食事を開始してからの加賀は身を見張る速度で運ばれてくるそれを食べ進めた。いや、正確にはそれほど早いという訳ではない。重要なのは、食べ物の消費される量。丁寧な所作に反して食べる量の多いこと多いこと。そんな加賀をクソ提督は微笑みながら観察していた。
「なんですか?」
食事を止め、クソ提督に不服そうな顔で睨みを効かせる。
「いえ?やはり正規空母の方の食べっぷりは清々しいなあと思いまして。」
「そうですか。」
食事を再開させる加賀。霞はというと、クソ提督の方に少し怒りを込めたような目で見て、そっぽを向いてしまった。クソ提督の方は、その仕草を見て、ニコニコと笑っている。いい性格をしている。
「曙も食べたらどうです?美味しいですよ。」
「食べてない訳じゃないわよ。食べ進めるのが遅いだけ。」
隣に座る加賀はたまにあたしの方に目を向け、まるでどこにもいっていないことを確認しているようなそんな眼差しを向けられる。少しこそばゆい。
「やっぱりいい食べっぷりね〜。まだまだ作っちゃうからね〜♪」
間宮さんは作っては運び作っては運びと何度も往復している。まあ楽しそうにしているから別に構わない。暫くすると、加賀以外は誰も食べなくなったことに気づいた。間宮さんも、少し疲れたようで、料理の提供量が減ってきている。同時に加賀も少しづつ一息つくタイミングが多くなっていった。やがて、完全に供給が途絶え、その数分後に加賀も箸を置いた。
「ご馳走様でした。」
「お粗末さまでした〜。ふう。久しぶりにこんなに作ったかも〜。」
「あんたすごいわねぇ。」
あたしの一言に、少しだけ嬉しそうにしている。耳と尻尾が見えてきそう。
「じゃあ、そろそろお開きにしましょう。明日もまだお仕事はありますから。」
「そうね。じゃあ2人とも。また明日。」
「今日はもうしないでよ!」
クソ提督は笑って誤魔化し、霞は顔を赤くして去っていった。
「ふう。お茶でももらおうかしら。」
「そういうと思って!」
まるで予知したかのように間宮さんがお茶を汲んできた。
「はや!」
「いただきます。」
湯気のたった熱いお茶が加賀の喉を通る。済ました顔ですぐに飲み干し、湯呑みを置いた。
「あんた…熱くないの?」
そう聞いた瞬間に察した。加賀は猫舌だと。目は潤んでいて、はひはひと呼吸を小刻みに何度もしている。その様子がなんとも言えないほどに可愛らしく、その姿とは裏腹にまだ人の身体を知らないんだということを教えてくる。
「もう。ゆっくり飲みなさいよ。それに、熱かったら途中で飲むのやめてもいい訳だし。」
「ひゅみません…。」
弱々しく項垂れる彼女は凛とした顔つきとは裏腹に底に沈んでいる女性らしさを際立たせているようでとても愛らしく思う。
一息ついて、加賀と浴場へ向かう。脱衣所では当然服を脱ぐ必要がある。しかし、そこで一つ問題点がある。加賀の身体つきだ。綺麗な背中が布が下ろされることによって強調されているようで、変な気持ちになる。さらにそこから下へ布が下ろされ、加賀の豊満な乳房が揺れる。その弾みが、さらに私をおかしな気持ちにさせる。身体をタオル一枚で隠しているだけの無防備な身体は脱衣所内の明かりによって透けて見える。
「曙?どうかしました?」
加賀の一言で、すぐに冷静な思考を取り戻す。
「いえ…大丈夫だから…」
頭に?を浮かべている彼女はそのままあたしの後ろをついてくる。悶々とした気持ちを抱えながら、何か起こりそうな予感と共に浴場へ向かう。