スレンダー角っ娘はデカ尻ドスケベ雌山羊~クーデレ敬語ヒロインとイチャイチャする~ 作:灰鉄蝸@機甲猟兵エルフリーデ発売中
「ハジメ♥ ……大好きです」
潤んだ瞳でこちらを見上げながら、黒髪の少女が甘やかにささやいてくる。
このときハジメの男性器は勃起していたし、心臓は痛いぐらい鼓動を小刻みに刻んでいた。
以前の彼なら、ここでヤシェロの躰を貪っていたことだろう。
──流されるとえらいことになるよな、これ。
しかし悲しいかな、ちょうどおのれの境遇に疑念を抱いていた時期だけに、躰の生理反応ほどハジメは素直ではなかった。
さて、ここで押し倒すのが正解なのかどうか。
──いよいよもって面倒くさい人間だな、俺は。
たとえば、好きな女の子が全裸で誘ってきている状況で、目の前にはその子の体温と体臭があって、息づかいまで感じられる状況。
古代人的な文学表現だと「据え膳」というヤツだろうか、と自問自答する。
典型的な現時逃避だな、とそれすら一刀両断──つまり少年はここにきて、未だに冷静さを失っていなかった。
そんな自分に気付き、ハジメは愕然とした。
──興奮してはいるんだがなァ。
そう、股間は痛いほど
だが、この状況が引っかかっていた。理由を考える。
すぐに答えは出た。
「ん……ハジメ、あ、ふぁ♥」
そのとき、ヤシェロがぴんと立った桃色の突起──乳首をインナーにすりつけてきた。
どうやら感度は良好らしく、誘惑じみた仕草の度、
何より布地越しにも伝わる熱がいけなかった。ハジメは理性を
この肉欲に溺れきったヤシェロの様子自体、不自然に思えてならないのだ。
エルギダへの不信感をあえて考えず、角人の体質──年頃の角人に生じる変化がこういう意味だったというのもありそうなことだ──と割り切るにしても、あの、生真面目で潔癖な少女の面影がなさすぎた。
明らかに理性が吹っ飛んでいる。果たしてこの状態で抱いたとして。
頭が冷えたころ、彼女は素直にそれを受け入れられるのだろうか。
想像する──おそらく相当に凹むはずだ。
意地っ張りなヤシェロのことだから、何とか取り繕おうとするだろうし、その精神的負荷は想像を絶するはずだ。
一見、ここで勢いのまま抱いた方が前進しそうだが、少女本来の人格を考慮するとかえって気まずい関係になる
ここまで考えて、ハジメは自分の中の引っかかりにも気付いた。
目の前で発情しきったヤシェロは、まるで獣のように見える。そのはしたなさに獣欲を刺激され、股間を膨らませているものの、同時に恐怖を感じてもいたのだ。
──俺は種馬として飼われていたのか?
つまるところそれは、人間ではなく家畜としてこの屋敷に住まわされていたということ。
エルギダに対するそれは幾分複雑だが、どのような意図があれ、自分を教え導いてきた彼女には恩義を感じている。
そのすべてを虚偽にしたくなかった。
獣のごとき交尾を望む雌と迷いなく交わるとは、そういう意味合いに彼の四年間を貶めることだ。どんな思い出があろうと、ハジメが納得できなくなる。
要するに、だ。
──初恋の娘との初夜はいい雰囲気でやりたい。
いずれにせよ、股間が反応してしまったのは事実であり収まりがつかないので、ここで撤退するという選択肢はない。
第一、こうも発情しきったヤシェロを一人で残していけるものか。
ハジメはロマンチストなので、このような面倒極まりない思考を超高速で行い、一つの覚悟を決めていた。
そっと少女の肩に手を置いて、躰から引きはがした。これ以上密着されると説得するどころではなかった。
「はい……♥ んっ、ここで、シますか♥」
うっとりと呟くヤシェロが、尻をぶらぶらと横へ振り始めた。張りのいい尻肉が、振り子のように揺れる様は圧巻だった。
思わず見入りそうになったが、男を駄目にする類の挙動なので目を閉じる。
ハジメには、ヤシェロへ返せるものが驚くほどない。資産も知識も彼女たちからの借り物だ。
だから、混じりっ気なしの自分自身は感情しかなかった。せめて誠実でありたい──誰よりも何よりも、自分自身のために。
ありふれた青臭さすら、何もない少年の中の持ち物だ。
「俺さ、ヤシェロのことが好きだよ。俺にはこの四年の経験しかないから、それが、ヤシェロたちの"好き"と同じかはわからないけど。
だからヤシェロに好きって言われて嬉しいし、君の裸にだって興奮する。可愛いと思ったし、正直今だって頭がどうにかなりそうだよ」
訥々と内心を口に出す度、ひょっとして自分は途方もない愚者なのではないのかと思った。
どのみち向こうは、前振りも何もなく性交したいとアピールしているのに、それを遮ってこんな告白とは。
まったく馬鹿馬鹿しい限りだった。
ほとんど分裂症の人間みたいに、先ほどまでと相反する感情がせり上がってくる。
──ああ、そうだ。俺は緊張している。
きょとんとして、彼を見上げる少女のかんばせ。いつも綺麗だと思っていた黒髪に、すっと通った鼻梁、白い頬は上気して、赤い唇は唾液で濡れている。
長く曲線を描いた鉱物状の角は、独特の周期で明滅している。
ちょうど今日、データベースで学習した角人についての知識が思い出される。
求愛を意味する発光パターン。たまらなくなった。どうしてこの子は、こんなに可愛いのだろう。
「ハジメ……?」
「君の性格考えるとさ、絶対、俺から告白すべきだと思ってた。だから君が、その……性的に興奮して、誘ってきたのは吃驚した」
「え……」
結局のところ、意思疎通できない相手とセックスするのは、逆に怖いという生々しい感情が性欲に打ち勝った。
「だから、わからないんだ。もし、君が性欲に流されているだけなら、その相手って、俺じゃなくてもいいんじゃないのか?」
「……っ! ちがっ、わた、し……」
さあっと青ざめるヤシェロの顔──火照った肌こそそのままだが、蕩けきっていた瞳へ理性の光が戻ってきた。
いささか効き過ぎたか、と思う。
どうやら相当、本人も気にしている部分をついてしまったらしい。ちゃんと謝らないといけない。
いつもの彼女なら、ハジメに言われるまでもなく気付くことだろう。
ハジメが惚れたヤシェロはそういう、聡くて、生真面目で、意地っ張りな娘なのだ。
やはりこの昂ぶり具合は、尋常ではない。
「ごめん。今のは言い過ぎ……痛ァ!?」
頭を下げた瞬間、おでこに鈍痛。重い衝撃を受けてのけぞると、目の前に、涙目になったヤシェロの顔があった。
相変わらず生まれたままの姿だが、先ほどまでの異様な熱気はない。
そして、眉をしかめておでこを押さえている。頭突きをされたのだと理解した。ハジメは泣き顔の少女から睨まれていた。
「──ハジメの馬鹿ぁ!!」
確信する。
ヤシェロは可愛い。そう思いながら気付いていけないことに気付く──先ほどの告白中、ハジメの性器は勃起したままだった。
色んな意味で死にたくなった。
◆
数分後、二人は並んでベッドの縁に座っていた。肩と肩がくっつきそうなほど近い距離だが、互いに相手の顔を見ることはできない。
ヤシェロはベッドに腰掛け、毛布にくるまってハジメの視線から裸身を隠している。
何もかも普通でもなければ日常通りでもないのに、部屋の明るさだけは平常通りだった。
依然として躰は疼いたままだが、ヤシェロ本来の自制心と理性が戻ってきたせいで、肉欲の高まりに身を委ねることもできなくなってしまったのだ。
ハジメの声を聞くだけで達してしまったのが嘘のように。
よく考えなくても、はしたなく淫らな振る舞いしかしていなかったとわかる。それぐらいヤシェロは肉欲に猛り狂っていた。
それなのにハジメからの一言が、少女の没頭していた心地よい無思考をたたき壊してしまった。
あとに残ったのは、どうして自分はこんな恥ずかしいことをしてしまったのかと、悔やんでも悔やみきれない後悔と──相変わらず昂ぶり、鎮まっていない躰だけだ。
じんじんと下腹部は熱く、体中が敏感すぎる。
観念した少女は、今まであえてぼかしてきた知識のすべてを話した。
先ほどまでの自分の痴態が、この肉体に込められた仕様、設計意図に沿った正常な姿であること。
ここ数日寝込んでいたのは、角人としての機能解放に伴い、肉体が大きく作り変わった余波であること。
ヤシェロたちの先祖は、星間戦争にも耐えうる怪物的な肉体を手にした末、永遠に等しい時間を性行為に捧げた異形であること。
話せば話すほど、ハジメの反応が怖かった。
今までの安穏とした関係のままでいられなくなったことに叫び出したくなった。
「納得した。それなら、ああいうことだってあるよな」
深く問い詰めはせず、ハジメが立ち上がった。一瞬、このままどこかへ去ってしまうのではないかと不安になる。
しかし彼の行動はヤシェロの想像とは違っていた。
ベッドから一〇歩先、明かりを取り込むための窓──通電すれば五〇センチの複合装甲よりも頑強だ──の脇のパネルを操作、透過状態の素材を不透過へ。
一切、窓が光を取り込まなくなった結果、室内が密室のように感じられた。
半ば本能的に、ヤシェロも尻を浮かせてベッドから立ち上がる。
まずは服を着て、そして。
どうにかこの状況をうやむやにしようと足掻いた少女に対し、ひどく熱っぽい告白が浴びせられた。
「──何をしてもいいんだったよな?」
ぞくり。
背筋を電流のような熱が通り抜けた。今、ハジメは少女の背後にいる。
表情など見えもしないのに、少年の声から、その獰猛な昂ぶりが手に取るようにわかってしまう。
思わず内股を擦り合わせ、拳をぎゅっと握りしめていた。振り返ったら、せっかく立ち直った理性が崩れてしまいそうだった──心臓がとくんとくんと脈打つ。
「あんなこと言ったくせに……最低ですね」
せめて声音だけは取り繕おうと、冷たい言葉で応じた。ほとんど痛罵に等しい声だった。
なのに頬が上気してしまう。求められている。この人に、ハジメに、あんな醜態を見られてしまったのに。
どうして、という疑問への答え。
──あんな醜態をさらしたから?
どろり、と溶岩のように熱く重たい熱が、はわらたを包み込む。
愛液となって滴り落ち、血流に乗って肌を火照らせる情欲そのもの。今度のそれは、今までよりずっと鮮烈だ。
恥ずかしくて情けなくて、死んでしまいたいぐらい惨めな気持ちだったはずなのに。
言葉にできない法悦が、その片鱗を覗かせている。
まだ正気のヤシェロの心の中で、堅持してきた価値観の意味が反転しつつあった。
「そうだよな……でも、我慢できそうにないよ」
暴れ回る獣めいた欲を押し殺す、何かを堪えたハジメの声。ぶるっ、と少女の躰が震えた。
側頭部から後方へ流れる二本角が、独特の発光パターンを放ち始める。
それはたとえば、犬が尻尾をぶんぶんと振るようなもので。
表情が見えずとも、ヤシェロの本心がどうなっているかを雄弁に物語るものだった。
光の周期と模様の意味──【求愛】【性交の許諾】。今ではハジメにもわかる意味だと、ヤシェロは知らないままだった。
彼が一線を越えるきっかけだった。
「わたしに恥を掻かせておいて、都合よすぎです。ハジメのそういうところが、子供っぽいと言うんで、ひゃん!」
憎まれ口は、色香のこもった喘ぎ声に掻き消された。
後ろから、ハジメに抱きすくめられている。ヤシェロの細い肢体を絡め取るように、少年の右腕が腰を抱いていた。
指先の肌と肌が接触しただけで、びりびりと脳天へ突き抜けるような感触があった。
二人の間の身長差は五センチもないが、熱に浮かされて力の入らないヤシェロと、強固な意志を持ったハジメではその差は歴然。
背中越しに伝わる体温と、自分とは違う雄のにおいに胸がドキドキした。
「じゃあ、俺のためにいやらしくなってくれないか」
「や、そんな、はぁ♥ ん、ふぅ♥」
もう一方の手──ハジメの左手が尾てい骨をなぞり、豊かな安産型の巨尻へ降りてくる。
尻たぶをつまみ、張りのいい肌に押し返される感触を楽しみながら、尻肉を揉みしだく男の指。
じわじわと下腹部に伝わる振動が、ヤシェロの熟した子宮を揺さぶり、堪らない快感を生み出していた。
反射的に腰を振り、もっともっとと愛撫をおねだりする。後ろへ突き出すように揺れた柔肉が、硬く押し上げられたズボン生地に突き当たる。
──ハジメの、おちんちん♥♥
むっちりした太股がぷるぷると震えた。
決してスマートではない、お前を性の対象として見ているというどす黒い意思表示。
どくん。
子作りのためのはらわたが熱っぽく、あの男性器を受け入れたいと願い始めていた。
一度は落ち着いた分泌液が、じわじわと股ぐらから滴り落ちる。
「俺は、ヤシェロが好きだ。君の心も、仕草も、表情も、声も、躰も──全部可愛いと思ってる」
少年の言葉はまるで、先ほどの告白の繰り返しだった。首を嫌々と横に振ると、山羊角がハジメの首にあたって止まる。
自分の一番大事な部分が、ハジメの血が巡る首筋と接している。
それでようやく、ハジメから逃れる気がなくなった。不思議だった。
こんなにも淫らで、はしたない姿を目にした上で、ハジメがそれを可愛いと言ってくれている。
夢みたいだった。
そういう恋情に基づいた思考と、どろどろと渦巻く性欲の昂ぶりが溶け合っていくのがわかった。
好きだから、この人に初めてを捧げたい──シたいから、肉欲に溺れて交わりたい。
今までヤシェロの中で対立してきた価値観と本能が、心地よい調和を奏でていた。
「ヤシェロが欲しい。全部、欲しい」
身をよじる。ハジメの腕の拘束が緩み、くるりと振り返ることができた。
上目遣いで彼の顔を見上げた。
彼のタレ目で優しそうな顔立ちが、理性と肉欲に狭間で揺れ動いている。こんなに必死な表情の彼をみるのは初めてだった。
そんな彼のことを、すごく可愛いと思った。
ハジメの瞳に映る自分は、どうしようもなく発情している。切れ長の目は
だから、もう、いい。
「責任を取ってくれるなら……どんなことをしても、いいですよ」
あらゆる意味でヤシェロの本心だった。
一泊の沈黙の後、ハジメがじっと、こちらの双眸をのぞき込んできた。
少女の黄金色を見つめる、真っ黒な瞳。固く結ばれた口元は、それだけ重い覚悟を秘めていた。
「──約束する」
ハジメの顔が近づいてくる。
目蓋を閉じようかと思ったが、その瞬間を見逃したくないと思った。
つん、と唇の先に何かが触れたと思ったときには、柔らかな接吻が唇を覆っていて。
「ん……ふぅ……ふぅう♥」
ファーストキスだった。
ヤシェロの赤い唇とハジメの唇が互いに触れあう。こんなにもわずかな面積の触れ合いなのに、脳味噌が痺れてしまいそうだ。
うっとりと眼を細めたころ、ハジメの唇が離れていった。
ほんの二、三秒の間、浅い接吻を交わしただけで、ヤシェロの中でタガが外れていた。
「もっと……しましょう?」
ちょうど真横に、一人で眠るには大きすぎるベッドがあった。
もう、言葉は要らなかった。
◆
ハジメはあっというまに服を脱いで、床に放ってしまった。シャワーを浴びる暇も惜しいのか、少し汗のにおいがする肌。
服の上からはわからなかったが、しっかりと筋肉がついている。骨格はがっちりしていて、あちこちが角張った男の子の体つき。
おそらく肉体年齢はヤシェロと同じか、少し下ぐらいのはずなのに印象はまったく異なっている。
ヤシェロとて筋肉質な肢体の持ち主だが、そういう個人差を超えた肉体設計の違い。
二人は電脳化や肉体改造によって、生まれながらの性から解放された地球人類の末裔だ。
ヤシェロは言うに及ばす、ハジメもかなり高度な肉体改造を受けた改造人種である。
身体性からわかる性別など、消そうと思えば消してしまえた。
だというのに、ヤシェロの肉体はとびきり淫らに調整された女性体で、ハジメはあどけなさと共にえげつない男性体を持っているのである。
これから行う性交のためだけにあるような二人だった。
すっと眼を細め、少年の下半身を見やる。ほう、と熱い溜息が出た。
「ん……」
少女の目を釘付けにしているのは、ハジメの男性器である。
うっすらと生えた陰毛の合間から、急角度でそそり立った陰茎は張り詰め、ピンク色の亀頭を丸出しにしていた。
根本あたりには筋が浮き、びくんびくんと何度か震えている。
じわり、と先走りを垂らす亀頭もさることながら、ぶら下がっている陰嚢の存在感にも目を奪われた。
比較対象もわからぬまま、ただ、すごいと思った──艦内データベースから男性器の平均サイズを検索、目の前のそれと照らし合わせる。
平均よりも少し大きいが適性サイズの範囲内。
ならばきっと、無事、挿入できるはずだ。このときだけは、セックスのため設計された自分の躰に感謝した。
「綺麗だ」
膝立ちになっているハジメが、ヤシェロの腕を取った。思ったよりも逞しい体つきの彼に、わけもなく胸が高鳴った。
思えば、広すぎるベッドの上に、異性を上げたのはこれが初めてだった。
初めてのキスに、初めてベッドに上げる異性。
初めて尽くしだった。
──初めて、するんですよね。
そう思うと、背筋がゾクゾクする。
ハジメに導かれるまま、ベッドへ仰向けに寝転がる。
ヤシェロの裸身が、無造作に晒されていた。羞恥心も何もなく、少年の裸身を凝視していたことからもわかるとおり、少女は昂ぶりきっている。
その証拠に。
新雪のごとく白い肌はうっすらと桃色に染まり、小振りな双乳の上で乳首はぴんと尖っていた。
鉱物状の角は先ほどからずっと、交尾をねだる求愛の発光パターンを繰り返している。
なまじ発情し続けているせいで、かえって冷静に見えるが、余裕がないのはヤシェロも同じだった。
幸い、あの強烈なタトゥーもどきは浮かんでいない。
「やぁ♥」
ハジメの指が、やわやわと乳房を揉みしだいた。ヤシェロの細身の肢体によく似合う、小振りながらも自己主張する膨らみだった。
尖った乳房の突起をつまんだかと思えば、乳輪をなぞり、乳房全体を解きほぐすような愛撫。
血の巡りが目に見えて変わった。慎ましい胸の膨らみが、血流で熱を帯びる。
「ん、ふっ、ふぁあ♥」
もう一度、乳首に指が触れた瞬間、艶めかしい声がもれた。
こんなに胸は弱くなかったはずなのに、つうっと指がなぞるだけで、自制が効かなくなる。
思わず、もじもじと太股を擦り合わせた。ぬるっ、と熱くぬめる液体で内股が滑るのがわかった。
信じられないほど、ヤシェロの秘所は汁気が多く、簡単に愛液を垂れ流している。
「ハジメ……♥ もう、わたしが、んっ♥♥」
「こらえ性ないなァ」
そう言いながら、興味津々といった様子で、ハジメの躰がヤシェロの股ぐらへ入り込む。
むっちりと引き締まった太股が左右へと割り開かれ、秘所へ男を導いていた。
異性の体温と重量が、無防備な生殖器へとのしかかる実感に、お腹の奥がひどく疼いた。
──相手はハジメだから、怖くなんてないのに。
その感情の働きが、恐怖ではなく官能だと認めたくはなかった。
ヤシェロの自重とハジメの圧力で、大きなお尻がむにゅっと潰れている。
ハジメの目が、ヤシェロの女性器へ向けられる。こんなに恥ずかしいことがあるなんて、とヤシェロは呻いた。
「その、あんまり……」
少女の言葉も空しく、彼女の生殖器はその存在感を、濃密な性臭と共に放っていた。
充血しきって、ぱっくりと開いた陰唇は愛液で溢れかえり、その奥の膣穴を惜しげもなくハジメへ見せつけている。
自分でもろくに触れてこなかった性器は、ここ数日ですっかり様変わりしていた。
固く閉じられていた秘所は柔らかくほぐれ、陰唇は乙女らしくつるつるとしたまま、発情すれば雄を誘う肉花へ。
指すら入らぬ膣穴の奥深く、内側から作り変わった性感帯の感度はかつての比ではない。
「すごいな」
ぽつり、とハジメが呟く。
思い人の視線をたっぷり浴びるだけで、ヤシェロの秘所から放たれる熱とにおいが増していった。
熟した南国の果実のごとく、濃密で甘ったるい異臭。
おそらくは身体改変構造体の作用──汗に混じっていたのと同じ催淫物質だが、その香りは少女の汗よりもはるかに強い。
角人が俗に「香要らず」と呼ばれる
角人はこれと同じことを、おのれの肉体で実践していた。
今、ハジメの目が釘付けになっているのは、てらてらと愛液で光る粘膜の入り口付近、開いた
開口部を狭めるように存在する、ヤシェロの処女膜だった。
彼女のそれは、膣穴の上下にかかっており、膜と言うよりもブリッジを思わせる形状である。
正直なところヤシェロにしてみれば、そう特別な意味がある部分ではなかった。身体改造の産物である角人にとってはなおさらだ。
だが、ハジメが熱っぽく見つめていると意識すると駄目だった。
彼の吐息が粘膜にかかる度、得体の知れない多幸感がお腹の奥から湧いてくる。単純な性的刺激に溺れていたころとも違う、底なしの感覚。
ハジメの視界に映るものがわかるわけではない。しかし数日間、ヤシェロが経験してきた仮想現実での性行為の数々は、無意識にその影響を刻み込んでいる。
「これなら、もう、いいよな」
愛撫して解きほぐすまでもなく、準備万端だった。ハジメはヤシェロに目配せすると、痛いほど勃起した男性器へとコンドームを被せた。
半透明のゴム皮膜が、性フェロモンを浴びて興奮しっぱなしの陰茎を包み込む。
いつの間にか、ヤシェロの部屋へ置かれていた避妊具は、エルギダの置き土産だった。
彼女の予言通りにセックスしようとしている自分に対し、忸怩たる思いがないわけでもなかった。
だが、それ以上の悦びと期待で、ヤシェロの心臓は早鐘のごとく脈を刻んでいる。
「いれるよ」
「はい……ん、ふぅう」
返事は、鼻から抜けるような喘ぎに溶けた。
ぐちゅ、と水音。
分泌液の小川と化したヤシェロの秘所へ、亀頭が潜り込む。
ぬめぬめと愛液で濡れそぼったそこは、抵抗なくハジメの男根を受け入れていった──膣口はギリギリ、彼のペニスを受け入れられる程度に開発されている。
入り口に亀頭が達した時点で、ハジメの腰が一端止まった。
何かを躊躇うような挙動。
「どんなことを、しても、いいんです♥」
興奮しきったヤシェロの口をついて、本心からこぼれ落ちた言葉だった。
瞬間、振り切れたようにハジメが腰を突き出した。ヤシェロの白い太股を両手で掴みながら、陰茎をぐっと前進させる。
ぶりっ、と何かが千切れる感覚──粘膜の一部が傷つき、破断したのがわかった。
破瓜の傷み。ハジメの男根が、自分の処女を奪った証だった。
声がこぼれた。
「い゛っ♥ ひゃぅうん♥♥♥」
嬌声だった。
痛みが脳を占拠したのは刹那の出来事──すぐさま、苦痛が快楽へ置き換わっていた。
痛いのが、気持ちいい。あまりにも変態的な実感を前に、ヤシェロは恥ずかしいと思ってしまった。
その羞恥心に反応して、かっと火が出るように躰が熱くなる。
あとはもう、絵に描いたような
破瓜から五分も経たぬうちに、ヤシェロはよがり声を上げていた。
「あ、あっ ひゃぁ、くぅん♥♥ い、あああぁぁぁああ♥♥♥」
ずりずりと亀頭が、肉竿が膣穴を押し広げる。その度に、ぷしゅりと愛液が染み出て止まらなかった。
ゆっくりした前後運動があったかと思えば、体重を乗せて腰の奥まで抉るような一突き。
重たい一撃を浴びて、ヤシェロの子宮がぶるぶると熱を吐き出す。のしかかられ、男とベッドにサンドイッチされた巨尻が痙攣する。
普通の初体験なら、痛みしか感じないはずだった。
けれど彼女の躰はとびきり淫らな悦びだけを、頭が馬鹿になってしまいそうな刺激だけを伝えてくる。
一度、境界を越えた少年には遠慮というものがなかった。それどころか一種の征服欲を刺激され、ハジメの動きには遠慮がなくなっていた。
別段、彼が乱暴なのではない。目の前の少女が悦ぶ動きをしていけば、自然とそうなってしまうのだ。
「やぁ、ハジメ、これぇ♥♥ 駄目です、だめにぃいん♥♥♥」
ハジメの両手が、シーツを掴もうとしていたヤシェロの両手を握った。
いわゆる恋人繋ぎ、指を絡め合う二人の手。
「ヤシェロ、もう気持ちよくなってるんだな」
傷ついた血の赤が、あふれ出す愛液で洗い流されていく。
互いの結合部はびっしょりと少女の蜜で濡れ、むせかえるような性臭がハジメの陰毛にこびりついていた。
ヤシェロの肉穴は、先ほどまで清らかな乙女だったとは思えぬ奉仕に満ちていた。
美味しい美味しいと男根をほおばり、熱くうねる粘膜。
夢の中、仮想現実の中でそうしたように。下品に、淫猥に、男性器へ媚びる搾精器官だ。
破瓜の傷みを押し流す、雌肉の悦びがあった。
「ふぅ、んぅう……♥」
喘ぎ声が抑えきれなかった。口元を押さえようにも、両手はハジメの指と絡み合っていて自由にならない。
ヤシェロの口の端には、隠しきれない喜悦の微笑み。
どんなに恋をして、告白しあって、互いの愛を情熱的に確かめ合おうと──少女の躰は、性感と肉欲の詰まった
セックスのため生まれ落ちたヤシェロの肉身は、取り返しがつかないほど変わり果ててしまった。
その残酷な実感に目の前が真っ暗になった。けれど、その絶望すら子宮を疼かせる熱へ変わっていく。
こんなにも意に反する、娼婦よりもなお娼婦らしい躰で、恋人と愛し合う倒錯。
それが背徳感という感情なのだと、
ヤシェロの赤い舌が、ちろりと唇を舐める。
──恥ずかしいのは気持ちいい。
──悔しいのは気持ちいい。
──痛いのは気持ちいい。
──当たり前の……はずです♥
一般常識としての虚偽であり、ヤシェロにとっての真実。
自身の嗜好の異常性を知っていながら、理性を欺く後ろめたさすら好きだった。
とろん、と目が泳ぐ。もう自分の口から、どんないやらしい声が出ているのかわからない。
ヤシェロは股間で繋がりあっている少年を見た。
わざわざ正気のヤシェロへ告白するためだけに、誘惑を一度は断った男の子。
律儀だと思った。
そんなところが愛おしいハジメが、今や、ヤシェロへの気遣いも忘れて、腰を叩き付けていた。
ぎらぎらと獣欲で輝く眼が、遠慮なく少女の肢体をなめ回している。いきり立った男根が、膣壁を割り開いて自分だけの穴にしようと躍起になっている。
どすん、と一際強く陰茎が抉り込まれる。息ができなくなりそうな衝撃に、ヤシェロは四度目の絶頂を迎えた。
「~~~~~ッ♥ ひひゃぁぁああああんっ!!」
むっちりした太股がハジメの腰を挟み込み、その背中で両足が交差する。
下半身全体でハジメに抱きつくと、彼の体の動きが皮膚越しにすぐわかった。
そのわずかな挙動を感じ取った。
「あっ♥ あぁ……ハジメ♥♥ しゃせー、しそうなんですね……んっ♥」
誰かに指導されるまでもなく、どうすればいいかわかった。
ヤシェロの躰に無意識下で刻み込まれた、性感の開発と性技の刷り込み。
「うわっ、ヤシェロ、それ、出ちゃ……くぅ」
きゅっと膣穴を締め上げる。肉棒を満遍なく圧迫し、亀頭をしゃぶるようにしごく。
淫蕩な微笑みを浮かべる顔──ヤシェロは慈愛にも似た感情と共に、ペニスを最高の射精感へと導いていた。
ぶるっ、と少年の腰が震える。
射精の前兆だった。雄を満足させた悦びに浸っていると、ハジメの手がヤシェロの頭部へと伸びた。
耳のすぐ上を通り過ぎ、彼の指先が二本の山羊角に触れて。
火がつくような羞恥と混乱と、それ以上のよろこびが弾けた。
「やあ、つのっ♥♥♥ 角はだめぇえ♥♥♥♥」
夫婦でもなければ、まず触れあったりはしない大切な場所。
そこを愛撫するように握られ、ヤシェロは何も考えられなくなった。
限りのない愛おしさがこみ上げてくる中、膣壁の中で何かが膨らんでいくのがわかった。
ハジメの腰の動きが止まっている。びゅくびゅくと吐き出される精液が、ヤシェロの肉穴の中でコンドームを膨らませているのだ。
どれほどの快楽を味わっているのか、ハジメは歯を食いしばりながら、ヤシェロの上へ倒れ込んできた。
乳房が男の胸板で押し潰され、ぴりぴりと心地よい刺激が頭に繋がる。彼の雄臭い汗と、自分の甘ったるい性フェロモンが混ざり合う錯覚。
ハジメの重さと、ゴム越しの熱い迸りに酔いしれた。
「……っ」
「あぁ……ん♥」
ハジメが体を起こし、ヤシェロの白い美脚をほどいた。ゆっくりと腰を引き、愛液塗れの逸物を引き抜いていく。
ぬちっ、と音を立てて、愛液の糸を引きながら。
先端を液溜まりでこんもりと膨らませた、ゴムの皮膜越しの男性器。
射精したにもかかわらず、ハジメのそこは未だに元気だった。亀頭から取り外された使用済みコンドームが、ヤシェロの躰の脇へ捨て置かれる。
それを視界に収めながらも、ヤシェロの惚けた頭をよぎるのは、情熱的な倒錯だけ。
二個目のコンドームを使っていいかと訪ねた少年に対し、彼女は、淫蕩な笑みでこう答えた。
「わたし……ハジメの雌山羊にされちゃいました……♥♥♥」
うっとりと呟くヤシェロは、忘我の極みにあった。
おのれの変態性癖と恋情の混ざり合った、ひどく倒錯的な愛の言葉。
当然のことながら、すぐに二回戦となった。
「あっ、やぁ、動物みたいに、んぁあ♥」
ヤシェロは背後から、獣のように腰を打ち付けられていた。
ちょうど四足歩行の哺乳類の交尾よろしく、四つん這いになった少女の尻に男の腰が叩き付けられる。
これ見よがしに揺れる大きなお尻。鋭くくびれた腰つきとのギャップで、目眩がするような色香を発する雌の象徴。
巨尻が高々と掲げられ、ハジメの腰を受け止めている。ずんずんと陰茎を叩き付けられる度、ぶるぶると震える豊満な尻肉。
否定的な言葉と裏腹に、ヤシェロの嬌声は止まることを知らなかった。
「ひあ♥ や、あ、んぅう、ほぉお!」
ぱちゅぱちゅと音を立て、尻肉と腰がぶつかり合った。
ヤシェロが止めようと思っても、勝手に腰が動いてしまう。もっと深くペニスを味わおうとうごめき、左右に、上下にハジメの陰茎をしゃぶり続ける尻まんじゅう。
へこへこと腰を振るヤシェロの顔は、だらしなく蕩けきっており、頬には何度も流れ落ちた涙のあと。
肉欲を満たされ、性感帯をごしごしと擦られるよろこびの涙。
ぷしぷしと吹き出る愛液は、粘度こそ低いものの濃密な性臭をまき散らしている。
薄いゴム皮膜の外装には、ヤシェロの愛液がべっとりと付着していた。
「ヤシェロが、こんなにいやらしいだなんて意外だな」
「ご、ごめんなさ、ひゃぅっ♥♥ や、おっく♥ やぁぁあ♥♥」
ちょうど、"すりこぎ"を回すように円を描き、ぐりぐりと媚肉を抉る剛直。
その緩急をつけた性器と性器の擦り合いに対し、ヤシェロの膣壁はあまりにも敏感すぎた。
自身の発した「雌山羊」という言葉に縛られ、羞恥心と性感の循環に落ち込んでしまったせいでもある。
「それで、さっきの続き。角人って、避妊具がなくても妊娠しないってどういうこと?」
ヤシェロは今、角人の排卵と受胎の仕組みについて、口頭で説明させられていた。
そのくせハジメの腰使いに容赦はなく、舌はもつれ、甘い声が説明に混じるのも珍しくなかった。
「はいぃ♥ 任意のタイミングでぇっ、らんしっ♥ 熟させて排卵させてっ♥♥ すきなときにぃ、妊娠できまひゅっ♥♥♥」
「……じゃあ、避妊具なしでも大丈夫なんじゃないの?」
ハジメの素朴な疑問に対し、ヤシェロの頭は真っ白になった。
自分でもどうかしていると思える、肉欲と倒錯した性癖が恐ろしかったからだ。
しかし取り繕うことはできなかった。ずこずこと背後から肉穴を抉られ、そんな余裕は吹き飛んでしまったからだ。
「わたひっ、気持ちよくってぇ♥♥ じせいしんっ、なくしちゃ、ひゃん♥♥♥」
唾液をだらだらとこぼし、うなじに黒髪を貼り付けながら本音を叫んだ。
「後先考えずに子供作れる躰になっちゃうのか。ヤシェロ、気をつけなよ」
呆れたような声音の中にも、隠しきれない興奮があった。
ハジメに蔑まれる。ハジメに淫乱だと思われる。ハジメに──
「でも俺、そういうところも好きだ」
──好きって言われました♥♥♥
思い切り尻を揺さぶって、どろどろに溶けてしまいそうな喜悦を解放する。
びくびくと腰が痙攣し、白濁した濃い愛液がとろりと染み出す。
「っくぅ……駄目だって。避妊具つけてるから」
「~~~~っ♥ んっ、ちがっ、わたひぃ♥ ふぁああ♥♥♥」
動物のように枕へしがみつき、大きなお尻をぎゅっとハジメの腰に押しつけて。
ふりふりと勝手に彼の腰使いに追従する、淫らな肉の生み出す快楽に溺れながら、必死にハジメへの愛を口にする。
「すきっ、なんです♥ ハジメの……それ、でぇ♥ 繋がるの、がぁ」
本人がどういうつもりだろうと、最早、性欲の強さを示すだけの言葉だった。
「──恥ずかしいのも好きなんだ?」
不思議そうな声音で、核心を突かれた。
ヤシェロの変態性癖は、初めてセックスをするハジメにも一目瞭然だった。
思い人に後ろ暗い性癖を知られてしまった背徳感に、背筋がゾクゾクと震える。
少女の膣がきゅっと締まり、一際強く陰茎へ絡みついた。
「っ……! 今ので、興奮したの?」
「は、はしたなくて……いやらしい、雌山羊でごめんなさい♥」
そう謝りながらも、倒錯した悦びは引いてくれない。
悩ましく揺れる尻肉を、ハジメが懲らしめたくなったのも無理はなかった。
子宮の奥をどすん、と小突かれた刹那、何もかも吹き飛んだ。
意識も理性もヤシェロの脳裏から消え去り、ただ、断末魔のようなよがり声が迸った。
「~~~~~~~っぁ♥♥♥ ひあぁぁああああああぁ♥♥♥♥」
目を覚ますと、ちょうど、膣口からハジメのペニスが引き抜かれたところだった。
「ん……ぁ」
ゆっくり尻を揺すって、自分が起きたことを彼に知らせる。
おそらく時間にして一分ほど、意識が飛んでいた。
ベッドに突っ伏して、肩で息をする。ヤシェロは淫蕩すぎる体に比して経験が足りず、体力のペース配分ができなかった。
はぁはぁと呼吸を落ち着かせると、ベッドのそばに置いてある水差しから水を飲んだ。先ほどから、おびただしい量の体液を垂れ流しにしたからだ。
部屋中に満ちた熱気と湿気には、二人の性臭がたっぷり混じっていた。当然、その多くはヤシェロの汗と愛液に由来している。
水を飲み終えて、ハジメの方を振り向いた。
目の前に、異臭を放つ熱の塊がある。
精液が詰まって、こんもりと膨らんだコンドームから目が離せなくなった。
ずるっ、と男根から外される使用済みコンドーム。
「ヤシェロ、大丈夫なのか」
ハジメの声がした。表情にまで意識が向かない。はちきれそうなほど逞しい、ペニスのにおいと熱気がすべてだった。
コンドームの内側で、精液につけ込まれた亀頭の放つ青臭いにおい。
──これに、わたしのにおいをつけたい♥
独りでに腰がうごめき、ふりふりと尻を揺すっていた。生白い雌の巨尻が、ハジメへ次の性交をねだっている。
その様子を見て、少年は溜息をついた。そして有無を言わさぬ口調で、こう"命じる"。
「これ、つけてくれないか」
三つ目のコンドームを取り出し、ヤシェロの、白魚のような指へ握らせる。
これからお前の肉体をもっと貪る、という力強い意思表示。それに応えるように、ヤシェロの角が明滅する──歓喜の色。
眼を細めた少女のかんばせに浮かぶのは、蕩けるような笑顔だった。
「はい♥」
ハジメが目を覚ましたときには、翌日の朝になっていた。夕飯も食べずに、半日以上、セックスだけをしていたことになる。
周囲を見渡す。
ヤシェロの部屋。大きなベッドの上で、裸になって眠りこける少女──やはり全裸の自分。
股間は乾いた愛液でべとべとしている。
シーツの上には、こんもりと白濁液で膨らみ、外側には愛液で濡れた使用済みコンドーム。
ハジメのペニスで引き延ばされたゴム製避妊具の数は、両手の指でようやく数えきれるほど。
一ダース入ったパッケージの大半を、半日で使い切ってしまった。
ちらり、とおのれの真横へ目を向けた。水差しの水を飲み干してしまうほど、絶えず汗を、愛液を垂れ流した恋人──ヤシェロがいた。
息をするだけで、むせかえるような性臭の源だ。普通、分泌液が乾けば酸っぱいようなにおいになるものだが、ヤシェロのそれは性フェロモンのおかげで、どこまでも甘ったるい。
事後の香りだというのに、嗅いでいるだけでまた勃起しそうになるほど強烈だった。
何よりも、目に毒なのは。
むちむちとした、色白の巨尻がハジメの方を向き、時折、悩ましく揺れている。
恐ろしいことに、意識もないのにハジメへ媚びを売っているのだ。
それだけのことを、彼はヤシェロへしてきたのである。完全に屈服しろと言わんばかりに、少女の後ろ暗い性癖を突いて。
まず最初の一回で理性が吹っ飛んでいたのは間違いない。
「…………やりすぎた」
ハジメは頭を抱えた。
その脇で、ヤシェロは幸せそうに眠りこけている。
何度も愛撫された山羊角が、少年への愛情を示すようにわずかに瞬いていた。