「ねえ司令官、そろそろ私たちも…」
「まだですよ。治るまではずっと眠っていてもらいますからね。」
朝からずっと腰を揉んでくれて、随分楽になってきているから、そろそろ私も海に行きたい。窓の外からずっと楽しそうな声が聞こえて来るのが楽しそうでもう我慢できない。
「もう痛くないわ。だから…」
「まだです。本当に痛くないなら、いまだに指で突いて痛そうにしているのはおかしいでしょう?」
「それは…その…」
「まあ、私も鬼ではありません。海には入らせませんが、砂浜くらいまでならいいですよ。」
「ほんと…?」
「ええ、もちろん。さ、早く着替えましょう。」
身体を起こされ、今日初めて自分の足で立つ。まだ少し違和感はあったけれど、それでも立てないというほどではない。
早々に二本目のラムネ瓶を開ける。大和が近くにいる限りは基本冷え続けているこれも、一度離れて仕舞えば途端にぬるくなる。瓶は結露してびちゃびちゃ。でも、味は悪くない。
「曙、そろそろ一緒に遊びませんか?」
「まあそうね。これ飲み終わったら行くわ。」
私が選んだ青色の水着が苦しそうに胸元を締め付けていて、結構危ない。下手をすればすぐに溢れそうで心臓に悪い。それに、海水を身体から滴らせていて、びっくりするほど色っぽい。
「あんま変なことしないでよ?」
「?意味がわかりませんが。」
「こっちの話よ。」
首を傾げながらも、結局翔鶴達のところへ帰る加賀に、少し焦りを感じる。ふっと顔を揺らしてみると、長門と航空戦艦組が戯れているのが見えた。
「少し、伊勢の水着は危ないのではないか?」
「そうかしら。」
「山城二人は自分たちで買った水着ね?素敵だわ。」
「姉さま…!」
「ありがとうございます…!」
「姉さまも良くお似合いです…!」
とかなんとか言ってそう。あそこの四人は来るのがそこそこ遅かったから、海に入って間もない。だからこそあそこまで初々しい反応が見れる。扶桑姉妹の水着は支給品だからか例の店では見たことのないものだったけど、二人の山城はなかなかいいセンスをしている。長門は…なんというかジャージっぽい。服のようにジッパーで上半身を隠し、裾からスカートが覗いている。伊勢は加賀の水着をもう少し際どくして、腰巻きを取ったような格好で結構肌面積が多い。
「あぁ、疲れたわぁ。」
「あんたも大概ね。」
「なんのことかしらぁ。」
「金剛とのやつよ。」
ああと口を開き、その後に少し考え込んでからイタズラに笑って言う。
「楽しくってつい…ね?」
「あんたねぇ…」