【完結】もし衛宮士郎がメディアリリィを拾ったらというお話 作:ふりかけ@木三中
「いかんなぁ……我が花嫁ともあろうものがそんな言葉に惑わされては」
いつからそこにいたのか……柳洞寺の瓦屋根、その上に男が1人立っていた。
月明かりを背景に豪華絢爛な金色の鎧が眩い光を放ち、赤い瞳が俺たちを見下している。
なんだ、こいつ……どこから現れた?そもそも何者だ?敵か?味方か?
いきなりの乱入者に混乱する頭の中で、ふと記憶に引っ掛かるものがあった。
「こいつ……キャスターを助けた日に見た金髪の……」
その姿には見覚えがあった。
キャスターを助けた日、薮に入っていく姿を一瞬だが見かけた金髪の男……。
結局あの後は行方が分からなくなっていたが、やはり聖杯戦争の関係者だったらしい。だとすれば、こいつがキャスターを幼い姿にした犯人なのか?
いや、それよりもそもそも……
「……こいつ、サーヴァントなのか?」
金色の鎧を纏った奇妙な出で立ちと身もすくむような眼光は、明らかに人間のそれではない。
だが、聖杯戦争において召喚されるサーヴァントは全部で7騎。
既にライダー、アサシン、ランサーは俺の目の前で消滅した。
そして今この場にはキャスター、セイバー、アーチャーが揃っている。
あとはイリヤの連れたバーサーカーのみ、残りのサーヴァントだなんているわけがない。
だと言うのに、俺たちの知らないサーヴァントが目の前にいる。
「8番目のサーヴァント……これは一体……」
キャスターがアサシンのように不正に召喚したサーヴァントなのかとも思ったが、キャスター自身も警戒するように謎のサーヴァントを睨んでいる。
遠坂とアーチャーも、同じく新たに現れたサーヴァントに対して敵意を込めた瞳をむけている。
疑問と緊張が皆の脳裏をよぎる中で……
「アーチャー、貴様生きていたのか!」
セイバーが金髪の男を睨みつけてそう叫んだ。
アーチャー?
どういうことだ……それは遠坂のサーヴァントだろ。
「セイバー、アイツのこと何か知ってるのか?」
俺の質問にセイバーは謎の男に剣を向けたまま答える。
「……はい、言っていませんでしたが実は私は10年前にもこの聖杯戦争に召喚されていました。そしてその時に最後に戦ったのがあの男だったのです」
10年前……第四次聖杯戦争にセイバーが参加していたのも驚きだが、あの男は当時のアーチャークラスのサーヴァントだったと言うわけか。
「決着はつかずじまいでしたが、まさか10年前から現界しつづけていたとは……」
詳しい経緯は分からないが10年前から今日まで奴は生き続けて、そうして今こうしてセイバーの前に再び姿を現したと言うことらしい。
セイバーとはその時の因縁でもあるのか、奴の赤い瞳がセイバーの肢体を舐め回すように見つめる。
そして……
「くっくっ……相変わらず釣れない態度だなセイバー、10年ぶりの再会だぞ?ここは我と出会えた光栄に涙を流し、我の胸に飛び込んでくるところではないか?」
ニヤついた笑みでそんなふざけたセリフをセイバーに向かって投げかけた。
「……あの男は、10年前から私に対して求婚をしてきたりおかしなことを言うのです」
ゲンナリとした表情を浮かべて、誰にともなく言い訳をするようにセイバーがそう弁明する。
10年前に何があったのかは知らないが、どうやらあの男はセイバーにご執心らしい。
さっきもセイバーに対して花嫁だとか言ってたが……セイバーのマスターとして、こんな奴を彼女に近づけさせるわけにはいかない。
キッと敵意を込めて睨みつけるが相変わらず奴の視線はセイバーにだけ向けられたままだ。俺はもちろん、キャスターやアーチャーのことですらまるで気にする様子はない。
「あぁ、周りに雑種共がいると素直に我への好意を示すこともできんか。初心なものよ……それならば目障りな雑種共には消えてもらうとするか……」
そこで初めて、奴の瞳がこちらを向いた。
ゾッとするほど冷たい瞳、俺のことなど道端に転がるゴミとでも思っているかのような目だった。
「っーーーー!」
瞬間、奴の背後の空間が波紋のように揺らぎ、ゆらりとその波紋から剣の刀身がその姿をのぞかせる。
それも1本や2本ではない、数えるのもバカらしくなるほどの数の剣が次々と奴の背後に浮かぶ。
「なんだ、あれはーー」
だが真に驚愕すべきはその数ではない。
俺には分かる、あの剣の一つ一つが宝具と呼ばれるにたる神秘と伝説を秘めた剣だ。
「ーー王の財宝」
ズラリと並んだ剣が奴の声と共に一斉に出射され、一気に音速レベルまで加速する。
「くっ……!」
幸いなのはその攻撃は狙いをつけて放たれたものではなく無造作にばら撒くように放たれたものだと言うことだ。
冷静に……こちらに迫る剣先を見据えてその軌道を予測する。
「うおおおぉ!」
点ではなく面として放たれたその攻撃は下手に避ければむしろ被弾を増やすことになる。
最小の動作で身をよじり、なんとかすり抜けるようにして飛来する剣を躱すことに成功する。
「凛!!」
それと同時にアーチャーの焦ったような声が響く。
慌てて視線をそちらに向ければ、遠坂が血だまりを作って地面に倒れ込んでいた。
奴の攻撃を避けそこなったのかその脇腹はごっそりと抉れている。アーチャーは双剣で攻撃をたたき落としながら遠坂を庇うように立っている。
「ほう、倒れたのは小娘だけか。上手く避ける……だがいつまで続くかな」
ニヤリと笑うと再び奴の背後に無数の剣が出現する。
やばいぞ……さっきはギリギリ避けれたがそれもほとんど偶然だ、何度も続くようなもんじゃない。
奴の残弾がどれほどかは知らないがこのままじゃ確実にやられる!
「きゃ……!」
無数の剣を前にして冷や汗を流す俺の耳に、小さくキャスターの悲鳴が聞こえてきた。
見れば、キャスターが尻餅をついたような体勢で腰を抜かして倒れている。
先ほどの攻撃が掠りでもしたのかその足元からは血が流れ出ていて、とても次の攻撃を避けれそうにない。
「次はキャスターか……」
ニヤリと金髪の男が笑みを浮かべ、背後に浮かぶ無数の剣の先端がズラリとキャスターに向けられる。
蒼白とした表情で息を呑むキャスター。
ダメだ。
キャスターがやられる……!
「っーーーー!」
瞬間、ほとんど本能的に駆け出していた。
ドン、と手を伸ばしてキャスターの体を突き飛ばす。
キャスターの体がふわりと宙を浮いて、その瞳が驚いたようにこちらを見つめている。
なんだ、俺がキャスターを庇ったのがそんなに意外だったのか。
そんなことを言おうとして、深々と自分の体に剣が突き刺さっていることに気がついた。
「ガッーーーー!」
声にならない声をあげて地面に倒れ込む。
俺の体に突き刺さった剣は5本。
肺や腹部にも剣先のひんやりとした感触を覚えて……これはもう助からないなだなんて、そんなことを頭のどこかで他人事のように考える。
「…………シロウさま?」
呆然とした声が俺の鼓膜を揺らす。
なんとか視界を向けて見れば、キャスターが愕然とした表情で俺のことを見つめていた。
その体には大きな傷はない、無我夢中で突き飛ばしたがなんとか攻撃を避けることはできたらしい。
「に、げろ……キャ、スター……」
肺から湧き上がる血で口の中を汚しながら、なんとかキャスターにそう告げる。
このままここにいてはあの男に確実にやられる、だから俺のことは見捨ててどこか遠くに逃げろ。
そう伝えたつもりだったのにキャスターは青褪めた顔でこちらに駆け寄ってくる。
「うそ……うそ、シロウさま……」
動揺からかカチカチと震えるように奥歯を鳴らし、瞳はせわしなく揺れている。
「わたしの、わたしのせいで……どうしてわたしなんかを庇って……」
キャスターがゆっくりと俺の手を取る、その手は驚くほどに冷たかった。
「大丈夫、大丈夫ですよ…….すぐにわたしの魔術で治しますからね……」
キャスターの震えた声、その言葉は俺に聞かせるためというよりもまるで自分自身に言い聞かせるかのようであった。
「遡行術式ーーかの者の傷を癒したまえ……」
紡がれる言葉はきっと治癒のための呪文なのだろう。
だがーー魔術がその効果を発動することはなく、俺の傷口は塞がらない。
無常にも赤い血だけがドクドクと流れ出て、地面をベッタリと染めていく。
「どうして……こんなの簡単な魔術なはずなのに……」
キャスターが再度治癒を試みるが結果は変わらないらしい。
「あっ……えっ、嘘、なんで、どうして治らないの……」
必死になっていくつも呪文を叫ぶが、次第にその声が嗚咽に変わる。
「うっ……っく、……シロウさまぁ……」
ぽつぽつと俺の頬に水滴が垂れる。
薄れゆく意識の中でぼんやりと見上げれば、涙に濡れた瞳が俺のことを見つめていた。
肩を震わして、口からは溢れるように俺の名前を呟く。
長いまつげが涙で濡れて、サファイアのような青い瞳が哀しみに彩られる。
あぁーー
その涙を見て、最初にキャスターと出会った時のことを思い出した。
1人にしないでと、まるで迷子の子供のような表情で俺に縋ったキャスターの言葉とあの夜にザーザーと降り続いていた雨の冷たさを。
彼女の涙で思い出した。
ーーキャスターには、涙よりも笑顔を浮かべていてほしいな。
そう思った時に、ふと自分の中で何かが腑に落ちた。
数々の凶行に手を染めて、魔女と呼ばれたキャスター。
そんなキャスターを俺は憎みきれず、切り捨てることもできなかった。
キャスターのことを守りたい、信じたいと思った。
その理由がようやく分かった気がした。
「…………」
けれども、もう体が動きそうにない。
思考も次第に微睡みへと堕ちていく。
ごめん、キャスター……俺はお前のことを……
◇
「シロウさま!シロウさまぁ!」
血に濡れた青年の手を取って、少女が必死にその名を叫ぶ。
その瞳からはポロポロと涙がこぼれとどまることはない。
「ワタシのせいでシロウさまが……誰かお願い、シロウさまを助けて……」
天に乞うように少女はつぶやく。
だが……願えども祈れども奇跡は起こらず確実に青年の体は死へと向かっていく。
「ふん……くだらん、魔女の役割は人を害することだけだ。その側面を切り取って召喚されたサーヴァントが人を癒す奇跡なぞ起こせるものか」
しばし無言でそんなキャスターと士郎のことを見つめていたギルガメッシュだったが、つまらない見せ物だとでも言うような冷めた瞳で再び『王の財宝』を展開させる。
ジリ……と宙に浮かぶ無数の剣が意識を失った士郎と彼に寄り添うキャスターに向けられる。
「待てーー英雄王」
そうして剣が放たれようとしたその瞬間、制止の声をかける者があった。
セイバーだ。
真剣な眼差しでギルガメッシュを見つめ、静かな声で彼に語りかける。
「英雄王、貴様の蔵には数多くの財が眠っているらしいな」
「あぁ、古今東西あまねく神秘の源流は我にあるからな。価値ある物はつまり我の物よ」
「ならば……人の傷を癒す宝具もその蔵のなかにはあるのだろうな」
セイバーのその言葉にギルガメッシュは目を細め、その真意を探るように見つめる。
「私には治癒の魔術の心得などない。だが貴様ならばシロウを治療することも可能なはずだ。」
「当然だ、我が財に不可能などない。小僧の命一つなど容易いことだ……だが、まさか我にそこな雑種を助けろというのか?我が傷を負わせた相手を我が助けるなど全くおかしな話だ」
「無論、タダでとは言わぬ」
そう言うとセイバーはゆっくりと一歩踏み出し、手に持っていた剣と魔力で編んでいた銀の鎧を霧散させる。
青いドレスが残っているとはいえ戦場においては裸となんら変わらない無防備な姿でギルガメッシュに向き合う。
「代償として……この身の全てを捧げよう」
その言葉にギルガメッシュが虚をつかれたように息を呑み、一拍置いて赤い瞳を欲望にギラつかせる。
「ほう……全て、ときたか……」
「あぁ、私はお前の軍門に降ると言っているのだ英雄王……その自慢の財とやらを使えば私を服従させることも可能だろう。それを甘んじて受けると言っているのだ」
「ふむ……順番は前後するが、貴様の心を堕とす前にまずは体からというのも一興か……いいだろうその条件呑んでやる」
僅かな思案ののち、ギルガメッシュはニヤリと唇を吊り上げると『王の財宝』の中から一つの品物を取り出して見せる。
「……金の首輪」
セイバーがそれを見てゴクリと息を呑む。
ギルガメッシュが取り出したのは黄金でできた首輪であった。
腕の太さ程はありそうな枠組みは破壊が困難なことを物語っており、見た目こそ黄金で彩られていて華美だがそれは首輪をつけられた者ではなく、つけさせた者の権威を示す輝きであることが察せられた。
「他者の完全なる服従……人間が求める短絡的な欲望の一つであり、それに類する逸話も時代や土地を問わずに数多く転がっている。この首輪もそんな話に登場する宝具の一つだ。隷属する側がそれを受け入れなければ効果を発揮しないという重大な欠点があるが……対象への強制力もそれに見合ったものになっている」
ギルガメッシュはジャラリとわざと重い音を立てるようにして首輪をセイバーに見せつける。
「この首輪をつければ、貴様はもう我に逆らえん。我の言葉ひとつであらゆる命令を聞く操り人形の出来上がりというわけだ」
「構わん、それでシロウが救えるのならば喜んでお前の犬に成り下がろう」
奴隷になるに等しい条件を臆した様子もなく受け入れるセイバー。
そんな彼女にギルガメッシュは怪訝な視線を向ける。
「解せんな……そこな雑種にそれほどの価値があるのか?よもやすでに肌を重ねたわけでもあるまい。そこまで情をかける相手でもなかろう」
「貴様の言うとおり……私はあまりシロウのことを知っているわけではない」
セイバーとシロウの関係は、召喚された後に少し話をしたくらいでその後はキャスターの討伐令が出たことでなし崩し的に別れることになってしまった。
ゆえにセイバーはシロウに対してこれといった思い入れは持っておらず、むしろマスターとしても魔術師としても不甲斐ない彼を見限ろうかと考えてすらいたほどだ。
だが……それは先ほどまでの話だ。
「シロウは確かにまだ未熟なのだろう……キャスターに誑かされた挙句、今度はそのキャスターを庇って死にかけるだなんて……」
キャスターを身を挺して庇ったシロウ、きっとその行動に打算はなく咄嗟に取った行動だったのだろう。
「だが彼は……己が眼でサーヴァントと向き合いその真意を確かめようとしていた。マスターとしての責を果たそうとしていた」
キャスターの悪事を見抜けなかったことはマスターとしては落ち度だろう。
だが、彼はそこで彼女を即座に切り捨てることはせずに真摯に彼女に寄り添い続けた。
それは魔術の巧みさや作戦指揮の上手さよりもあるいは重要なことなのかもしれないと、かつて三度だけ言葉を交わした前回のマスターの姿を思い出しながら自嘲するようにセイバーは笑う。
「シロウは自らのサーヴァントを守ろうとし、そのキャスターは自らの主を救おうとしている。であるならば……私もセイバーのサーヴァントとしてその剣を主のために捧げたい」
マスターとしてシロウが道を違えぬ限り、彼の剣であり続ける。
かつて士郎に放ったその言葉を思い出しながら、セイバーはキッとギルガメッシュを睨みつける。
「ハッ……さすがは騎士王と呼ばれることはある。随分とご立派なことだ。では……これをつけてもらおうか」
差し出された黄金の首輪をセイバーはゆっくりと手に取り、その硬さを確かめるように指でなぞる。
「…………」
そうして覚悟を決めたように短く息を吐くと、その白い首筋に不釣り合いな金の首輪をガチャリと嵌め込んでみせる。
「さて、これで貴様は我に絶対服従というわけだが……どれ、芸の一つでも試しにさせてみるか」
ジロジロとセイバーの頭上から爪先まで全身に不躾な視線を送りながらギルガメッシュが口を開く。
「ーー伏せ」
その言葉にセイバーの体は瞬く間に反応し、膝をついて恭しくギルガメッシュにこうべを垂れる。
「くっ…………!」
精神までもが操れるわけではないのかセイバーのその表情は恥辱にまみれている。
だが、肉体はそれを裏切るようピクリとも自分の意志で動かすことはかなわない。
「なるほど、確かに効果は出ているようだが……まだ頭が高いのではないか?我が伏せろと言ったのだから地面に頭を擦り付けるくらいはして見せるべきだろう」
その言葉にセイバーはひれ伏すように顔を地面につけて見せる。
ほとんど土下座のような体勢……怒りからかぶるぶると肩が震えているが何か言い返すことすらしない。
その様をギルガメッシュはニヤニヤと見下す。
「ハッ!無様だな、騎士王とも呼ばれた女がこうも媚びへつらうとは……剣を持たぬ奴隷でさえもう少し誇りというものを持ち合わせているぞ」
「っ……それよりもこちらは条件を呑んだのだ。次はそちらが契約を果たす番だ」
ギルガメッシュの嘲りの言葉にセイバーは顔を歪めながらもマスターの治癒を急かす。その態度に白けたような表情を浮かべつつもギルガメッシュは宝物庫から緑色の液体が入れられたガラス瓶を取り出す。
「安心せよ契約は果たす。この雑種にそれほどの価値があるとは思えんがな」
そうして士郎にゆっくりと近づくと小瓶をひっくり返して、中の液体を傷口に無造作に振りかける。
「シ……シロウ様!」
液体のかけられた箇所からモクモクと煙が上がり、その煙が消えるとすっかりと傷口は塞がっていた。キャスターは安堵の声を上げて、抱きつくようにシロウの体にしがみつく。
ギルガメッシュはその様子をつまらなさげに見ながらも、未だ跪くセイバーを見て再び口元に笑みを浮かべる。
「今の我は気分がいい、今宵はここで引くとしよう。だが……サーヴァントはいずれ全て聖杯の贄となってもらう」
そう言って釘を刺すようにギロリと赤い瞳がこの場にいるサーヴァントを睨む。
対してキャスターとアーチャーはその瞳に睨まれながらも、今はやり過ごすように沈黙を貫くことしかできなかった。
「雑種に関しては興味も湧かん、どこかに逃げるというのならばわざわざ追いはせぬ。だが……向かってくるのならば意図せずとも踏み潰すことになるだろうな。せっかくのセイバーの献身だ、せいぜい無駄にするなと伝えておけ。さて……では行くとしようかセイバー、我へ仕える悦びをその肉体に刻んでやる」
一瞬だけ士郎をチラリと見てそう言い捨てると、ギルガメッシュは背を向けて悠然と歩き出す。
その後ろを金の首輪をつけたセイバーが付き従うように歩く。
シロウのサーヴァントとして、ギルガメッシュへの服従を受け入れたセイバー。
だが、ギルガメッシュに従うその光景は皮肉にも『