※この作品はR-18です。

スレンダー角っ娘はデカ尻ドスケベ雌山羊~クーデレ敬語ヒロインとイチャイチャする~   作:灰鉄蝸@機甲猟兵エルフリーデ発売中

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12話「退廃的カップル」

 

 

 

「男の子って、おっきいの好きですよね」

 

 

 

 

 

 移民船〈天啓号〉第一管区、丘の上の洋館──ヤシェロの部屋にて。

 一組のテーブルセットを挟んで、二人の男女が向かい合っている。

 年頃の少女が、じっとりと座った目つきで恋人を睨んでいた、と思っていただきたい。

 

 艶やかな黒髪をセミロングヘアで揃えた角人──最近、髪型を少し変えた──であり、たいそう美しい妙齢の娘である。

 凛とした美貌──切れ長の両目に黄金の瞳、雪のように白い肌に彩られ、何者にも犯しがたい清楚な印象。

 

 白のノースリーブワンピースが、彼女の生真面目さと凛とした造形美をさらに引き立てている。

 美少女である。

 しかも大きな山羊角が側頭部から生えている。

 すなわちヤシェロである。

 

 上記の表現はことごとくハジメが内心で恋人を表現するときの常套句で、それを口にしていれば、もう少し彼女の機嫌もよくなろうというものだが──彼は照れ屋だった。

 うっかり惚気を伝えたばっかりに、ヤシェロが変なスイッチを入れて倒錯したセックスに陥るのを警戒しているわけではない。

 

 なぜならば、最近は「いやらしいヤシェロも可愛いからもういいんじゃないかな……」と受け入れつつあるからだ。

 ちょっと諦めてきてるわけでもない。

 

 快楽落ちだった。

 男の子のちんちんは気持ちいいことに弱いのだ。

 人間存在の意思や尊厳は、ちんちんに負ける。

 わりと悲しい真理だった。

 

「…………何の話かな」

 

 対するハジメは、気まずそうに目を逸らしながら応じる。

 たとえば恋人が要るにも関わらず、こぼれるように豊かな乳房を持つ従者(メイド)の胸を見ているとか、実は巨根に憧れている(別段ハジメのちんちんが小さいわけではないが、思春期なので大艦巨砲主義に走っている)とか、そういうナイーブな理由があるわけではなかった。

 

 ここで「おっぱいの話かな」とか「ちんちんの話かな」などとと軽口を叩く人種もいるだろうが、ヤシェロは真面目に話しているときに茶化されると反応が二つに別れる。

 少しふくれっ面をして「もうっ」と返してくれるならいい。

 

 すごくかわいい。

 が、そういう話題でないときにやらかすと最悪だ。

 宇宙空間よりも冷たい瞳でこちらを見据え「ハジメって面白い冗談を言えたんですね。素晴らしいです。エルギダにも聞かせてあげましょう。ほら、どこが面白いのか解説してください」と促してくる。

 

 容赦がなさすぎる。

 そういうところもかわいい。

 どのみちかわいい。

 恐ろしいことだ。

 閑話休題。

 ハジメはやや色ボケしていた。

 

「先日、建造した宇宙航行戦闘艦のことです──駆逐艦はともかく、重砲艦までこんなに作るんですね」

 

 ヤシェロが口にしているのは、ハジメが提案した防衛艦隊の再建案──それが承認されたことで、この移民船の造船所で建造された戦闘艦の話だった。

 唯一の実戦経験者であるエルギダからの口添えもあり、拍子抜けするほどスムーズに艦隊建造は承認された。

 正直、ヤシェロは反対すると思っていた。

 

「今回、建造するのはあくまで試験運用のためのお試し版だからね。いろいろと試してみたいから、重砲艦も何隻か混ぜてみた」

 

 この〈天啓号〉には多くの生産プラントが完全な状態で残されている反面、モスボールされた戦闘艦の類は皆無だった。

 よって使用される船は、すべて新造艦となる。

 

 大がかりな計画なのにあっさりと提案が通ったのは、つまるところヤシェロもエルギダも現状に危機感を持っていたからだ。

 〈天啓号〉は三〇〇〇キロメートルもの巨体に大量の自衛火器とシールド発生装置を積んでおり、それだけで一つの星系を滅ぼせる火力を携えた船である。

 

 しかし長年、本来あるべき防衛艦隊──本隊に先んじて航路の安全確認をするのも仕事だ──を欠いた状態で、歪なのも事実だった。

 これまで星間物質すら存在しない真っ暗闇の、何もない宇宙空間を突き進んでいたからいいものの、一定以上のテクノロジーを持った文明と遭遇すればその限りではない。

 

 本来、不必要な交戦状態に陥ることも十分に考えられるのだ。

 そういう理由から、ヤシェロは艦隊再建案を飲んだのだろう。

 その操り手がハジメ、ということも含めて。

 

「偏った編成ですね……」

 

 新造艦隊の主力となるのは、一〇〇メートル級ミサイル駆逐艦と呼ばれる戦闘艦である。

 角人やハジメのような高度な電子戦能力を持ったオペレーターを前提とする船は、完全な無人化をされていた。

 

 言わば戦闘艦サイズのロボット兵器である。

 ハジメの神経組織と融合したデバイス〈ハル・メギド〉によって統括される駆逐艦は、多目的用途に使える船だ。

 

 空間跳躍航法(ワープ)と重力波推進器による快速、小型ながら充実したセンサー類──敵陣への切り込み役から巡回や偵察まで幅広い役割をこなせる。

 搭載火器を省スペースで済むレーザー砲と短距離反物質ミサイルに絞っているから、船体そのものがかなり小型なのも都合がいい。

 

 提案の場では、ヤシェロも納得していた。

 すでに全部で一二隻の駆逐艦が建造中であり、建造開始から七二時間で船体ができあがる予定だ。

 兵装の積み込みや運用するための後方支援の準備にはもう少し時間がかかるが──これでも〈天啓号〉が抱える生産力のほんの一部だというから、空恐ろしいものがあった。

 

 ともあれ問題となっているのは、駆逐艦ではない。

 三〇〇メートル級重砲艦──読んで字のごとく、ありったけの火砲を積んだ船である。

 駆逐艦の三倍近い巨体だが、これでも宇宙戦闘艦の中では中型に分類される。

 

 宇宙空間での航海は、地球時代の艦艇では考えられないスケールの長旅になる。必然的に、長期航海に備えて物資を積み込めば船体は大型化してしまうのだ。

 高度な自動化によって無人兵器となった船でも、この基本的な事情は変わらない。

 戦闘艦を独立した火力投射プラットフォームとして見るなら、航続距離も継戦能力も高い方がいいのだ。

 

 三〇〇メートルという船体サイズは、そういう常識の中では平均的大きさである。

 重砲艦の特徴は、その船体に不釣り合いなほど大がかりな砲を積んでいる点にある。

 もっと大型の船──それこそ六〇〇メートル以上の大型艦に相応しいような電磁投射砲、粒子ビーム砲、対艦レーザー砲を搭載している。

 

 当然、兵器としては歪である。

 航続距離は短く、速力も低い。

 火力だけはちょっとした戦艦に匹敵するが、恐ろしく用途が限定される。

 それが重砲艦である。

 

 一〇〇〇年ぶりに艦隊を再建するといわれて、いきなりこんなゲテモノを作らされてはヤシェロも不審に思うはずだった。

 しかしハジメにも考えがあった。

 

「たしかに完全に独立した艦隊を作るなら、ありえない編成だと思う。だけど〈天啓号〉って母船があるなら、戦闘艦に必要なのは艦載機としての役割だよ。小回りが利く駆逐艦と、そのサポートができる重砲艦があればいい」

「ちゃんと運用を考えているなら、わたしから言うことは何もありません」

 

 そう言って、どこか誇らしげにヤシェロは微笑んだ。

 恋人の成長を喜んでいるような口ぶりだった。

 基本的に教えたがりでハジメの先生役を買って出る性分の、彼女らしさを感じる表情。

 

「こういうの、全部データで送信したじゃないか。あらたまって俺に問い詰める必要ないだろ」

「ハジメから直接聞きたかったんです」

 

 そう言ってすねたように目線を逸らすヤシェロは、どうやら照れているようだった。

 かわいい。

 少年の恋人は、甘えるのが下手な性格をしている。

 

 根が実直でストイックな上、船の運営を司るシップマスターという絶対権力者だから、船内居住区の住人との交流も社交上必要なもの以外はしてこなかった。

 そういう不器用で誠実な生き様が、ハジメにはひどく眩しいものに思えた。

 あと、かわいい。

 

「ハジメ、今は生き生きしてますよね。それで、少し、怖くなってしまって」

「……俺は、どこにも行かないよ。そりゃ、新しい玩具をもらった子供みたいにはしゃいでるかもしれないけどさ」

 

 少年と少女は、たった四年間しか時間を共有していない。

 ハジメにあるのはその四年の記憶だけで、自分の出自さえ、エルギダから他人事のように伝えられた歴史の一部でしかない。

 ずっと、足場のないような不安感があった。

 

 たぶんそれは、空っぽの自分自身と向き合わねばならない寂しさだ。

 どんなにヤシェロがハジメを愛していると伝えても、それだけで埋まることはない胸の虚。

 艦隊運用の提案は、そんな自分にもできることがあるという、素朴な充実感をハジメにもたらしていた。

 

「わたしも少々、考えすぎたのかもしれません」

 

 そう口にしながらも、目を伏せるヤシェロは物憂げだった。

 細められた両目、長いまつげ、知性の光をたたえた黄金の瞳。なめらかな雪肌に、はっとするほど鮮やかな桃色の唇。

 

 涼やかな面差しは凛とした麗人の印象が強いのに、こういうとき、恐ろしく蠱惑的な色香を放つ。

 ごくり、とハジメは息を呑んだ。

 そんな彼の視線に気づいて、少女が顔を上げた。

 

「ハジメ?」

 

 きょとんとした表情だった。

 無防備な、きっとハジメにだけ見せる信頼と親愛ゆえの無垢さ。

 何度も肌を重ねているのに、その姿を見ていると罪悪感が湧いてくる。

 少女への好意と共に育ってきた肉欲は、今や、少年にとっても無視しがたい衝動となっていた。

 一言で表すと、すごくセックスしたい。

 

「うん。ヤシェロは可愛いなあって」

「褒めてくれるのは嬉しいですけど、視線がいやらしいのは気のせいですか」

 

 じっとりすわった目で睨まれた。

 ハジメの性欲はこの角ある恋人に筒抜けらしかった。

 何より、すねたような表情と裏腹に、ヤシェロの山羊角は口よりも雄弁に彼女の意思を表している。

 透き通ったエメラルドグリーンの角に浮かぶ発光信号──少々の怒り/そして許諾。

 幻想的な幾何学模様を描く発光パターン曰く、彼女も乗り気らしかった。

 

「……口でしてもらっても、いいかな」

 

 おそるおそる、尋ねてみる。

 基本的に今までの二人の性行為は、ヤシェロの側の暴走ともいえるアプローチからはじまり、それを受けて昂ぶったハジメが終わらせるものがほとんどだ。

 実際問題、ハジメの側から積極的に迫ったことはない。

 

「お、お口で、ですか……その、前のデートの時みたいに」

「そう、だね。口でしてもらったの、この前が初めてだったし」

「うっ……」

 

 気まずそうにヤシェロが目を逸らした。

 白皙(はくせき)がほんのり朱に染まり、視線が手元の端末に注がれる。

 半ば強引に彼女がハジメを個室へ連れ込み、その男根をしゃぶってみせた記憶が蘇ったのだろう。

 少女の肉体に定着した改変体は、淫乱としか言いようがない変容を少女にもたらしている。

 尤もそのギャップが強いから、ハジメは口淫(フェラチオ)を所望したのだが。

 

「あ、あれはですね……その、わたしも暴走したというか……正直、いやらしいことをするとき、どんなにはしたなくなるのか、わたしにも想像がつかないんです」

 

 この前、卑猥な言葉を口にしながら尻肉で男根をしごかせた淫らな姿からは想像もつかない慌てようである。

 ちらり、と上目遣いでこちらを見やるヤシェロ。

 その瞳に浮かぶのは、羞恥心と期待と情欲の混ざり合った表情だった。

 

「それでもいいですか?」

 

 ハジメはたまらなくなった。

 

「ダメだなんて言うはず、ないじゃないか」

「……ハジメは悪い人です。どんどん、わたしをいやらしくします」

「その悪い人専用に体まで作りかえてる君は、すごく悪い子だよね」

 

 いじわる、と呟いて。

 ヤシェロは席を立った。

 ふわり、と甘い女の子のにおいがした。

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

「それじゃあ、ハジメ。ちょっとだけ目を閉じていてください」

 

 ハジメは椅子に腰掛けたまま、ヤシェロに身を預けることになった。

 言われたとおりに目を閉じる。

 五秒経ち、一〇秒経って。

 

 足下にうずくまる誰かの気配──覚えのある息づかい──鼻孔をくすぐる甘ったるい体臭は、性フェロモンをたっぷり含んだ少女の汗の証。

 かちゃかちゃと音がして、ズボンの留め金が外されていく。

 

 それだけで期待感で頭がどうにかなりそうだった。

 痛いほど勃起した陰茎が、パンツの生地を押し上げ、ズボンの上からでもわかる膨らみを作る。

 ボトムスに押さえ込まれた圧迫感。

 

 それがなくなった。

 開放感と共に、熱気の籠もった男根が外気に晒されるのがわかった。

 ふぅっ、と生ぬるい吐息が、亀頭に吹きかけられる。

 

「もう、いいですよ」

 

 目蓋を開く。

 予想していたとおり、椅子に座ったハジメの両足の間に、膝をついたヤシェロがいた。

 けれど、その表情は先ほどまでと一変していて。

 

 弓なりに釣り上がった口元、愛おしげに男根を見つめる両目──情欲にどっぷり浸かった淫魔のような顔つき。

 清楚な印象の白のワンピースさえ、少女の妖艶さを引き立たせるための小道具に見えた。

 

「ふふ……ハジメはどうして、わたしが何かする前からこんなに勃起してるんですか♥」

 

 口を開くより先に、ヤシェロの指が男根の根本に伸びた。

 真っ白な細い人差し指が、つうっと根本から亀頭までをなぞっていく。

 たっぷり精液を蓄えた陰嚢(いんのう)のすぐ上から、亀頭の裏筋までを一直線に、撫で上げるような手つき。

 

 とうとう指先が裏筋をなぞり終えて、亀頭の鈴口に達した。

 じわりと先走り液を染み出させたそこ──少女の指が、先走り液を塗り広げるように鈴口を弄ぶ。

 

 声を出さないよう、歯を食いしばるだけで精一杯だった。

 ハジメにも意地はある。

 けれど、そんな彼の表情すらヤシェロは愛おしいと笑うのだ。

 

「知ってますか? 女の子の子宮と卵巣って、本当は赤ちゃんを作るための神聖なところなんですよ♥ それを、自分のおちんちんが気持ちよくなりたいからって、おちんぽしごき穴に作りかえさせて♥♥ ハジメは自分が悪い子なんだって自覚が足りないんです……♥」

「それは、ヤシェロがいやらしいから、だっ!?」

 

 ぎゅむっ、と。

 先走り液を亀頭に塗りたくっていたヤシェロの人差し指が、親指と環を作るようにして亀頭を締め上げた。

 決して痛みを感じるような力加減ではない。

 

 むしろ包み込むようにやわらかで、心地よい不意打ちだった。

 きゅっきゅと指関節が動き、締め上げに緩急をつける。きめ細やかな少女の肌に、敏感な亀頭を責められていた。

 だらだらとあふれ出す先走り汁を、ヤシェロは嬉しげに見つめていた。

 

「わたしをこんな風にした……わるいおちんちん♥♥♥」

 

 すっかり先走り汁塗れになった指先──ぬめぬめとてかる亀頭。

 つん、ときつい分泌液のにおいが強まった男根に顔を近づけ、少女は悪戯っぽく微笑む。

 

「だいたい……お口で奉仕しろだなんて♥ わたしに恋人とキスするよりも、おちんちんとキスしろって言ってるようなものだってわからないんですか♥ 本当に、ひどいひと♥♥♥」

「……ッ!」

 

 一見、ハジメを責めたてる言葉だが、その実、ヤシェロ自身が興奮するためのそれ。

 そうわかっているのに、否応なく少年は昂ぶってしまう。

 愛おしい彼女に、淫猥な行為を強いているという背徳感が、より股間にそそり立つ肉棒を硬くしていくようだった。

 

「……俺がいいって言うまでセックスしないって、約束、したよな」

「セックスはお互いが気持ちよくなることですよ♥ 今は、ハジメが気持ちよくなってるだけだからセックスじゃありません♥」

 

 そう言ってくすくすと笑うヤシェロの顔に浮かんでいるのは喜悦の笑み。

 かつての彼女なら、決して浮かべなかったであろう表情。

 ヤシェロの中に眠っていた淫らな才能を引き出したのは、紛れもなくハジメとの情事であり、二人の関係だった。

 

 その事実に対して、ハジメは支配欲とも征服欲ともつかない満足感を覚えてしまう。

 それが罪深い本能のなせる錯覚で、道徳的には褒められたものではないとわかっていても──彼のペニスに奉仕するため変わっていく恋人の姿かたちに興奮していた。

 

「もう、こんなに興奮して……♥ ハジメの大事なところ、精液たくさん詰め込んで膨らんでます♥ お口に無駄撃ちしちゃうだけなのに♥♥」

「無駄、じゃないよ」

 

 だってヤシェロとこんなに繋がれるじゃないか。

 そう続けると、彼女の頬がより一層、赤くなった。

 意地の悪い微笑を浮かべていた口元が、吃驚したように半開きになっていた。

 かと思えば。

 

「もう……そうやって、わたしのこと、はしたなくするんですから……ちゅっ♥♥」

 

 瞳を濡らしたヤシェロが、唇を突き出すようにして亀頭に口付けていた。

 桜色の唇が、ぷっくりと膨らんだ男性器の先端、先走り汁で濡れた鈴口と接吻。

 男性器とのついばむようなキスは、すぐに情熱的なディープキスに移っていく。

 

「んふぅ……ちゅぷ、ちゅぴっ♥」

 

 あふれ出す分泌液を唇に塗りたくり、舌先で鈴口をほじくり返し、唇で亀頭を包み込むように愛撫する。

 文字通り、恋人との逢瀬で接吻をたっぷり楽しむような情景。

 眼を細めているヤシェロの表情からも、男根への奉仕を楽しんでいるのは明白だった。

 

「じゅぷ♥ じゅぽっ♥ じゅるる♥♥」

 

 空気と唾液の混ざり合う粘っこい水音。

 唇と舌で舐め回すようだった奉仕が、口腔全体にペニスを受けれる口淫へ変わった証だった。

 先ほどまで雄弁に言葉を紡いでいた舌が、裏筋を舐めあげ、亀頭をほじくる奉仕器官に。

 つるつるとした口腔の上側は、その感触で亀頭を磨き上げるためにあるよう。

 

「んじゅぽ……じゅぴ♥ ぴちゃっ♥」

 

 上下の前歯は、浅く亀頭の表面をなぞるように刺激するアクセントだった。

 まるで最初から、男性器をしごくためにあったかのような使い心地──高まり続ける射精感。

 たまらなく気持ちよかった。

 なのにハジメが感じたのは、言いようのない嫉妬だ。

 

 まるで自分の男根に、恋人を奪われたような錯覚──それほどまでに熱心な奉仕だった。

 ほとんど衝動的に、股間の顔を埋めた少女の頭へ手を伸ばしていた。

 側頭部から伸びた、エメラルドグリーンの大きな角を、両手で掴む。

 そのまま、不意打ち気味に強く引っ張った。

 

「んぼぉ!? ♥ んぐ、んんーっ♥」

 

 少女の喉奥、咽頭へと亀頭がめり込んだ。

 ちょうど舌で竿をなぞっていたヤシェロが、濁ったうめき声をもらす。

 えづくように痙攣する喉奥──異物を吐き出そうとする生理的反射がすぐに収まり、亀頭を受け入れはじめた。

 

 湿ってあたたかい喉奥の肉が、ぬちぬちと亀頭を締め上げてくるのがわかった。

 恋人の頭の角を、まるでそういう器具のハンドルのように掴み、前後させる。

 喉奥から男根を引き抜く──大量の唾液が糸を引き、少女の口腔から男根を引き抜かれていた。

 息継ぎの時間を与えられ、ヤシェロは必死に息を吸い込む。

 

「かひゅっ、げほげほっ、ぷはぁ」

 

 涙目でこちらを見上げる恋人の姿に、罪悪感がわき上がった。

 けれど、少女の角に浮かんでいる発光信号は違っていて。

 

 ──行為の許可/追加も可。

 

 愛おしさがこみ上げて、もう止まれなかった。

 両手で掴んだ角を強く握り、ぐっと力いっぱい一直線に引き込む。

 口淫の最中よりも、ずっと深いストロークで突き込まれる男根。

 ほとんど蹂躙と言っていい勢いで、深く喉奥へと逸物がねじこまれた。

 

「ん、んぐっ!? ……がぽがぽっ♥♥ ぐぽっ♥」

 

 ぽろぽろと涙を零しながら、ヤシェロは懸命にペニスを呑み込んでいく。

 やわらかい頬をすぼめ、喉を広げて亀頭を──たくましい雄を受け入れる。

 

「んぐっ……ぐちゅぽ♥ がぽっ♥」

 

 男根へ少しでも快楽を与えるため、少女の口腔と喉から鳴る下品な音。

 狭められた喉奥へ突き込まれる陰茎、唇の端からあふれ出す唾液と先走り汁の混合液。

 口と喉を使っている以外、言い逃れのできない交尾そのもの──雄と雌は、それが倒錯した行為であることも忘れ、ただただ行為に没頭した。

 ぐいぐいと角を引っ張る度、ヤシェロの白い頬が紅潮するのがわかった。

 

「じゅぶるるる♥♥♥ んじゅぽっ♥♥ ちゅうう♥♥♥」

 

 被虐性癖者(マゾヒスト)であるヤシェロは、自分の喉を男性器に犯される惨めさや、大切な器官である角をハンドルのように使われる屈辱に興奮していた。

 その証拠に、喉奥への突き込みに合わせて、ぐりぐりと亀頭に喉を押し当てている。

 

 無意識のうちに、尻を揺すっている始末だ。

 控えめな慎ましい乳房に、鋭くくびれた腰つき──全体的にほっそりとしたヤシェロだが、その尻肉は例外で、白いワンピースの布地を押し上げるほど豊満だった。

 喉奥を犯されているとは思えぬほど、淫らな腰ふり。

 

 それを目にして、とうとうハジメに限界が来た。

 たまらず腰を突き出し、ヤシェロの喉奥に怒張をねじ込み押しつける。

 陰嚢から尿道をせり上がる熱い迸り。

 それは射精というよりも排泄行為に似ていた。

 

「げぽぉ!? んぐっ、ごぽげぽっ……じゅぼぼぼぼ♥♥ ごきゅごきゅごきゅっ♥♥♥」

 

 吐き出される白濁液を嚥下するヤシェロの喉からは、すさまじい異音。

 男の欲望を煮詰めたような、粘つく精液を食道へと直接流し込まれるよろこびに、少女は打ち震えている。

 

 射精の最中にも竿を舐めしゃぶる、献身的に過ぎる奉仕──ハジメの射精は長く、陰嚢に蓄えられた精液をすべて出し尽くすまで続いた。

 射精を終えてしぼんだ陰茎が、ヤシェロの口から引き抜かれる。

 

 口を開いて応じるヤシェロは、よく躾けられた犬のように、男性器に従順だった。

 精液と唾液と先走りの混ざり合った粘液が、ぬめぬめと少女の舌と亀頭に間に白い糸を繋いで。

 運命の赤い糸のようなそれが、ぷつりと途切れた。

 

「ぜぇ、ぜはっ……かひゅぅ♥ はー、はーっ……♥」

 

 こらえていた息継ぎを再開し、荒い息をつくヤシェロ。

 数秒、そうして息をついていたものの、おのれの口腔から引き抜かれた男根を、すぐ視線が追ってしまう。

 粘液塗れのペニスを掃除しようと顔を近づけたヤシェロを、ハジメが呼び止めた。

 

「ヤシェロ、その舌は?」

 

 彼が尋ねたのは、少女の舌に浮かぶ文様のことだった。

 ヤシェロの下腹部に浮かんでいるものと同じ意匠の、蛇で象られた赤いタトゥー。

 恋人の意図を察して、ヤシェロはぞくぞくと背筋を震わせていた。

 

 

「んぅ……♥ これは、ハジメのおちんちんとせーえきを、美味しくいただくための改変体です♥♥♥」

 

 

 唇から突き出された少女の舌を、少年の指が無遠慮に掴む。

 

「へぇ。こんな風になってるんだ」

 

 精液と唾液がねっとりと絡みついた赤い舌──それをだらりと垂らしたヤシェロに、平常時の麗人の面影はない。

 だらしなく下がった目尻を見れば、むしろ甘える飼い犬のように見えることだろう。

 あるいは──家畜のように。

 

「ああ、指が汚れちゃったな……俺のちんちん綺麗にしたら、指もちゃんと舐めてね」

「ふぁあい♥♥♥」

 

 そのだらしのない表情を見下ろし、傲岸不遜に言い放つハジメ。

 理不尽としか言いようのない恋人の言葉にも、ヤシェロはうれしげに頷いた。

 その目尻を濡らしているのは、思慕とよろこびに満ちた涙。

 休む時間ももったいないとばかりに、ハジメのペニスに舌を這わせ、れろれろと舐めしゃぶる。

 

 

「あむ、ちゅぴっ♥ ぷちゅっぷちゅる……あはぁ♥♥ また、おっきくなりましたね♥♥♥」

 

 

 

 二人の(ただ)れた情事は、長く続いた。

 

 

 

 

 

 

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