「クソ提督いるー!?霞が…!」
「霞が!?」
「どうかしたのですか?」
「いえ…少し用ができました。これで失礼します。」
「そ…そうなのね。」
「また今度遊びましょうね。」
「私には何かないのかしら〜。」
「…できればもう会いたくはないですね。」
「まあひどい。」
「今日は楽しかったよ。Спасибо。」
「ええ。では。」
ドアを開けたそのすぐ先に曙と加賀が駆け抜けて行った。
「曙!加賀!一体何が?」
「いた!あ、霞が泣いちゃったんだけど…」
「…誰が泣かしたんです?」
「そんなのいいから!ほら、行くよクソ提督!」
「ちょっと…まってくださ…」
「ごめん加賀。おいてくわね。また後で迎えにくるから待ってて。」
「え」
「みんなきらいだっていってるでしょ…かまわないでよ…」
なんとか宥めて提督さんがくるまで場を繋がないと…
「ごめん霞。いっつも優しいからさ、私たちもそれに甘えてた。反省したからさ…また旗艦として動いてくれないかな…。」
「…ふん。」
想像以上に霞は面倒くさい。どうすればいいかな。
「すまなかったな霞。あまりにお前のことが考えられていなかったよ。」
そうやって謝りながら武蔵の熱い抱擁が…
「やめて…やめてったらぁ!」
ドンと突き放されて物理的な距離が生まれ、その結果武蔵も勝手にダメージを受けた。この艦隊メンタル弱い娘ばっかり!そんな時に救世主が降りて来た。
「連れて来た!」
「霞!」
「ひどいことしますね皆さん。」
「うぅ…しれいかん…しれいかん…もうやだぁ」
「霞がこんなになってるなんて私知りませんでしたよ?仮にも旗艦の言うことに耳すら傾けないとは何事ですか。」
「「すみませんでした…」」
「申し訳ない。」
腕の中に抱いている霞は未だ涙が止まらない。曙には加賀の回収に行かせたのでとりあえずは新参の三隻にお説教を。
「とにかく、です。あなたたちは少し反省しなさい。霞は私が面倒を見ておきますから。」
「しれいかんまでそんなこというの…?」
「言葉の綾というやつです。私はこれっぽっちも思っていませんが…日本語の欠陥ですね。」
抱き寄せながら頭を優しく撫でるとまた更に涙が出る。胸のあたりで服を握られ、顔を埋められる。うちの霞は精神面が脆いのが弱点のようだ。
「あなたたち二人はある程度古参ですけどね、やっていいことと悪いことくらいは理解していて欲しいです。親しき仲にも礼儀ありです。加賀も曙も、お互いに無視されたら嫌でしょう。なんなら今回は普段の生活とはまた違っています。日常会話の無視より、こういった行動においての無視は生死を分けますからね。」
「…わかったわ。」
「…肝に命じます。」
「ほら、霞も、そろそろ許してあげてください。」
「うん…」
「はい。この件はもう終わり。一旦休憩して、出撃して来てください。実践はやっておいてもらわないと、いきなり本番で戦闘するのは難しいものがありますからね。」
「「「「「了解!」」」」」
「ほら、霞も。旗艦ですから。」
「…わかったわ。」
「ありがとうございます。」
(帰ったら沢山構ってあげますから…ね?)
(うん…わかったわ。)