「ん…は…おわ…おわった…?」
「ええ。実にいいものでしたよ。」
「腰いたい…」
少し時間をかけて回復させる。ズキズキと痛む腰と震える脚でどうにか立とうとしてみるも、結果は無惨にも倒れてしまう。汗が全身に滲み出て、息も絶え絶え。喉はカラカラに乾いていながら、満足感は異常に高い。
「もうあんなこと言わないから。」
「あんなに可愛かったのに?」
「だから…可愛いって言わないでよ…。」
「なぜです?」
「だって…その…恥ずかしいし、なんか心臓はうるさいし、熱くなっちゃうし、お腹がキュッてなるから…」
「…へえ。」
彼が私のことをまじまじと見つめ、時には頬を撫でたりもする。くすぐったくて、思わず身体を揺する。
「その言葉が、言われるのが嫌なわけではないのですか?」
「嫌じゃない…けど…その…恥ずかしい、から…」
そう言い終わった矢先、ぎゅっと強く抱き締められる。口元が身体に押し付けられ、息ができない。苦しくて、けれど暖かい。全身がなにかでふわふわと包まれ、安心する。私からも抱き返してから、もう一度だけキスをした。
「大分いい時間ですよ、そろそろ。」
「そうね。」
「お風呂行きますか?」
「…抱っこ。」
一瞬彼の目が点になり、ゆっくり首を傾げた。わけがわからないとでも言いたげなその表情をよそに、手を広げる。
「いいんですか?」
「いいの。どっちにしても立てないし。」
ほんの少し考えて、頭を捻り、二回ほど瞬きをしてから頷き、持ち上げられる。
「考えるのが長すぎよ。」
「これくらい悩んでから出ないと。第一、他の娘に見られてもいいんですか?」
「…司令官が誤魔化せばいいじゃない。」
「別に構いませんけどね。それくらいは。」
「加賀、そろそろ起きなさい。」
「…もう少しだけ…」
「あんたさっきもそう言って起きなかったじゃない!」
「…曙も来ればいいんですよ。」
「あ、ちょ!」
布団に引き込まれ、抱き締められる。力はものすごいのに柔らかく、その魅力に溺れさせられそうになる。どうにかこうにか振り切らねばならない。
「だから、放しなさいってば!」
「拒否します。こんなにいい抱き枕がいるんですから。」
「抱き枕ってもしかしてあたしのこと!?」
誤魔化すような抱きつきに少しの怒りと少しの高揚感があり、悔しい。顔に直にくる柔らかさでくらくらする。
「ん!そろそろ!いい加減にしないと怒るわよ!」
「…怒ったあなたも美しいですから。」
「んな…そ、そんなこと…!」
後頭部を撫でられ、臀部をさすられる。予想外の刺激に一瞬身体が跳ね、すぐに元に戻る。
「ど、こ!触ってんのよ!」
「…可愛らしい小ぶりな桃ですが。あなたこそ、私の胸に顔を埋めているのに、人のことを言えるわけ?」
「あんたが抑えてるからでしょうが!」