【完結】もし衛宮士郎がメディアリリィを拾ったらというお話 作:ふりかけ@木三中
「キャスター、おまえのことが好きだ」
愛の言葉をまっすぐにキャスターに向ける。
「なっ…………!」
キャスターはボッと顔を赤くして動揺を表すかのようにその鋭利な耳をピコピコと揺らす。
だがそれも一瞬で、今度は顔色を蒼白とさせると何かに怯えるように目を泳がせながら小さく口を開く。
「どうして……」
「ん?」
「シロウ様がわたしを好きになる理由なんて……ないじゃないですか」
その言葉に思わず小さく笑ってしまう。キャスターはあれほど俺に対して好きだ好きだと公言して俺のために色々と動いてくれていたというのに実際に自分が愛されるとはまるで思っていなかったらしい。
「な、なんで笑うんですか!」
「いや、ごめんごめん馬鹿にしたわけじゃないんだ。ただキャスターはホントに俺のことを想って動いてくれてただけなんだなって思ってさ」
俺の反応にムッと顔をふくれさせるキャスター。なんだかこんな年相応な表情は初めて見る気がする……いや、あるいは俺が今までしっかりとキャスターを見ていなかっただけなのか。
「俺がキャスターを好きになった理由だけどさ……確かにあるにはあるよ色々とさ、けどそんなのはどうだっていいんだ」
きっかけは多分あるのだろう。
今までキャスターと過ごしてきて色々な出来事があった。
その中で俺のキャスターへの感情も何度も揺れ動いてきた。
最初は多分、同情心だったのだろう。
雨の中で泣いていた彼女を哀れに思ったから助けたのだ。
その後に正義の味方になると言う夢を応援された時は純粋に嬉しかった。
キャスタークラスのサーヴァントとして魔術を見せてもらった時はその凄まじさに感服したものだ。
そうして彼女と共に過ごすことになって可愛らしいキャスターの容姿に気恥ずかしさを感じたりもした。
だが、その可愛らしい顔の裏で様々な暗躍を行っていると知った時には正直に言って恐怖と怒りが湧いた。
それでもなんとかキャスターのことを理解しようとしているうちに彼女の心の奥底には拭いきれない自他への不信感があることに気がついた。
そうこうしている内にギルガメッシュの襲撃にあって死にかけたわけだが、そんな惨状に涙を流すキャスターを見て俺は彼女に笑っていて欲しいと思った。
ほんとうに……ほんとうに俺とキャスターの間には様々な出来事があった。
けれどもいつ俺がキャスターを好きになったのか、その始まりがなんだったかなんてことは重要ではない。
重要なのは今の俺の想いとそれをキャスターが受け入れてくれるかどうかだ。
「……なんで好きになったのか、俺の気持ちがどれくらい大きいかを言葉で語ったところできっとキャスターは信じてくれないと思う」
キャスターの根底には常に不信感がある。
神に操られた過去に起因する他者への、そして自分自身への不信感が。
だからこそ俺への気持ちがエロースの矢で作られたものではないかと問われた時にどちらでもいいと切り捨てたのだ。
愛など陽炎のように移ろうものだと。
恋など泡沫のように儚いものだと。
キャスターはそんな風に考えている。
そんなキャスターに俺の気持ちを伝えるには言葉だけではとても足りない。
「だからさ……」
俺はキャスターの小さな肩を掴むとそっとその体を引き寄せる。
「むぐっ!」
そうして、そのまま俺はキャスターの赤い唇に自らの唇を重ねた。
「んー!んー!」
キャスターが驚いたように目を見開き何か叫んでいるが無視して口付けを続ける。
「んっ……ちゅ……」
舌を入れてキャスターの口内をなぞるように優しく舐め回す。
キャスターは最初は驚いたように体を硬直させていたが観念したのか、応えるように舌を絡めてくる。
「んっ……ふっ、んぅっ……♡」
キャスターの細い腰に腕を回してさらにキャスターの唇を貪る、何秒も続けていると潤んだ瞳がまだキスを続けるんですかと問いかけてくるがこの程度で終わるつもりはない。
言葉でどれだけ伝えてもきっとキャスターに俺の気持ちは伝わらない、だったらその体に教えてやるまでだ。
愛というものを信じていないキャスターをイヤというほど愛してやる。
自らの体の熱を伝えるようにより強くキャスターを抱きしめる。
とは言っても乱暴な真似はしないガラス細工を扱うかのような慎重さも心がける。
「んっ、んんっ……♡」
口付けの合間に漏れるキャスターの声に艶やかな色が混ざり始めると、俺は一旦そこでキスを止めて体を離す。
「キャスター、好きだ」
飾り気のないストレートな愛の言葉を囁いて、また舌を絡め合わせる。
言葉だけではきっとキャスターには届かない。
なら言葉と行動、その二つで俺の想いを教えてやる。
「んあっ、シロウさま……♡」
そうしてキスを重ねていると次第にキャスターの体から力が抜けてふにゃりとした表情になってくる。
だが、まだまだ俺は責めの手を止めない。
舌を触れ合わせる柔らかな感触でキャスターの奥底にある氷のように冷たい気持ちをトロトロと弱火で煮込んでいく。
「好きだ、キャスター……好きだ!」
「あっ……何回も言わなくても分かりましたからぁ♡」
何度も何度もキスをして、何度も何度も愛を告げる。
そうしているうちにすっかりキャスターの顔はゆでだこのように赤くなってしまった。
なんだろう……そんなキャスターの表情を見ていると俺の中でいけない悪戯心のようなものが芽生えてくる。
思えばかつて魔力補給のためにキャスターを抱いた時は結局リードされっぱなしだった。
その後もずっとキャスターに振り回されてばかりだったし逆にこうして俺がキャスターを翻弄しているのは新鮮だ。
「脱がせるぞ……」
シュルリと音を立ててキャスターのドレスを脱がせると白い素肌が露わになる。
「…………」
キャスターは恥ずかしげに顔を真っ赤に染めて、その小さな胸を腕で隠そうとするがそれよりも早く俺は手を滑り込ませる。
「あっ……んっ♡」
撫でるようにゆっくりとキャスターの胸を俺の手が這い回り、ふぅとキャスターが息を吐いたタイミングで僅かに力を込めてその小さな胸を揉みしだく。
ゆっくりと、ゆっくりとキャスターの中の情欲の火を燃やすように昂らせていく。
「シ、シロウさま……」
そうして焦らすようにキャスターの胸を攻め立てていると、はぁはぁと荒い息を吐きながら懇願するような視線を向けてくる。
だが、まだだ、ゆっくりと責め立てながらも核心的な部分には手を出さない。
じっくりと煮込むようにキャスターの体をほぐしていく。
「んんっ♡」
太ももをそっと撫でるとキャスターが一際甲高い声を上げた。
そうして、そんな場所を触られただけで嬌声をあげてしまったことを自分でも信じられないというような驚きの表情を浮かべる。
そんなキャスターの表情に思わず俺は唇を吊り上げる。
キャスターの動きの癖や呼吸の間は既にだいたい把握した。
どこをどう触れば反応するか、どこが弱点なのかも……
「あぁ……なんで、こんなとこで感じ、て♡」
肩を軽く揉み、背筋をそっとさする。
快楽を外に逃がせないようにしてジワリジワリとキャスターの中へと蓄積させていく。
性感帯とも言えない場所を愛撫とも呼べないような動作で触る。それだけでキャスターは悦びの声をあげる。
「キャスターのことが好きだからな、どこを触れば喜んでくれるかも分かるんだ」
俺の手にピクリと反応するように腰を浮かせば逃さないようにしっかりと抱きとめ、喘ぐように息を吐けば彼女の鋭利な耳先を舐めてその呼吸を潰す。
ゆっくりと、しかし確実にキャスターの体は熱を帯びていく。
そんなキャスターの青い髪をそっと掬うように撫でる。
もちろん髪の毛に神経は通っていない、普通ならばそれで感じたりはしない。
だが体中がとろけきったキャスターはその動作だけでハァッと艶っぽい吐息を漏らす。
そうやって文字通りキャスターの頭から爪先まで体中を撫でまわし、快楽にキャスターがくたりと体を弛緩させたところでようやく俺も自らの衣服を脱ぐ。
「あっ……♡」
キャスターの熱を帯びた視線が俺のそそりたったペニスに向けられる。
そうして思わず擦り合わせるようにしたキャスターの秘所からクチュリという水音が響く。
どうやら双方共に準備は万全らしい。
「入れるぞ……」
俺の言葉にキャスターは顔を真っ赤にしてこくこくと頷く。
「っ…………」
ぐにゅりと蜜壺をこじ開けてペニスを捻り込む。
ゾワゾワと駆け巡る快感に思わずいきそうになるがなんとか堪える。
「あっ……っ……♡♡」
キャスターは足をピンと伸ばし背筋をくねらせてなんとか絶頂を抑えたようだ。
そんなキャスターの耳元に口を近づけて低い声で囁く。
「可愛いよ、キャスター」
その言葉にキャスターのナカが一際強く締まる。
「あっ、それ……気持ちよくしながら、好きとか可愛いって言うのやめてください……♡」
キャスターは恥ずかしそうに顔を逸らすが、俺のキャスターへの気持ちはまだまだ伝えきれていない。
「なぁキャスター……」
一度動きを止めて、キャスターに静かに語りかける。
「……俺を信じてみてくれないか?」
キャスターの青い瞳と俺の瞳が向き合う。
「キャスターが人の心を、意思を信じられないってのは分かっている。それでも……」
それでも……俺は……
「キャスターへの想いも、セイバーを助ける話も、正義の味方になるって夢も絶対全部……真実にしてみせるから」
俺は弱い。
いまだ魔術もまともに使えず、力だってサーヴァントには遠く及ばない。
それでも……キャスターへの愛も正義の味方になる夢も全部全部ホントにするつもりだ。
例え始まりが歪であっても、その中身が偽物であっても、そんなものは後からホントにしてしまえばいいだけだ。
エロースの矢なんて関係なく俺に惚れさせてやるし、そんなものは関係なく愛し抜いてやる。
その意思をキャスターに示すようにゆっくりと彼女にそう告げる。
「シロウさま……」
キャスターの瞳が揺れる、その中には僅かに恐怖と不安の感情も混ざっているように見えた。
そんなキャスターの手をゆっくりと握り、その小さな体を抱き止める。
「んっ…………♡」
そうしてキャスターの唇に再度口付けをして、再び体を動かす。
「俺の想いが伝わらないって言うなら、まだまだキャスターのことを愛してやらなくちゃな」
「あっ♡あんっ♡ああっ♡」
キャスターの反応を見ながら、えぐるように腰を動かすと漏れ出るように嬌声が上がる。
「わっ……分かりましたから!」
そうして、キャスターがついに観念したように叫んだ。
「シロウさまがわたしのことを好きなのは十分良く分かりましたからぁっ!もう気持ちいいのやめてくださいっ!」
ようやっと俺の想いを受け入れてくれたキャスターが悲鳴のような声を上げる。
だかここまで来て今更やめろと言うのは俺だって我慢の限界だ。
「っ……出すぞ、キャスター」
貯まりに貯まった精をキャスターの中にぶちまける。
「あっ…………♡♡」
そんな俺に対してキャスターは拒絶する様子も見せず、むしろ腕を首に回し脚を腰に絡ませ抜けないようにしてがっちりとホールドしてくる。そうして、抱き合う形となった俺の耳元でいっぱいいっぱいと言うように叫ぶ。
「わたしも!わたしもシロウさまのことが好きです」
「!……キャスターっ!!」
そうしてお互いの体を強く抱きしめて、永遠とも思える絶頂を迎える。バチバチと多幸感に目の前がスパークするような感覚が走る。
「はぁ……はぁ……」
「んっ、んんっ……♡」
どれほど余韻に浸かるように抱き合っていただろうか。
息も絶えだえになりながらゆっくりと体を離す。
「すご……凄かったです。愛し合うことがこんなに気持ちいいだなんて……♡」
自らが受け止めた精を確認するかのように、キャスターが自らのお腹をゆっくりとさする。
「……シロウさま」
そうして少し落ち着いたのか、先ほどまでの蕩けた声とは違う落ち着いた声で俺の名前を呼ぶ。
「正直に言って、わたしはまだ怖いんです。シロウさまがわたしの事を好いていてくれてることは分かりました。けれども、それでこの恋が、この愛がいつか壊れてしまうのではないかという不安は消えません」
エロースの矢によって恋に狂わされた過去に起因するその不安はきっと消えることはないのだろう。
だが、そんな中でキャスターはふわりと柔らかく微笑んでみせる。
「けれど……信じたいと思ったんです。この気持ちはうたかたの恋などではないと」
まだ、キャスター自身の心も俺の想いも信じ切れたわけではないのだろう。
それでも信じたいと思えたのは、きっと今までとは大きな違いだ。
「ですから……」
キャスターは誘うようにそっと手を俺に差し伸べる。
「もっと、もっとわたしを愛して、シロウ様の想いを信じさせてください」
淫靡な笑みと共に蕩けた視線を向ける少女の体をゆっくりと押し倒す。
チラリと窓の外を見てみれば、いつの間にか月はその光を増して美しく煌々と輝いていた。