「この指輪、霞が着けていたものに似ていますね。一体いつから用意していたんですか?」
「秘密よ秘密。そんなの言えない。」
加賀に抱かれながら適当にそこらを移動してみるといつもより少し違う景色に見えて、色がより鮮明にわかる様な気がする。ほんの少しだけ違和感のある薬指が嬉しい。
「それなら聞かない方がいいですか?」
「そりゃそうでしょ。」
加賀はいつも通りというか、あまり変化がない様な素振りをしていて、少し複雑。抱き抱えるなんていつもやっていることだし、顔色ひとつ変わってない。どこへ向かっているのかはわからないけれど、どうにかやり返せないかと思案する。
「ん?私たちの部屋?」
「ええ。これからしばらくあなたを堪能させてもらいますから。」
…堪能?しばらく?頭が混乱し、くらくらする。予想外の一言のせいで今までの思考が全て吹っ飛んでしまった。
「ちょっと?ねえ?何するつもり?」
あたしを床に座らせて、いそいそと布団を敷き始める。どこからかお香を取り出し、ふわりと良い香りが鼻腔に直撃する。脳に薄く靄がかかった様ななんとも言えない感覚に支配される。息が上がり、身体が火照る。
「良い香りでしょう?この前取り寄せたんです。どうですか、身体の調子は。」
「これ…変なやつ…でしょ…。はぁ、はぁ…なんか…おかしい、わよ…」
「おかしいのが正常です。」
片脚を持ち上げられ、腰を無理矢理引かれる。抵抗しようと腕を動かしても、いまいち力が入らない。むしろ全身から力が抜けていく。秘部辺りが熱くなって、湿り気を帯びる。加賀の目が一層欲望に塗れ、思い切り口付けされる。
「ん…ふぅ…」
唾液の混ざる音で水音が形成され、恥ずかしさとお香の香りのせいで興奮が止まらない。随分長く続き、息がそろそろ持たなくなる。視界がぼやけ、くらくらする。
「良い顔ですね。もう、水着も脱いでしまいましょう?」
「あ…だめ…」
髪飾りの鈴と花を外され、髪が一気にばら撒く。下を隠す水着が剥ぎ取られ、糸を引く粘液が陽光を反射して眩しい。上はまだ脱がされず、下から潜る様に手を入れ込まれ、胸の先を指先で弄られる。
「や…加賀…だめだから…」
秘部に指を差し込まれ、静かに動き始める。溢れる粘液で汚れる加賀の指と布団。水着で隠れた白い肌と日焼けしてできた小麦に似た色の肌のコントラスト部分が強調されている様に見えて、それが嫌に恥ずかしい。加賀もあたしから目線を外すことなく見つめ続けていて、その瞳に吸い込まれそうになる。
「は…加賀…もう…いっちゃ…」
「…」
加賀の指が更に速くなり、より強く感じる快楽に身が捩れる。全身から吹き出す汗で張り付く布団と空気に触れて冷たい部分が混在して、どうにかなってしまいそうだった。きゅうっと胸の先を強めに摘まれ、秘部の一番いいトコロを抑えられ、全身が爆ぜた様な衝撃に包まれる。
「いっ!あ!」
「…あら。」
噴出した粘液がとんでもない距離を対空し、パタパタと落ちる。全身の痙攣と合わせて酷く満足感がある。
「すごいですね。」
「加賀…そのお香…なによ…」
「まだそこまで思考が回るんですか?まあ、説明くらいならできますが。ええと…簡単に言いますと、発情作用があります。ただ、私にはあまり効果がない様ですね。曙は随分この香りに弱い様ですが。」
「こん、な…ことして…ただじゃおかない、から…」
ゆっくり上体を起こした加賀が徐に服を脱ぎ始める。まずは胸当てを外し、少し圧迫されていた胸が解放される。袴を脱ぎ、大きめの柔らかい臀部が顕になる。
「…あまり見られると恥ずかしいわね。」
心臓が跳ね続け、加賀のことから目が離れない。次いで上衣を脱ぎ、大きく重量感のある胸が支えを失い、勢いよく弾みながらやがて少し重力に負けつつそこに存在していた。胸に巻いたサラシを解き、静かに床に捨てる。下着は一瞬にして離れるというのに、あたしは加賀から目を背けることができずにいる。
「こんなに弱々しいあなたも珍しいですね。そうは思いませんか?」
「しら…ない…わよ…」
一糸纏わぬ姿の加賀が覆い被さる様な体制になり、頬を撫でる。そして、もう一度口付けを。今度は短く済ませ、代わりに身体をより弄る様な動きに変化していて、喉が焼けそうだった。
「か、が…」
「…なんでしょうか。」
「やさしく…ね?」
きゅっと口を窄められ、指先で日焼けとそうでない肌の間をなぞられる。くすぐったいのと羞恥によるもので特別な感覚がある。普段から肌を重ねる行為をしていなかったせいか、それともお香のせいか、ケッコンした直後であるということで浮かれているのか。はたまたそのどれでもないのか。何にせよ今はこの感覚をしっかりと味わわなければ。
「曙、私のここも、お願いします。」
腕を持ち上げられ、加賀の秘部に誘導される。指を慎重に差し出し、静かに挿入する。もうすでにナカは濡れていて、溶けそうなほどの熱を帯びていた。
「ん…」
指を動かすと、加賀が静かに跳ねたり抑えた声が聞こえたりして、妙に色っぽい。あたしの秘部も加賀に弄られていて、二人が互いを掻き出しながらよがっている。加賀の身体が震えるたび胸も揺れ、私の口元あたりに加賀の先端がやってくる。口と空いている左手で弄り、愉しむ。加賀の方もあたしの秘部と先端を弄りつつ、首元に口を当てがっている。
「っ…ふ、ふ…あっ…」
「…曙」
二人ともほぼ同時に果て、荒く息を繰り返す。ヘトヘトで、もう動けないと思うほどに疲れている。
「まだ、です…これから…」
「は…は…かかって…きなさいよ…。」
夜までは十分に時間がある、