機動戦士Gundam GQuuuuuuX 自由の奴隷 After Stories 作:スペースデブリ
久しぶりの自分の部屋。イズマ来た時に契約してしばらく使っていたが──以降はゼネラル・リソースの部屋に籠りきりだったからな……ほとんど使っていなかった。
今となってはアマテやニャアンちゃんが住んでいるということもあって、かなり生活感がある部屋になっている。
それはいい。だが……なんだ? この状況は。
俺の身体にはアマテが抱きつき、テーブルに乗せられた料理がニャアンちゃんによって口に運ばれていく。
「ど……どうですか?」
「美味しいでしょ? ニャアン、滅茶苦茶料理の腕上がってるんだよ?」
「うん……美味しいよ……かなり」
ニャアンちゃんは嬉しそうに笑顔だが、なぜ料理を作っていないアマテが自慢気に笑っている……?
再会してから色々と大変ではあったが、この二人の変化は正直驚いている。
アマテは髪の色がすっかり抜け落ちて鮮やかな赤色から黒髪へと様変わりし、長さも肩につくほど伸びている。
逆にニャアンちゃんは髪を短く切りそろえて、全く別の印象を受ける。 二人が並んでいたら姉妹と思われるかもな……
「その……色々と迷惑をかけたね……ニャアンちゃん」
「いえ! その……私も、お兄……っ……フブキさんに、また会えて嬉しいというか……」
言いかけて、飲み込む。
その瞬間だけ、ニャアンちゃんの目が少しだけ揺れた。
──兄……か。
いつだったか呼ばれ始めたが、正直言って気にしたことはなかった。孤児院では名前で呼ばれることのほうが少なかったし、むしろあの呼び方のほうがなじみがあるというか……
食事に舌鼓をうちながら思い耽っていると、腕の中のアマテがわざとらしく体重を預けてくる。
怒っているな……わかる。
「お〜い、私には何もないのかな〜? 私を置いて勝手に消えたお馬鹿さんは」
上目遣いで睨むその瞳からは、怒りと悲しみの感情が見える。
──この世界をありのままにするためには必要なことだった。しかし、どんな綺麗事だお題目を掲げようと……結果として俺が彼女を傷つけてしまった事実は変わらない。
「……すまん」
俺はそれだけ言って、アマテの背中に手を回した。強く、強く……。相変わらず細い体だ。このまま抱き潰してしまいそうに感じてしまう。
「……ばか」
胸に押し付けられてくぐもった声は、小さく俺を罵倒する声。
ああ……この小さな背中が愛おしく感じる。
そんな俺たちを見たニャアンちゃんは、空になった皿を持ちながら立ち上がる。
「私、コモリさんたちに報告してきます。少し時間がかかるかもしれませんから、その……」
彼女は一歩近づき、俺の耳元で小さくつぶやいた。
「……マチュのことお願いします……ほんとに、ほんとにマチュは頑張りましたから……」
「……ああ」
頷くしかなかった。
ニャアンちゃんが部屋を出て、扉が閉まる。テレビの音だけが、妙に生々しく部屋に響く。
「アマテ……」
返事はない……腕の中の身体が微かに震えている。
……痛い……胸が。どうしようもなくズキズキと痛む。
また俺が傷つけた……自分勝手なエゴで……。ああ……"2人"に怒られたばっかりだったんだがな……
「ねぇ……フブキ」
「……なんだ?」
「わたしさ……フブキが居なくなって……もうどうでも良くなったの。世界とか、周りとか……自分自身も……」
アマテの声は感情が抜け落ち、こちらを見る瞳は光のない虚無があった。
そんなアマテの指が、俺の服をきつく掴んだ。爪が食い込むほどに。
「……ねぇ」
「……」
「わたし、怖いんだよ。幸せになって……また消えちゃうのが……」
「……それは」
「わかる? 目の前で愛した人が消えた気持ち。──何度死のうって考えたか」
アマテと別れた後……キラキラとした空間で背中を押されたのを朧げだが覚えている。
『バカ!! 自分と同じような思いを……あの子にさせるなよっ!!』
『そっちに行ったらダメだよ! あの子を置いて行ったらダメっ!』
そうだな……それが答えなら……断ち切って見せるさ。
「なぁ、アマテ。聞いてほしいことがあるんだ」
「なに?」
「お前の人生を……くれないか?」
「──え?」
アマテは、ようやく顔を上げた。
顔がジワジワと赤くなって、とても驚いた様子だ。
でも、多分俺の顔も赤くなっているだろう。こんなにも顔に熱があるのは初めてだから。
「……ほんとに?」
「ほんとに」
「嘘……じゃないよね?」
アマテの声が細くなる。信じられないか……当然だ、いきなりだもんな。
「アマテの人生を半分もらう代わりに、俺のも半分やる。だから──」
ちゅっ……ちゅくっ……ぷぁ……
舌を絡ませて優しく口づけを交わし、トロトロの顔になったアマテを見る。
覚悟を見せろ、フブキ・アルジェント──
「これからの未来を、俺はお前と一緒に生きたい。だからお前の名前──ユズリハを俺にくれないか?」
アマテは、ポロポロと泣きながら小さく頷いた。
「っ……うん」
「……っ……想像以上に……恥ずかしいなこれは……」
俺は手で口を隠しながら、アマテから顔を背ける。──まずい、顔がどんどんと熱くなる。こちらを見ているアマテに顔を合わせられない……
「……ねぇ……フブキ」
「うん?」
「……好きって、言って?」
そう言った彼女の顔は赤く妖艶で、正直グラついてしまう。
辛うじて残っている理性でなんとか情欲を抑える。これでも成長したろ?
「どうした、いきなり……」
しかし、アマテの瞳はウルウルと揺れ、今にも崩壊しそうなほどになっていた。最後の時と同じ瞳だ──
動揺してしまう。俺のせいとはいえ、彼女の泣く姿は見たくない。
「キラキラの世界でしか……フブキから言ってもらってない……だから……っ!」
そうか……確かに戻ってきてから面と向かって彼女に対して言ったことはなかったか……不安にさせてしまったか……だが、悪いが俺だってもうお前を手放す気はないんだ。だから──
「愛してる、アマテ」
「もっかい……」
「愛してる、誰よりも」
「……ズル……っ」
アマテは笑いながら涙を流す。どうにかして彼女の涙を止めたくてキスをしたり抱きしめているが、涙が引っ込む代わりにいやらしい匂いが部屋に立ち込んでしまう。
彼女の体を抱き寄せ、唇を重ねる。さっきのキスより深く、舌を絡めながら。
「んっ……っあん……♡」
彼女の吐息が甘く漏れ、俺の首に腕が回され、体温が上がっていくのがわかる。
「ふっ……♡ フブキ、もっと……♡」
アマテの声が震え、彼女の手が俺のシャツを握りしめる。一年前の彼女はまだ焦っていて、なし崩しというような感じだった。でも今は違う。体も、心も、俺を受け入れる準備ができている。俺は彼女の腰を引き寄せる。
「アマテ……愛してる……お前の全てが欲しい」
「うん……いいよ……私もあなたの全てがほしい」
彼女のスカートをまくり上げ、柔らかな肌に触れる。
彼女の体がびくんと反応する。ゆっくりと、指を滑らせていく。湿った感触が、俺をさらに興奮させる。
「やっ……♡ フブキ、そこ…っ…気持ちいい……♡」
一年という歳月が経ってもなお彼女は俺を想い、待ち続けてくれた。俺だってもう限界だ。彼女の瞳を見つめながら、ゆっくりと体を重ねる。
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『……!』
『……♡』
「ど、どうしよう……っ!」
私はこれまでにないほどの羞恥心に襲われている。マチュやお兄ちゃんには2人きりの時間が必要だと思って、部屋から出たのに……まさか……始めるなんて……っ。
扉の隙間からは、聞いたこともないようなマチュの声が聞こえてくる。
『んぁっ♡まってぇ♡ あんっ♡』
マチュがお兄ちゃんに胸を揉まれながらキスをして、聞いたこともないような淫らな声で叫んでいる。
「はぁっ……はぁっ……」
私の手は無意識のうちに自身の下着へと伸びていく。マチュとお兄ちゃんの淫らな行為を覗き見て自慰行為だなんて……っ。
ダメだとわかっていても、扉の隙間から二人を覗き見てしまう。
すりっ……すりっ……くちっ……
「はぁっ……はぁっ……づぁっ……!」
ビクッと体が震える。布越しに私の秘所が濡れているのがわかる。
「なに……っこれっ……くぅっ!」
ぐちゅ……ぐちゅっ
一心不乱に自分を慰め、気づけば床には小さな水溜りが広がっている。
『ああっ♡イクッ♡イっちゃう♡ フブキぃ……っ♡』
「はぁ……マ、マチュ気持ちよさそう……♡」
ビクンッと、扉の向こうのマチュが震えると、お兄ちゃんの体にしなだれかかる。
股から抜かれたお兄ちゃんのおちんちんは、マチュのエッチな液でベタベタだ。マチュも股から白く粘ついた液体がドロっと溢れ出ている。
『……! ふふっ♡』
今っ……目が……マチュと目が合ったような……っ
マチュはお兄ちゃんから離れると再び挿入して喘ぎ出す。
「はっ……♡ はぁっ♡ ダメっ……マチュ、壊れちゃうよ……? 凄い……っあんなに……♡」
私の体がびくびくと震え、秘所から蜜が溢れ出る。ぐちゅぐちゅという音が部屋に響き、2人の乱れた姿に視線を奪われる。恥ずかしいのに……この感覚が、たまらない……。
『きもち……いい……っあん♡ フブキぃ……出して? 私の中にいっぱい……っぁ♡……孕むくらい♡』
『バカ……っ 気が早すぎるだろ」
マチュの言葉に、指がさらに激しくなる。──孕む。赤ちゃんを妊娠する。
私達はまだ子供だ。なのにマチュは何も迷いもなくそう言い放った。心が子供でも、体は既に未熟な少女ではなく、子供を孕むことができる雌の体になっているのだ。
『んあっ♡ あっ♡ 来るっ……イくっ……イっちゃうぅ♡♡』
『出すぞ? アマテっ!』
「っっっ!! イグっうぅ……♡イグッ♡んぉぅっっっ♡」
体がびくんっと大きく跳ね、絶頂の波が襲う。蜜が噴き出し、手に絡みつく。
2人の恥ずかしい姿を見ながら扉の前で醜態晒して……でも、気持ち良すぎて……♡
──癖になってしまいそう
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「お久しぶりですね。フブキ君」
そう言って笑っているのは、まるでシャアのような仮面を被ったシャリア・ブルであった。……コイツ……俺に対する嫌味か? 何故わざわざ奴のような仮面を……
「……ああ。アマテやニャアンの事……ありがとう、シャリア・ブル」
フブキは特に溜めも作らず、淡々と礼を言う。
だが男は指を一本立て、軽く振って笑った。
「シャリア・ブルは処刑されました。キシリア様暗殺の容疑でね。今の私はクワトロ・バジーナです。改めてよろしくお願いしますね? フブキ・アルジェント君」
「……なんだ? その仮面は。奴のように変なことをするつもりなら容赦はしないが……」
「むしろ逆ですよ。それに私がすることはもう終わったようなものですから。あとは若人に任せますよ」
そんな俺たち二人の間に、鮮やかな赤い髪を靡かせたアマテが割って入った。うん……やはりお前にはその色が似合う。正直黒髪でもとても良かったのだが……本人の希望だしな。
「ちょっと! 近づきすぎだよヒゲマン! てかなんでいきなり来てんの? 用件は?」
「マチュ……元気そうでよかったわ」
クワトロの後ろから、タブレット端末を抱えたコモリが現れ、アマテをぎゅっと抱きしめる。
「コモりん……! ごめんね……心配かけて」
「ううん……悪いのは自分勝手にどっかに行った“ニュータイプ”だから」
コモリはジロりとフブキを睨む。
フブキはバツが悪そうに視線を逸らすしかなかった。
「……本当に悪かったと思ってる……ただな? サイコミュをそのままにはしておけな──」
「言い訳はあとでいい。貴方はこれまでマチュに寂しい思いをさせた分、その埋め合わせをしなさい。いい? 貴方にはその責任があるのよ」
コモリはアマテを抱きしめながら、まっすぐ俺を見据えて言い放つ。
お前もお前で強くなったな、コモリ。
「クワトロ中佐、本題に入りましょう」
「そうですね。実は、お二人にお願いがあって来たのです」
「「お願い?」」
アマテとフブキの声が重なる。
クワトロは仮面の下で笑っている気配だけを漂わせ、淡々と告げた。
「サイド5、インダストリアル7でビスト財団とアルテイシア様が会合を行う予定です。その会合に、あなた方にも同席していただきたい」
「……私たちが?」
「どうして俺たちだ? 護衛として連れて行くにしても、正規の部隊がいるはずだろ?」
「護衛ではありません。ビスト財団の宗主──サイアム・ビストが、あなた方を指名しました。それが理由の一つです」
「……ビスト財団の創始者が、俺たちを?」
フブキの眉がわずかに動く。
“指名”という単語が、嫌な響きを伴って胸に落ちた。
「大丈夫なのか?」
「無論、警戒はしなければなりません。会合場所の周辺はエグザベ中尉を率いた部隊で護衛します。そして、アルテイシア陛下や貴方たちは私が守ります」
コモリがアマテを抱きしめたまま補足とばかりに話に割り込む。
「サイアムは、会合場所に自分の根城であるインダストリアル7を指定しているから、正直言って私達の立場的にあんまり歓迎されないと思うのよ。ほら……ルウムでの戦いもあったし……」
「ジオンにとって居心地が悪い場所で会合ね……」
しかしながら、まるで未来を見ているかのようだ。フブキが帰ってきたタイミングで都合よく会合とは。フブキは少し警戒度があがる。
「アルテイシア様も、あなた方に会いたいと仰っています。特に──マチュ君。あなたに」
「え……私に?」
「あなたは、ガンダム・クァックスのパイロットであり、新時代のニュータイプですから。総帥として、会っておきたいのでしょう」
「……信用できるのか? 仮にも連邦側だったアナハイムのお膝元、その根城に行くんだぞ? ビスト財団とどんな会合をするのかも分からない……俺たちだけでセイラさんやアマテの身の安全は──」
「いくよ、私」
アマテはフブキの手を取りながらしっかりと言い放った。フブキは複雑な気持ちを感じつつも、確かに成長しているアマテに愛おしさを感じる。
そんな2人を見たクワトロは一瞬だけ視線を伏せ、仮面を外すと微笑む。
新時代のニュータイプ。愛した人と再会し、今度こそ2人で歩いていくと決めた少女。
──大佐。どうですか? 新時代のニュータイプは。人の可能性は捨てたものではないでしょう?