※この作品はR-18です。

【艦これ二次創作】辺境鎮守府   作:スイっぴ

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鶴

「翔鶴姉!」

「あら瑞鶴。単身で来たの?」

「みんな忙しそうだからね!」

パァンと弓が音を上げ、艦載機が放たれる。空中で変化して、旋回しつつ不規則な動きで翔鶴姉に飛んで行く。

「良い動きね…これも、妖精さんたちと探したものなのね…。」

長門に向けて放った艦載機を着艦させて、どこか悲しそうにしながら私の飛ばした艦載機を見る。その顔がものすごく慈愛に満ちた顔で、さらに悲しそうだった。まるでそれに思いを馳せているかのような、懐かしむような目だった。

「…やっぱり翔鶴姉も覚えてるんだよね?」

「なんのことかしら?」

今度はシラを切る。

「私が勝ったら、本当のこと全部話してもらうから!」

「なら、負けるわけにはいかないわね。」

翔鶴姉が、いつも弓道場で見せるような凛とした姿で弓を弾く。そのすぐ後に真っ直ぐに美しく飛び上がった矢が次第に姿を変え、艦載機になる。私とは打って変わってきっちりとした隊列で、少しの乱れもない。

「私は勝つよ!何をしても!」

「なら、私は何をされても負けないわ。」

知ってる。翔鶴姉は私の装備を。今回は25mm連装機銃を積んでいるから対空に感して分があること。そして、その分艦載機同士の純粋な攻撃戦ならあちらに分があること。

「…悪いけど、私はまともにやり合う気はないから。」

翔鶴姉に聞かれないほど小さな声で言う。別に聞かれたって構わないけど、でも抑えた。理由はわからない。どこまでも真っ直ぐな瞳で見つめられ、一瞬の躊躇いが生まれてしまった。でも、やっぱり負けるのは嫌だ。だから、機銃を撃ちながら突き進む。艦載機は一斉に翔鶴姉へ向かい、魚雷を発射する準備を済ませている。

「瑞鶴、申し訳ないけれど、あなたの負けよ。」

「何言って…」

突然視界が回転した。後からじわじわと左半身が痛み、飛行甲板が使い物にならなくなっていた。

「どうもありがとうございます。金剛さん。」

「…本当によかったノ?」

「ええ。私では、この子に勝てませんから。」

空母の中破以上は、即ち艦載機の発着艦が出来なくなると言うこと。それを抜きにしても、左腕の痺れで弓を弾けない。脳がぐらんぐらんと動き回って痛い。

「瑞鶴…?」

ぼんやり聞こえたその声を最後に意識が飛んだ。

 

「加賀さん…。」

「…やるわね。瑞鶴を倒してしまうなんて。」

「金剛さんのおかげです。では、加賀さん。行きますよ。」

「やりマスカ!」

「残念だけれど、あなたたちは既に私の攻撃を受けています。」

真上から艦載機を飛ばし、相手の意識外から攻撃する。翔鶴と金剛は完全に油断していたから、当たった。

「っ…直上…」

「What…」

「警戒は怠らないことね。では。」

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