互いに冷静になり、服を着直す。のぼせた頭がだんだんと冷えていき、気を落ち着かせる。見計らったように、曙が入ってくる。少し乱れた私たちに向かってものすごい剣幕で向かってくる。
「あんたらねぇ!いくら好きあってる仲だからって節操なさすぎよ!時間くらい考えなさいよ!」
「「はい…」」
そういえばまだお昼。私の我慢が効かずしてしまったのだから、反論もできない。
「はあ。こんなこと言いにきたんじゃないのに…」
頭を掻きながら、曙が本来の要件を口にした。
「霞。あんた今日からここで寝なさいよ。」
「え?」
「だって、いちいちここからあの部屋まで移動するのも面倒でしょ?」
確かにそうかもしれない。しかし。
「それで本当にいいんですか?」
司令官が口を開く。
「何?心配事でもある?」
「それでは曙にメリットがほぼないのでは?」
「そう?じゃあ何か一つお願いでもしてみようかしらね。」
「実現可能なもので頼みますよ?」
「大丈夫大丈夫。そんな変なことじゃないし。ただ、建造させてもらっていいかしら?」
一瞬、頭が何を言ったのか理解できなくなった様子で、司令官が停止する。
「大丈夫だって。私がサポートするから。ね?いいでしょ?」
「うーん…まあいいでしょう。それよりも開発資材あるんです?」
「ああ、それなら結構あったわよ?工廠の資材置き場にたくさん詰まってた。」
彼にも知らなかった事実をあっさり告げられる。まあ、彼の考え方も変わったらしく、渋ってはいるものの、了承はした。
「で、資材はどれだけ使うつもりですか?数はありますけど。」
「それも決めちゃっていいの?うーん…工廠の妖精さんと相談してくるわ。」
軽快な足取りで部屋を出ていく彼女には見た目相応の可愛らしさを感じた。
「とりあえずお風呂でも入りましょう。全身汗だらけですし。」
「そうね…。」
「妖精さ〜ん!」
工廠の重い扉を開ける。すると、まったりとお茶を飲んだり、トランプで遊んだり多種多様な暇つぶしに興じていた。
【ん?あ!曙だ〜!】
私がここで一番最初に目を開けた時に目が合った妖精さんがはしゃいでいる。
「ひさしぶりね。」
【うん!ほんとにひさしぶり!今日も義手?】
「ああ、違うの。新しく建造してもらおうと思って。」
【あれ?建造?やってもいいの?】
「さっき許可もらったから大丈夫よ。」
【そういうことならお任せだよ!】
他の妖精さんもいそいそと準備を始める。
【それで、資源はどれくらい使う予定?】
「あー。とりあえずおすすめで。」
【はいはーい!じゃあやっちゃうよ!】
そう言うと、楽しそうにあれこれと書類を見る。その様子は、小動物がパタパタと動いているようでとてもかわいい。
【うーん。ざっと4時間20分くらいかな?気長に待ってて!】
「そんなに?日が暮れちゃうけど…。」
【大丈夫だって!ほら、間宮さんのところでも言ってきなよ!】
「そう?ならまあ…」
【またねー!】
ひらひらと手を振って工廠を後にする。
確かに間宮さんのところでお菓子を食べてもいいくらいの時間だ。