※この作品はR-18です。

【艦これ二次創作】辺境鎮守府   作:スイっぴ

275 / 278
問詰

「大和、工廠へ行きますから着いてきてもらえますか?」

「あ、は、はい!」

 

「提督?一体なんの用で…」

提督と大和さんが私たちの横を抜け、どこかへ駆け足で去ってしまう。訳を聞こうにももうそこにはいない。

「扶桑!山城!」

「い!?」

どっと溢れ出すようにして大勢が飛び込んで、山城が潰されてしまう。けれど、みんなに見覚えがある。それに、随分懐かしい子たち。私たちが待ち望んで、ずっと会いたかった子たち。

「あなたたち…」

「…ふん。」

「久しぶりね!」

特徴的な巻き髪をした子と、明るい髪色でツインテールにした子。満潮と朝雲。そして、今山城に飛びついた子は、最上と時雨と山雲。

「本当に久しぶりだね!会いたかったよ!」

「山城、元気にしてたかい?」

「いいから、さっさと退きなさい!あんたら重いのよ!」

まあ、何はともあれ、みんなが無事に、ここで再会できたことは、とても喜ばしい。いつも不幸だと嘆いていた山城の顔色も、随分と明るくなっているから、とても安心できる。

「みんな会いたかったわ。よく来てくれたわね。」

「それはわかったから…取り敢えず離しなさいよ!」

「嫌よ、もうみんな離さないわ。」

「いいじゃないですか〜。満姉さんも嬉しい癖に〜。」

「そうよ。顔真っ赤よ?」

どこか文句ありげに口を尖らせつつも、大人しく座っているから可愛らしい。やっぱり、みんな揃っているのはいいことよね。

「ずるいわ満潮ばかり…私たちだって姉さまのお膝に座ったことなんて…」

「まあまあ、落ち着きなよ山城。ね、最上。」

「そうだよ。ね、時雨。」

「ああ、そうだわ。みんな、私たちのお部屋にいらっしゃい。見せたいものがあるの。」

「へえ、楽しみだな。」

「瑞雲かなあ。楽しみだねえ三人とも。」

「そうね!」

「楽しみ〜ですね〜。」

「私は別に…」

「さ、満潮、行きましょう?」

「ちょ、ちょっと!」

嬉しいわね。賑やかで、みんなと楽しく過ごせるのは。ああ、いけない。こんなことじゃ、山城たちに格好がつかないわ。でも、でも…

 

「妖精さん、新しく建造をされましたか?」

【してないよ?どうして?】

「…そうですか。」

「ええと…提督。その…お話が…」

少しだけ、嫌な予感がする。このタイミングでおずおずと手を遠慮がちに挙げて主張するのは、何かやましいことがあるとしか思えない。

「…なんです?何をしたんですか?」

「怒らないでくださいね…?」

「いいから話しなさい。」

「その…長門さんと荒潮ちゃんを誘って出撃しまして…」

「出撃?この海域にですか?」

「えっと…その…ここの管轄外のところまで行って…深海棲艦の群れを数回叩きました…。」

「何を…はぁ…。まあいいです。皆さん無事なんですよね?」

「ええと…そう、ですけど…怒らないんですか?」

「怒ってますけど…大本営にバレたらどう言い訳するかを今考えるのに忙しいので。」

「すみませんでした…」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。