※この作品はR-18です。

クワトロ玩具箱番外編   作:かりん2022

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クワトロ玩具箱18話 イフ7

「悟くん、霊視ちょうだい」

「霊視」

「賢き炎」

 

 霊視を受け、直哉は目標を視認。そして、直哉から広がった炎はどんどん広がっていき、潜伏していた呪霊を焼いていく。

 

 たまりかねた呪霊が姿を現す。

 

「悟くん」

「はい、手加減蒼」

 

 悟が雑にぶっ飛ばし、そこで影から出てきた白虎が術式を使い、呪具化呪具化!

 一緒に影から出てきたポップは残った呪霊をセイントファイア!

 

 呪霊には、往々にして出現条件がある。

 特級術師といえども、このルールには逆らえない。はずだった。

 

 だが、2人は違う。

 

 神の加護で隠れた領域を見通し、呪霊だけを攻撃する。

 

 若干攻撃力は低いが、相手がたまりかねて出てきたら即賢者五条が片付ける。

 確かにこれは良コンビ。

 雛に餌を与える鳥のごとく、白虎への強化をする余裕っぷりだ。

 

 術師は誰もがチートだ! とブーイングするだろう。

 このコンビに、すごい速さで溜まっていた案件が片付けられていった。

 

「なんや、それ。ずるすぎん? 自分も欲しいわ、加護」

 

 思わず見学の直哉が呟くのも当然だ。

 無法も無法のコンボである。

 

「せやろうなぁ。自分も衝撃やったわ」

 

 

賢者直哉は若い頃(直哉に学生時代は存在しない)、五条達の扱う不思議な力と理不尽さに気づいた。

気づいてしまった。

あれ。これ、女神様さえいれば、術式がどうとか血筋がどうとか、悩まなくてよくない?

 

悟くんはすぐに気付いた。だから全ベットしたし、だからウニャ様の始まりの賢者の傑くんを選んだ。

 

もう良いじゃん、別に。名家だの、伝統だの、血筋だの。

領域展開は使えないけど、魔法にはAクラスの術式のポテンシャルがある。

頑張れば一級、普通にやってても二級はいけるポテンシャル。

 

特級呪霊にも、セイントファイアはまあ届く。

なにせ呪霊はよく燃える。

 

いけるじゃん。頑張らなくても、あっち側。

 

ただお祈りして賢い炎をばら撒いておけば、呪霊だけ燃えてお仕事は終わる。

 

頑張る意味とは。

 

直哉、人生で2度目の衝撃である。

 

まあ、それでも術式は確保して置いて良いとは思うが。

なくてもよくね? なんなら見えなくても良くね? というのは結構な衝撃だった。

それこそ、人生観が変わるほどの。

 

五条悟が自信満々オラオラ系から目逸らし系気弱軟弱マンになるのもわかる。

 

これは真面目に命懸けしている人達をまともに見れない……。

 

更にいうなら、呪術師道と教団道ではまるっきり向かうべき方向性が違う。

違いすぎる。

 

真衣ちゃんが戦えへん? 火属性でも覚えさせたらええ。

真希ちゃんが呪霊見えへん? 闇属性で霊視覚えさせぇや。

 

別に術師である必要もない。

 

必要なのは女神への信仰心だけ。

 

なんて圧倒的な、清々しいまでのチート(ずる)!!

素晴らしきコネ至上主義!

 

そうして直哉は、力を信望していた直哉は、だからこそ、力をばら撒く圧倒的存在であるウニャ様と女神様に額ずいた。

 

ダンジョンも五条家に設置できて、子々孫々まで力を継承していく準備も整った。

時代は呪術師から魔法使いへ変わる。

そう確信したから、自分を律して慣れぬ善行を働き、正反対の方向へ爆走したのだ。

 

「でもなんか、自分腑抜けた感じやなぁ。自分より強そうやのにそれは、逆にムカつくわ」

「頑張らなくてもそこそこ強いからなぁ、自分」

「ああ?」

 

 流石にこのふざけた言葉に、直哉は眦を吊り上げる。

 頑張らなくても? 呪術師は頑張らないという言葉とは無縁だ。

 そもそもが激務。ブラック。社畜。そして命懸けなので、体を鍛えぬものはいない。

 頑張っても死んでいく。頑張らない奴なんていない。血反吐吐いてない奴なんていない。

 それは強者でもそうだ。それこそ五条悟だって。

 

「賢き炎、凄いやろ? あれ、女神様に祈ってるだけなんや。呪力の練りとかないわ。信じられんやろ? 自分の力やなくて、女神様の力やから強いんや」

「そうなんか?」

 

 確かに呪力とは無関係そうな力だった。だったら、魔法のエネルギーは信仰心だけとでもいうのだろうか。そんなバカな。

 

「そうや。属性使ったらお腹が減るけどな。それだけなんや。なんや術式がどうとか、呪力量がどうとか、呪力操作がどうとか、バカみたいやなって。自分が血反吐吐いて頑張って生き延びた人生を、賢者になって……女神様に帰依して1ヶ月の一般人どもが踏みつけていくんや。今の君、正直言うて一般賢者の少し上くらいやで。名家の上澄が、女神様のご加護を一欠片得た凡人と等価なんや」

「……」

 

 吐き捨てられた言葉に、賢者直哉の本音を見た。

 

「腑抜けるわ、嫌でも。悟くんもそうやろ」

「お、飛び火してきた」

 

 気配を消して肉まんを食べていた五条はんーと悩んで、まあそうかもね、と続けた。

 

「でも俺、女神の教義嫌いじゃないよ。可哀想なのは嫌だなとか、幸せになってとか、良いじゃん。俺も幸せになりたい」

 

 五条は意外とささやかな幸せを好む。

 だが、呪術師の直哉には、賢者直哉の気持ちが痛いほどにわかった。

 

「決めたわ。お前は一回ぶっ飛ばしたる」

「無理やで。賢者はな。ウニャ様の加護でめっちゃ成長補正あるんや。その分と火の分、常に自分のが強い」

「じゃあ」

 

 そこで、禪院 恵が現れた。直毘人もいる。

 

「純粋な術師である俺に、賢者である直哉さんが破れたら、禪院家に戻ってきてください」

「恵くん。ただでさえ当主候補増えてるんや、これ以上は困るわ」

「呪術師の直哉さんの方が、賢者の直哉さんよりよっぽどマシな面してますよ。貴方は賢者って柄じゃない、五条さんもね。呪術師に戻ってもらいます。教団なんてやめて、呪術界に戻ってこい。あんたら、こっち側の人間だろ。綺麗事で誤魔化すなよ」

「ええ……。俺はパスかな。どうすんの、直哉」

「せやな。じゃあ、自分が勝ったら禪院家は教団の事認めて攻撃しないようにしてや」

「面白い。直哉も参加しろ。最後に立っていたのが当主だ」

「いや、出てった自分が禪院家当主とか困るやん……」

「わしは困らん」

 

「まあ、それは良いんだ。向こうでは傑が捕獲した使い勝手のいい呪霊。こっちの世界で、白虎が倒していけば呪具作り放題だろ」

「まあ、そうね。よく使う呪霊は俺もよく覚えてるし、羂索に体取られないように、白虎の戦力強化はしておきたいし」

「欲しい呪具がある、直毘人に許可は貰った。買わせろ」

「んー。何が欲しいの?」

「夏油が孕むときに使ったものだ」

「あー、あれ? 悠仁に使うの? どうする、白虎?」

「恵を保護出来なかったお父さんを許してくれるならいいよ」

「恨んでない。津美紀を保護してくれた時点で感謝してる。それは本当だ。ただ、今度は、五条家ごと俺が取り込むってだけだ」

 

 五条悟と直哉は嫌な顔をしたが、最強女神の加護を受けた賢者が人間に負けるのはあり得ないし恥なので、いくつか条件を整えて、決闘を飲むことにしたのだった。





賢者達は皆訓練とか頑張ってますが、流石に血反吐吐いて頑張ってた直哉基準だと遊んでるだけでとなります。

多分訓練頑張って急激に成長しまくって伏黒パパに勝てるかもってなった時に逆に折れた。



マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
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https://odaibako.net/u/karin2022v
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