ほっぽ…基龍驤が引き取られたその日の夜に霞から夜のお誘いがあった。まさかあるとは思っていなかったので少々緊張気味である。
「今日は…私が動くから…。」
彼を寝かせ、ゆっくりと呼吸する。彼は黙って、私の動きを目で追っている。
「ん…ふう…。」
彼のいきりたった肉棒が、私の秘部に入っていく。ゆっくり、慎重に。気を抜いたら腰が抜けてしまいそうな快感の中で、彼の肉棒が私の中を広げて進んでいく感覚がより正確に、顕著になっていく。
「あ…はあ…はいった…?」
長い長い快楽の末、彼の肉棒がついに私の奥深くに到達した。
「動くのは、霞なんでしょう?」
一言も発していなかった彼が現状で精一杯の私に囁いてくる。
「そう…だから…うごかな、で…。」
今の快楽を追い払おうと無理矢理に動き始める。腰を上げて、おろす。その単純な動作全てが錘が吊り下げられたように遅い。
「ん…ひゅ…ふ…ふぅ…」
彼は少しも動かない。彼は、今どう感じているのだろう。気持ちいいのか、そうでないのか。感じてくれているだろうか。焦りで腰を落とすのが速くなり、それに比例するように快楽が押し寄せてくる。
「はぁっはぁ…し、しれいかん…きもち、いい…?」
「ふむ…ノーコメントで。」
彼の言葉がさらに私の腰のスピードを速めた。ぱちゅんぱちゅんと響き、私の快楽値を加速度的に増幅させる。
「んぅ!あ!」
自然と嬌声が漏れ出す。
「ん!や!んく!!」
…私だけが果ててしまった。そんな自分が情けなくて、涙が出てきた。
「う…」
彼が優しい顔で起き上がり、私をそっと抱擁した。そのまま、ゆっくりと私を上下させた。
「ひゅわ…う…やら…」
奥の方にコツコツと弱々しい刺激を送られた。自分が動いていた時よりも格段に気持ちがいい。
「ま…しれ…かん…」
じんわりと広がっていく刺激は、私の身体中の骨を蕩けさせた。
「霞?動くっていうのは、こういうことなんですよ?」
ほんの少しだけ速くなった動きが、何倍にも強い衝撃を私の脳に直接ぶつけてきた。彼の加虐的な顔が見える。
「あ…きゅう…」
「どうですか霞。気持ちいいでしょう?」
全身から吹き出した汗と、どんどん溢れる粘液を見た彼が笑って言った。
「わかった…からぁ…とまって…」
「まだダメですよ。私も、あなたのようになっていない、気持ちよくなっていないので。もうちょっと、続けますよ。」
「う…あ…」
もっと速く動き、私が果てた時と同じくらいの速度になった。その衝撃は彼の動きによって先ほどより強く、重い。
「あ!や!しれーかん!だめ!」
「まだ…もう少し…だけ…我慢…してください。」
彼の少し辛そうな声が聞こえた。その声が私の耳から脳に伝わるまでの一瞬のうちに、脳がゾクゾクと跳ね上がった。
「あひゅ?お?」
彼が私の体をギュッと掴んで、思い切り奥に押し付けた。
「ぴぁっ!?」
どぷっと奥の方で放出される液体が私の身体を貫いた。足先から頭まで痺れ、少しも動けなかった。私の秘部がギュゥと締め付け、彼の肉棒からさらに搾り取ろうとしている。
「…?あぅ?」
「ふぅ…霞。起きてください。勝手はもうわかったでしょう?」
「あ…や、ら…まら…うごけな…」
「ひぃ!」
彼が再び私を突き上げた。いや、私の身体を動かしたのかもしれない。
「そんなこと言うなんて…酷いですね。今日は霞が動いてくれるんじゃなかったんですか?」
「わか…わかったから…とま…」
「…。じゃああと十数えるうちに動いてください。それができないなら…今日はもうお預けです。」
「ふぇ…」
「ほら、もう始まってますよ?十…九…」
腰が上がらない。ぴくりとも身体を動かせない。
八
「やら…やら…」
彼の意地悪が私を興奮させる。
七
「まって…ねぇ…」
早く、動かないと…彼が、数え終わる前に。
六
「おねが…やめ…」
うごいて!うごいて!
五
「しれいかん…とめて…」
早く!早く!早く!
四
「ま…ごめ…なさ…うごく…から…」
三
気合いで腰を持ち上げる。しかし、それもほんの少ししかできなかった。このわずかな動きは、彼の判定ではどうなのだろう。わからないけれど、動くしかなかった。
「ニ」
彼のカウントが私を焦らせ、同時に動きを早める。
「いーち。」
「ま…うごいて…る…でしょ…?」
腰を精一杯動かして彼に抱きつく。汗が私の身体を滑り、彼の身体に流れる。涙がぽろりと落ち、彼の肩を濡らす。
「ふふ。カウントはやめてあげます。でも、まだまだ先は長いですよ?」
ひとまずは安心した。しかし、どうしたものか。まだ動いてはいるが、この調子では先ほどの二の舞になってしまう。
「ごめ…しれ…かん…。うごくの…むり…。」
彼の目が一瞬冷えた。
「あ…」
私の身体を凍らせ、動きが完全に止まった。それがどうにも私の心を締め付け、離さない。
「そうなんですかぁ。仕方ないですねぇ。ほら、身体の力を抜いてください。」
「や…はなれちゃやぁ…」
すると、彼はキョトンと目を丸くし、不思議そうにこちらを見た。
「誰もやめるなんて言ってないですよね?」
彼が私から肉棒を引き抜きながら言った。
「でもいま…」
「ええ。ですから、"最初から"やるんですよ。」
そう言って彼は指を私の秘部に差し込んだ。
「ゆっくりほぐしていきましょうね。」
「ひゃ…それ…むり…。」
「無理なんてことないでしょう。ほら、リラックスリラックス。」
彼は楽しそうに私の中をかき回し、一方で当事者の私は悶絶し、身体をくねらせ、その感覚から逃げようともがいている。最初こそ弱弱しい刺激も、今ではすべてが積み重なってがんがんと頭に響くような一撃となって私を蹂躙する。不意に彼が私の目に左腕をのせて視界の半分を奪った。片目からの情報を阻害し、彼の短く足りない腕がひどく痛々しくて、でもそれが愛おしくて。腰が一層跳ね上がった。
「いっ…!あう…。」
また果ててしまった。私の制限された視界に彼の笑った顔が短く映り込んだ。
「どうでした?」
「きもちよかった…。」
彼が私から指を引き抜き、左腕を放し、視界をクリアにした。
「私はね?今日あなたから誘われて嬉しかったんですよ。それに、自分から動くなんて言い出して。」
「やめ…言わないで…」
自分の行いがすべて恥ずかしくなって、顔の温度が上限などないのかと思うほど上がり続ける。
「でも、安心しました。まだ、あなたのことを可愛がれますからね。」
「へんなこと…ひゃ!」
彼が私のふくらみを大事そうに撫でた。ふにふにと優しく弄び、先端をつまんだり、はじいたり、こねたり、やりたい放題されている。
「むね…やあ…さわらないで…」
「ピンピンに張っているのによく言いますねぇ。まあ、何を言われようとやめるつもりなんてありませんから。ね?」
「っあ!?」
そういって右腕でいじりながら残った蕾をパクンと加えこまれた。そのまま舌でチロチロといじられ、吸われ、私の身体は新しい刺激に適応できずに跳ねるだけだった。
「しれいか、んぅ!それだめ…!」
胸から口を放し、彼が言葉を発する。
「『いや』だったり『だめ』だったり。我儘いっぱいですねぇ。そう言われるとやりたくなっちゃうじゃないですか。」
しかし、胸をいじる手は止まり、最後にピンと蕾をはじかれた。
「んきゅ!」
ぱちんぱちんと頭の中で何かが破裂する。
「じゃあ、挿入れますよ?」
「あ…」
彼が私の身体を引き寄せ、抱き上げた。その調子で、私の頭を撫でた。その動きが無性に安心して、恋しくなった。
「まだいれないで。もう少しだけ…なでてほしい。」
「かわいいお願いですねぇ。」
彼が左腕でめいっぱい抱き締めて、右腕で私の頭をなでる。
「ほら。もういいでしょう?挿入れても。」
「うん…。」
私の身体が持ち上がり、もう一度彼の肉棒を咥えこみ始める。
「ん…ふ…ふう…」
身体を預けて彼の動き出しを待った。
「そういえば、霞はぐりぐり押し付けられるのも好きでしたね。」
「え…?」
私の肩を掴まれ、そのまま私の身体を貫通しようと腰を捻らせる。
「うぁ…おく…つぶしちゃやらぁ…。ぐりぐり…しないでぇ…。」
私の弱いところを全て知られているせいで、彼が責める時はいつも翻弄される。彼の動きが、私に刻み込まれる。
「か〜す〜み。」
「んん!ひゅっひゅっ…きゅ…うん…」
押さえつけられ、囁かれ、呂律も回らず、身体も掌握され、どうにもならない。彼のイタズラな笑顔が白黒の視界いっぱいに映し出される。
「ほら。もう動きますよ。」
「や…むり…しんじゃう…」
「大丈夫。死ぬことはありません。」
「や…や…どちゅってやっちゃや…」
ゆっくりと持ち上げられ、頭の中に激しく動く姿が浮かんだ。そして、同時に彼はこれからいつも以上に激しくするつもりなのだとわかる。臀部を鷲掴みにされ、いよいよ降ろすのみとなる。
「ほら、いきますよ。あまり気を張ったらいけませんよ?」
「あ…ごめ…なさ…ゆっくり…やって…」
髪の毛が逆立つのがわかった。それほど速く私の身体が地面に向かって落ちた。彼の肉棒が私の中を乱暴に突き進む。コマ送りで進む私の視界と神経がその感覚を理解し、息苦しくなる。あと、ほんの少し落ちるだけで、私の奥に勢いよく当たる。情けなく果ててしまう。
「あ…やだ…」
ごちゅん!!と粘液の弾ける音と、私の奥と彼の先端が思い切り強く当たった音が響き渡り、同時に途轍もない快楽の波を感じた。
「…!!…ァ!!」
身体の中の空気が足りず、声が出ない。そのまま動かされ続け、脳への回路が切断される。瞳が一回転し、前後の方向感覚と上下がわからなくなる。上に落ちて、下に跳んで、後ろに彼の身体がある。
「ゔぉ!?ひゅあ!?」
視界からの情報も、感覚すらも、まともに伝達されず、ただ動かされ、快感だけが私を支配する。
「っあ゛!!!」
彼が私とさらに密着し、二つの蕾と彼が触れ合った。動くたびに擦れ合い、ジンジンと痺れて痛い。この痛みが、私の遮断された感覚を現実に引き戻した。
「っきゅあ!しれ!とま!し、しんじゃ!ああ!」
「あ、やっと戻ったんですね。少し怖かったんですよ?本当に壊れてしまったかと思って。なので、お仕置きです。」
「なに、いって!ああ!」
さらに勢いが増し、いよいよ耐えられない。
「やら!やらぁ!もう!むり!とま、ああ!!」
一突きされるごとに脳が飛び上がり、身体が爆発するかのような錯覚に陥る。彼の首に手を回し、腰に脚を巻きつけ、どうにか動きを止めようと無駄な抵抗をする。一際上まで持ち上がる。
「むり!むりぃ!や!しんじゃう!だめ!」
私の身体が彼の力と、重力によって彼の肉棒へ吸い込まれていく。最高点に到達した速さで私の奥に思い切りぶつかり、そこを起点として雷による感電と爆発が同時に起こった。
「うにゃあああ!!!!」
その感覚が収まらないうちに彼は私の奥に注ぎ込み、さらに奥にぐりぐりと押し付けられた。ぷつんと何かが切れ、鼻血がでた。
「う?お?」
眩い光が目の中に浮かび、私の脳がどろどろと溶けている。
「霞?」
「あっ?お?」
耳からの情報は私の脳が取り込まず、代わりに奥の方の快楽に依存する。
「ん!?ふぅ…」
腰が無意識に動き出し、彼の肉棒を更に取り込もうとする。
「これは大丈夫ではなさそうですね…。」
「うあ?ん?」
バチンバチンと光る視界が私の思考を完全に断ち切った。