未来に転生!? 人類のためにセックスします!━スワンプマンは過去の性交に思いを馳せるか?━ 作:紫 和春
ジュリアは門原のそばに行き、そこで仁王立ちする。
「なに、難しい話じゃない。今のお前なら簡単な仕事だ」
その言葉に、門原は最悪の想像をする。
このまま八つ裂きにされる。体中に焼き印を入れられる。火あぶり、毒殺、針のむしろにされる、等々……。
「し、死ぬのは勘弁してくれ……」
「そんなんじゃねぇよ。お前にやってもらうのはな……」
すると、ジュリアは急に気まずい雰囲気を醸し出す。手は下の方で宙を縫っており、モジモジとし出したのだ。
その姿を見た門原は、何か変なことをされる予感を感じ取った。
「そのぉ……、お、俺とだな……」
「だ、大統領と……?」
「おおおお俺と……その……」
そこまで口に出したところで、隣に黒いスーツの男性が立つ。
「大統領閣下は
「ちょっ……!」
「……うん?」
ジュリアが顔を真っ赤にしている横で、門原はうまく状況を理解できていなかった。
「俺が……大統領と……セックス?」
「その通りです」
「えぇと……、なぜ?」
とりあえず疑問をぶつける門原。
「門原さんの様子は、馬場や研究所、ハッキングしたスマホのカメラなどで、大統領が直接監視していました」
「今とんでもない発言なかった?」
「そうしているうちに、大統領はこれまでの人生で感じたことのない感情の変化があることに気が付きました。それが恋であることを理解するのに、長い時間はかかりませんでした」
「えっ? 会ったこともない人の恋模様を聞かされてるの?」
「だぁぁぁ! そこまで言わなくていいだろ! もう下がれ!」
「はっ」
ジュリアに命令され、第二秘書は大人しく下がる。
ジュリアは顔を赤くし、いわゆるジト目で門原のことを見る。
「……何だよ。笑えばいいだろ」
「あぁ、いや……。そういえば36世紀では男性に出会うのは困難なのを鑑みれば、普通の反応だなぁって思っただけで……」
「……笑わないのか?」
「まぁ。俺も似たような経験してないわけじゃないからな……」
「そ、それじゃあ……」
ジュリアの顔がパァッと明るくなった時、バンと扉が開く音がした。
「やっぱり、ここに連行されてたのね」
「馬場さん……!」
門原を召喚した張本人、馬場の姿があった。
「馬場ちゃん……!」
「青久保、個人的衝動による職権乱用と私兵動員は独裁の始まりって理解してないのね」
「いや! ちゃんと分かってる! 分かってるんだけど、大統領命令のほうが楽だし……」
「そういうところが駄目なのよ」
「うぐっ……」
馬場は門原のそばまで来て、門原を見下ろす。
「どう? 今の気分は?」
「なんか、一周回って冷静になってきました」
「そう、それはいいことね」
馬場は視線を男性たちに向ける。
「そろそろ彼を解放してもいいでしょう?」
「暴れなければ、それで十分です」
そういって、先ほど登場した第二秘書が鍵を持って門原に接近する。
そして門原に繋がれていた鎖が外され、門原は解き放たれた。それと一緒に、エミも解放される。
一方でジュリアは、いまだにモジモジとしていた。
「それで、本当にセックスするの?」
「そっ、それは……」
ジュリアはかなり悩んでいる。
「門原君はどうなの? 彼女とセックスしたい?」
「そうですね……。そんなに負担になるようなセックスじゃなければ、相手になってもいいですけど」
その言葉を聞いたジュリアが、カッと目を見開く。
「そ、それじゃあ……、お願いしようかな」
おずおずとジュリアが申し出てくる。
「だそうよ、門原君。一つアドバイスするなら、彼女も男性経験が一度もない正真正銘の処女よ。肉体再生前も経験ないから、優しくお願いね」
「ちょっ! 馬場ちゃん!? それ言わないでくれよ!」
ジュリアは恥ずかしそうに馬場に文句を言う。
だがそんなことを横目に、私兵の男性たちは部屋から移動していく。その中にはエミもいた。
「では大統領、こちらの部屋へ」
「お、おう……」
ジュリアが部屋を出ていくのと同時に、男性がバスローブを持って門原に近づく。
「こちらにお着替えください」
「あっ、どうも……」
「これからセックス部屋に案内しますので、どうぞこちらへ。監視も何もついていない、完全なプライベート空間ですので」
「それは……、ご丁寧にどうも……」
そういって門原は謎の部屋を脱出し、大統領であるジュリアとのセックスに挑む。