「大和、工廠へ行きますから着いてきてもらえますか?」
「あ、は、はい!」
「提督?一体なんの用で…」
提督と大和さんが私たちの横を抜け、どこかへ駆け足で去ってしまう。訳を聞こうにももうそこにはいない。
「扶桑!山城!」
「い!?」
どっと溢れ出すようにして大勢が飛び込んで、山城が潰されてしまう。けれど、みんなに見覚えがある。それに、随分懐かしい子たち。私たちが待ち望んで、ずっと会いたかった子たち。
「あなたたち…」
「…ふん。」
「久しぶりね!」
特徴的な巻き髪をした子と、明るい髪色でツインテールにした子。満潮と朝雲。そして、今山城に飛びついた子は、最上と時雨と山雲。
「本当に久しぶりだね!会いたかったよ!」
「山城、元気にしてたかい?」
「いいから、さっさと退きなさい!あんたら重いのよ!」
まあ、何はともあれ、みんなが無事に、ここで再会できたことは、とても喜ばしい。いつも不幸だと嘆いていた山城の顔色も、随分と明るくなっているから、とても安心できる。
「みんな会いたかったわ。よく来てくれたわね。」
「それはわかったから…取り敢えず離しなさいよ!」
「嫌よ、もうみんな離さないわ。」
「いいじゃないですか〜。満姉さんも嬉しい癖に〜。」
「そうよ。顔真っ赤よ?」
どこか文句ありげに口を尖らせつつも、大人しく座っているから可愛らしい。やっぱり、みんな揃っているのはいいことよね。
「ずるいわ満潮ばかり…私たちだって姉さまのお膝に座ったことなんて…」
「まあまあ、落ち着きなよ山城。ね、最上。」
「そうだよ。ね、時雨。」
「ああ、そうだわ。みんな、私たちのお部屋にいらっしゃい。見せたいものがあるの。」
「へえ、楽しみだな。」
「瑞雲かなあ。楽しみだねえ三人とも。」
「そうね!」
「楽しみ〜ですね〜。」
「私は別に…」
「さ、満潮、行きましょう?」
「ちょ、ちょっと!」
嬉しいわね。賑やかで、みんなと楽しく過ごせるのは。ああ、いけない。こんなことじゃ、山城たちに格好がつかないわ。でも、でも…
「妖精さん、新しく建造をされましたか?」
【してないよ?どうして?】
「…そうですか。」
「ええと…提督。その…お話が…」
少しだけ、嫌な予感がする。このタイミングでおずおずと手を遠慮がちに挙げて主張するのは、何かやましいことがあるとしか思えない。
「…なんです?何をしたんですか?」
「怒らないでくださいね…?」
「いいから話しなさい。」
「その…長門さんと荒潮ちゃんを誘って出撃しまして…」
「出撃?この海域にですか?」
「えっと…その…ここの管轄外のところまで行って…深海棲艦の群れを数回叩きました…。」
「何を…はぁ…。まあいいです。皆さん無事なんですよね?」
「ええと…そう、ですけど…怒らないんですか?」
「怒ってますけど…大本営にバレたらどう言い訳するかを今考えるのに忙しいので。」
「すみませんでした…」