未来に転生!? 人類のためにセックスします!━スワンプマンは過去の性交に思いを馳せるか?━ 作:紫 和春
「ごちそうさまでした」
スーパーで買い物をし、そのまま帰ってきた二人。この日の夕食は、白飯と買ってきた総菜というかなり簡単なメニューであった。
『お風呂が沸きました』
「ちょうどお風呂も沸きましたし、入ってきていいですよ」
「いや、食器洗い手伝うよ」
「大丈夫です。食洗機がありますので」
そういってエミは、二人分の食器を持ってキッチンに置かれている小型の食洗機へ入れる。
「そう……。じゃ、お言葉に甘えて風呂入ってくる……」
「はーい」
門原は脱衣所にあるカゴに、今日着ていた服を入れる。パンツは別の小さなカゴに入れた。これはエミと決めた、この家での生活ルールの一つである。
そのまま門原はタオルを持って、風呂場へと入る。
そして洗い場にある椅子に座って、大きく息を吐いた。
「はぁー……。ずっと緊張してるなぁ……」
門原は年の近い女性と一つ屋根の下で生活することに慣れていない。それにその女性は自分の秘書兼メイドなのだ。かなり特殊な環境でなければ、この状況に困惑するのも無理はない。
「こんな状況になっても、腹は減るし眠くなるし……。性欲もいつも通りあるし……」
そんなことをブツブツと呟きつつ、シャンプーで頭を洗う。男性用のシャンプーがなかったので、主に子供が使う肌に優しいタイプのシャンプーを使うことになった。
すると、背後にある浴室の扉が開く音がする。
「健治さん、背中流しますね」
エミの声だ。
「あぁ、ありが……」
その瞬間、門原は思考をフル回転させる。
(この状況、おそらくメイドとして俺のことを献身的にサポートするつもりで行動に移しているのだろう。そしておそらく濡れてもいい服装で臨んでいるはず。ここで出す一手は……!)
「……いや、自分で流せるので大丈夫」
そういって断りを入れる。
(これで引き下がってくれれば……)
だが、エミが下がる様子はなく、代わりに背中に温かく柔らかい感触が二つ当たる。
「んっ……!?」
そのまま脇の下からエミの腕が回ってきて、門原のことを後ろから抱きしめるような形になる。
「健治さん……」
その声は、今日一日で聞いた中で一番艶っぽく聞こえた。
「ちょちょちょ……、ちょっと待って……」
目をつぶって髪を洗っているため、門原はどういう状況なのかよく分かっていないが、とにかくエミが何故か発情しているような状態であることは理解できた。
「あの、南条さん……?」
「大丈夫です。ちゃんとお世話しますから……」
「ちょっ、話は聞くから、その前に泡流させて……」
髪についていた泡を流し、エミは門原の体を洗う。端から見れば、性風俗店でサービスを受けているようだ。
両手で背中を優しく撫でるようにボディーソープの泡を広げていく。その触り方には何かいやらしさのようなものも含まれていた。
そして浴室は、二人の呼吸音以外の音がなく、非常に静かで異質な状態になっている。
(これ、何か話したほうがいいのか……?)
モンモンと考えている門原。
するとエミが体を密着させてくる。彼女のたわわに実った胸が、門原の背中に吸いつくようだった。
一瞬ビックリする門原を置いてけぼりにして、エミはおっぱいで門原の背中を洗っていく。
「あ、あのー、南条さん……?」
なんとなくいたたまれなくなった門原が声をかける。
「はい……?」
第一印象で感じた元気っ娘のイメージはすでになく、そこには半分発情した女性の姿があった。元気な声は、今やトロンという擬音語が似合う艶然とした声に変わっている。
「このシチュエーションは一体……」
「その……、健治さんも過去の世界では女性との交流がなかったって言ってましたよね。それで……、すごい個人的な話というか、欲望なのですが……」
「……うん」
「私、健治さんの一番の女になりたいんです……」
衝撃の告白である。いや、前後の話の文脈がつながっていない。
とにかく、門原はエミの独白を黙って聞くことにした。
「私たち、生まれた時代は違うかもしれないですけど、境遇が似ているなって思ったんです。それに私、ごく普通の人だから、一生男性と関わることなんてないんだろうなぁって考えてました。でもこうして、秘書兼メイドとしてですけど、健治さんと一緒に暮らすことができてすごい嬉しいんです」
そこまで聞いた門原は、あることに気が付く。
(これ、根暗陰キャの男子がクラスの人気者の女子に話しかけられたり良くしてもらったことを自分に気があると勘違いするアレの男女逆バージョンなのでは?)
門原にも心当たりがある。男というのは、往々にして女に振り回されることに運命を感じる生き物である。[諸説あり]
とにかく、門原は「エミは勘違いをしている」と考えたのだ。
ならばやることは一つ。訂正だ。
「南条さん、その感情はね……」
そこまで言いかけた時、門原はイチモツに刺激を感じる。
バッと下を見てみると、エミの両手が門原のチンポを握っていたのだ。
ボディーソープをローション代わりにして、エミはシコシコとチンポを扱く。
「なっ南条さん!?」
「健治さん……。私、駄目な秘書ですけど、好きになってもいいですか……?」
背中から聞こえてくる切実な声。それを無下にすることはできなかった。
門原はほんの数秒ほど悩みに悩んだ結果、エミの手を取り振り返る。
「南条さんのその気持ちはすごい嬉しい。俺だって、無関係なのに優しくされたら好きになるかもしれない」
「……! じゃあ……」
「でも。でもだよ? 俺が悪い男で、南条さんのことを利用しようと考えてる可能性だってある。もしそうだったら嫌でしょ?」
「それは……」
「だから、今すぐ答えを出すことはできない」
その言葉に、エミは目を伏せる。門原はなんとか説得できたと一安心した。
しかし、それで終わらなかった。
「でも……、健治さんは悪い人じゃないでしょう?」
エミはうるうるとした上目遣いで門原のことを見る。その姿に、門原は思わず胸がときめいた。
「いや、うーん……。確かに悪い人間は、自分のことを悪いとは言わないけど……」
「お願いします、健治さん。私のこの嬉しいという気持ちを受け取ってください」
そこにいるのは秘書やメイドではなく、一人の男に惚れた一人の女性の姿だった。
「俺のことを好いてくれてるのは嬉しいんだけど……。その……、お返しできるものは何もないし……」
「それだったら、欲しいものがあるんです。私、健治さんとの赤ちゃんが欲しいです」
「ん゙っ……!?」
むせそうになる門原。その言葉はあることを指している。
「それって……」
「私と、セックスしてください」