
だけど、結局、彼女の今の痴態をオカズに使うことは一度もなかった。
もっと先があったのだ。チュウタロウの背後から支えるマコの両手が、チュウタロウの両肩に添えられる。次の瞬間、ズンッと彼女が浮いていた腰が、ベッドに落ちた。最初に飛んだのは、鮮血だった。チュウタロウの鼻血が飛んで、口から胃液が零れる。収まり切らなかった尻尾の姿はなく、より膨らんだお腹が蠢く。乳首から白濁した分泌液が溢れるのを見逃さなかった、精液を垂れ流しにした陰茎からは黄金色に輝く液体が流れ出す。
最早、痴態ではなく、醜態でもない。
決定的な何かが壊れた様は、白目を剥いたチュウタロウの身体はビクンビクンと痙攣し、口の端から泡を吹いている。悍ましいと思った、悍ましいと思うよりも早く強い衝撃を受けた。
私の浅ましい性癖が粉々に打ち砕かれる感覚。
私は、友人が壊された瞬間を見て、射精した。
自慰もせず、擦り付けもなく、触れずに、ただ目の前の光景を見ただけで精液が弾けた。制服越しにじんわりと広がる不快な温もり、躍動する陰茎に興奮は収まらず、未知の高揚に目を奪われる。
チュウタロウのハイライトのない瞳が、たった一言、愛しい人の声で光を取り戻す。
それを見た私は、こう考えた。
まだ壊せると。
◆
性交実習なので、本番まで熟す必要がある。
チュウタロウを正面から抱き寄せたまま、ゆっくりと身体を背後に倒す。本当なら正常位とか、そんな体勢なのだけど、体力が尽き果てたのか、チュウタロウは僕の肩に顎を乗せたまま虚ろな目で呼吸を整えている。
顔は真っ赤だ、意識が、残っているのかも怪しく、時折、痙攣している。
首筋から良い匂いがする。女性特有の少し甘い香りだ。両性具有の性自認は、少しだけ男に偏ってる人が多い。というのも自慰の基本は、陰茎を扱く事にあるからだ。両性具有に陰核はない。膣を使うのは少数派、どちらかといえば、尻穴と乳首を弄る方が多い。膣を積極的に使用するのは、自分が雌としてのある者に限られる。
だけど、性自認が男に寄ってると言っても、割合の話で、女も残っている。
何よりも僕からすれば、両性具有は陰茎を生やしただけの女の子も同然。中でも鼠と兎は、可愛いの権化である。修学旅行で輪姦された時に、陰茎にも慣れてしまって、陰茎の有無など些細な問題に感じられようになったのもある。チュウタロウなんかは少し乳首を弄るだけで股間にテントを張るから、素直に反応する陰茎は、チャームポイントとすら云えた。
半分、気絶した状態でも陰茎は勃起し続けている。太腿で擦ると苦しそうに呻き声を上げている。
まだ尻尾は、お尻の穴から抜けていない。自分で抜く事が出来ないようだ。くっ付いたお腹同士尻尾が動いているのが分かる。おそらくもう精力は尽きている。だけど自分の尻尾で前立腺を押し潰してるから勃起が収まらないようだ。
限界を超えて、気力すら失い。魂の抜けた人形のように呻くだけのチュウタロウは、余りにも可愛過ぎて、僕に陰茎がないのが、勿体なくて仕方なかった。
犯したい。犯してぐちょぐちょと滅茶苦茶にしたい。
性欲が暴走しそうになる。
「ウサウサ」と下半身の衣服を脱いだラビラビがチュウタロウの腰を掴んだ。
「もうすぐ実習の時間が終わるよ、チンタラしてる時間はないんだから」
と彼女はチュウタロウの腰を引っ張り、僕の膣口に、チュウタロウの陰茎を宛てがった。チュウタロウの頭は身長差で、僕の小さくない胸に顔を埋める体勢。ラビラビは、思い切り、腰を打ち付けるようにパンッと、ズリュンと、僕の膣をチュウタロウの陰茎が貫いた。
「あ゛ッ!!」
それまで呻く事しか出来なかったチュウタロウが驚きの声に目を見開いた。
「あ、やば、出る⋯⋯」
何が出るのか、ラビラビは腰を打ち付けたまま、全身を震わせる。
「いたっ⋯⋯あたたか⋯⋯あれ? でてりゅ? やだ⋯⋯やだ、やだ⋯⋯なにか、そそがれ⋯⋯だれ? やだ⋯⋯たすか⋯⋯まこ⋯⋯たすけ⋯⋯」
チュウタロウの縋る声に僕は軽く絶頂した。
獣人の性欲は一発では収まらず、ラビラビは半ば正気を失ったかのように腰を振る。パンパンと教室に腰を打ち付ける音が木霊し、チュウタロウの処女消失は、クラスメイト全員の衆人監視の中で果たされる。
あっ、あっ、とチュウタロウの寝取られる姿に、僕は確かに興奮をしていた。
笑みが抑えきれない。
◆
僕、チュウタロウはマコが好きだ。
自慰をする時は何時もマコの事を考えていた。修学旅行の事故で処女を奪った時を思うのが、最も高い使用率。皆に犯されて白濁液に塗れた姿の画像で致すのが二番目で、三番目は恐らく、マコに乳首を弄られた時の事を思い出す時、時折、陰茎ではなく、お腹の奥がムラっと来る時があり、もし、マコに陰茎が生えていたらと想像しながら尻穴に尻尾の先端を入れる。
だからといって犯されたい願望がある訳ではない。
マコだから、滅茶苦茶にしたいのであって、されたいのだ。だから膣を犯されたからって感じていない。水音に混じって、腰を打ち付ける音がする。嫌でも意識する、お腹の中の生暖かい感覚。下唇を噛んで、膣の衝撃を必死に堪えて、陰茎の刺激に集中する。
幸いにも射精感はある。腰を打ち付けられる度に陰茎が、マコの膣を突いてるから射精できる。
「あ、また出る」
ラビラビの声、僕の膣内を侵す陰茎が跳ねる。もう二度、射精されており、三度目の種付けになる。僕は、ふうーっと息を吐いて、ビクビクと震える身体を抑制する。まだ大丈夫、まだ達していない。ウサウサと僕の背中に体重を預けて、乳首を弄られるけどまだ我慢できる。
自分の陰茎が、先端の部分が膨らむ感覚があり、射精が近い事を察する。
まだ、僕はまだ、感じてる訳じゃない。マコの膣に思う存分に雄を吐き出そうとし、全身を打ち震えさせる。陰茎はビクンと跳ねて、だけど、尿道から熱い情欲が吐き出される事はなかった。確かに陰茎は、何度も跳ねている。吐き出そうとしていた。だけど、何も出なかった。
「あ⋯⋯れ?」
僕の雄が、男としての機能を失っている事に呆然としているとギュッと乳首を取れるかと思う程の激痛が走る。ごりゅっと僕の膣を抉る陰茎が、ごりゅっと奥まで入って子宮を揺らす。視界は、白んじで、脳は、パチリと火花が弾けた。間隙だった、陰茎の機能不全と乳首の激痛が、犯されている事実を一瞬、忘れさせてしまった。膣が震える、駄目だ。意思に反して、お腹の奥が歓喜に打ち震える。駄目だ、陰茎が、ビクンと跳ねて、何かを吹き出した。
「お゛お゛お゛お゛⋯⋯っ!」
鈴口から潮が吹き出す。乳首からは母乳が溢れ出し、身体が雌になっているのご分かる。肉体が急速に作り変えられている。子を産みたがっていた。ポコンと卵巣が何かを排出する感覚、何故か赤ちゃんが出来ると確信した。
「やらあっ! できひゃう⋯⋯あかひゃん、できひゃうっ!!」
「孕んじゃえ! 責任取らないけど、勝手に孕んで雌になっちゃえっ!!」
「やらっ! おんにゃにょこ、やらあっ!!」
泣き叫ぶ僕の前に、それまで静観を決め込んでいた犬っ子が僕の前で膝立ちになる。彼女は、マコの顔に腰を下ろすと犬のグロテスクな陰茎を僕の鼻先に突き付けた。何をするつもりなのか、口でしろと言うつもりか? 噛み切ってやる、と口の中が涙でしょっぱい中、自慢の歯を食い縛る。まだ、まだ、認めた訳じゃない。
「避妊薬、欲しいよね?」
言うと彼女は、手に持った錠剤を自身の尿道に差し込んだ。
最初は親指、次に人差し指、小指の第一関節が埋まる位置まで、簡単には、取り出せない奥まで錠剤を突っ込んだ。
何をすれば良いのか分かるよね?
とでも言いたげに笑みを浮かべる彼女に、僕は屈した。