対魔忍の、淫闘禄 作:ごきまる
志賀あさつきの身体は、あの倉庫での地獄を完全に忘れ去ったかのように、傷ひとつなく回復していた。
魔科医の治療と、アサギの細胞が持つ異常な再生力が合わさり、伸びきった肛門も、拡張された腸壁も、子宮に注がれた淫魔の種も、すべて綺麗に浄化された。
乳房の腫れも引き、肌は再び白く艶やかに戻った。
だが、心は違った。
あの触手が肛門から口まで貫いた感覚。
瘤が一つひとつ括約筋を抉り、腸壁を逆撫でし、媚薬と精液で満たされた記憶。
感度を数百倍に引き上げられたまま連続絶頂を強いられた快楽の波。
それらは、身体が癒えても消えなかった。
むしろ、夜になるたび、あるいは任務で刃を交えた後の昂ぶりとともに、内側から疼きとして蘇る。
“ねえっ、イイでしょう? 気持ちいいのよね!? イイって言って! ”
「……っ」
……触手を操る女術士ヴェルミリアに犯される夢を見たの一度や二度では無かった。
しかし、あさつきは対魔忍総隊の医療施設でのメンタルチェックを、淡々とやり過ごした。
問診票には「特に問題なし」と記入し、医師の視線を真正面から受け止めた。
彼女は現場に復帰した。
任務をこなし、仲間と談笑し、平時の対魔忍として振る舞った。
しかし、戦闘の興奮が収まらない夜があった。
刃を振るった後の高揚が、下腹部に甘い熱となって沈み、秘部が勝手に湿り気を帯びる。
セックスフレンドの小太郎に抱かれると、疼きは一旦納まるが、彼といつも一緒というわけにはいかない。
──あの串刺しの快感が、脳の奥でちらつく。
そんな夜、あさつきはフード付きの黒い外套を羽織り、ヨミハラへと足を向けた。
──ベルテイン・スポット。
地下都市ヨミハラに存在する、奇妙な場所だ。
表向きは木々が植えられた広大な公園。
篝火が数カ所で揺らめき、人間も魔族も、性別を問わず集まってくる。
目的はただ一つ。性処理。
ここでの刃傷沙汰は御法度。
許されているのは肉の交わりのみ。
古代ケルトの神が場を取り仕切り、性交時の遊戯プレイ以外の暴力行為を厳しく禁じている。
乱交で発せられる精気と淫気を、神が供物として吸い取る仕組みだという。
ルールを破れば、神の怒りでその場で消えうせる者もいると噂されていた。
あさつきが選ぶのは、その中でも最もハードな区画だった。
公園の奥、古びた石段を下りた先にある地下洞窟。
かつては牢獄として使われていたらしく、壁には錆びた鉄格子の跡が残る。
今はゴブリンの巣と化し、低く湿った空間に、彼ら特有の体臭と、濃厚な淫臭が充満している。
フードを深く被り、あさつきは石段を降りた。
洞窟内は薄暗く、ところどころに設置された篝火がオレンジ色の光を投げかけている。
床は岩盤で、ところどころに敷かれた古い布や毛皮が、乱交の痕跡を示していた。
すでに数組が絡み合っており、短い嬌声と、肉がぶつかる湿った音が響いている。
あさつきは最も奥の、特にゴブリンが集中している区画へ歩を進めた。
そこには、身長130センチ前後の緑色の肌をしたゴブリンが十数体、たむろしていた。
彼らの下半身はすでに半勃起状態で、短いが太い肉棒が露出している。
目が合うと、彼らは獣じみた笑みを浮かべ、鼻を鳴らした。
あさつきは外套のフードを少し上げ、バイザーの赤い単眼を彼らに向けた。
言葉は不要だった。
彼女がここに来た理由は、明白だったから。
ゴブリンの一体が近づき、あさつきの外套の裾を掴んだ。
彼女は抵抗しなかった。
むしろ、その小さな手が太腿に触れた瞬間、下腹部が熱く疼いた。
「……やれ」
低く、掠れた声でそう呟くと、ゴブリンたちは一斉に群がった。
外套が乱暴に引き剥がされると、中から現れたのは、対魔忍スーツを身につけていない、一糸まとわぬ裸体だった。
豊満な肉体であった。
ゴブリン達の手が胸を鷲掴みにし、尻を揉みしだく。
彼らは言葉をほとんど発さず、ただ本能的に彼女の身体を求める。
あさつきは岩壁に背を預け、脚を開いた。
一体目のゴブリンが、彼女の股間に顔を埋め、秘部の匂いを嗅いだ。
次の瞬間、短い舌がクリトリスを舐め上げ、あさつきの腰が小さく跳ねる。
「ん……っ」
声を殺そうとしても、甘い吐息が漏れる。
ゴブリンの肉棒が、彼女の秘口に押し当てられた。
人間より短く、しかし根元が太く、先端が尖っている。
一気に挿入されると、膣壁が押し広げられ、あさつきは思わず唇を噛んだ。
「はあっ……!」
抽挿が始まる。
ゴブリン特有の、浅く速いピストン。
同時に別の一体が後ろに回り、尻を割り、肛門に指を這わせた。
あの串刺しの記憶がフラッシュバックし、括約筋が勝手に収縮する。
「そこは……まだ……」
抗う言葉とは裏腹に、あさつきの身体はすでに受け入れ態勢だった。
指が二本、三本と増え、すぐに肉棒に変わる。
二穴を同時に犯され、あさつきの意識が白く染まる。
他のゴブリンたちも手を出してきた。
乳房を吸い、乳首を噛み、口に肉棒を押し込む。
あさつきは跪かされ、両手を岩に突きながら、前後から激しく突かれる。
ゴブリンの精液は濃厚で、射精されると熱い塊が子宮と直腸を満たした。
「熱い……中が……」
あさつきは腰をくねらせ、自ら深く沈み込んだ。
処理のためだと自分に言い聞かせながらも、身体は明らかに快楽を貪っていた。
アサギの細胞がもたらした淫蕩な体質が、ゴブリンの粗末な肉棒でさえ、甘い絶頂に変えてしまう。
一体が果てると、すぐに次が入れ替わる。
膣も肛門も、休む暇なく犯され続けた。
精液が溢れ、太腿を伝って床に滴り落ちる。
あさつきのバイザーの下では、涙が滲み、涎が口元を伝っていた。
篝火の光が、彼女の白い肌と、緑色のゴブリンたちの絡み合う影を照らす。
洞窟内には、肉のぶつかる音と、あさつきの抑えきれない喘ぎが響き続けた。
彼女は、いつまでもここにいられるわけではないと知っていた。
夜明け前には、必ず対魔忍の顔に戻らねばならない。
だが今は、ただこの獣じみた快楽に身を委ねていた。
魔性の快楽に一度屈服した心は、そう簡単には立ち直れない。
あさつきは、今夜も、ゴブリンの巣で自らを「処理」し続けた。
ゴブリンたちの抽挿は、もはや容赦がなかった。
短いが太い肉棒が、順番に、あるいは同時に、あさつきの膣と肛門を埋め尽くす。
緑色の肌が汗で光り、獣じみた息遣いとともに腰を打ち付ける。
あさつきは四つん這いになり、口と尻穴を前後から激しく犯され続けた。
体の下に潜り込んだ一匹に乳房を揉みしだかれ、乳首を噛まれ、膣口にも別の肉棒が押し込まれる。
「んぐっ……はあっ、あっ……!」
精液が何度も注がれ、溢れ、太腿を伝って床に滴る。
洞窟内は濃厚な淫臭と、肉のぶつかる湿った音で満ちていた。
あさつきの身体は何度も達し、腰を震わせ、潮を噴いた。
それでも──足りない。
異常な性欲は、ゴブリン程度の相手では到底満たされなかった。
感度は高い。快楽も確かに感じる。
だが、奥深くを抉るような、魂を揺さぶるような衝撃が、どこにもない。
一体、また一体と、ゴブリンたちが力尽きたように倒れ込んでいく。
最後の一匹が、あさつきの中で果てた直後、ぐったりと彼女の背中に覆い被さり、動かなくなった。
洞窟内に、急に静寂が落ちた。
あさつきは、体中を白濁にまみれたまま、ゆっくりと上体を起こした。
バイザーの下で、鋭い吐息を漏らす。
「……だめだ」
低く、苛立たしげな声が漏れた。
「全然……満足できない」
彼女は自分の秘部から溢れる精液を、指で掻き出しながら、不満げに眉を寄せた。
体は熱い。疼きも残っている。
しかし、心の奥にある、あの串刺しの記憶が呼び起こした深い渇きは、まったく癒えていなかった。
そのときだった。
洞窟の入り口近くで、重い足音が響いた。
あさつきが顔を上げると、篝火の光の向こうに、巨大な影が立っていた。
筋骨隆々とした巨体。
身長は優に二メートルを超え、緑色がかった褐色の肌に、血管が浮き出るほど鍛え上げられた筋肉が隆起している。
男らしい、クラシックなクロップ・ポンプの黒髪。
顔立ちは野性的で、鋭い牙がわずかに覗き、瞳は赤く光っていた。
身に着けているのは、黒い腰巻きだけ。
それ以外は何も纏わず、すでに半勃起した巨大な肉棒が、重力に抗うようにそそり立っている。
魔界武侠──ゴルガン。
ノマドの対淫術戦闘指南役……と、あさつきは記憶している。
(この男……強い!)
あさつきは思わず身構えた。
だがすぐにこの場所が戦闘禁止領域である事を思い出す。
ゴルガンは、倒れているゴブリンたちを一瞥し、鼻を鳴らした。
そして、あさつきの白い肢体に視線を落とすと、低く、野太い声を響かせた。
「……ふん。小鬼どもでは、足りぬようだな」
あさつきは、バイザーの赤い単眼でゴルガンを見据えた。
とてつもない筋肉をまとった男であった。
苛立ちと、抑えきれない期待が、同時に胸の内で渦巻く。
ゴルガンはゆっくりと近づき、あさつきの前に屈み込んだ。
巨大な手が、彼女の顎を掴み、顔を上に向かせる。
「お前がパワーレディが言っていた対魔忍か。よほど飢えているようだ」
あさつきは、その熱い吐息を顔に感じながら、静かに唇を開いた。
「……お前なら、満たしてくれるのか」
ゴルガンは牙を剥いて笑った。
腰巻きを一振りで外し、すでに完全に勃起した、ゴブリンとは比べものにならない巨根を、あさつきの眼前に突きつける。
「試してみるか」
「っ!」
あさつきは飛び退り、思わず我が身をかき抱いた。
(む、無理だ。裂ける、壊れてしまう)
そう思う反面、ゾクゾクと背に震えが走るのをあさつきは感じた。あさつきの瞳が、下っ腹が熱を帯びた。
「心配するな。ふうまという小僧と俺の女が誼を通じている縁だ。お前の疼きを解消してやる」
すでにゴルガンの怒張からはトクトクと透明な先走りが流れ落ちている。滴りではない、線を描いて流れ落ちている量だ。
志賀あさつきは顔の上半分がバイザーで隠れていても分かるほどに、気をやった時よりも恍惚とした表情になっていた。
そして、自らその巨大な肉棒に手を伸ばした。
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