約5割はAIによるアイマスクなヒロピンを 作:総武文芸部
炎の領域が残るデパート内で、魔法戦士アクエリアとルミナは、炎魔族ローズに追い詰められていく。魔力も体力も限界に近づき、装備は損傷し、思うように動くことすらできない。
ローズは二人の連携と絆を嘲笑うように、あえて力の差を見せつけ、精神的にも追い込んでいく。
特にアクエリアは満身創痍となり、それを庇おうとするルミナもまた無力感を味わうこととなる。ローズは2人を分断することで、抵抗の意志を折ろうとするが、完全に屈服させるには至らない。
そして、ルミナへの凌辱が始まった。
ルミナは絶望と恐怖に飲み込まれながらも、先輩を想う気持ちだけは失わず、必死に耐え続ける。アクエリアも、声にならない思いを抱えながら、最後まで諦めることなくルミナを助けようとしている。
しかしルミナは、ショーツの中へローターを取り付けられた後、炎の領域に閉じ込められている。そして今もそこからは、嬌声がアクエリアの耳に届いていた。
アクエリアはボールギャグを身に着けられている。よだれを流しながら、ふーふーと荒い息で睨みつける。手錠をカチャカチャと動かしているが、座ったままの姿では、ただ愉悦させるだけだろう。
「というわけで、あんたたちの未来を再現してるわけさ。どうだい? 従う気になったかい?」
「ぁ……そんなことは、決してありませんわ!」
ボールギャグや手錠が一度消されたことで話せるようになり、すぐ噛みつくようにアクエリアは叫んだ。
しかし多少の体力を回復したとはいえ、相変わらず魔力は1割未満のまま、どれだけ反抗の意志を見せようと、有効な反撃はできない。
それでも、ゆっくりと彼女は立ち上がる。
「あなたは、ルミナの魔力を気に入っているご様子ですから……彼女を逃がす気などないのでしょう。それならば、わたくしは決して諦めませんわ!」
たとえ勝てる見込みがなくとも、ルミナを救うべく、アクエリアは立ち向かう気でいた。ボロボロのコスチュームで、胸元のブローチは粉々に砕かれていて、髪はボサボサだ。無理に立ち上がろうとしていたために全身が煤まみれだ。
魔力も雀の涙、耐久力や身体能力も、普通の女子大生程度に戻っている。
それでも、まだ変身アイテムであるアイマスクも、彼女の意志力も、決して奪えていなかった。
「やかましいったら、ありゃしない」
「決着をつけると、いたしま…しょ…う…」
アクエリアは目を見開いた。
ルミナを囲う炎の領域から、火炎弾が1発だけ飛び出してくる。
それは決して、ルミナからの援護などではなかった。アクエリアに奇跡の逆転は起こらない。
「きゃああああ!?」
それは足元に着弾して、その衝撃だけでアクエリアの身体は吹き飛んでしまった。壁に背中がぶつかって、口からは鈍い声とともに、いくらか透明な液体が飛び出てしまう。
ずるずると背中をこすりながら、アクエリアは脱力してしまう。
「ぁ……ぐ……」
「無様だねぇ」
どれだけ正義や意志を見せようと、もはやアクエリアが抵抗できる方法は何も残っていない。笑いながらローズは、近づいてくる。
そしてその柔らかな胸に、ヒールを当てて、じっくり押し込んでいく。
「きゃっ……おやめください…ま…せぇ……」
「いい声で鳴く……っと驚いた、びしょびしょじゃないか」
ワンピースドレスの裾はボロボロで、そこからデリケートな部分やショーツなどを守るドロワーズが見えているが、明らかに一部が液体を含んで変色していた。
胸を責められただけですでにアクエリアの頬は赤く染まり、恍惚な表情を浮かべている。その欲情している原因は、まず過去の多くの経験によるものだ。ほかにも、疲弊している身体だとか、手錠による拘束だとか、ボールギャグによる抑圧だとか。
「まさか、あっちの子飼いに興奮したのかねぇ」
「……言わないで…くださいましぃ……」
そして何よりルミナの、嬌声だったり、喘ぎ声だったり。
ほぼ同年代の友人で、妹のような存在であり、一緒に戦う相棒であり、そんな愛梨やルミナの声に自然と興奮してしまっていたのである。知らないうちに、アクエリアの趣味嗜好は、過去の様々な凌辱によって歪められてしまっていたのかもしれない。
「…それもこれも…あなたのような魔族のせいで……」
「言うねぇ。なら、その通りにしてやろうか」
ローズは、片手でアクエリアの身体を壁に押し付けて、もう片手には新たな魔導具を具現化させる。それには闇属性の魔力が込められているようだが、それは決して魔法を使うステッキのようなものではない。
先端は、とあるモノを思い浮かべる特徴的な形をしている。
「ぁ……ぁ……それは…」
「やはり見覚えがあるんだねぇ。持ってきておいて…よかった!」
アクエリアのワンピースドレスの裾はすでにボロボロであり、そのダメージは、ドロワーズにまで及んでいた。それを素早く引きずり降ろして、タイツをビリビリに引き裂いて、純白のショーツを外気に晒す。
ルミナのものよりレースが多く、とても色っぽく、しかも小さめで薄めだ。まるでアクエリアの本性が暴かれているかのようである。
「はんっ、びっしょびしょだねぇ。どこが正義のヒロインなんだか」
「やめて…それは…それ…ぁぁあ!!」
アクエリアは軽くショーツをずらされ、そんなバイブを一気に、奥まで突き刺される。ぐぐぐっと肩や首が上がり、一瞬だけ失神しそうな感覚を得る。
「驚くほど、すんなり入るじゃないか。光属性魔法の使い手ほど効くらしいねぇ」
「ひぅ……また……わたくしでは…ぬけないのにぃ…」
アクエリアは涙を浮かべてしまった。
過去に何度も経験していようと、この闇のバイブ責めが苦手であった。なぜなら、身体は本能的にこの魔道具を求めてしまい、きゅっと挟み込むように受け入れてしまっている。しかもこの魔道具が記憶にある物と同タイプであれば、本人では抜くことのできない呪いの効果も備えられるのである。
「あっちの子飼いより、オモチャに慣れてる感じだね?」
「ぁ…ぐ……ひゃぅぅぅ……」
魔導具に溜め込まれている闇属性魔力を、直接的に身体の内部に入れられることで、ビリビリとした独特な痺れがアクエリアを襲う。
更には、ぐいんぐいんと回転するような動きを始める。それは、アクエリアのデリケートな部分が、かき混ぜられるようであった。他にも振動の大小も切り替えられたり、周期も自由自在だったり。
「ぬいてぇ……くださいましぃ……」
「こんな時まで敬語なんだねぇ。どれだけの魔族の、お・ふ・る?」
アクエリアは、まるで使用済みな物のように言われて、ローズに胸を、とんとんとんとリズムよく叩かれる。そんな彼女の下着の奥では、すでに乳首はビンビンに尖っていることだろう。
「はぁ…はぁ…イクぅ…イっちゃいますぅ……」
そんな言葉は、たぶん普段のお嬢様のような姿としては、はしたないだろう。それでもアクエリアはどうしても、そういう言葉を口に出してしまう。
「こりゃ逸材だねぇ。誰かの物ってのは気に食わないけど」
「ふぇ…ぁふぇ……また痺れがぁ…きてぇ……」
ローズは両手で、アクエリアの頬をわざとらしく撫で回した。今度は自分の物だと宣言するかのような仕草である。そんな快感とは別種に、闇属性魔力もアソコへ注入する。
「ほらほら、ルミナにももっと聞かせてあげな? 魔法戦士のお手本をね?」
「うぅ…これ…ぁん!…ちがいますわぁ……」
アクエリアは首を振った。
そして、片手でローズの肩を押しのけようとして、もう片手で刺さっているバイブを抜こうとする。だがその闇のバイブは、自分では決して抜けない仕様なことだった。しかも彼女自身の身体がその意志を否定するかのように、きゅっと出口が閉まってしまう。
そんな出口を、かき混ぜられることで、ますますアクエリアは嬌声を出してしまう。
「ほぅら、1回イってみせな~?」
「…おやめ…くださ…ぁ…つよく…なって……」
やがてアクエリアの両腕は、ぱたりと脱力してしまう。胸を激しく揉まれ、バイブの機能を全開にされている。彼女は天井を軽く見上げて、嬌声を、小刻みに出してしまう。
「ほら、出してみな! アクエリア!」
「ぁ…ぁ…ぁ……イクぅぅ~~!!!」
ぐ~っと、アクエリアの身体がそり返った。
闇のバイブが勢いよく引き抜かれてしまい、内部での摩擦だとか、返してほしいと身体が訴えたりだとか、闇魔力がもたらす快感だとか、昇天しそうなほどの心地よさだとか。
「イクぅ…イっちゃいまし…ぁぁぁ~~~!」
ぶっしゃぁぁと、アソコから水が勢いよく噴き出す。
ぴしゃぁ、 ぴしゃぁ、 と弱く溢れていく。
「ぁ……ぅ…………」
アクエリアは放心していたかのようだったが、がくっと俯いてしまう。
無理やりなのに、心の底から気持ちよさそうな表情を、浮かべさせられていた。
「ったく、汚いねぇ」
「ぅぅ……もうしわけ…ございませんわ…」
慌ててアクエリアは顔を上げて、怯えた様子で謝る。目の前の魔族に浴びせてしまったことにより、拷問されることを恐怖しているかのようだった。
彼女はこういう潮吹きをしてしまう経験は何度かあった。だが久しぶりだったことと、声だけとはいえ、きっとルミナに聞かれてしまったことで、罪悪感のようなものを感じてしまう。
まるで絶頂して熱々な頭に、冷や水を浴びせられかのような感覚だった。
「ま、アタシは寛大だからねぇ」
「……くぅ…」
ローズに付着していた液体は、ジュッと一瞬で蒸発した。アクエリアは許してもらえることにお礼を言いそうになったが、きゅっと口をつぐんだ。
「どうだい、もう一度これが欲しいかい?」
「……いりませんわ…そんなもの…」
べっとりと湿っている闇のバイブを見せられ、アクエリアは言葉ではきっぱり否定できる。でも、びしょびしょで、ゆるゆるになっているショーツの奥は、それを求めてヒクヒクと動いてしまっているようだった。
「そうかい? あの子飼いに、ルミナにあげるしかないねぇ」
それは、まだ処女であるルミナにとっては危険なことであるかもしれない。とはいえ処女かどうか関係なく、そんな選択をアクエリアはしない。
「だ…だめ!……わたくしに…挿入して…ください…まし」
そして、アクエリアの希望通りに、その闇のバイブは手渡された。まるで自分で再びアソコに挿入しろと言われているかのようだった。
恐る恐るアクエリアは、自分でショーツをめくり、逆手持ちでアソコに触れさせた。身体はすでに受け入れ態勢となっていて、わざわざ入り口は本能的に開いてしまう。
「ここまで長く反抗したんだ。罰として、それは付けて過ごしてもらうよ。立っているときも、寝る時も、街を歩く時も、そのままだ」
「……申し訳ございません…わたくしが…よわいせいで…ルミナ…」
ルミナを守るためだと、言い聞かせる。アクエリアは自ら、バイブを奥まで突っ込もうととした。
その時だ。
―――――
少し時間は戻る。
魔法戦士ルミナは床に伏したまま、視線を泳がせている。
彼女も状況は絶望的だった。炎の檻に閉じ込められ、変身コスチュームは破損だらけ、ルビーのブローチは粉々に砕けて地面に落ちている。しかもヘンなものまでショーツの中でタイミングよく振動を続けている。
魔力もほとんど空っぽで、アクエリアが人質にされている。
アクエリアはあの時のように、きっと泣いている。
「わたしを……守れなかったことを後悔してる…」
だからこそルミナは、アクエリアを助けなければならない。友人で、先輩で、相棒だから。
「方法は……思いついた…」
ショーツの中のヘンなものが、実はさっきから動いていなかった。
よほど炎魔族のローズは、アクエリアに対する凌辱に夢中らしい。
ルミナが思い出すのは、水魔族リヴィアの言葉だ。あの時も魔力を吸収されたが、相性が悪いからと時間がかかっていた。そして、助け出される前に、アクエリアはリヴィアの水魔法を掌握できていたことだ。
今回の戦いを振り返れば、ルミナが作った炎の障壁を、ローズに掌握させられて爆発させられた。
「……なら、この炎の領域は、わたしの武器」
小さな呟きは、喉の奥で掠れた。
だがそれだけでは決定打にならない。
更に重要なのは、ローズは炎魔族ということだ。もしその魔力の流れを掴めたら。もし今度は自分が奪う側に回れたら。
「がんばってみよう……挑戦することは、いいこと…」
失敗しても、そんなことをアクエリアは言ってくれた。
逆転のチャンスはたぶん1回きり。でもどうせ失敗しても、結果は同じだろう。なら成功を掴み取ろうとルミナは思った。
そして、アクエリアの、今日で最も大きな声が聞こえた。ローズによって無理やりだけど、そちらに意識は向けられているはず。
「先輩を助けてみせる。勇気を出そう。せーのっ!」
ルミナは、炎の領域を感覚的に掌握して、それを足りない推進力に変える。
チャンスは1度きり、勢いよく弾丸のように、炎の領域から飛び出した。
「さあ、早く……なにっ!?」
ローズが気づいた時には、もう遅い。
ルミナは両腕で、ローズの腕に絡みついた。抱きつくように、必死に。
「何のつもりだい。離れな!」
ローズは驚いて、引きはがそうとする。そんなルミナの小さな背中を、がん、がんと殴りつける。今は普通の女子大生程度の耐久力しかなく、ルミナは激痛を味わう。
だが、ルミナは離れない。指先から、熱と重さが伝わってくる。
「もう、この方法しかない……!」
ルミナは、魔力を掴みにいった。
「まさか! それは危険ですわ!」
目的に気づいたアクエリアの叫びは正しかった。彼女自身が、その手に持っている物で、ずっとそれを受けていたからだ。
「……やば…ほんとだ…」
闇の魔力の池に、素手で触れるかのような感覚が、ルミナを襲う。身体の奥が裏返るかのようだ。視界は涙で歪み、身体はどんどん痺れてくる。
それでも、ルミナは離れなかった。
「ちぃ! アタシの魔力を奪うつもりかい!?」
そう叫ばれ、背中に炎魔法の攻撃を受けながらも、ルミナは歯を食いしばって魔力を引き寄せる。闇属性の魔力も、わずかに混じっていて表情が歪む。
「……っ、ぐ……」
だが、確実に火属性の魔力を奪えている。炎魔族なのと、しかもローズは温存していたから、その量は多い。だからその一部を奪うくらいでいい。
そんな数秒が、永遠のように続いた。
やがてルミナの内側で、魔力が満ちる感覚が戻ってきている。ほぼ魔力3割で、ちょうど、必殺技に届く量だ。光と火に適正があるから、変換もすんなりと上手くいく。
残る問題はブローチを失ってしまっていることだ。これでは必殺技の安定発動はできないだろうが、ルミナは感覚的に自分自身を使って無理やり発動する。
「まずい…! そこまで回復したのかい!?」
ローズの声に、焦りが混じる。
「このままホーリートルネード!」
ルミナは、その場で光の魔力を解放した。
自分ごと光の竜巻に包み込んだ。形状は不完全だが、その場で光の渦が立ち上がり、周囲を包み込む。ルミナ自身やアクエリアにとっては無傷で済む
しかしローズにとって致命傷であり、必死に離れようとするが間に合わない。彼女は全身から炎を噴き出して、それを盾にしようとする。
「足りない…の……?」
すでにルミナの魔力はほとんど尽きている。
しかし必殺技の威力は、わずかに足りていなかった。
「アタシを甘く見るなよ、小娘ども!」
ローズは全力で炎を放ち始める。
「ルミナの覚悟……見せてもらいましたわ!」
アクエリアもまた、最後の魔力を込める。水でできた刃で斬り裂くように、一直線にその炎の障壁を斬り裂いてみせた。
「こんな…大した魔力もない…小娘どもに……」
ローズは怯んだ。
光の竜巻が隙間から入り込むように、彼女の身体を包み込んだ。
「……おのれぇぇ…」
そんな断末魔を残しきる前に、光の中に溶けていって浄化されていった。
もう炎魔族の気配は感じ取れない。そして遠くに見えていた炎の領域も、どんどん消えていく。
また、アクエリアが投げ捨てた魔道具の1つも、ルミナが身に着けていた魔道具も、あくまで闇属性の物だったために、ホーリートルネードの威力の前では消し飛んだらしい。
こうして戦いは終わった。
「ぁ……」
「だいじょうぶ…ですか……」
魔力切れで、ルミナの変身は自動的に解除され、アイマスクはそのままに春野愛梨としての私服に戻る。アクエリアも同様に、清水優奈としての姿になる。
2人は支え合うように、その場で座り込んでしまう。
肩で息をしながら、しばらく言葉も出なかったけど。
お互いの顔を見合って、温かさを確かめ合って、おでことおでこで触れ合う。いろいろな悩みが吹き飛ばされるくらいに、まず何よりも2人で無事に勝利できたことを喜ぶ。
「愛梨……」
「優奈先輩……」
それからしばらく、彼女たちは見つめ合っていた。
温かくて優しい息づかいは、心地よく感じるものだ。
優奈には辛い過去がある。きっと彼女も、愛梨も、魔法戦士としての戦いで様々な苦難を経験していくだろう。
そういうことを乗り越えていくためにも、『特別な思い出』を、2人は求めたくなった。
自然と2人の呼吸が重なる。
じっくりと確かめ合うように、柔らかな温度を共有した。
「えと…優奈先輩……大丈夫だった……?」
愛梨が照れたように聞いた。
「もう大丈夫。愛梨のおかげですわ」
優奈は、愛梨の頭を抱き寄せて、そっとその明るい茶髪を撫でた。
「闇属性の魔力を、取り込んだのですもの。まだ身体が痺れているようでしょう?」
優奈は、ほんのわずかに残った魔力で水属性の治癒をかける。ホーリートルネードでそこそこ浄化したとはいえ、お互い闇属性の魔力を一時的に取り込んでしまった。
「……無茶されると、心配するのよ」
優奈は普段より柔らかい声だった。彼女はそんな自分の弱いところを、愛梨にだけは見せられる。
「そっちこそ……今が無茶してるじゃん」
愛梨は甘えるように寄りかかった。彼女はそんな自分のワガママを、優奈にだけは言うことができる。
「敵、強かったね……」
「そうですわね……もっと強い敵もいますわよ」
優奈は、少しだけ遠くを見るような視線だったけど。
愛梨は、頬を優しく撫でる。
「ん。だから一緒にがんばるよ。この街の平和くらいは」
「ありがとうございます。本当に心強いですわ」
静かな夜気の中、二人は肩を並べ、しばらくそのままでいた。
幸い、命に関わる怪我はなかった。熱や打撲による軽傷と、そして極度の疲労だった。検査のために搬送され、簡単な処置を受けたのち、2人は並んでベッドに腰掛けることができた。
光属性への適正があるからなのか、驚くほどの快復力である。
だから退院は、驚くほどあっさりだった。こうして、大学へ向かう朝の人波、お昼のカフェテリアでの風景、夕暮れの雑踏、そして2人きりで過ごす休日、そんないつもの日常が何事もなかったかのように戻ってくる。
だが、愛梨と優奈は知っている。
この街の平穏は、偶然ではないということを。
そして次の戦いが、きっとまた、静かに近づいているということを。
つづく。