その後すぐに大本営から精鋭部隊が総動員されてしまった。どう言い訳を考えたものかと頭を悩ませたが、結局いい案は思い浮かばなかった。
「もうそのまま出ちゃいましょうよ。見られて困ることもないわけじゃない?」
「私たちが困るんですよ。気が狂っただとか深海棲艦側のスパイだとかで色々面倒になりますよ?」
「アノ…ソノ…」
「ほっぽは悪くないわよ。」
「それは分かってるんですけどねぇ…。頭の硬い人が多くいるわけでして。」
「ウ…エット…」
「ほっぽ。行くわよ。誤解解きに行かなきゃ。」
「デ…デモ…」
「司令官と曙はくっちゃべってばっかだから。結局後々バレるんなら今のうちにこう言うのは済ませる方がいいの。ほら、おいで。」
「ウ…ウン…」
「あれ?ほっぽは?」
「ん?霞は…」
「すでにあちらに向かいましたよ。」
港には多くの艦娘が到着していて、圧巻と言うしかなかった。
「あ!ここに所属する艦娘ですよね!?北方棲姫が…え?」
「悪い子じゃないから。うちで暫く預かることにしたの。だから、そっちでうまく誤魔化してもらえないかしら?」
「スゥー…一応上に報告しますね?」
慌てた様に旗艦が奥へはけていった。
「ネエ…ダイジョウブカナ…?」
「安心しなさいな。もうすぐであの3人もくると思うし。」
「霞ー!!!」
「ほっぽー!!!」
「ほら来た。」
「ちょっと!大丈夫なの!?」
「無事ですか!?」
「ゼヒュッゼヒュッ…」
「全然平気よ。心配し過ぎ。」
「えー…経過観察ということで暫く預かって良いそうです。ただし、何か起こればすぐに連絡をくださいね。」
「分かったわ。こんなとこまで来てもらったのに悪いわね。」
「いえ…これも仕事ですから。」
「アリガトウ…」
ぺこりと頭を下げるほっぽの姿に精鋭部隊が一斉に喉を鳴らしたのがわかった。
「えー、晴れてほっぽちゃんがうちにいられることになったということで、間宮さん。お願いします。」
「お口に合うかはわからないけれど、腕によりをかけますよ〜!」
「ほっぽちゃん。何か食べたいものあるかしら?」
「エット…ナンデモイイノ…?」
「もちろん!」
「ジャア…アマイモノガイイ…!」
きらりと間宮さんの目が光り、嬉しそうに厨房に入っていった。甘いもの…一体なんだろう?
「ホントニイイノ…?メイワクジャナイ…?」
「ええ。大丈夫ですよ。むしろ、賑やかになるので嬉しいです。」
ほっぽの白い顔がほんのりと赤くなる。
「ちょっと。ほっぽに色目使わないでよね。」
「そんなまさか。霞以外にそんなことしませんよ。」
静観していた霞の顔も赤くなった。
「ああ、そう言えばこのあたりで女の子が一人行方不明になったそうです。」
「突然何よ。」
「いえ。今思い出したんです。この前三人が街に警備に行った日にですね、ラジオでニュースを聞いてたんです。その時に、もうすぐ小学生になる女の子がその子のランドセルと一緒に消えてしまったみたいなんです。最後の目撃情報がこの海の近くだとか。」
「嫌な事件ね。早く見つかるといいんだけど。」
「まあ結構時間も経ってるので見つかっているとは思いますよ?」
「…」
「霞?何かありました?」
「いや…なんでもないの。」
「皆さーん!用意できましたよー!」
間宮さんの方を見ると、巨大なケーキが進んできた。
「ワア…!」
「どう?ほっぽちゃん。」
「スゴイ!」
「うふふ♪よかった♪」
「これどう切り分けるんですか?」
「上からスッ…と切れば大丈夫です!」
「なかなか難しそうね…。」
「早く切ってください。ほっぽと私が待てません。」
「ええ!?」
「流石に気分が高揚します。」
「コウヨウシマス?」
「真似しないでいいのよ?」