※この作品はR-18です。

対魔忍の、淫闘禄   作:ごきまる

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対魔忍の房術勝負~志賀あさつきの誤算~

 熱い肉幹が、再び根元まで沈んだ。

 あさつきは腰を沈めたまま、一度だけ息を整える。

 

 膝は笑っている。内壁は、さっきの発勁の残熱でひくひくと波打っていた。

 

 それでも彼女は、浅層を輪に締め、中層の襞を螺旋に絡ませた。

 

 アナルの括約筋まで連動させる。二重の締め。

 

 対魔粒子が秘部の粘膜を赤く熱くする。

「……今度こそだ」

「よい顔だ。まだ坐っておるな」

 ゴルガンの言葉の意味は、すぐには届かなかった。

 

 あさつきは答えず、腰を前後に滑らせる。

 

 たんっ、たんっ、たんっ。

 

 肉のぶつかる音に、濡れた水音が混じる。

 

 自分の陰精が、結合部から糸を引いて太腿を伝っていた。

(出せ。偏らせろ。先端に集めろ)

 収精化気。

 

 相手の精を先端へ偏らせ、回路で収めて気に変える。それが房術の本義だ。

 

 深層はまだ温存する。さっき開いて発勁を食らった。同じ轍は踏まない。

 だが、偏りが来ない。

 ゴルガンの肉幹は熱く、硬く、脈打っている。

 

 なのに精気は下腹部に留まったままで、先端へ流れない。

 

 あさつきが締めるほど、自分の内壁のほうが先に痺れた。

「んっ……くっ、なぜ……出ない」

「出さぬだけだ」

「馬鹿を言うな。そんなに我慢できるものか」

「我慢、ではない。観ておる」

 ゴルガンは両手を頭の後ろに組んだまま、あさつきの腰の揺れを下から見上げていた。

 

 牙の隙間から、熱い息が漏れる。それ以外、乱れがない。

 あさつきのほうは、すでに次の波が来ていた。

 

 軽い絶頂が、また内側を撫で上げる。

 

 歯を食いしばって受け流す。脳識は残っている。名前も残っている。

 

 だが座が、小さく揺れた。

(また……イきそうになってる。出してもいない相手に)

 怒りが先に立った。

 

 洞窟であれほどの痴態を見られた。排便まで見られた。

 

 その男が、今も一滴も渡さない。

「出さないなら……出させる」

 あさつきは自分の尻を両手で割り、腰を落とす深さを一段上げた。

 

 子宮口が亀頭を包む。深層を解禁する。

 

 対魔粒子が奔流のように下り、霊絡が一気に開いた。

 ──開いた瞬間、熱が逆流した。

「あッ──ッッ」

 自分で開いた門から、ゴルガンの気が流れ込む。

 

 収めるつもりが、受信する。

 

 粘膜の血流が跳ね、潤滑が増し、感度が吊り上がる。

 

 あさつきの腰が、意図せず深く沈んだ。

「回路を開けたな。広い。だが栓がない」

「閉じてる……閉じてるわ……!」

「閉じておらぬ。開いたまま、俺の気を飲んでおる」

 たんっ、たんっ、たんっ。

 上に乗っているのはあさつきだ。

 

 なのに腰の主導は、下からの微細な突き上げに奪われていく。

 

 ゴルガンはまだ本気の発勁を使わない。ただ、開いた霊絡に気を乗せるだけだ。

 

 それだけで、あさつきの三層締は自分をしゃぶる波形に変わった。

「ふ、んうッ……出るなら……出ればいい……っ」

「まだ早い。お前の座が、先に揺れておる」

「座、だと……?」

 その言葉の途中で、また果てた。

 短い、しかし深い絶頂。

 

 視界の端が白く欠け、銀のバイザーの裏で瞳が泳ぐ。

 

 あさつきは「志賀あさつき」という名を、歯の裏側で噛みしめて座を繋いだ。

 

 還神。無意識の。不完全な。

 

 落ちきりはしなかった。だが、耐えることしかできていなかった。

「十数回、では済んでおらぬな。今ので、また一つ」

「か、数え……るな」

「数える。観精とは、そういうことだ」

 ゴルガンの巨手が、下からあさつきの腰を掴んだ。

 

 指が下腹の柔らかい肉に沈む。卵巣のあたりを、外側から圧する。

「おらっ」

「ひッ──!」

 下からの打ち上げが、騎乗位の形を壊した。

 

 あさつきの胸が跳ね、長い青黒の髪が背に張り付く。

 

 尻が、掴まれたまま叩き上げられる。

 

 アクションのように、肉の衝突が室内に散った。

「おらっ、おらっ!」

「あ、あぐぅ……っ、深……ッ」

 上にいるのに、突かれている。

 

 房術で締めた内壁が、締めのたびに自分の子宮口を彼の先端へ引き寄せる。

 

 収精の回路が、自慰の回路に短絡していた。

(出ない。なぜ出ない。私ばかりが──)

 怒りが、次の理解に変わったのは、その直後だった。

 あさつきは、自分の霊絡を内側から見た。

 

 限界突破で広くなった門が、いまも閉じずに開いている。

 

 対魔粒子は確かに多い。出力は確かに上がった。

 

 なのに栓がない。開いたまま、相手の熱を飲んでいる。

(開いているのは……私のほうだ)

 その気づきが、恥より先に怖かった。

 

 痴態を見せようとして乗ったのに、見せているのは今も自分だった。

「気づいたか」

「……ッ」

「門は広くなった。気の通りもよい。だが閉門が追いついておらぬ。だから締めるほど、お前が先にイく」

「だまれ……まだ、勝負は──」

「勝負は、もう精の層ではついておる。気の層も、いま開いた。残るは神だ」

 ゴルガンは上体を起こした。

 

 巨大な口が、あさつきの右胸を含み、乳首を舌で潰す。

 

 牙は立てない。それだけで、脳識が濁る。

 

 あさつきの腰がまた落ち、深層が彼を咥え直した。

「んふっ……や、めて、今は房術を──」

「房術は続いておる。お前が自分を絞っておるだけだ」

 チャッ、ピチャッ、ぬちゃっ。

 

 結合部から溢れる陰精が、ゴルガンの下腹部を濡らす。

 

 あさつきの腹は、まだ精を受け取っていないのに、熱でふくらむ錯覚を起こしていた。

 彼女は両手をゴルガンの胸に突き、一度だけ腰を浮かそうとした。

 

 抜けない。掴まれている。

 

 霊絡も、閉じきれない。

「放して……一度、閉じて──」

「閉じられるなら、閉じればよい」

 閉じられなかった。

 あさつきの奥が、また痙攣する。

 

 絶頂が、区切りなく重なった。

 

 舌が前に出る。涎がバイザーの縁を伝う。

 

 脳識は「負けるな」と叫んでいる。霊識は開いたまま熱を飲んでいる。神識は、歯の裏側の名前だけで座に爪を立てていた。

「ぁいいィ……ッ、イク……また……ッ」

「イけ。坐ったままイけ。翔ぶな」

「翔ばねえ……っ、私が……お前を……」

 言葉の途中で、腰がとろけた。

 

 上に乗ったまま、あさつきの力が抜ける。

 

 それでも子宮は彼を離さず、浅い痙攣で精をせがんでいた。

 

 せがんでも、精は来ない。

 ゴルガンは、ようやく腰の動きを止めた。

 

 まだ中にいる。まだ硬い。まだ出していない。

「精の勝負は、ここまでだ。お前は何度も漏らし、俺は一滴も渡していない」

「……くっ」

「気の勝負も、見えた。門を開けたのはお前だ。閉じられなかったのもお前だ」

 あさつきは、肩で息をしていた。

 

 汗が光沢の上を流れ、胸から臍へ落ちる。

 

 窓の外の喧騒が、遠い太鼓のまま響いている。

「残るは神識だ、志賀あさつき。忘我しても坐れ。坐れぬなら、次は霊手を出す」

「……出すなら、出してみろ」

 掠れた声だった。だが、座はまだあった。

 

 望んで翔ぼうとはしていない。名前も、対魔忍の核も、残っていた。

 ゴルガンの牙が、短く笑いに割れる。

「よい答えだ。では、上はここまでとする」

 次の瞬間、世界が回転した。

 あさつきは引き抜かれ、仰向けに叩きつけられる。

 

 ベッドが悲鳴を上げ、天井が近づく。

 

 両脚を開かれたまま、熱い肉槍が、今度は一度に二つの門を狙う気配を見せた。

 

 気の色が、結合部の手前で緑に濁る。

「待──」

「待たぬ。淫闘だ。耐えるな、還せ」

 緑の半透明が、ゴルガンの肉幹に重なって分かれる。

 

 一本は膣へ。もう一本は、まだひくつくアナルの蕾へ。

 あさつきの背が、ベッドに弓なりへ反った。

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