※この作品はR-18です。

【艦これ二次創作】辺境鎮守府   作:スイっぴ

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その後

別れて演習をしたわけなのだが…疲労の溜まり具合が全く違う。霞は息を整える程度に、曙は変わりなく、戦艦勢や荒潮は限界に近く、翔鶴瑞鶴は談笑を、青葉は両手を地面について時折嗚咽のようなものが出ている。肝心の加賀はというと、爆速で食堂へ駆け抜けていった。あの加賀が曙に目もくれずに行くとはよほどである。

「ねぇ霞、加賀って今どれくらい?」

「大体…そうね、84とかかしら。明日もやるなら99も視野、ね。」

「そっか、そうなのね。ありがと。」

驚くほど平和な空間がそこに広がっていた。短い会話の中に二人の信頼などなど諸々が詰まっているように思えた。

 

「で、加賀。どうでした?霞は。」

「できることならもうやりたくないですね。」

「まあそう言わずに。曙にも何か考えあってのことでしょうし。」

「霞にも言われました。一体何かは言われませんでしたが。」

全く鈍い艦娘である。加賀のために指輪まで用意していることは、同室であるにも関わらずバレていないらしい。言ってしまうのは簡単だが、霞が教えていない辺り、本人から直接言われるまでは黙っているつもりなのだろう。

「とりあえず気の済むまで食べてしまいましょう。間宮さんたちには悪いですが。」

「ところで、なぜ提督は私のところにいるのかしら。霞のことはいいの?」

「ええ。他の娘たちは二人に任せています。それだけ、あなたがよっぽど辛そうにしているように見えましたから。」

加賀はこちらを一瞥しただけに留め、再び食事を始める。次々と運ばれる料理がどこに入っていくのかは誰にもわからない。おそらく本人もそんなことは気にしたことがないだろう。質量保存の法則が音を立てて崩れる。

「やっぱりここにいるんじゃない。」

「あたしを置いて勝手にどっか行くなんていい度胸じゃないの!」

があっと怒りに満ちた顔で飛び込む曙を腕一本で受け止め、華麗に抱き抱える加賀は、いつの間にか回復していたようだ。

「…あれ?」

「曙、危ないですから、ここではお静かに。」

「あ、ごめん。じゃないのよ!なんで勝手にどっか行ったのかって聞いてるの!」

怒りを表すように腕を振り上げ、それを加賀にゆっくり降ろされる。癇癪を起こした子供が宥められているような光景が実に面白い。霞は、二人の様子を見て安心したように一息ついた。

「で、司令官も、私に何も言わずにどうしてこんなところにいるのかしらね?」

「ははは。お咎めなしだと思ったんですけどね。」

「そんなわけないでしょ!ほら!」

腕を引かれ、廊下を進む。いかに怒っていると言っても、それが水着を着ているとなれば話は変わる。空も傾きかけてきた頃に丁度爽やかな風が吹き、肌を抜ける。汗が風に触れ、さあっと抜け、実に心地よかった。霞は所謂『プンスカ』という擬音が合いそうな顔でずんずんと歩く。

「そんなに怒らないで。可愛い顔が台無しですよ?」

「そんな調子いいこと言ったって意味ないったら!」

「あらら。本心なのですけど。」

手を握る力がより強くなる。

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