対魔忍の、淫闘禄 作:ごきまる
ミーミルの洞穴の最奥で、神託の水鏡が淡く輝いていた。
グラスベルンは四つん這いのロスヴァイセの体を後ろから抱きすくめながら、思うままに彼女のアナルを責めていた。
一方、ブリュンヒルドは黒いラバースーツ状の皮膚のいたるところが引き裂かれ、二穴を激しく霊腕で犯されていた。
ブリュンヒルドを犯しているときのロスヴァイセに対しては、手での愛撫や休ませさえするのに、明らかに扱いにまだ差があった。
ブリュンヒルドの一つ目が虚ろに明滅する。彼女の体は、妻というよりは性奴隷のような扱いを受けていた。
妻として迎えると言いつつ、霊碗の指で乳房を抉り、腸内を掻き回す。
ブリュンヒルドの声はすすり泣く。
「ン゛お゛っ……もう、許して……グラスベルン、妻というのなら、優しく……」
と、懇願するが、グラスベルンは冷淡だ。
「こうも言ったぞ。排便する度にイく体に仕込むと」
「んぐっ……グラスベルン、ブ、ブリュ、ン……」
ふたりを仲裁していたロスヴァイセも初めての肛姦で今は余裕が無い。
狂乱の交合は延々と続き、ふたりの鬼神乙女は喘ぎ続けた。
だが突然、水鏡が震え、幻像がはっきりと空間に現れた。
それはオークの偉丈夫……魔界武侠ゴルガンの姿だった。
グラスベルンは目を細め、ロスヴァイセから巨根を引き抜いた。
「ほう……神託が呼ぶか。あの無法都市ヨミハラにいるというゴルガンの元へ、導くというのか」
グラスベルンはブリュンヒルドを鎖で繋ぎ、転移の術を発動させた。
洞穴の空気が歪み、三人はヨミハラの喧騒へと飛ばされる。
無法地下都市の路地裏、ネオンが怪しく光る中、グラスベルンはロスヴァイセを連れ、ブリュンヒルドを引きずりながら進む。
体液まみれの異形の三人……特にブリュンヒルドのボロボロの姿が通行人たちの視線を集めるが、グラスベルンは構わずゴルガンの気配を探り当て、そこへ向かった。
× × ×
ゴルガンはねぐらの地下室で、パワーレディを抱き、今日も癒やしの性交を続けていた。
感度数千倍の彼女の体を、手で、舌と唇で、そしてペニスでゆっくりと刺激し、気を注ぐ。
その扉が開き、グラスベルンが現れた。
ブリュンヒルドを鎖で引きずり、部屋に投げ入れてから口を開く。
「久しいな、ゴルガン。ミーミルの水鏡の神託でここに来た。お前の下界での修行の成果を見せてもらおうか」
「だ、誰だいお前ッ。勝手に押し入ってきて――」
「よせパワー、後ろに下がっていろ……グラスベルン。霊峰以来だな。ところでなぜ同族を鎖に繋いでいる? この女は――」
「ああ――彼女を知っているのだったな。ブリュンヒルドは私の
そう言ってグラスベルンは鎖を引っ張ってブリュンヒルドを引き寄せ、うなだれている彼女の首根っこを掴んで立たせた。
「あうっ」
ブリュンヒルドは見ないでくれと言わんばかりにゴルガンから顔を背けようとするが首を掴んでいるグラスベルンがそれを許さない。
「……」
ゴルガンの目は、ブリュンヒルドの惨状を見て静かに、だが剣呑な光を放った。
かつて、彼女と褥を交わした過去――霊峰から雪原地帯に降り立って間もない頃、ブリュンヒルドとは短いながらもお互いの体を貪りあった仲なのだ。
霊峰で修行する前から女を知らないわけでは無かったが、ブリュンヒルド自らが「抱いてくれ」と言ってきて関係は始まった。
誇り高く強き戦士を、妻と称しつつ奴隷のように扱っているグラスベルンへの、怒りがゴルガンの胸に渦巻く。
声は低く抑えつつ、視線が鋭い。
「グラスベルン……お前、霊峰で言っていたとおり同胞を孕ませたのだな……しかし、そちらのもう一人の鬼神乙女の腹にも命の兆しを感じるぞ。まさか手当たり次第に孕ませているのか」
「時間が無くてな」
そう言いながらグラスベルンはブリュンヒルドの尻をかなりの力を込めて引っぱたいた。
バチィィィン!!
「んぎぃ!」
その一撃には闘気と淫気が込められていた。
ブリュンヒルドの治りかけていた体中の裂傷から、血が飛び散るほどの衝撃だった。
膣口と肛門からも血混じりの体液が滴った。
グラスベルンはその様子を気にする素振りも無く、美しい球体を形作っていながら頭よりも大きいブリュンヒルドの乳房を揉みしだき、千切れんばかりに乳首を捻っている。
「……道理を説くようなガラでは無いが、好かんな。女の体は無駄に傷つけぬように、壊さぬように楽しむものだ」
「えっ?」
「は?」
パワーレディと、いつの間にか部屋の隅にいた魔界騎士イングリッドが何か言いたげな声を上げたがゴルガンは無視した。
「ふん、甘いな。だが……今部屋にいるその二人がお前の女か……」
グラスベルンの声には苛立ちが混じっていた。
ゴルガンはそれを察しつつ、無言で返した。
「ゴルガン、私との立ち合いを所望する。ここで、淫闘で決着をつけよう。女の扱い方、どちらの流儀が優れているか、女どもを賭けてな」
「何を馬鹿なッ。パワーレディはともかく私は――」
「イングリッド殿。ここは俺に任せてくれ」
「む、分かった」
ゴルガンは顔をしかめ、ブリュンヒルドを見つめながら応えた。
「貴様との立ち合いなど、興味ない。だが……お前がブリュンヒルドにこんな扱いを続けるというのなら、やむを得ぬか」
魔界武侠と魔界仙女。
二人の巨躯が対峙し、速くも室内に淫気が立ちこめだした。
× × ×
今、無法都市ヨミハラで魔界の高位魔族に匹敵するかそれ以上の力が激突しようとしていた。
ゴルガンのねぐらは、淫気の熱気が濃く立ち込めている。
ゴルガンとグラスベルンの巨躯が対峙し、周囲を囲む女性たち――パワーレディ、イングリッド、ブリュンヒルド、ロスヴァイセ――が息を潜めて見守っていた。
「始めようか、グラスベルン」
ゴルガンは全ての衣服を脱ぎ捨て、全裸となった。
グラスベルンは、霊修双具の男根を勃起させ、さらに霊碗を召喚していた。
無数の触碗がゴルガンの周囲を旋回するが攻撃は行わない。
二人の体も微動だにしない。
だが――すでに淫気の応酬が始まっていた。
ついに霊碗の指がゴルガンの体に迫るが、見えない壁に弾かれる。
「!? なんだ?」
「パワーレディよ、気を探ってみろ」
イングリッドに言われるままに空間の気配を探ると、パワーレディは「あっ」と声を上げた。
ゴルガンもまた、霊腕を召喚していたのだ。
しかも、それは透明な“見えざる霊腕”――目に見えぬ力で、グラスベルンの霊腕の攻撃を防いだのだ。
「さすがだな、ゴルガン。お前の霊腕、目に見えぬとは……」
グラスベルンは感嘆の声を漏らした。
互いの淫気の波動がせめぎ合い、部屋の空気を震わせる。
お互い、相手の淫気を精気へと解気させ、吸収しあう。
解気の応酬が、目に見えぬ嵐のように渦巻く。
これを見ていたロスヴァイセ、ブリュンヒルド、パワーレディはあまりの凄さ複雑な繰気術に舌を巻く。
「こ、こんな闘い……淫気だけでここまで……」
ロスヴァイセが呟く。ブリュンヒルドの大きな一つ目はゴルガンに向けられ、脳裏に過去の記憶が蘇っていた。
かつての短い交わりで学んだ淫気術の極致が、今ここで花開いている。
パワーレディは感度の余波で体を震わせた。
「すげえ……あたしの体、ただ見てるだけで熱くなってきた……」と漏らす。
「ドレイン合戦……これでは勝負がつかん。互いのエネルギーを吸収し合ってるだけ……この闘い長びくか? いや……違うな」
最強の魔界騎士であるイングリッドが、鋭く分析する。
イングリッドの言葉通り、ふたりは解気を継続しながらの肉弾戦へ移行した。
ゴルガンが一歩踏み込み、拳打を放つ。
パワーならゴルガンが上。
拳を受けたグラスベルンの体が吹き飛びかけるが、追撃をスピードでかわす。
速さはグラスベルンの方が上のようだ。鋭い蹴りがゴルガンの脇腹を掠める。
「ふん、速いな」
ゴルガンが認める。
しばらくの間、一進一退の攻防が続いた。
だが、魔力の消耗量に差が出ていることに皆気づいた。
魔力を闘気・淫気に変換するときのエネルギーロスがゴルガンの方が大きいのだ。
グラスベルンはパワーレディを睨みながら言う。
「そこにいる金髪の女からお前の神気を感じるぞ……分け与えたな? なんとうらやましい――いや、軽率な真似を……」
嫉妬の視線がパワーレディに向けられる。
ゴルガンは「フン」と鼻を鳴らして接近戦を挑んだ。
互いの拳が交錯し、組み打ちになる。
ここまで互角だった攻防に変化が生じた。
「憤ッ」
「ウッ!?」
浅いがゴルガンの剛拳がグラスベルンの顔に、腹に命中した。
「おお! ゴ、ゴルガン有利ですかねイングリッド様?」
「なぜ私が解説しなければ――まあいい。グラスベルンとやらの速度が、落ちている」
イングリッドの言うとおりだった。
なぜかグラスベルンのスピードが落ちているのだ。
「な、なぜ!?」
驚くグラスベルンにゴルガンはあきれたような表情を浮かべた。
「グラスベルンよ。淫術の元である房中術の基本を忘れたか。性交時に大量の精を何度も放っていては、肉体と霊体の調和が崩れ、体力の消耗を招くということを!」
パワーレディが横から口を挟む。
「要するにスタミナかッ。え、いやでもあんただって、ま、毎日あたしとイングリッド様に中出ししてんじゃん……」
「馬鹿者!! 言うなぁッッ!」
「ゴフッ!?」
顔を真っ赤にしたイングリッドが神速でパワーレディに駆け寄って肘鉄を食らわした。
「言ってなかったか。普段ふたりに注いでいるのは房中術による特殊な精液だ。子種汁ではない」
「……おそらくそうだとは思っていた」とイングリッド。
「だが、パワーレディよ。初めてお前を犯したときに注いだ真っ黄色の精液は正真正銘の子種を宿した雄液だぞ」
「そ、そうなの?」
「グフフ、あれは染みたであろうが♪」
そう言われてパワーレディは顔を赤らめた。
一方、そんなやりとりを見せられて、グラスベルンは二人の女――特にパワーレディ――に嫉妬の視線を向けた。
「破ッ」
ゴルガンはその隙を見逃さず、体当たりで寝技に持ち込んだ。
「よそ見をするなッ、愚か者がぁ~!!!」
「ちぃ!」
二人は転がりながら拳打の打ち合う。
ゴルガンの拳がグラスベルンの腹部を抉り、グラスベルンの肘がゴルガンの頬をかすめる。
やがて関節技へ移行し、互いの体が絡みつく。
ゴルガンが上を取り、グラスベルンの腕を極めようとするが、グラスベルンは身を翻す。
「グラスベルンよ、なぜ逃げる。お前、俺に抱かれたいのであろう」
「~~~~~~~ッ」
ゴルガンは老獪だった。言葉で動揺させ、グラスベルンの身体操作がほんのわずかに乱れた。
互いの体がもつれ合い、反対方向で重ね合わさる。
所謂シックスティナイン……
「し、しまったッ」
この体勢は二つの性器を持つグラスベルンは不利であった。
しかも、童貞を捨てたばかりの男根と処女の女性器だ……。
ゴルガンはフンと鼻を鳴らしながらグラスベルンの男根を見て顔をしかめた。
こればかりはグラスベルンに配慮して言わないでいるのだが、彼はあまりふたなりが好きではないのである。
「常に勃起状態なのは……グラスベルンよ……貴様が生やしたこのイチモツ、普段は剥けておらぬな?」
グラスベルンは動揺した。
「ち、違う!!」
激しく否定することが逆にゴルガンに看破されたことを雄弁に物語っていた。
ゴルガンはペッと掌に唾を吐き、
「何が違うのだ! ほ~れッッ!!」
「!?%?!”?」
ゴルガンはグラスベルンの肉棒の幹の上部分を指で摘まんだ。
「ぐぁ!」
「俺の目は誤魔化せんッ! 皮が余っておるではないかァ!」
そう言い放ち、剛力で先端方向に扱き上げて、グラスベルンの霊修双具に包皮を被せた。
「な、何をするっ!?」
「知らぬのかッ。薄暗い雄の愉しみを俺が教えてやるわ!!!!!」
ゴルガンは、包皮を被った亀頭を激しく扱きだした。
「んひいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」
グラスベルンは悶絶した。
「こ、これは――驚天動地の快楽!!!???」
ショックで解気の常時発動が解除され、ゴルガンの淫気をまともに注入されていく。
「ッ! ッ! ッ!」
扱かれる度に呼吸が乱れ、ついには息を止めてしまう。頭に血が上り、グラスベルンの性感度は爆発的に上昇した。
ゴルガンは容赦なく扱き続ける。
「なにが驚天動地だッ。ただ包皮で擦られただけでなんと情けない。俺のイチモツをぶち込むまでも無い。性器を二つ持ったのはお前の最大の弱点だ!」
さらにゴルガンは、グラスベルンの陰核を刺激しながら陰唇に指を挿入した。
「ん”お”お”お”お”お”お”お”!!!!!? 馬鹿なぁ! この私がこうもあっけなく――」
ゴルガンのグラスベルンの男根をしごき上げる手と女陰への指責めは止まらない。
その手並みは残酷なまでに正確だった。
雄としての快感と牝としての肉悦を交互に叩き込む。
グラスベルンは片時も休むこと無く二つのオーガズムに圧倒される
「ま、負けだ。私の……んいひぃぃぃぃぃ!? ゴ、ゴルガン。負けを認める!!!」
「だからどうした?」
ゴルガンは冷淡だ。
「い、イキすぎて、く、苦しい。んぐあ、あ”あ”――た、頼む、たのむぅ! 手を止めてくれぇ!」
グラスベルンが懇願する。
「妻にしたというブリュンヒルドにそのような懇願をされたとき、お前は止めてやったのか?」
ゴルガンの言葉に、グラスベルンは「そ、それは」と言葉を詰まらせる。
「ッ、ゴルガンッ」
聞いていたブリュンヒルドは感極まって魔界武侠の名を呼ぶ。
ゴルガンはその声を聞いて、ブリュンヒルドとのかつての交わりを思い出し、静かな怒りが胸中に燃えた。
「俺も大概鬼畜な雄だが、我が子を孕んだ女体を嬲ったりはせんッ。ここからはお仕置きだグラスベルン!!」
「ぐひぃ!? せ、せめてお前のモノで貫いてくれ! わ、私と交合って――」
叫ぶグラスベルン。
「フン! 最初からそう言えばいいものをッ」
「す、すまない。ゆ、許してくれ!」
「俺にでは無くそこにいる妻ふたりに謝るのだな!」
ゴルガンに諭されグラスベルンはがに股状態で体をガクガクと震わせた。
「あ、謝る! すまないブリュンヒルド! すまないロスヴァイセ! 許してくれ鬼神乙女のみんな! 無責任孕ませぇ、ごべんな”ざいいいいいいいいい!!!」
と、グラスベルンは絶叫するのだった。
――闘いは終わった。
ゴルガンが立ち上がって離れても、グラスベルンはがに股状態で射精と愛液をトロトロと流し続けていた。
完全に前後不覚となって体を起こすこともできないでいるグラスベルンにそれまで無言だったロスヴァイセが寄り添う。
部屋に静寂が訪れ、女たちはほっと息をついた。
ブリュンヒルドの一つ眼には、ゴルガンへの感謝の光が浮かんでいた。