拳の味を知る事もまた、淑女の嗜みとしてもよろしいでしょうか 作:帆速やこぬ
原作:最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか
タグ:R-18 最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか 最ひと スカーレット・エル・ヴァンディミオン ジュリアス・フォン・パリスタン スカーレット ジュリアス ジュリスカ 貞操管理 子宮責め
王家主催の舞踏会の夜。
ジュリアス・フォン・パリスタン――パリスタン王国第一王子は、私、スカーレット・エル・ヴァンディミオンが退屈し始めた頃を見計らったかのように絶妙なタイミングで、控えの間へと呼び出した。
伝言に使われたカードには、短く“あなたのまだ知らない拳の味を知りたくはないか?”とある。
あの腹黒王子の事、きっとまた私をからかって楽しむ気なのだろうとは思ったが、“未知の拳の味”などと書かれては、無視する事もできない。
好奇心に負けて呼び出された部屋を訪れると、室内には誰もおらず、軽くつまめるものとワインが用意されていた。
“わたしが行くまで待っていて”というメッセージカードが付いている。
グラスに注がれたワインは黄金色で美しく、少しトロリとしているようだ。軽く舐めてみると、蜜のように甘い。
――さすがに毒は入っていないか……
舞踏会のざわめきを遠く聞きながらソファに深く座り直すと、最高級の貴腐ワインを遠慮なく味わい、並んでいるフィンガーフードに手を伸ばす。
「あら♡」
フォアグラのパテの乗ったバゲットも素晴らしい出来で、ワインとよく合う。
舞踏会と言っても、鮮血姫、撲殺姫などと呼ばれている私と踊りたがるお相手などおらず、王子自らの招待を受けたので出席しただけの退屈なものだ。
誰の目を気にする必要もなく美味しいワインを楽しめるのなら、ここで待つ方が何倍もいい。
――まあ、この瓶が空く前には、さすがにジュリアス様もいらっしゃるでしょう
「……まさか一人で空けてしまうとはね」
ソファにもたれて寝息を立てるスカーレットを見て、ちらりとテーブルに視線を走らせる。
一緒に楽しもうと用意していた極上のワインは瓶が空になっており、グラスにわずかに一口、残っているだけだった。
侍女に客間を用意するよう指示し、グラスに残る黄金色の液体を煽る。
――ようやく手に入れた逸品、二人で楽しみたかったのだが
深く華やかな香りと、舌と喉の奥に甘く残る余韻に浸りながら、床に跪いて愛しいひとの寝顔を覗き込む。
滑らかな頬に指で触れていると、侍従が客間の準備が整った事を伝えにきた。
「スカーレット……?」
呼びかけてみたが返事はなく、気持ちよさそうに眠っている。
「わたくしがお運びいたします」
「必要ない」
侍従が歩み寄ろうとするのを止め、彼女の身体を横抱きにした。
「わたしが運ぶ」
――ここは……
「目が覚めたかい、スカーレット?」
身体を起こすと、どうやら客間の寝室のようだ。
「……ジュリアス様? 私、一体――」
軽く頭を振ると、いつの間にか夜着に着替えさせられている事に気が付く。
「ああ、心配しなくても、着替えさせたのは侍女たちだ」
相変わらずの観察眼で他人の心の内を見透かすようにいう腹黒王子は、傍らの明かりで読んでいた本を閉じて、テーブルに置いた。
「ところで、わたしの用意したワインはお気に召してもらえただろうか?」
そうだ。ジュリアス様に呼び出され、用意されていたワインが美味しくて全て飲んでしまった事を思い出す。
「ええ、素晴らしく美味でしたわ」
「美味しいからといって、年頃の御令嬢が一人で瓶を空けるのは少しはしたないと思うぞ」
「万事を完ぺきにこなすジュリアス様でも、乙女心は理解できていないようですわね?」
「乙女心?」
「本当に好きなものは独り占めしたいものなのです。それよりも、呼び出しておいて瓶を空けてしまうまで待たせる方が問題では?」
「それは確かに申し訳なかった。話好きの公爵に捕まってしまってね」
「そうですか」
ベッドから足を下ろした。
「どうした?」
「帰り支度をしようかと思いまして」
「今夜はここに泊まっていけばいい。ヴァンディミオン家には使いを出してある」
「お心遣いには感謝いたしますが、王宮に宿泊しておかしな噂が立っても困ります。それに私なら大丈夫ですわ」
「いや、大丈夫ではないだろう。ふらふらしているではないか」
思っていた以上に酔いが回っていたらしく、立ち上がってみると確かに足元が覚束ない。
揺れた身体をジュリアス様に抱きとめられ、彼の腕の力強さに不思議な安らぎを感じてしまう。
ふわふわとした身体と気持ちを抱えたまま、まあいいか、と提案を受け入れた。
「分かりました。今夜はこちらにお世話になります……それにまだ、“私が知らない拳の味”とやらも教えていただいておりませんものね」
「――ではまずは我が麗しのお転婆姫に、本当のキスを教える事にしようか」
「はい?」
とんでもない事を言い出したジュリアス様にイラッとしながら拳を握ると、当の本人はクスクスと笑っている。
「そんなにブッ飛ばされたいなんて、変わった性癖をお持ちのようですわね、ジュリアス様?」
「あなたはそんな事はしないさ。何せ“あの時”だって、自分から大切な初めてをわたしに捧げてくれたのだから」
「ッ」
思わず赤面してしまい、反射的に顔を逸らす。
ジュリアス様の言う“あの時”とは、サハスギーラの大聖石を狙うテレネッツァさんと戦った時の事だ。ジュリアス様の加護『英雄譚(ヒロイック・テイル)』を完全発動させる為、私は自ら彼に口づけをした。そしてそれは、私が彼に抱いている想いの証明でもあった。
「正直に言わせてもらえば、あなたとのキスはもっとロマンチックな雰囲気での甘いものになる予定だったのだが――だから今夜は、わたしにやり直しをさせてほしい」
ジュリアス様は私の髪を一筋 手に取り、口づける。
「あなたの気持ちを知る事ができてから、わたしのあなたへの想いは強く深くなる一方だったよ。敵の多いあなただが、その美しさと強さから慕っている男もたくさんいる。それを不安に感じない時はなかったし、あなたの知らないところで牽制も妨害も山ほどしてきた。そしてそんなわたしの不安に呼応するように、『英雄譚』の加護に新たな能力が発現したんだ」
そう言ってジュリアス様が下腹部へと滑らせた手から魔力が流れ込むのを感じた瞬間、ドクンと腹の奥が脈動して熱くなる。
「な!? 何をしたのですか、ジュリアス様!」
「新たな能力を発動した。これには愛する者の子宮に、わたしだけを受け入れるようにする効果がある」
「はい!? 慎み深い淑女を前に、なんて事を言い出すのですか!」
王子様の口から子宮などという言葉が出てきて、再び赤面してしまった。
「あなたが言ったのではないか。“乙女の唇を捧げた借りは一生かけて返していただく”と。わたしは一生あなた以外を孕ませる事はできないし、あなたはわたし以外の男を受け入れる事ができない。そうだな、この能力に名前を付けるとしたら――『貞操管理』とでも呼ぼうか」
「な……な……」
突然の事に言葉が出てこない。酔いなどとっくに吹き飛んでしまっていた。
ジュリアス様は私の頬を両手で挟むと、拒む間もなく唇を重ねる。
「んんっ――」
柔らかく温かい感触に唇を塞がれ、鼻も歯も当たらない、お茶会で私に指摘した事を実践して見せるようなキスをされて、突き飛ばしたい衝動以上に強く湧き上がる嬉しいという感情に戸惑う。
“イヤ”と“気持ちいい”、“やめて”と“もっとして”、そんな相反する気持ちが同時に複雑に身体の内側を駆け巡り、どうしていいのか分からずにだんだんと激しくなっていくキスに身を任せていた。
次第にお腹の奥がキュウッと疼き出し、立っていられなくなる。
「……ああ、スカーレット。そんな切なそうに瞳を潤ませて――もう我慢できないのかな?」
微笑んだジュリアス様が私を抱き上げてベッドへと運び、横たえた。自分もベッドに上がり、するりと夜着の裾をたくし上げる。
拒まなければと思うのに、動けない。拒絶の言葉が口から出てこない。
身体が、そして心のどこかが、期待してしまっていた。
「スカーレット、よく見ていて。あなたの知らない拳の味を教えてあげよう」
ジュリアス様は拳を握ると、下腹部にグググッとゆっくり押し込んでいった。
「んっ! んんぅっ!?」
腹の奥の甘い疼きが、拳を押し込まれる度に快楽へと変わっていく。
「分かるかい? ここが子宮口――子を孕む部屋の入り口だ。そして女性が強い快楽を得られる場所でもある」
「どう、して……」
「外からでも分かるのかって? あなたの反応を見て探った。でも、もう覚えたよ」
唇を舐めたジュリアス様が、グリグリと腹に拳を押し付ける。
「っ♡ ……っあ♡ ……あぁっ♡」
「どうだろうか、スカーレット。わたしの拳の味は気に入ってもらえただろうか?」
勝手に喘ぎが漏れ出て、答えるどころではなかった。
――おかしい! こんなの、おかしいっ!
相手の攻撃は避けるか防御する為、こんな風に相手の拳を無防備に受け入れた事などなく、しかもそれが快楽に繋がるなんて聞いた事がない。ジュリアス様の言う通り、確かに未知の感覚で、初めての快楽だった。
「ああ、たまらないな、あなたのそんな甘い声。もっと乱れさせたくなる♡」
私の上半身を起こしたジュリアス様が、顔を寄せる。
「……スカーレット、次は“本物のキス”を教えよう」
そう言ってしっかりと唇を重ね合わせると、隙間から舌を挿し入れた。
「んむっ!?」
驚いて手を突こうとすると、その手を取られてベッドに押し付けられる。
「こら、暴れるな」
「何をなさるのですか!」
「これが本物の――大人のキスなのだが……そうか、あなたにはまだ早かったか」
からかう気満々のジュリアス様の物言いに、挑発と分かっていても強がってしまう。
「……子供扱いはやめてください。今のは少し、驚いただけです」
「いや、確かに普通のキスもまともにできないのに、大人のキスは早かったな」
乙女の覚悟の初めてのキスをそんな風に言われてイラッとした私は、拳を握る代わりに、掴まれていない方の手でジュリアス様を引き寄せた。
「まともにできない? ――これでも?」
顔を傾け、歯を当てないように唇を重ねる。
先程ジュリアス様にされたように食むように唇を動かすと、応えるように彼の腕が背中と腰に回された。
「……ん……」
窮地に陥った訳でもないのに自らこんな事をするなんて自分でも信じられなかったが、きっとこれもジュリアス様の新しい能力の効果なのだろう。
それに何より、口ではなんと言おうと、好意を抱いている相手に求められる事が心地いいと知ってしまった。
「……いかがでしたか、ジュリアス様?」
「そうだな、及第点といったところか」
自分では上手くできたと思ったのに、及第点などと言われてムッとしてしまう。
「どうしたら満点をいただけますか?」
ジュリアス様は唇で人差し指を立てて、微笑む。
「頭の良いあなたの事だ、分かっているだろう?」
合わせた唇に舌を挿し込んでももう、彼女に拒む様子はなかった。
テレネッツァの魅了に操られていた時には、スカーレットの唇が軽く触れただけで胸に喜びと愛しさが溢れたのに、今は一度すれば何度でも、軽くすればもっと深く、欲しいという気持ちが止められない。
加護の力を使ってでもスカーレットを自分だけのものにしたかった。
彼女の舌に舌を絡めながら閉じていた目を開けると、恥ずかしそうに頬を赤らめる彼女も、こちらが見つめているのに気付いたようにまぶたを上げる。
潤んだ青い瞳と見つめ合いながら舌を吸い、ぬるぬると絡め合っていると、顎に唾液が伝っていった。いつも凛とした彼女のそんな様子にゾクゾクしてしまう。
やがて時折ピクッと身体を震わせていたスカーレットが、力が抜けてしまったようにクタリとわたしに身を預けてきた。
「スカーレット?」
「……これなら……」
「うん?」
「これなら満点をいただけますか?」
軽く息を乱して見上げる彼女のとろけた表情にブルッと震える。ズボンの中で痛いほど勃起した陰茎がドクドクと脈打っていた。
「ああ、120点だ」
ジュリアス様が自分のシャツを乱暴に脱ぎ、ズボンの前を開ける。
「!!?」
飛び出した肉棒の大きさと、初めて目にする勃起した男性器の生々しさに、思わず息を飲んだ。
まるで拳のような亀頭に、腕のように太い陰茎。あまりに凶暴な大きさにゾクゾクと震えが走り、子宮が更に疼く。
「……怖い?」
正直言えば怖かったが、なぜかジュリアス様には、そういう顔を見せる事をためらってしまう。
私は精一杯の強がりで、彼を睨みつけた。
「貞節を重んじる淑女の目の前に、なんてものを晒すのですか」
「愛する相手には自分の全てを知ってもらいたいからな」
「親しき仲にも礼儀ありでは? そもそも婚約もしていないのに」
「婚約なんて形式に囚われるあなたではないだろう? 想い合っている男女が結ばれるのは当然の事だ。それに――」
ツツ、と彼の長い指が私の下腹部を撫でる。
「あなたももう、我慢できないのでは? 外からの子宮責めと『貞操管理』の力で、わたしが欲しくてたまらないはずだ。わたしが、あなたを欲しくてたまらないように」
ジュリアス様の言う通り、初めのキスの時から、もう私の身体は期待し準備してしまっていた。彼に抱き締められただけで嬉しいという気持ちが抑えられず、認めたくない理性とは裏腹に、本能が彼を求めている。
「やはり怖いというのなら、無理強いはしないが」
御自分の持ち物を見せつけるように、自慢げに持ち上げた。
「どうやらわたしのものは一般的に見て大きい部類に属するようだからね。毎晩侍女たちに相手をさせているのだが、皆、口を揃えて“大きい”と言うし、中には“無理だ”と泣き出す者もいる」
――“毎晩”――“侍女たちに相手をさせて”――…
胸の奥にモヤモヤとしたものが広がる。
そんな私を見て、なぜかジュリアス様が嬉しそうに微笑んだ。
「今のあなたの表情――もしかして、“嫉妬”かな?」
「まさか。私が侍女に嫉妬なんて」
「わたしは侍女なんて一言も言っていないのだが――なるほど、あなたはわたしが毎晩侍女に相手をさせていると聞いて、その胸に痛みを覚えてくれたのか」
やられた、と思いながら反論する。
「ひとの言葉を都合よく解釈するのはやめてください。今の話の流れなら、当然そう繋がってくるでしょう」
ジュリアス様が顔を寄せて囁いた。
「もちろん今の話は嘘だ。侍女に相手などさせた事はないし、あなた以外を抱くつもりもない」
「……本当に素直じゃないですね」
嘘だと分かってホッとしているのがバレないよう、殊更呆れたように言ってみせる。
「自覚がない訳ではないが――その言葉、そっくりそのままあなたに返すぞ」
クスクスと笑っていたジュリアス様は真顔になると、こちらの手を取って指を絡めてきた。
「先程のあなたの言葉――本当に好きなものは、独り占めしたい――だったね。わたしの事も、独り占めしたいと思ってくれていると自惚れてもいいだろうか」
「どうぞ、ご自由に」
勝手にしろ、という意味で言ったのだが、ジュリアス様は肯定的な捉え方をしたらしい。
「では続きを――わたしの拳をもっと味わわせてあげよう」
時間を掛けて前戯を施し、たっぷりと濡らして、自分から入れて欲しいとねだるまで何度も寸止めを繰り返す。
綺麗な瞳いっぱいに涙を浮かべ、悔しそうにねだるスカーレットは最高に可愛かった。
「――息を止めないで……そう、ゆっくりと呼吸しながら、力を抜いて――…」
破瓜の痛みに唇を噛んで耐える彼女の様子を見ながら、ゆっくりと挿入していく。
シーツをギュッと掴んで涙をこぼすスカーレットの膣内は狭く、溢れる熱い愛液と共に真っ赤な血が伝っていた。愛しいひとの乙女の証に喜びでゾクゾクと背筋が震え、市井での彼女の呼び名について埒もない事を考える。
――これが本当の鮮血姫だな……
やがて亀頭の先が奥に当たる感触がした。
まだ半分しか挿入できていないが、今は無理をするつもりはない。
「スカーレット、わたしはしばらく動かないから、安心して力を抜いて。痛みが治まるまでいくらでも待つから」
「はい……」
最初から、スカーレットを抱く為に今夜の計画を立てた。
彼女を想うほど、そして彼女を想う男が他にもいるのだと思うほど、焦りと嫉妬が胸を焼く。
スカーレットを自分だけのものにしたい。絶対に彼女を他の男に奪われたくない――発現した新しい力『貞操管理』は、わたしの想いに応えるものだった。
ワインでよい雰囲気をつくり、改めて気持ちを伝えた上で彼女を愛するつもりだった。
計画とは少し違ったが、結果としてこの腕の中に一糸纏わぬスカーレットがいる。彼女の内側に自分を刻み込む準備は整った。
痛みに震え、苦しそうな息遣いさえも愛おしくて、彼女に被さるように圧し掛かる。
「わたしの首に抱きついてみて」
おずおずと回される腕に引き寄せられるように、スカーレットの背中に手を回して抱き締めると、密着した滑らかな肌から伝わる体温がたまらなく愛おしい。
初めての痛みをこらえるようにギチギチと締め上げてくる蜜穴に、なんとか彼女の気を紛らわせてやりたいと、耳元に囁いた。
「スカーレット、キスをしてもいいか?」
「え? ……あ、はい……」
痛みに耐えるだけでいっぱいいっぱいなのだろう、彼女が素直に顔を上げる。
「わたしの舌に集中して」
唇を合わせると、待っていたかのようにスカーレットが舌を絡めてきた。
ぬるぬるとした感触と唾液を思う存分味わっているうち、次第に彼女の膣内の締め付けは緩み、苦しそうな息遣いも甘く潤っていく。
「こうして、あなたと上も下も繋がるのをずっと夢見ていたよ」
「ジュリアス様?」
「市井ではオーガズムの事を“イク”と言うんだそうだ。今夜はわたしの拳であなたをたくさんイかせて、わたしから決して離れられないように快楽を刻みつけよう」
「――ああぁ、イクっ♡ イクッ♡ イクイクイクイクぅッ♡」
ガクン、と仰け反り、カクカクと身体をビクつかせて絶頂すると、嬉しそうにジュリアス様が笑った。
「凄いな、スカーレット♡ イクの、何度目?」
何度目かも分からない絶頂を重ねているのに、ジュリアス様の抽送は止まらない。
私がイク度に体勢を変え、あらゆる体位を試そうとでもしているかのように擦り上げ、突き上げ、抉った。何度か達したジュリアス様は、その度に奥へと届かせようとしっかりと私の腰を掴み、膣内へと精を放つ。
突かれる度に溢れ出る白濁液が太ももやシーツに飛び散り、部屋には互いの体液の匂いが充満していた。
「……うん、やはりあなたの顔が見える正常位が、一番いいな」
ジュリアス様は私の太ももを抱えて挿入し直すと、大切な秘密を打ち明けるように囁く。
「スカーレット、実はね、まだ全部入ってないんだ」
「……え?」
全部?
「もうわたしのにも慣れただろう? あなた自身も知らない奥の奥まで感じさせて」
ジュリアス様はそう言うと、陰茎を更に奥へと捻じ込み始めた。
「んんんうぅっ!?」
――さっきまででもういっぱいだったのに、あれでも全部ではない!?
「無理っ――ジュリアス様、これ以上は無理ですっ!」
「大丈夫、もう根元まで入ったよ。上手に飲み込んでいる♡」
限界まで広げられ押し込まれた膣には余裕がなく、潰れてしまうほど子宮を押し上げられて苦しいのに、さっきジュリアス様に腹の外から拳で愛撫されたようにジンジンと痺れるような快感が昂っていく。
手を伸ばしたジュリアス様が私の腹に触れ、笑った。
「は♡ なるほど、今はここか♡」
挿入された肉棒を指でなぞり亀頭の位置を確かめると、私の手を取る。
「ほら、スカーレット、触れてごらん。こうして触れればあなたの一番いいところが今どこにあるかよく分かるな♡」
「――…」
自分の下腹部の内と外からジュリアス様の陰茎を感じ、その硬さと太さ、熱さに貫かれ、きゅんきゅんとお腹の奥が疼いて痛んだ。
「ふふ……あなたは下の口の方が素直で甘え上手だね♡ 先にこんなに吸い付いてきて――子種が欲しいとねだっている♡」
「そんな事――」
「スカーレット、『貞操管理』には他にも効果があるんだよ。挿入した状態で、こうして魔力を注ぐと――」
雄の笑みを浮かべたジュリアス様が腹部に触れていた手から魔力を流し込むと、突き当たりまで押し込まれ、押し上げられる苦しさが、急に緩んだ気がした。
一番奥のはずなのに、グググッと、更に奥へと入り込む感触。
「……え?」
信じられない思いで、意思とは関係なく大きく口を空けて受け入れる準備を始めた子宮と、乙女の奥のその先へと入り込もうとする男性器を感じていた。ヌポン、と奥に入り込み、カリ下でキュウッと締まる感覚がする。
――嘘、これ――入ってはいけないところまで入ってる!?
「子宮は通常、出産時にしか口を開かないのだが――わたしの加護の力で子宮口が開き、亀頭が子宮にまで入ったね♡」
「こんなっ――こんなの――っ」
――許されない! 許されるはずない!!
理性の欠片が拒絶する一方で、拳のような亀頭が子宮へと出入りし、カリが子宮口に引っかかる度に甘イキして腰を痺れさせる。
軽い絶頂を何度も繰り返すうち、重なり合ったオーガズムで身体の深いところからゾワゾワと震えが湧き上がってきた。
「ジュリアス様、待って! 何か変―― !」
「そのまま、身を任せてごらん。これは世界でわたしだけが与えられる快楽なのだから」
「でも――」
不意にジュリアス様が真顔になる。
「……世界は、光がなければ暗くて何も見えない」
――急に何を?
戸惑う私に、彼は続けた。
「あなたはわたしの光なんだ、スカーレット。あなたがいるから、わたしの世界は鮮やかに色づく。誰にも渡すつもりはないし、ずっと傍にいてほしい」
その瞳にいつものからかう様子はなく、真剣そのものだった。
「ひとりの女性として、あなたを愛している。世界中の誰よりも」
再び握った拳をゆっくりとお腹に押し付ける。
「んんん!? はあぁぁッ♡」
「わたしを刻ませて――あなたの奥で受け止めて」
そう言ったジュリアス様は、何度も何度も“愛している”と囁きながら子宮を内側と外側から同時に愛撫し、精液を流し込み、しっかりと嵌り込んだ亀頭が一滴もこぼさないように蓋をした。
「孕んで、スカーレット――わたしの子を♡」
ジュリアス様の愛の告白と子宮内に直接注がれた精液を亀頭で掻き混ぜられる強烈なオーガズムで理性は飛び、いつしか私は普段決して口にしない言葉を嬌声と共に上げていた。
「はい♡ 孕みますっ♡ ジュリアス様の御子っ♡」
「ずっとわたしの傍にいてくれるか?」
「います♡ こんなの知ってしまったら、もう離れられない♡」
「わたしの拳の味、気に入ってくれた?」
「はい♡ 好き♡ 殴るのと同じくらい好きっ♡」
「わたしと結婚してくれるね、スカーレット?」
「はい♡ します♡ この先もずっと私を愛してください♡」
――この夜より十か月の後、パリスタン王国王子夫妻に第一子誕生の発表がされた
相思相愛でないと完全発動しない『英雄譚(ヒロイック・テイル)』なので、二人をより親密にする能力を新たに発現させてみました。スカーレットのセリフがらしくないのは、『貞操管理』の効果という事でご容赦ください。
”昨日今日一目惚れした者などにくれてやるか”発言のところの本音漏れちゃったジュリアス様に萌えました(´艸`*)キュン♡
あと、スカーレットもジュリアスも美形過ぎて学園の制服姿にちょっぴり違和感…(;^ω^)