なんだかずっと悲しくて、食事の時もお風呂の時もずっと心の中がざわざわして落ち着かなかった。心当たりはあって、多分加賀からお説教を受けた時の分だと思う。
「ん…司令官…」
「どうかしましたか?」
優しい目でゆっくり振り返ってこちらを見て、そして頬を撫でてくれる。暖かくて、大きくて、ふわりと包まれる。こうしてもらうと錘が外れたように軽くなる。
「なんかね、ずっと、悲しいの。」
口に出すと涙が溢れる。止め方がわからなくて苦しい。息が詰まりそうで呼吸の仕方がわからなくなる。
「大丈夫ですよ。大丈夫。ゆっくり吸って…」
背中をさすりながらそう言われる。指示通り空気を吸うことを意識する。少し喉に引っかかりながらも肺に空気を溜めていく。
「ゆっくり吐いて…」
「ふっ…ふ…」
息を吐こうとすると、ゆっくりしても難しい。どこかに栓をされているのかと思ってしまうくらいには難しい。
「ゆっくりでいいですからね。」
優しく囁かれ、全身が脱力する。その拍子に突っかかりも消えて、空気が通り抜ける。
「しれ、かん…どこにも、いっちゃ、だめだから…」
「行くわけないでしょう?私もあなたがいないところへは行きたくありません。」
「じゃあ…してくれる…?」
「…ええ。」
唇に柔らかいものが触れ、頭が麻痺する。涙が滲んで、息も苦しい。けれど、随分満足したような心地よさが私を支配する。内側のどこもじんじんと熱くなっていき、彼の身体に腕を絡める。
「ん…ふぅ…しれ…すき…」
「私も、です。」
その一言が嬉しくて、秘部が疼く。早く挿入れてほしくて腰が跳ねる。寝巻きを脱がせられて、肌が曝け出される。
「は、う、しれ…」
右手が、ゆっくりと私の胸の先を撫でる。指先で優しくくすぐられ、思わず身体がのけぞる。彼の頭が下がり、もう片方の胸の先が口の中に入る。微妙な暖かさと彼の舌の動きに取りつかれ、硬く突き出すように大きくなる。
「や…しれ…んう…」
きゅっと指で摘み上げられ、司令官の歯が優しく先端を潰す。少々の痛みと、それによって起こる快楽でいっぱいになる。近づいていって、熱くなって、頭がぼーっとする感じが癖になる。
「は…は…」
少し海老反りに近い体勢になって、腰を突き出す。お腹が彼に触れる。右手が背に周り、グッと抱き寄せられる。秘部が彼の身体に触れた時、確かに聴こえた水音で変な感じになる。そして、その衝撃は想像以上に強く、果てる。ぎゅうぎゅうと締まり、熱くて熱くてたまらない。
「ふ…ふ…ん…〜!」
ちゅ。と彼の口が胸から離れ、見下ろされる。ゾッとするほどに目が黒く、静かな顔に張り付けられたような微笑みが目から離せない。取り出された彼の肉棒をお腹に乗せられ、その重量と大きさがやはり恐ろしい。
「うあ…ゆっくり…して…?」
「…」
彼は無言で私の腰を引き寄せ、頭を義手のついていない左腕で撫でる。その仕草の優しさに安心して、全身が緩く脱力する。ゆっくりと秘部の入り口にくっつけられ、お互いの熱が伝わる。
「あぅ…はぁ…ふ…ふ…」
私のナカをかき分け、無理矢理侵入し、奥の方にぶつかる。粘液によって奥の方が完全に密着して離れないほど強く吸着する。熱くて太くて、頭の中がどうにかなりそうで、両足が痙攣しながら天井へ向かう。
「しれ…ゆっくり…ゆっくりが…いい…」
やはり彼は何も言わずに、しかし本当にゆっくり慣らすように動いてくれる。くちゅ、くちゅ、と小刻みな音が響き渡り、腕を彼の背に回し、力を込め、全身が密着するようにする。足も絡め、顔の下半分を彼の身体に密着させる。
「動きづらいですよ…」
「や…これが…いい…」
先ほどよりも随分とスローダウンした動きで、より鮮明に彼の動きがわかる。彼の動きによって擦れるので、胸の先や、秘部の膨らんだところからも快感を受ける。
「や…や…きちゃ…う…んっ!」
微弱な電気が駆け、ピリピリと脳に刺激を与え、秘部を締めろと命令される。すると、彼の大きさをより強く感じ、心臓のざわめきも強くなる。目から涙が落ち、頬を伝ってシーツに落ちる。
「あ…う…とめ、ひゃ…やら…」
彼が動きを止め、私の背に腕を回す。そのまま座る体勢に変わり、再び動き始める。
「この方があなたも楽でしょう。」
そう言われても、あまりわからない。密着していられるなら、嫌じゃない。心なしか彼の腕にも力が入っていて、少し強めに奥の方に衝撃が加わり始める。
「う…しれ…」
「すみません…もう、すぐ…」
彼が私の肩の上に顎を乗せているから、普段よりも近くに彼の声を聞く。耳が幸せで、目の前が光ったように感じて、その直後、彼が奥に注ぎ込んだ。お互いほとんど声を出さず、痙攣した。
「…ふぁ…あちゅ…」
「…ふぅ…」
右手で頭を撫でられ、左腕で背をさすられる。包まれていて、暖かい。嬉しいのに涙が出て、どうやっても止まらない。
「しれ…かん…なくの…とまらない…なんで…?」
「…わかりません。」
「あうぅ…」
頭を撫でていた手で今度は流れる涙を拭われる。嬉しいのに流れるのは止まらない。
「もっと…もっとしたい…」
「いいんですか?」
「いいの…」
無理矢理でもこの涙を止めたくて、彼に強請る。すると、再び動き始める。コツコツとぶつかり、敏感な奥が痙攣する。
「ふわ…ん…や…」
腕の力が弱くなって、少し重心が傾く。必死に腕を絡め、離れてしまわないようにする。けれど、あまり意味もなくて、すぐに足も解けた。彼がもう一度私を見下ろして、また悲しくなる。
「やっぱりこの方がいい。」
お腹の上を彼の指先がなぞり、くすぐったさと共に外からくる刺激で跳ねる。少しだけ早くなった動きと、それを隠すような先ほどよりも随分優しい動きで口が閉じなくなるほど柔らかくなった。
「あ、ぅ…しれ、か…」
一突き毎に頭の奥に突き刺さる感覚で痺れる。きゅんと疼く奥を悟られないように声を抑えていると、また少しだけ強くなった。そろそろ抑えるのも限界で、少しずつ声が漏れていく。
「…っふ…ふ…」
「もう限界ですか?」
「そんな…こと…」
ない、と言おうとしたところで彼が突然私の胸の先を思い切りつねりあげた。痛いのに気持ちよくて、頭がおかしくなる。
「だめ…ぎゅってしちゃ…だめ…」
「いやです。あなたが可愛いのがいけないんです。」
「ちが…かわいく…な…あう…」
「ほら、すごく可愛い。」
今度は耳元で囁くように言われて、また痙攣する。
「ふやっ!?や!そこっかんじゃ、やぁ!」
首元に噛みつかれ、背骨が浮くような感じが這う。動き続けられることと不意の衝撃でいっぱいいっぱいで、やっぱり涙は止まらない。もしかしたら今はさっきよりももっと多く流れているかもしれない。
「大丈夫ですよ。跡は襟で見えなくなりますから。」
突然、全身を駆け抜ける感覚を覚える。それが怖くて、咄嗟に彼にしがみつく。水音が大きくなるにつれ、速さも衝撃も大きくなる。彼の突きがより強くなっていく。
「しれ、か…!」
彼の動きがさらに早くなり、上半身が持ち上がる。覆い被さられ、全身を見下ろされ、視界が靄がかかったように悪くなる。奥の方に一際強く押し付けられた時、溜め込まれていた全てが解放されたのかと錯覚するような快楽の波が押し寄せた。息が小刻みになり、手は上手く動かせない。ただ、彼の手によって果てたという事実しかわからなかった。
「あ…は…う…」
私が果てた後も更に動く。敏感になったそこがずっと彼を離さないように締め付ける。極力何も喋らず、声も抑え、しっかりとお互いの熱を感じる。
「あう…う…なか…でてる…」
最初に出された分と合わせて、溜まっていく液体の重みが増し、それがこの上なく嬉しく感じて、熱いものが身体中に充満していく。しばらく繋がったままでいて、その時はずっと抱き合っていた。けれど、少し経つと彼も離れ、秘部から引き抜かれる。そうするとずっと栓をされていたからか液体が溢れ出る。逆流していくと熱いものを感じ、同時に出てくる分だけ繋がれていたんだと思って嬉しくなる。全身にまとわりつく汗と涙の違いもわからないほどに全身がびしょ濡れになって、息をするのも一苦労。
「しれ、か…」
「どうかしましたか?」
彼の右腕が無性に恋しくなる。ずっと触れていたはずなのに、今も触れているはずなのにそれが足りないような気がして、求める気持ちが強くなる。彼に頬を撫でられ、親指で涙の跡をなぞられる。その刺激で思わず頬ずりし、手を重ねる。顔が熱くて熱暴走しそうなのを堪え、ゆっくり身体を起こす。
「しれ…きす…したい…したら…たぶん、とまるとおもう…」
顎に手を添えられ、左腕で背を押される。唇に柔らかい感触を感じ、そのすぐ後に舌が捩じ込まれる。口内を蹂躙され、興奮する。永遠と繋がっているような気がして、その実数秒程度しか触れ合っていないのが、どうにも時間感覚を狂わせる。