ザナック視点。
※R18シーン
チャポン……と湯口から滴る水。
そして、濡れた俺の髪に、シャンプーをゆっくり塗り込んでいる骸骨の手。アインズ様が、俺の体を心配して、代わりに洗ってくれると言ったのだ。頭皮や首を丁寧にマッサージされて、それがだんだんと眠気を誘う。
「ザナック……い、い……痛くないか?」
震えた彼の声に、目を瞑った。胸を張って答える。
「はい……むしろ、気持ちいいです、寝てしまいそうです。」
「そろそろ、流すぞ……」
優しい声と共に頭を撫でられた。
「はい……」
目を瞑ったまま、少し下を向いた。骨の指で、梳かすように撫でられる。
「ザナック……次は、体を、いいか?」
シャワーが止まると、アインズ様が言った。
「ええ、お願いしますね……」
俺は思わず、ふふふ…と笑った。恐る恐る聞いてくるアインズ様が、可愛くて。泡立てられたタオルが、背中から腰に滑る。息を呑むような音が、後ろから聞こえた気がした。心地良い力加減。
「体を洗ってもらう、というのは何気に初体験です……」
「そうなのか……」
「ん、ああ……? 違います! ありました、思い出しました、」
「な、何っ……!? 誰と風呂に!? あ、いや……父親、か?」
俺は、人差し指を立てて言い放った。
「いえ、父とは入ったことはありません。赤ん坊の頃、乳母に風呂に入れて貰ってたはずです……昔のことですから覚えてないですが、アハハッ」
自分としては面白いと思って笑ったが、アインズ様の手が止まった。
「──では、君の父親は幼い息子が可愛くなかったのか」
「いえ、そんなことありません……! 俺の父は、"王"でした。毎日政務に追われて、目の下に隈をつくってたくらい忙しくて……」
そこまで言ったところで、幼いバルブロ兄上と父上が楽しげに浴場へ向かう記憶を思い出した。
「それで君に諦め癖がついたのか」
──はぁ……と。深い、深い、ため息。
(え? 俺か!? なんか変なこと言ったかぁ……?)
「俺は、次男でしたので。きっと忘れられやすくて。だから……父上は、悪くないんです……」
「ザナック……。」
本当は寂しい。怖い。怖い。深く入って来ないで。俺を見ないで。寂しい。足りない。そんなはずないのに。俺は、愛されて、満たされてるはずなんだ。今、幸せで。寂しい。強欲で傲慢で。だから俺は独りだ。
「……俺の方が……いえ"俺が悪い"んです。ふっ、目つき悪いくせに子供らしい愛嬌も無いから、きっと飽きられるし。そのくせ頭が良い訳でもないから……期待すらしてもらえないし。」
「まあ兄上も剣の才だけはありましたし…。ハ、ハハッ、まぁさらに……あの化け物並の頭脳の妹に挟まれれば俺なんて霞むでしょうねえ。」
アインズ様が黙りこくる。
「……………」
(もしかして、怒ったか!? お、怒らせてしまった!?)
何で? 何を間違えた?
どうしよう。どうしよう。どうしよう。
アインズ様に嫌われる。こういう時は、どうすればいい? 誰か、誰か、教えてくれ。
(そうだ! 謝ろう……謝れば、いつも丸く収まる!!)
深呼吸して、落ち着こう。落ち着かなきゃ。
だけどその呼吸さえ震える。上手く呼吸出来ない。息が詰まる。駄目だな。
「すみません、アインズさ、──」
言い終わる前に、視界を遮られた。それは骸骨の冷たい温度だった。同時に、強い力で後ろに抱き寄せられる。
(何も見えない!! けど、たぶんアインズ様が俺を、ハグ、してる?)
何故だ。理解できなかった。嫌われたはずじゃ? でなくとも、怒ってるはず。
「……アインズ様まで泡だらけになってしまいますよ」
俺は冷静に、そう冷静に言うと、アインズ様が呟く。
「俺は君をわかりたい。……アンデッドの俺と、君では……何もかもが違い過ぎる。そして、不釣り合いだ。君は表情豊かで、素敵な感情があって、可愛いくて、魅力的で……全部俺に無いものばかり。何かを共有することも、難しい……」
そんなことない。アインズ様にも感情はあるし、貴方は十分表情豊かで魅力的な人だ。
「だけど、君の気持ちだけは、教えてくれないか? 俺、顔の筋肉がそもそも無いから、表情が読みづらいだろう? なるべく君に伝えるよ、好きとか嫌いとか、嫌だとか嬉しいとか……寂しいとか。君にもできれば、お願いしたい……」
俺は、明るく声を跳ねさせて返す。
「……俺、悲しくも寂しくもないですよ。だって、アインズ様が居るだけで"大丈夫"になるんです。」
捨てられたくない。俺は、都合のいい人形でいい。めんどくさいと思われたくない。ずっと隣に置いて。ずっと愛して欲しいから。俺のことなんか、分からなくていい。見なくていい。
従順で謙虚な俺が、好きでしょう。
「アインズ様が俺を見つけてくれて、好きと言ってくれて、撫でて、抱きしめて、愛してくれて。もう、俺は腹いっぱいです。アインズ様がただ隣に居てくれるだけでいいんです。」
「──君は……それで俺が、『うん分かった』と納得すると思っているのか?」
背筋が凍るような低い声。姿勢が固まった。
「愛情の器は、コップじゃ例えられない。大きさもたぶん……人それぞれだ。乾いた器に水を染み込ませても、またいつか蒸発する。」
視界を覆っていた手が退けられた。眼前の鏡には、きっと醜い顔が映っているんだろうな。
じわりと視界がくもっている。よく見えない。
「俺には、君がどれほど渇いていて、どれくらい染み込んでいるのか分からないから、嫌気がさすほど愛してしまうかもしれない。だから、俺の愛情が過多で、溢れたり、こぼれてしまいそうで困ったら、すまないが、俺に少し返却してくれないか」
クスリと耳元で笑い声がした。
「でも……アインズ様、おれは、だいじょうぶですか、ら…………………はぅ!?」
むぎゅう。アインズ様の両手が、俺の胸を掴んだ。
「ザナック。そんなに怖いのか?」
「あッ……やん、ふ、ア……こわ、くは……」
彼に触れられるだけで、すぐに体が火照って来る。骨の指と肌の間にぬめりがあって、それがだんだんと泡立てられていく。
「な、にゃ、んう……なんで、こんな……」
「あ、すまない。ふっくらとした体のシルエットが、魅力的でつい。」
アインズ様に散々弄られて、じんじんとした感覚が残る乳首。
「んう……」
硬い骨が先を擦るのと一緒に、泡のぬめりが合わさって、変な感じになってくる。
(アインズ様の指……すき、きもちいい……)
「あ、あっ……あいんず、さま……これ、だめです……」
(あ、やばい、これ……腰が、抜ける……)
くりくりと時折摘んだり、引っ掻いたり。
「あ、あっ……く、はぁぁ……それっ、ああっ……や、だめ、んああっ……」
熱い何かが体の底から昇ってくるような感覚。
その瞬間、頭の中で何かが弾けた。
「や、はぁ、だ、ぇ、あぁっ……いく、いくっ……! ん、んんんぅ〜っ……!!」
(は……? 胸、だけなのに…………?)
排水溝の細い穴に、ぽたぽたと垂れる白濁をぼんやりと眺める。
(頭、ふわふわする……)
離れると思った手はガッシリと俺の胸を掴み、揉みしだいている。
(まだ、終わらない…………? もう無理……)
今度は両の乳首を摘み上げられる。潰すように指で擦られたかと思えば、触れるか触れないかギリギリで撫でてくる。
「あ、ぁぁっ? はふ…っ、ぁんッ、ひゃあ゛あッ……ぐっ、あっ?」
「……ああ、ザナック……汚れちゃったな」
と、なんでもないように言いながら、アインズ様は俺のちんこを片手でそっと包み込んで、緩くシャワーを当てながら骨の指で先端をぐりぐりしてくる。
ぐりぐりぐりぐり。
痺れるような快感に震えて、
「あ、あんっ……だめ、あぁ! あ、あっ……ア…っ……なに、してるんですっ??!」
俺が思わず声を荒らげると。アインズ様は首を傾げて言った。
「いや、洗おうと。」
(じゃあなんで、乳首、まだ弄ってるんだよおおっ!!!)
大きくてざらざらした指が、執拗に俺の乳首とちんこをいじくる。やめてくれ。と言えない。体力的にも限界だ。なのに呂律が回らない。
「んっ、んっ……あ、あいんずさま……やめ、てくらさ……あ、んぅぅ!」
「嫌だったか?」
絶対にやめる気のない手の動きと共に、耳元に低い声が落ちた。ぐちぐちぐちっという生々しい音。
(そんなこと……聞かないでくれよ……)
「いやな、わけじゃ……でも、でも……」
骨の指が胸の先をくりくりと摘んで、一緒に竿を扱かれる。絶対に、洗ってるだけじゃ…ない
だけど俺は、なすすべもなく思考を蕩かされて
(本当に、あなたは……)
「一緒に、されるとっ……おれ、あっ……だめ……あんッ、あん……うそ……イく……いっちゃう……!! ふああ〜〜〜っ……!」
(意地がわるいなぁ………っ)
その瞬間、頭の中が真っ白になった。
ぴちゃ……ぱたたっ。アインズ様の骨の手のひらにかけてしまった音。
「は、ああっ……すみまひぇん……。はーっ、はぁー……」
息を吐きながら俯くと、アインズ様の指の隙間から俺の精子が垂れているのが目に入った。
「──うぐっ! ……あの、もう……じぶんで、やりますからっ……!」
「疲れて力が入らないだろ?」
(だ、誰のせいだと……)
意識が飛びそうになるのを耐えながら、脳内でほんの少しだけ悪態をついた。その後、アインズ様は声を弾ませて、ぐったりとした俺を嬉々として介抱した。この人は、俺の心を崩して楽しんでいる。