「借りてきたわよ!」
「早いですねぇ。」
息を切らしながら大量に服を持ってきた暁たちが入ってきた。そしてその後ろにいたのは…
「うふふ~。この子たちが楽しそうにしてるから私も来ちゃったわ~。」
龍田である。確かに軽巡のはずではあるもののその気迫はすさまじく、押しつぶされそうだった。暁たちには気づかれないあたりさすがである。
「で~?あなたがお客さんよねぇ~?どうしてこんなことになってるのかしら~。」
「それは私たちがお願いしたんだよ。ぜひともこの人の女装が見たいってね。」
「あら~…そうだったのね~。」
龍田の目がさらに鋭くなる。
「ほら、比叡さんの服と、足柄さんの服だよ。」
「利根さんの服は響がダメって言っちゃったのよ。」
「…こぼれますね。」
「どういうこと?」
「暁は知らなくていいよ。」
「ね、早く着替えて頂戴!」
「では部屋を出てもらっていいですか?さすがに恥ずかしいですから。」
「ほらみんな~、出ましょうね~。」
私一人残された六駆の部屋で着替える。はじめは比叡の服を着てみよう。巫女服は初めてだ。
「午後よ!これからは実践に移るわ!気を引き締めなさい!」
「大分練度も上がったな。」
「疲労困憊です…。」
「青葉大丈夫?」
「曙、随分練度もあがりましたし…」
「何が言いたいかは聞かないけどまだ無理よ。」
緊張感のない会話が繰り広げられる。
「ねえ、私の話…」
「青葉、大丈夫か?」
「加賀さん嬉しそうだね。」
「離れてよ!」
「ここは譲れません。」
「ちょっと、いまから…」
「武蔵さん…ありがとうございます…。」
「瑞鶴!加賀のことよろしく!流石にうざい!」
「ああ!曙…」
「加賀さ〜ん。少しはパーソナルスペースってやつも考えなきゃ。」
「…うぅ…わたしの…はな、し…きいて、よぉ…。」
「…!」
訳もなく涙が出てくる。仮にも旗艦である身なのに情けなくなってさらに泣けてくる。
「霞!すまなかった!」
「ごめん霞!それどころじゃなくて…」
「曙さん!それはまずいです!」
「うぅ…もうやだぁ…わたしかえるぅ…」
「やばいです!どうすれば!?」
「こうなったらもうクソ提督に頼るしか…」
「くそじゃないもん〜!」
「曙!少し口閉じててください!」
「と、とりあえず今から提督さんのところに戻ってメンタルケアしなきゃ!ごめん金剛さん!午後の出撃キャンセルできるかな!?」
「私たちで手を回しておきますが…大丈夫デスカ?」
「ありがとう!それだけしてもらえればいいから!ほら、霞!提督さんのとこいこ?ね?」
「やだ…みんなわたしなんてどうでもいいんだもん。かってにしゅつげきしちゃいなさいよ。わたしここにいるもん…」
「提督を呼んできます!ほら、曙!」
「う、うん!」
「ほら、霞、元気を出してくれ。」
「すみませんでした〜!立ち直ってくださいよ〜!」
「もうみんなきらい…」
「これはもうどうしようもないかも…誰かなんでもいいから助けて…。」
「あら〜…」
「хорошо。随分と上手だね。」
「やっぱり一人前のレディーの暁のセンスは間違ってなかったわ!」
「はわわ…とっても綺麗なのです!」
「確かに似合ってますね〜。」
「雷たちもこんな風になれるかしらね?」
「ええ。なれると思いますよ。ところでもう着替えていいですか?嫌な予感がするので。」
「?まあいいけれど。」