翌日。各々が工廠へ向かう。霞は熱心に書類を読み込んでいる。
「そんなに見てどうするんです?一人一回ずつの建造だからですか?それとも、誰かに会いたい…とかですか?」
「そういうのじゃないけど…」
霞の見ている資料は艦娘をどれぐらいの資源を使えばどういう艦種として生まれるのか、またどんな艦娘が生まれるのかが記されたものである。先人から受け継がれてきた資料には多大な出費と気の遠くなるほどの建造回数によって明らかになったものが大量に記されている。それを見ながらどの程度の資源を使用するかを考えながら艦娘を建造するのだ。
「遅れたわね。」
「お二人とも。別に待っていたわけではありませんよ。さ、その資料に習って建造してください。私は事務処理をしてきます。お好きなようにしてください。ただし、一人一回までです。」
「何度も言われなくてもわかるわよ。」
「そうですか。では。」
「で、どうする?」
「今ここにいない艦種は戦艦、軽空母、軽巡重巡と潜水艦、あとは水上機母艦に海防艦とかかしらね。」
「駆逐艦と空母しかいませんからね。」
「まあ好きなようにしましょ。」
と、いうわけで各々好きなように建造ドックへ向かう。私はどうしようか。この前呉に行った時、満潮に出会った。その時初めて自分に姉妹艦がいることがわかった。どうやら私の姉妹艦は全ての資源を最低値かつ22分の建造時間で生まれるらしい。しかし、冷静になって考えると、ここにはすでに私と曙の二人も駆逐艦がいる。別に曙が悪いわけではない。ここにはそれほど艦娘はいらないし、一艦隊作れる程度の艦娘が所属するだけでいい。なら…重巡や戦艦が狙えるものの方がいいんじゃないだろうか。
「ねえ妖精さん。燃料を400、弾薬を100、鋼材を600、ボーキを30で建造をお願いできるかしら?」
【了解。ええと…1時間だね。どう?高速建造剤使う?】
「ええ。お願い。」
1時間…重巡かな?もしかしたら軽巡の可能性もあるけど…別にいいか。
この鎮守府に足りないもの…それは火力!現状は加賀の艦載機の爆撃かあたしや霞の夜戦火力くらいなもので、いざ昼間の戦闘になると純粋な火力不足に悩むかもしれない。というか絶対に足りない。なら戦艦が望ましいけれど、通常の建造で戦艦を狙うとなると、重巡洋艦の方を建造してしまう可能性がある。そんでもって、前柳田提督との演習にいた大和とかいう戦艦。あの艦隊の中でも一際強かった。一発でも喰らおうものならすぐに大破しそうなほどの威力の砲撃と気迫を感じた。と、いうわけで…
「妖精さん、大型艦建造ってできる?」
【できるけど…すっごい資材使っちゃうよ?いいの?】
「いいの。じゃあ、燃料4000弾薬と鋼材7000ボーキ2000、開発資材20個でお願いね。」
【や、大和型を狙うの…?】
「あんな火力見せられたらね。」
【うーん…まあやってみるけど…あ、8時間…。】
「やった!」
【一応聞くけど高速建造剤はつかう?】
「もちろんよ!」
いざ建造と言われてもどうすればいいかなんて全くわからない。妖精さんと相談しながら一緒にやってみようかしら…。
「妖精さん。どの配合がいいでしょうか。」
【そうだね…どんな艦種がいいとかはある?】
「あまりありませんが…空母などでしょうか…。私だけでは航空優勢を取るのは少々不安ですから。」
腕を組んで考えを巡らせる妖精さんが口を開く。
【それなら正規空母が狙える物が良さそうだねぇ。これなんてどうかな。】
そう言って燃料弾薬300、鋼鉄ボーキ600と書かれたものを示す。
「それで…お願いします。」
【はーい。お、6時間だ。じゃあ翔鶴型みたいだね。バーナー使っちゃうけどいいかな?】
「ええ。お願いします。」
しかし五航戦ですか。邪魔にならなければいいのだけれど。