ここ好きもありがとうございます。
ざわざわ。ざわざわ。ざわざわ。
禪院家が集まる場で、その勝負は行われようとしていた。
「もう私達の事は放っておいてくれないかしら」
「放っておけるはずないだろ、妹だぞ!」
五条 真依を見て、禪院 真依は度肝を抜かれた。
なんという……ムチムチ! わがままボディ! 溢れ出る色気!
真希と比べると、とても一卵性の双子とは思えない。
大量の食べ物とジュースを前に、観戦の準備は万端。
当然、禪院 真依と同一人物とも思えない。禪院 真依は五条 真依に食ってかかった。
「何よ、存在自体破廉恥じゃない!」
「あら、私? かわいいわ」
「真依に触んな」
京都に来ていた真希も、真依を庇ってガルガル。
「俺だ! いい子だった頃の俺と伏黒!」
「私は来てないの、私は!」
虎杖と釘崎は、訳もわからず見学に引っ張り出された虎杖と引っ張り出された恵を囲みわちゃわちゃ。
直毘人コンビはかぶりつきで見学。
扇も賢者直哉が炎の使い手と聞いてどんなもんだと上から目線で見極めるかまえ。
直哉は興味津々で盗める技術は盗む気満々だ。
家入はダブルで待機。
賢者七海と賢者灰原も来ている。
呪術師七海は賢者灰原と早速おしゃべり。
乙骨2人は分かり合えたらしく、術師の棘とも楽しく会話している。
さて、準備が整い、2人が出てきた。
「これより勝負を開始する! 赤コーナー、禪院 恵!
十種影法術! アーンド 御廚子!!
青コーナー、禪院 直哉!
投射呪法、及び 火属性!
レディーファイッ」
「はぁっ!? ちょい待ちっ」
さて、まずは恵が動く。
「布瑠部由良由良……八握剣異戒神将魔虚羅!」
「!??」
直哉も驚くが、ギャラリーもまた驚く。
「まさかっ……! それの調伏は不可能なはずやろ!? それに、宿儺の術式やん、それ!」
「そのまさかだ。俺は宿儺に乗っ取られた事で、宿儺の術式の習得と魔虚羅の調伏を成し遂げた」
「聞いとらんし!」
「言ったら勝負を受けないだろ」
「当たり前やろ! いくらなんでも下駄付きでも無理や! ああもう! やったるわ、そいつは強強でも恵くんは弱々やろ!」
直哉が姿を消す。いや、あまりにも早すぎて見えないのだ。
「脱兎」
大勢の兎で撹乱する恵。
「根こそぎ燃やしたるわ! 賢き炎!」
「そうくると思ってました。直哉さんには弱点があります。直哉さんは賢者であり、信者……。聖職者である直哉さんは、俺自身は傷つけられない」
いささかも慌てる事なく、恵は燃える炎の中で、落ち着いて印を結ぶ。
自分に危害が加えられないなら、時間が掛かって隙もデカい賢き炎はスーパータイムサービスなのだ。
「領域展開……嵌合暗翳庭!」
「はっ それは悪手や、対人戦で自分は無敵や!! 領域展開!!」
二つの領域がぶつかりあう。
白虎は優しいので、霊視で2人の戦いが皆に見えるようにしてあげた。
影に閉じ込める伏黒の領域。
相手に細胞レベルで自分の真似っこを強制する直哉の術式。
直哉が伏黒の領域を塗り潰そうとした時!!
「領域展開……伏魔御廚子」
伏黒が領域を切り替える。そんなのあり!?
ギャラリーギリギリまで広がった伏黒の領域が、外側から直哉の領域を粉砕する!
「セイントファイア……!」
直哉を切り刻まんとする術式に、セイントファイアをぶつけて相殺。
そこへ魔虚羅が切り掛かる!
「怪獣斬り、三式 返し討ち!!」
ガコン! 斬撃適用!
「火力不足で倒せへんのは承知、なら主人を狙う!」
術式が焼き切れて使えなくとも。
直哉には女神の加護と武術がある!!!
「一式 空討ち! ファイアーボール!!」
「火には水ですね、万象」
斬撃も火球も水で押し流し。
「まだ俺の嵌合暗翳庭は解けていない……そして、幻の十一種目の式神◾️◾️◾️。受けてもらいます」
「ひっ 卑怯やあああああああああああああああ!!!」
「あらぁ」
「パパ!!」
五条 真依は思わず口に手を当てる。
下半身消し飛ばされた直哉。
即座に家入と灰原、七海が走る。白虎とポップが慌ててそれに続く。
真依は乙骨と一緒に、お菓子の山とジュースを運ぶ。
「七海! 死者の声!」
「死者の声発動しました! ポップくん!」
「パパ、頑張ってー!」
「ヒール!! 直哉、反転術式回せ! 回せ!!」
「ヒール行きます!! ヒール! ヒール! ヒール! ヒール!」
「ヒール! 女神様、お願い……!!」
灰原と白虎と家入がヒールを回す。
伏黒も反転術式を回す。
瞬く間に下半身が回復。
直哉の霊体が体に戻ったのが霊視でみんなの目に見えた。
「かはっ」
直哉が息を吹き返す。
「じゃあ、直哉さんは俺のって事で」
復活したばかりの直哉を、伏黒が首根っこ引っ掴んで屋敷の中へ。
賢者達は慌ててお菓子とジュースを補給補給!
「あれ、直哉さん持ち帰られちゃったんですけど、ねぇっ」
乙骨はオロオロ。
「でもあれ、私達で倒せる? 魔法では領域展開は出来ないのよねぇ……」
「僕は領域展開出来るけど、宿儺の領域展開は難しいですね……」
「うーん。黙祷!!」
「ええっ!?」
「まあ直哉も元呪術師で元禪院家だし、弱肉強食で生きてた子だし、強い子だから、大丈夫でしょ、きっと」
よくはわからないが、当事者もいなくなってしまった事だし、感想を語り合う場となった。
「俺も将来あれくらい出来る、のか……? あとなんで直哉さん連れてったんだろ」
「今の殺した後生き返らせとらんかった? こわぁ。後大技多すぎて参考にはならんかったな……」
必殺技の応酬で決まってしまった感じだ。
もうちょっと、こう、細かく技の応酬をしてもらったら助かったのだが。
屋敷の方から声が聞こえる。
「は? 本気か? ありえへんやろ!」
「痛い痛い痛い痛い! 無理やろ入らへんわ!!」
「自分は傑くんと違うんやぁ! ふざけんな抜けぇ!」
「ポップと白虎は灰原と七海と追加の飯買ってこい」
「パパいじめられてるの? 試合終わったのに?」
「飯買ってこい」
こうして、なんとも言えない空気のまま、試合は終わったのだった。
「こ、こわぁ。恵くんそんな趣味あるんや。近寄らんといて。パパ、こんなん当主に添えられへんで。血が途絶えるわ」
「それは白虎の用意した呪具でどうにかなるのだが」
「そうやったわ。ありえへん、クソが。今のうちに殺した方がええんか?」
直哉と伏黒の間に緊張が走る。
「ない。ない。俺は普通に女性が好きだ」
「別にどっちでもいいけど、無理矢理は良くないと思うぞ伏黒」
弁明する伏黒に、中学生虎杖が京都校学長の後ろに隠れつつ忠告。
「あー。伏黒、直哉さんとは色々あるんだよ」
「色々ってなんや」
「当主候補だったのがいきなり伏黒と立場チェンジして、しかも外の世界で幸せになってたから、伏黒、直哉さんに全部奪われたみてーに感じてて」
未来の虎杖は伏黒の擁護。
「奪われたの自分やろ。当主候補になったんやから喜んどけや」
「未来の俺と今の俺と賢者の直哉さんが当主嫌ってことは、こっちでは満場一致で当主では?」
「実力が伴ってなければ意味ないわ。なりたい思ってなれるもんちゃうわ当主」
「でも直哉さん、賢き炎駆使して、戦いの最中でも物も人も傷つけないし、真依さん勧誘もなんでって言ったら、『可哀想なのはあかんやろ』って自然に言ってていい人で憎めないって苦しんでたから」
「子宮みたいな領域持ってるのもきしょいじゃなくてえっちって言ってたから、相当煮詰まってはいたな」
「いやー。領域が子宮はきしょいでしょ」
虎杖の言葉に真希が補足。野薔薇はバッサリ。
直哉と伏黒は2人でないないないないと手を振りまくる。
「直哉さん、全力で自分のメンタル改造頑張ってたし、それが身を結んでたのねぇ。その果てがこれって可哀想だけど」
五条 真依はうーんと悩みつつ、栄養ゼリーをチュー。
「まぁ、私が連れ戻されなければ別によし!」
「お前も戻るんだよ、五条家に嫁入り言いつつ、相手いないの知ってるんだぞ。私と勝負しろ」
「私と勝負するなら料理勝負とか出ないと受けないわよ。私、生産属性だし」
「言ったな?」
心温まる姉妹の会話。一方直毘人は戦いに満足していた。
「むぅ。恵のポテンシャルが大きいのはわかった。領域展開重ねがけに反転術式、多少男色だろうが子作りをするなら文句は言わん。なんか六眼にも勝てそうだし……それだけ強いならなんも言わん」
「そうだろうそうだろう。だが恵は出来るなら連れて帰るぞ。自慢の禪院家当主だ。奴を当主に据えられるなら不出来な息子がどうなろうが文句は言わん。出奔するような性根が腐った所以外は天才だしな、直哉」
「そうか、伏黒くんのタイプは直哉さんだったのか……。はは、男に負けちゃった……」
「真依!? しっかりしろ、真依!! くそっ 直哉め、どこまでっ」
「言われてんぞ若き日の伏黒」
「俺は異性愛者ですって!!!!!」
「せやったら自分には近づかんといて、一生やで。あーでも、自分領域展開頑張ればできるんか、そか……。効果も大体わかったわ、ちょっと練習してみよ」
そんなこんなで、1ヶ月後にはポップはお兄ちゃんになってしまったのだった!
マシュマロ
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