「今日は演習してもらいましょうかね。艦隊を全体的に高練度にしても悪いことはありませんから。」
「編成はどうするの?」
「そうですね…霞と加賀で大まかに分けましょう。一応今回は七隻編成同士でやってもらいます。」
「了解よ。じゃあ、みんなに伝えてくるから、司令官は編成を考えておいて。」
「頼みますよ。」
さて、どうするべきか。霞ははっきり言ってこの艦隊の中でもレベルが違う。それはもう極端に。つまり、霞とそれ以外で編成しても、多分霞が勝つ。それほどの強さの霞と編成する数を同じにしつつ、接戦となる様な編成にする必要がある。まあ、まずは加賀の方から決めてみよう。旗艦は当然のこと、随伴駆逐は曙しかいない。というか、曙がいないとブー垂れるはずだ。そして、重要なのが砲雷撃戦においての火力だろう。これに関しては、練度の高い武蔵と、長門、扶桑と山城も入れようか?あっという間に六隻決まってしまったが、まあ残り一枠は青葉でいいだろう。
…いや、これでは空母の数が霞側の方が多くなる。航空優勢か制空権確保か、そのどちらかが加賀にあった方がいいだろう。ならば、誰を抜く?扶桑を抜くにしろ山城を抜くにしろ、とりあえず大批判は間違いない。あの二人は、必ずペアにする必要がある。なら、長門か?武蔵は青葉を随分気にかけている様だし、抜けるところはここくらいしかないだろうか。そして、空いた一枠は翔鶴を投入する。流石に瑞鶴を入れると、翔鶴も可哀想だ。これで、加賀の方が決まり、自動的に霞陣営も決まる。一旦整理すると、こんな感じか。
霞:荒潮、伊勢、金剛、長門、大和、瑞鶴
加賀:曙、武蔵、扶桑、山城、青葉、翔鶴
…改めて見ても、やはり大艦巨砲主義と言わざるを得ない。これくらいなら、お互いにいい勝負をしてくれるだろうと期待を込め、皆を待つ。
「Hmm…随分levelに差がありそうデース。」
「いいじゃない。私たちだって随分強くなったと思うわよ?ほら、航空戦艦の私がいるんだもの!瑞雲があれば百人力!」
「ちょっと伊勢!私だって、姉様だって、航空戦艦よ!こちらにも瑞雲があるってこと、忘れないでちょうだい。」
「山城、そうめくじら立てないの。」
「なあ提督よ。随分加賀の方に戦力を集中させすぎているのではないか?いくら霞といえど…」
「ビック7様が怖気付いているんですか?」
「そういうわけではないのだが…」
「曙、私が旗艦ですよ。"私が"旗艦です。」
「知ってるわよんなこと。まったく調子いいんだから。」
「霞ちゃん、よろしくねぇ。」
「ガンガン行くわよ。練度不足なんて言わせないから。しっかり着いてらっしゃいな。」
「んじゃ、翔鶴姉。私、負ける気ないから。」
「私もよ、瑞鶴。」
「ふふふ…やはり私と武蔵さんは一緒になる運命だったんです!」
「そんなぁ!私の武蔵が!」
「?一体何を言っているかわからんが浮かれて足をすくわれるなよ青葉。」
「あ、一つ言っておきますが、提督である私自身がやめと言うまでは続けてくださいね。」
「了解よ。」
「…は?」
ある程度の雑談の後、一斉に海へ出る。まずは航空戦闘から。瑞鶴と伊勢の艦載機と加賀と翔鶴と扶桑姉妹の艦載機。その数は大違いである。が、そう簡単に航空優勢を取らせる様な霞ではない。コンバート改装をし、今回に限って改二乙となっている。火力と雷装は落ちるものの、対空力が飛躍的に上がっている。今回に限ってはこちらの方がいいだろう。向こうの曙と青葉ももちろん対空用の装備は積んでいるが、元々の実力と、対空への準備を万全にさせた霞の方が上手だろう。どちらも大量に艦載機を撃墜判定にし、おそらくは制空権どころか航空優勢すらどちらも取れていないだろう。砲雷撃戦は、大和と武蔵の超長射程の二人が撃ち合う。大和は青葉に着弾。武蔵は荒潮に着弾。どちらも一撃で大破判定を受け、艦隊から離れる。両陣営ともに二人を除いて陣形を再度組み直す。今度は戦艦組が撃ち合う。霞陣営の長門と金剛はもちろんのこと、伊勢もしっかりと砲撃をする。対する加賀陣営は扶桑山城の航空戦艦。火力は少し下がる。ドンッと迫力のある音が耳を劈き、長門と伊勢が中破、山城中破。状況としては加賀側有利と言ったところか。今度は瑞鶴が艦載機を発艦させる。独特のフォームから繰り出される艦載機は予測できない動きをしながら加賀へ攻撃をし、大破を狙いに行く。しかし、ここで曙が瑞鶴の艦載機に対空砲撃をする。全てを撃沈判定にし、加賀を守る。二人は短く会話を済ませ、今度は加賀と翔鶴が艦載機を発艦させる。もちろん霞も守るために対空砲撃をし、全て撃墜判定に。惚れ惚れする様な演習に思わず気分が高揚する。やがて駆逐艦の射程範囲に入り、霞の本領が発揮される。火力が落ちたとはいえ、あの霞。さすがといえばいいのかわからないが、一瞬にして中破の山城を大破判定にする。しかしまあ、あまり火力がなさそうな今の装備と改装で、なぜそうもいつもの様な戦闘ができるのかは疑問だが、まあいいだろう。最終的に霞陣営が負けてしまったが、今回の加賀の勝ち方は再現性がない。偶然にも霞以外からの攻撃を貰わずやり過ごせた場面が多すぎる。おそらく、もう数度か演習をすればだんだんスコアを巻き返していくだろう。霞はいつもワクワクさせる様なことをしてくれる。