「青葉…私はいらないんだが…」
「いえ!きっとなんでも似合いますよ武蔵さんなら!」
「青葉大興奮デスネー。何かあるんです?武蔵。」
「さあな。私にはわからんさ。しかしまあ、大和が扶桑たちと一緒に行ってくれて助かった。あいつもここにいたら、うむ。大変だ。」
「ソーデスカ。さて、私もボチボチ選ぶとシマショウカネ。」
青葉と武蔵の関係、結構面白いデス。これは見ものデース。あ、結構オシャレなのが。しかし…私の魅力を最大限に引き出せる水着…このshopにあるのデショーカネェ。
「あなたにはきっと、なんでも似合うわよ。」
「Oh!?伊勢…。びっくりしまシタ…」
「あら、ごめんなさいね。でも、嘘は言ってないわよ?」
伊勢の手には既に紙袋が握られていて、中を見てみると購入済みなことが丸わかりデース。
「伊勢はもう選んだんデスカ。」
「ええ。早くあなたとお話ししたくてね。」
「…照れますネ。」
「いつもなら大はしゃぎするのに、珍しいこともあるのね。明日は紅茶が降りそうね。」
「む、TPOをわきまえられないほど私は子供じゃないデス!分別くらいつきマスヨ。」
「少し違うと思うけど…まあいいわ。ね、一緒に選ばない?あそこの二人は忙しそうだし。」
「…ソウダネー。じゃあ行きマスカ!」
「うん。やっぱあんたにはよく似合ってるわ。流石あたし。」
「あの…早く脱いでもいいですか?」
「え?ああ。ごめんごめん。レジ通すから着替えて。」
やっと終わって、ふと姿見を注視する。いつもとは全く違って見える自分に違和感を覚える。帽子を被り、ワンピースタイプの上着を羽織って、薄く透けた水着がコントラストとなってよく映える。何より、曙が選んだ物というのが一番強い。
「加賀ー?まだ?」
「あ、すみません。今着替えます。」
急いで正気に戻り、元の服を着直し、非日常の材料を持って出る。何分程度拘束されたかはわからないけれど、少し疲れた。
「あら、加賀さん。もう選び終わったんですか?」
「翔鶴。あなたもその様子なら、選び終えたようね。瑞鶴はどうしたの?」
「あの子は荒潮と一緒に見て回っています。少し、驚かせてみたくて。では。」
少し恥ずかしそうに笑みを浮かべながらそそくさとレジへ向かう翔鶴は見た目と裏腹に子供のような無邪気さを感じた。
「楽しそうねぇ。」
「ええ。瑞鶴の姉だもの。やはり、似ています。」
「じゃあ、あたしたちも行くわよ。」
「了解しました。」
「どうかしら〜。似合ってる?」
うーん。似合いすぎててやばい。というか、姉妹なだけあって霞の面影も見える。提督さんの気持ち、ほんの少しだけはわかったかもしれない。これは色々と目覚めてしまいそう。
「ねぇ〜どうなのかしら〜。」
「あ、ごめん。や、すっごい似合ってるよ。言葉が出ないくらいには。」
「まあ嬉しい。」
色彩で見れば垢抜けない子供というような、そんな感じ。だけどいざ全身を見ると、そのイメージは一転して成熟した大人のような物に見える。丈の違うスカートのバランスがよりそう魅せるのかもしれない。更に麦わら帽を斜め気味に被って、あざとさを演出している。全て計算してやっているのかそうでないのか。わからないけれど荒潮のセンスは抜群だった。
「でも…だいぶいいお値段ねぇ…。」
「いいのいいの。これは私が買ってあげるよ。」
「あら〜本当にぃ?ありがとうございます♪」
ニコリと笑うと、より破壊力が増す。まぁ?私はロリコンなんかじゃないし?これはどっちかっていうと庇護欲みたいな物だし?って、誰に言い訳してんだろ。
「みんなで海で遊ぶのが楽しみねぇ。」
「そうだねぇ。きっと二人は今頃お楽しみだと思うけど。」
「まあお上手。」
「座布団くれる?」
「出禁ねぇ。」
「手厳しいなあ。」
「なあ、青葉?」
「なんでしょう。」
「もういいんじゃないか?」
「…はて。もっといいものがあると思うんですけど。」
青葉は前々から思っていたが、暴走すると手に負えなくなる。このような姿勢を演習なりで見せてくれれば嬉しいのだが…
「どうしてもやめたいですか?」
「ああ。どうしてもというやつだ。大和が扶桑たちに迷惑をかけていないか心配だしな。」
(また大和さんばかり…」
「む?何か言ったか?」
「いえ!確かに、そろそろいい具合かもしれませんね。試着してみますか?それとも、すぐに買いに行きますか?」
「そうだな…一応、この中から一つ選んでくれないか。それを試着して、サイズが合うなら購入しよう。」
「あら、これなんて、あなたにピッタリじゃないかしら。」
「ほうほう…」
「まあ、あなたは提督に振り向いてもらえるような人ではないと思うけど。」
「むむっ。聞き捨てならない言葉デス。私の魅力にかかればあんな人、イチコロってヤツデース!」
「なら、お風呂であなたの裸になんら反応を示さなかったことの言い訳をどうつけるのかしら。」
「い…伊勢?言葉というものは時に鋭利なknifeとなるのデース…」
「まあまあ、いいじゃない。ほら、取り敢えず着てみなさいな。」