※この作品はR-18です。

【艦これ二次創作】辺境鎮守府   作:スイっぴ

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視察

霞のメイクや衣装選びによって、完全に女性の見た目となっている私は現在、前回勤めていた鎮守府、呉鎮守府へ来ていた。

「お待ちしていました。現在提督を任されています。小鳥遊たかなしと申します。本日はよろしくお願いします。」

「ええこちらこそ。久しぶりですのでね。それと、この格好で来て本当によろしかったですか?」

「構いません。今日は彼女らには私の血縁者が来るとだけ伝えています。自由に見て回ってあげてください。」

「そうさせてもらいますよ。」

「つかぬことをお聞きしますが、お名前は?」

「ああ、どんなのがいいですか?」

「は?どんなの、とは…」

「私、自分の名前を他人に知られるのがすごく嫌なんです。なので、今、ここで、あなたが偽名を決めてください。」

「そ、そうなんですか…。しかし、突然そんなこと言われましても…。」

「まあいいじゃないですか。私の名前なんて。適当に誤魔化しておけばいいんです。」

「司令官ー!門の前で何をなさっているんですか?」

向こうから吹雪がたったっと駆けよってくる。

「吹雪。こちら、今日のお客様だ。失礼のないように。」

「どうも。」

「あ!初めまして!ようこそ鎮守府…へ…?」

「?」

「あの、どこかでお会いしたことありましたか?」

どきりと心臓が跳ねた。

「あはは…そんなわけありませんよ〜。人違いでは?」

「う〜ん、そうなのかなあ。」

「ほら、吹雪!これから演習の時間じゃないか?」

「あ!そうでした!ではごゆっくり〜!」

再び鎮守府へ向かっていく吹雪を見届けて、執務室へ案内される。

「いや〜肝が冷えましたねぇ。前よりも勘が良くなっているのでは?」

「そうかもしれませんね。とりあえず、私はここで事務仕事をしているので、あなたはここを色々見に行ってあげてください。彼女たち、かなり楽しみにしてましたよ。」

「ではお言葉に甘えさせてもらいます。」

執務室を出て、早速空母寮に併設されている弓道場へ向かう。懐かしい引き戸をコンコンとたたき、カラカラと開ける。訓練中の空母たちが一斉にこちらを向く。

「どうぞいらっしゃい。あなたが提督の言っていたお客人ですね?」

鳳翔さんが迎えてくれた。

「はい。本日はよろしくお願いしますね。」

突然、瑞鶴がツカツカと向かってくる。

「あなた、少し来てもらってもいいかしら?」

「え、ええ。」

「じゃあみんな。この人と少しお話ししてくるから。」

「ちょっと瑞鶴!迷惑かけちゃダメでしょ!」

「すぐ終わらせるから。」

そう言って弓道場を退室する。

「あなた、提督でしょ。」

「なんのことやら…。」

「そんな格好しても無駄。隠せてないの。みんな気づいてないふりしてるの。」

「…バレましたか。我ながら完璧な変装だと思いますよ?ほら、声だって高くしているでしょ?」

「わかるわよ。私が秘書艦の時隠し芸とか言ってたときの声と同じだったもの。」

「よく覚えてましたね。」

「当然よ。ほら、こんなことして悪かったわね。前の提督じゃ、練習してるとこなんて見れなかったでしょ?好きなだけ見て行ってよ。」

「もとよりそのつもりですからね。飽きるまで見せてもらいます。」

もう一度戸を開けると、空母の人たちがソワソワしてこちらを見ている。

「みんな!提督が帰ってきたわよ!」

「ちょっと!」

瑞鶴の一言を皮切りに、みんなが安堵したような顔に変わった。鳳翔さんだけは目を丸くしている。

「提督、おかえりなさい。」

「提督さん。お久しぶりです。」

たくさんの暖かい言葉で出迎えてもらい、なんだかむずむずした。

「ところで、その腕、どうなってるの?」

「これですか。義手ですよ。妖精さんに作ってもらったんです。なかなかうまいものでしょう?」

ここでは空母の人たちの近況報告や、練度がどれだけ上がったか、新しい提督が取る指揮がどうのと溜まっていた分を全部話した。

「提督!久しぶりに打ちませんか?麻雀。」

そう言って赤城がいつのまにか麻雀をセットしていた。

「仕方ありませんね。暫く打ってていませんでしたから、流石に気分が高揚します。」

「提督。」

加賀さんに少し怒気の籠った声で呼ばれる。

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