「ここって色々特殊ねぇ。」
「そうかしらね。」
姉さんと一緒に瑞鶴の部屋にいて、瑞鶴は司令官の部屋で寝るみたい。司令官は司令室で寝ると言っていたから、"そういう意味"での心配はしていない。
「ところで〜霞ちゃんはあの人と一体どこまで進展してるの〜?」
「…言わなきゃだめ?」
「そうね〜。でないと私、どうにかなっちゃうかも〜。」
冗談交じりにそう言われて、少し怖気付く。私も観念して、白状する。
「えっとね、ケッコンカッコカリしてもらって…え、えっちなこととか…」
「あら〜?私が聞いた話と違うみたいだけれど〜?」
「あれは…私が…して欲しくて…」
恥ずかし過ぎて顔から火が出そう。姉さんは私の顔を見て、ニヤニヤと笑っている。口元を手で抑えながら、目を細めている。
「まあいいわ。あの人に無理矢理されてるってことじゃないなら…ね?」
「司令官はそんな人じゃないもの…。」
「そうなのね〜。なら、私からは文句はないわよ〜?ただし、節度を弁えること。」
「わかったわ…。」
思いの外あっさり見逃されて、少し拍子抜けだった。もう少し面倒かと思っていたから、一応嬉しい誤算とでも言おう。
「あ、そうそう。私〜やっぱりまだ練度が最低じゃない?だから〜、少しでもみんなに近づけるようになりたいな…て。」
「じゃあ明日、演習でもしましょ。特別に私一人と他の6人でしてあげるから。」
「…大丈夫なの〜?」
「大丈夫よ。あたしはこの鎮守府の中で誰よりも強いの。武蔵にだって負けないわ。」
訝しげな顔でこちらを見つめる姉さんは、一切信じていないようだった。
「本当なの?霞。」
「大丈夫だって言ってるでしょ。どっからでもかかってきなさいな。」
「流石の霞ちゃんでも流石にキツイのでは?」
「あーもう!御託はいいから始めるって言ってんのよ!」
「どこまで喰らいつけるか…。」
「勝てるとは思ってないけど負ける気はないよ。」
「取り敢えず言っておくけど、なんでもありだから。曙のあれも、艦載機を一気に全部飛ばすのも、私の射程範囲から外れたところで狙ってくるのも、全部有りよ。」
一応旗艦は霞ちゃんを覗いて一番強い曙ちゃんになったみたい。霞ちゃんがいくら強いからって一人でこの数を相手にできるのかしら?
「曙、私たちが全力でサポートするのでとにかく勝ってください。」
「加賀さん!艦載機、やっちゃおう!」
その後、とんでもない量の艦載機が霞ちゃんめがけて飛んで言ったのが見えたわぁ。空を覆うほどで、海に浮かぶ影が雲みたいで…空母の恐ろしさっていうのが肌で感じられたわねぇ。
「あら〜?曙ちゃんはどこかしら?」
「曙なら今は海の中だ。荒潮、今は余計なことを考えるな。霞を沈める思いでいかなければすぐに…。」
「ッ!武蔵さん!」
青葉さんが咄嗟に武蔵さんの前に陣取ったと思ったら、ペイント弾が直撃していたわ。本当にびっくりしたわぁ。
「青葉!一体どこから…」
「艦載機に反応がない…!まさか、曙!」
ザッと無線の音が聞こえたわぁ。
「ごめん。霞の方が一枚上手だったわ。爆雷仕込んでたみたい。あたしは大破判定よ。あと、霞もあたしみたいに海の中進んでるから気をつけなさい。」
「…詰み、か。」
「私たちでは水中への対抗手段はありませんからね。荒潮は練度が足りません。終わりです。」
「…霞ちゃん強いのね〜。」
「だから言っていただろう?霞は負けない。勝負となれば、徹底的に勝ってくる。ほら、もうじきここに到着するだろうさ。」