※この作品はR-18です。

うお……貞操逆転世界の魔法少女はちょっと性欲強すぎ……   作:はすきー

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うお……貞操逆転世界の魔法少女はちょっと性欲強すぎ……

 

 

 

 

「割とマジな話をするとねぇ、最初が一番大事だよ」

 

「……やっぱそうなの?」

 

 安居酒屋の薄いハイボールを啜りながら、恐る恐るそう尋ねる。

 清楚なお姉さんには処女であってほしいな〜、とか思ってたらこの歳で童貞である。

 この世界では女性経験がない、となるとその実情を把握するには経験者に聞くのが手っ取り早い。

 

「うん。特に氷織ちゃんみたいなのはさぁ、普段朔くんに世話焼かれたり色々されてる訳じゃん。そういう子ってなんて言うんだろうね……征服欲って言うのかな? 心の中じゃ『たまには自分がリードしたい』って思ってたりするんだよね」

 

 リードね、と鼻で笑いそうになる。

 まあ立場を逆転させれば分からない事もない。

 普段世話を焼いてくれる清楚なお姉さんに、ベッドの上くらいは良い所を見せたい青年みたいなもんか。

 

「とにかくそういう子が『自分が上に立てるんだ』って認識しちゃうとね。もう、ぐっちょぐちょのめっちゃくちゃにされちゃうよ」

 

「そりゃ怖いな」

 

「僕はめちゃくちゃにするのもされるのも好きなんだけど」

 

「お前の好みはどうでもいいんだよ」

 

 俺からレジュメを借り上げ、女遊びにうつつを抜かすこいつがどうして俺よりも成績が良いのか非常に納得が行かない。

 大学の講義だけなら枕かましたんだろうとしか思わないが、入試の順位も俺より良いし。マジで何なんだこいつ。

 

 

 

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 酒の席での夜家とのそんな話を思い出していたのは、氷織の受験がいよいよ近付いてきた時の事だった。

 

 あいつにそんな甲斐性はないだろうと思ってるが、実際押し倒された事はあるもんな。

 確かに一度主導権を握られれば嬲られ放題になるのは間違いない。そもそもフィジカルが違う上に、魔法少女なんてどいつもこいつも性欲モンスターだから。

 故に初夜が肝心、だと夜家は言っている訳だ。

 

 子象の杭、という話がある。

 クソデカい象でもなんか小さな子供の頃から杭に繋いどくと、大人になってもそれを自分じゃ引っこ抜けなくなるとか何とか。

 

 つまり最初の一夜で完璧に躾けて、上下関係を理解(わか)らせる。

 男女の営みが今後もついて回るなら、そこをコントロールしておかなければこの世界においてはマジで死活問題だし。

 あんな妄獣の群れに飛び込むとかいう自殺行為を何とか潜り抜けたのに、腹上死とかつまらなさ過ぎる。

 

 

 見られていた方が集中できるとか何とかで、氷織はリビングで勉強している事が多い。本当の所は1人部屋の中で篭って勉強していると、自分を慰めるのに夢中になって手に付かないだけだろう。

 まあ仕方ない、自業自得とはいえ毎日俺が生殺しにしてる訳だから。

 

 いつものように過去問と向き合っていた彼女は一段落ついたのか、大きく伸びをした。それを見て、今まで目を走らせていた小説をテーブルに置き、声を掛ける。

 

「俺コーヒー淹れるけど、どうする?」

 

「んー……じゃあ、お願いします」

 

 ミルク2つに角砂糖1つ。

 初めて会った時に比べりゃ背も伸びてるし色々大人にはなったが、それでもまだまだガキだ。付け加えるならエロガキだ。

 疲労回復に良いカカオ多めのチョコレートを添えて出してやると、まだ熱かったのか息を吹きかけて冷ましていた。

 

「そういや、合格したら何かご褒美やらなきゃな。誕生日とクリスマスプレゼントも兼ねて、なんでも好きな物やるよ」

 

 再び小説を手に取ってそう軽く言い放った途端、氷織がぴたりと動きを止める。

 

「……なんでも、ですか? えっと、あの……なんでもなら、物じゃなくてもいいんですか……?」

 

 かかったな。案の定「なんでも」という言葉に反応している、エロガキが。

 

「ああ。でも俺にできる事にしてくれよ、金もそんなにある訳じゃないし」

 

 氷織はその返答を聞くと、カップを置いてもじもじとしていた。

 昔は何を言ってもこんな風に遠慮していたのを思い出して、少し懐かしい。

 

「あの、その……したい、です……」

 

「なんて?」

 

 もごもごと言葉を濁す彼女が何を言いたいのかは大体分かるが、向こうに言わせなければ意味がない。

 痺れを切らしたのか、氷織は目をつぶって早口でまくし立てた。

 

「できれば、できればですけど! あの、え、えっちがしたいです……!」

 

 えっち、と来た。

 

 あまりに真剣な表情だったから思わず噴き出しそうになったが、なんとかぐっと堪える。氷織からしてみりゃ一世一代の冒険な訳で、それを茶化すのは流石に可哀想だ。

 

「ふーん。まあ、いいか。受かったらな」

 

「そうですよね、駄目ですよね……え、嘘、ほ、本当ですか!?」

 

「そりゃ頑張ったのにご褒美の一つもくれてやらないのは惨いだろ」

 

 あくまで仕方なく、という風を装う。

 んな訳あるか、俺にだって人並みに性欲はある。ただそれを自分から匂わせるのは清楚じゃない。

 あくまでしゃーなし、包み込んでやるような包容力こそが清楚なお兄さんたる所以な訳で。

 キャパオーバーしたのか顔を真っ赤にして目を回している氷織に「適当な所で切り上げなよ、俺もう寝るから」と声を掛ける。

 

「約束ですよ、絶対ですからね……?」

 

「受かってから言えよな」

 

 氷織がわざわざ買ってきたダブルベッドに横たわると、ぼんやりとこれからの事を考える。

 22歳と18歳。

 まあ……まあギリギリセーフとしたい。生殺しの目に遭ってるのは別にあいつだけじゃない。

 俺だってそうだし。

 

 数十分後、氷織が布団の中に潜り込んできた。

 俺がもう寝付いていると思ったのか、隣で背を向けている氷織から荒い吐息が漏れ始める。程なくして、耳に絡み付くような淫靡な水音が部屋に響く。

 

「はぁ……んっ、くぅ……」

 

 マージで耳に毒。

 俺の精神力も褒め称えられるべきだと切実に思いながら、悶々としつつ眠りに落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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 春の訪れが近付いてきた、ある日の事。

 待ちくたびれたようでもあり、早すぎるようでもあり。氷織の合格発表、その日だった。

 

 別にネットで合否は分かるが、あえて二人で結果が貼り出される大学まで来ていた。

 受かるにせよ落ちるにせよ、それは氷織にとって貴重な経験だ。逃げに走るよりも、大いに笑えばいいし大いに泣けばいい。死ぬ訳じゃないんだから。

 

「受かってますかね……?」

 

 不安そうに俺の方を見てくる氷織に「駄目だったらお預けだな」と笑う。

 その言葉も耳に入っていないのか、何年か前に俺が編んだマフラーをぎゅっと握り締めていた。

 

「そんなに俺と同じ大学に行きたかったんなら、魔法少女の特権使えば良かったろ」

 

「もう、それじゃ意味ないんです! 清楚じゃないですもん」

 

 魔法少女が望めば、国内であればどこの大学でも望みのままに進学できるだろう。それでも氷織は「自分の力で、朔さんと同じ所に行きたいんです」と頑なに譲らなかった。

 まあ自己採点の結果は悪くなかったらしい。

 この数ヶ月、何度神社にお参りに行ったか覚えていない。せめて賽銭分は元が取れるように、なんて不埒な事を考えた。

 

 人でごった返している掲示板の前まで来た途端怖気づいたのか、氷織は何故か俺の後ろに隠れようとし始めた。

 

「わ、私見るの怖いから朔さんが見てください……わわ、押さないで」

 

「清楚なお姉さんは怖い事から逃げないんだよ」

 

 アホな事を言う氷織の背中をそう押してやる。

 俺からしてみれば妄獣とやり合って傷付く方が余程怖いが、彼女にはそうでもないらしい。

 人混みに飲まれていく氷織を見送るうちに、ある事に気付いた。いつの間にか固く握っていた手の平は、緊張からか汗で濡れている。

 

 なんだ、緊張してるのは俺もかよ。

 あいつの努力が足りていたのかどうかは知らない。でも、少なくとも俺はずっと隣で見てきた。魔法少女としてじゃなく、一人の高校生として自分の目標に向き合ってきた姿を。

 割とポンコツで、至らない所も沢山あるが。たまには報われたって良いはずだ。

 

「……ある」

 

 もみくちゃにされている氷織の呟き声が、喧騒の中で確かに聞こえた。

 

「私の番号がありますよ、朔さん! ほら見て、ここ! 逆見さんにも電話しなきゃ!」

 

 はしゃぎながら自分の番号を指差して、何度もそう振り返る笑顔が眩しかった。

 目頭が熱くなるのを、上を向いて誤魔化した。

 

 

 

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 夕飯を済ませるついでに店長へ合格の報告を済ませた後、家に近付くにつれて氷織の口数は少なくなっていった。

 元気がなくなった、というよりは緊張が解けて俺との約束を思い出したんだろう。

 

 玄関のドアを開けて、リビングで一息つこうとした瞬間。

 

「お、お風呂、一緒に」

 

 興奮を抑えきれないのか、何故か片言で俺の腕を掴んで連れて行こうとする様はエロガキと言わざるを得ない。

 

 うーん、これは確実に犯される。

 別に俺は構わないが、氷織が絶対引きずるのは目に見えているから敢えて突き放す。まあ、一緒に風呂はいずれ追々という事で。

 

「入りません」

 

「なんで!? ねえ! なんでですか!?」

 

 あまりにも必死なその有様に憐憫すら感じる。

 

「お前、今のままだと確実に脱衣所か風呂場で俺を襲うだろ」

 

「……」

 

「否定しろよ」

 

 性欲を制御しきれないのか、子犬みたいな唸り声を上げて目尻に涙すら溜めている。まあ、気持ちは分からなくもない。

 

「最初だからちゃんと大事にしたいんだよ、分かるだろ? 逆にお前は風呂場で何となくが初体験でいいのか」

 

「うう……分かりました……」

 

「じゃ俺、先にシャワー浴びてくるから。覗くなよ」

 

 もう完璧である。主導権は完全に俺の手の中にあった。あんまり待たせても可哀想だからそこまで時間をかけず、氷織が脱がしやすいように前開きのルームウェアを選んだ。

 

「じゃあ次どうぞ」と言いながら、部屋のドアを開けた俺の目に映ったのは。

 リビングの中央で目隠しをしたまま座禅を組んでいる氷織の姿だった。鬱屈した性欲はここまで若者を追い詰めてしまうのかと空恐ろしくなった。

 

「何のプレイなんだよ」

 

「いえ、違います。今、その……朔さんの湯上がり姿を見たらまず間違いなく我慢できませんから。あいてっ」

 

 目隠しをしたまま、壁にぶつかりながらよろよろと浴室へ進んでいく。

 エロガキ云々というより、ただのアホの様相を呈している。性欲ってここまで人間をバカに変えてしまうのだと思うとつくづく恐ろしい。

 

 

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 ゴムを準備し、切った爪をヤスリで磨いて整えていると、ものの五分程度で浴室のドアを勢い良く開ける音が聞こえた。

 

「ちゃんと、ちゃんと洗いましたから!」

 

 確かに洗ったんだろうが、バスタオルを巻いただけでろくすっぽ髪も乾かしていない。

 エロガキだとは思っていたが、ここまでとは。

 

「おいで」

 

「は、はい」

 

 ベッドに座らせると、ドライヤーを持ってきて髪を手櫛で乾かす。さらさらとした触り心地は飽きる事がなかった。

 

「風邪引くだろ、それに俺までびしょびしょにする気かよ」

 

「……」

 

 緊張しているのがありありと分かる。手が滑ったふりをして耳にそっと触れると、身体がびくんと跳ね上がる。感度良し、という訳だ。

 ただ如何せん固くなり過ぎだ、少しほぐしてやるか。

 

 キッチンに立って砂糖を入れた甘いホットミルクを入れると、氷織にそれを渡して尋ねる。とりあえずリラックスさせて、後は目先を少し変えさせるか。

 

「卒業旅行はどこに行くんだったっけ?」

 

「え……? あ、えっとですね……」

 

 友達とテーマパークに泊りがけで行くのだとホットミルクを飲みながら楽しそうに話す氷織の姿は、昔では考えられない。楽しみな事を思い描いたからか、少し緊張もほぐれたらしい。

 さて。

 

「じゃあ上と下、どっちがいい?」

 

 最初は俺の言葉の意味が分からなかったのか、首を傾げていた。

 

「体位だよ、体位」

 

「あ、え……わ、私、上がいいです!」

 

「無理すんなよ、処女なのに」

 

 その言葉を聞いた瞬間、氷織の顔に紅が差す。

 

「朔さんだってど、童貞でしょう! え……ですよね……? だ、だってあれだけ清楚清楚言ってましたし……」

 

 不安そうにおずおずと聞いてくる様は可愛げがある。

 やっぱこっちでは童貞の方に価値がある訳だ。

 

「まあ、今世はな」

 

 当然の事ながら、氷織はよく分からないという顔をしていた。

 

「じゃ、いいよ。好きにしな」

 

 そう言ってベッドの上に寝転がる。

 氷織は躊躇うように俺の身体をぺたぺたと触っていたが、ごくりと生唾を飲み込んで離れた。

 

「や、やっぱり朔さんにお任せします……」

 

 処女特有の及び腰、というよりはヒートアップして俺を傷付ける事を恐れているようだった。

 

「そっか。まあお互い無理せずな」

 

 向かい合った状態から、押し倒す。

 されるがまま目を閉じている氷織に、柔らかい唇に触れるようなキスを何度かした後、そっと舌を挿し入れて絡め合う。拙いながらも絡ませようとしてくる彼女の舌を吸ってやると、身体がぴくりと震える。

 さっき飲んでいたホットミルクの甘い後味を堪能しながら重ねた唇を離すと、艶めかしく糸を引いた。

 

「んっ、これ……っ、キスなのに、気持ち良いです……」

 

 とろんとした目でそう呟く氷織の頬から、首筋に指を這わせる。

 そのまま胸元、腹、太ももまで。全身を余すことなく撫で擦る。細胞の一つ一つに至るまで、お前をちゃんと愛していると伝えるように。

 もどかしそうにしながらも、氷織の顔は赤らんでいた。

 這わせた指が、彼女の巻いているバスタオルを剥がそうとした時。

 

「や、やっぱり、その……」

 

 バスタオル越しに押さえているのは、昔妄獣に付けられたという腹部の傷だった。詳しい事情は知らないが、氷織にとってはかなりのコンプレックスらしい。

 

 だが。

 

「あのな、お前は可愛い。綺麗だ。だから大丈夫だ」

 

「え、は、はい……私、可愛いですか?」

 

「そう言ってるだろ」  

 

「そっか……えへへ……」

 

 改めて氷織に向き合う。

 魔法の影響からか、透き通るような白い肌や髪は日本人離れしていた。

 幼い頃にあまり食べなかったからか、身長は平均より少し低いくらいだし華奢な体格も相まって西洋人形を思わせる。

 ただ女性らしい丸みを帯びたフォルムは、普段意識しないように努めなければいけないくらいには女だった。

 くびれた腰に張りのある尻。一思いに突き入れて精を吐き出したら、さぞ気持ち良いだろう。

 

 

 サイズとしてはそこまで大きくないが、形の良い胸の膨らみを量るように揉む。

 ぷっくりと立った乳首の周りを焦らすように指で円を描く。時折乳首を軽く引っ掻いたり弾いたりする度に、氷織の口から甘い声がこぼれた。

 

「ぁ、っ、気持ち良いのが、ずっと……」

 

 なぞって。

 舐めて。

 吸って。

 

 乳首を舌で転がすと、気持ち良いのか腰がかくかくと浮く。

 

「それっ、やだぁ……おかしくなる……っ」

 

 そのまま下腹部を撫でるようにして指を滑らせる。彼女の秘部は触る前から解す必要もないんじゃないかと思うほど濡れていた。

 割れ目に沿って軽く撫でてやると、それだけで物欲しそうにとろりと蜜を吐き出す。

 

「随分ご機嫌だな」

 

「これは、その……」

 

 クリトリスを指の腹で優しく刺激しながら、ひくひくとしていた氷織の秘部に人差し指をゆっくりと挿れていく。まるで咥え込むかのようにきゅうきゅうと締め付けてくる中、そっと動かした。

 

「んっ!? なにっ、これっ!?」

 

 自分の知らない快楽に怯えて逃げようとする腰を捕まえ、弱い所を嬲り続ける。啜り泣きにも似た喘ぎ声が深い呼吸に変わるのにそう時間は掛からなかった。

 

「あ、や、イくっ……イっ……え……?」

 

 指で満足されてもつまらない。寸止めするのも可哀想だが、許してほしい。荒い吐息を漏らしながら、氷織はじっと俺を見つめた。

 

「悪い、俺ももう我慢の限界でさ」

 

 ゴムを着けると、もう迎え入れるには十分なほど潤った氷織の秘部に先端を充てがう。

 期待に満ちた彼女の眼差しに応えるように、一息で奥深くまで突き入れた。狭くはあったが、思ったよりも容易く包み込むように呑み込まれる。

 

「〜〜〜〜っ!? ♡♡♡」

 

 挿れただけでイッたのか、身体を震わせている氷織を押さえ込むように覆い被さると、そのまま何度も奥まで抉る。その度に嬌声を上げる彼女は、とても勇ましく妄獣に立ち向かう魔法少女の姿には見えない。

 力では到底敵わない相手が、自分の下で蕩けた表情を晒している事実に暗い快感が湧き上がってくる。

 氷織の身体を起こすと、ちょうど対面座位のような形にして逃げられないようぎゅっと抱きしめた。

 

「これ、だめ、またっ、またくるぅ……イくっ……!」

 

「っ、く……!」

 

 腰を掴むと、奥深くに精を吐き出す。

 射精の余韻に浸った後、ゆっくりと引き抜いた。しばらく抜いていなかった事もあってか、中々の量だった。ゴムしてなかったらやばいな。

 

「うぁ……」

 

 流石にぐったりとしている氷織の額にかかった髪を、撫でるようにして除けてやる。

 一仕事終えた気分で無性に煙草が吸いたかったが、せっかく禁煙続いてるしな。

 そんな事をぼんやりと考えていた時。

 

「はぁ……はぁ……もう一回……」

 

 あ、ヤバい。

 俺を見下ろす氷織は、スイッチが入った時の目をしていた。

 

 

 ─────────────────────────────────

 

 まるで手負いの獣だ。

 あまり刺激しないよう、ゆっくりと喋りかけたつもりだったが。

 

「俺さっきイッたばかりだからさ、すぐには無理だって。構造上の問題だから、こればっかは仕方なくて、ちょっ」

 

 白い生足を絡ませるようにしてベッドに押し倒された。ひんやりとした太ももに刺激されて、少しずつ自分のそれがまた勃ち始めるのを感じる。

 擦り上げるように上下されるそれは、射精には至らないが緩やかな快感を募らせてくる。

 

「……ふー♡」

 

「ん、ぁ……」

 

 耳に息を吹き込まれ、思わず声が出てしまう。慌てて口を塞いだが、もう遅かった。にんまりと笑みを浮かべると、氷織が囁く。

 

「朔さんは耳が弱いの、覚えてますよ」

 

 そう言いながら舌を耳の中に挿し入れてくる。

 ぴちゃぴちゃと響く淫らな水音と共に、俺の肉棒を握ってゆっくりと上下に動かし始めた。

 耳舐め手コキってこいつ、マジかよ。拙くはあれど、死ぬほど気持ち良いんだけど。

 

「氷織、ちょっと、休憩っ……」

 

「ふふ。おっきくなったから、もう一回できますね」

 

 彼女の言う通り、俺のそれはもう準備万端だった。

 しかし。

 

「朔さんが怖いなら。嫌なら、やめますから」

 

 切なそうな顔でそう言った。

 いや、それはズルいだろ。

 

「……嫌じゃ、ない」

 

 そう答えた途端、選択を間違えたような気がした。

 氷織は嗜虐的な笑みを浮かべて、俺の頬を撫でる。

 

「嫌じゃない、って朔さんが言ったんですからね。私、我慢しましたからね」

 

 先程の意趣返しと言わんばかりに、秘部に俺の肉棒を充てがうと一息で氷織はそれを呑み込んだ。まるで中で溶けそうなくらいに熱い。

 

「すきっ♡朔さんすきっ♡」

 

 貪るように腰を打ち付けてくる。襞の一つ一つが射精を促すようにカリ首から根本までこそぎ上げ、絡み付くようにうねる膣内に耐え切れる訳がなかった。

 口から漏れ出す喘ぎ声を抑える事すら難しい。

 

「っ、氷織、出る……!」

 

 その瞬間、氷織が腰を振るのをやめた。あと少しで射精できたのに、もどかしさが身体中を這い回る。

 

「だーめ♡」

 

「な、なんで……」

 

 俺の動きを止めるためか、恋人繋ぎで手を握りながら氷織は笑っていた。絡められた指は早々離してくれないだろう。

 

「だって出しちゃったら、男の人ってしばらくできなくなっちゃうんですよね?」

 

 髪の毛を弄りながら、悪戯っぽい表情で俺を見下ろしている。エロガキというよりメスガキの方が近いんじゃないか、これ。

 

「私、朔さんがおねだりしてくれるなら射精させてあげてもいいですよ? 『イカせてください』って私にお願いする所、見たいなぁ」

 

 こいつ、本性現しやがったな。

 小首を傾げてタメ口混じりで俺を嘲る姿は、前に俺を押し倒した時に近い。

 

「氷織お前、いい加減に……っ、あ……」

 

 ぐりぐりと押し付けるように緩やかに動かれただけで、腰が砕けそうになる。

 プライドと目先の快楽を天秤にかけた結果、俺の安いプライドは売り飛ばされる事に決定した。

 

「分かったから、頼む……イカせてくれ」

 

 目を逸らしながらそう諦めたように呟いた瞬間、顔を両手で掴まれて強制的に視線を合わせられた。

 

「……違うよね?」

 

 改めてようやく理解した。

 この世界では、女性が捕食者だという事を。

 

「っ……くそ、イ、イカせてください……」

 

 否が応でも羞恥で顔が赤らむのを感じる。ただ今はその情けなさすら、快楽のスパイスでしかなかった。

 

「よくできました」

 

 リズミカルに氷織が腰を上下させる。それは自分が快感を得るというよりは、俺を射精させる為の動きで。普段の氷織からは想像もできないその事実に、また一層興奮が募る。

 

「ほら早く♡出して、びゅーって♡気持ち良いですよ、びゅーっ♡」

 

「ぐ……っ」

 

 ゴムがなければ本当に孕ませてしまうのではないかと思うほど。

 2回目にも関わらず、最初よりも濃く長い射精だった。

 どっと疲れが襲う中、氷織はまだ俺を離すつもりはないらしい。

 

「舌出して?」

 

「んぇ……んむ……」

 

 頭がぼーっとして何も考えられず、言われるがままに口を開いた瞬間。

 舌を絡め取られて、吸い出される。

 咥内を蹂躙するかのように這わされる舌で息がまともにできない。酸欠で朦朧とする意識の中、氷織の言葉がぼんやりと聞こえる。

 

「……ぷは。朔さんの弱い所、全部教えてくださいね? 私がたくさん気持ち良くしてあげますから」

 

 剥き出しの性欲に当てられたのか身体が熱く火照って、抵抗の意思が萎えていく。

 

 上下関係というものは、確かにこの一夜で刻み込まれた。

 俺の望んだようにはいかなかったが。

 

 

 

 ─────────────────────────────────

 

 

 

 何回搾り取られたか覚えていない。

 もう最後の方はほぼほぼ気を失っていた。身体に残る気怠さだけが、昨夜起こった事の証明だった。

 

 朦朧とする頭を振って身体を起こすと、ベッド横の椅子に座って氷織が小説を読んでいた。

 俺が目覚めた事に気付いて「おはようございます」と氷織は少し気不味そうに目を逸らす。

 

「ご、ごめんなさい。昨夜はその、ちょっと調子に乗っちゃって」

 

「お前さぁ……少しは加減を……」

 

 声が掠れて上手く出ない。今日が休みで良かった、夜家や店長に変な勘繰られ方されたらたまったもんじゃない。

 

「水取ってくれ、水。くそ、声がまともに出ねえ」

 

「だってあれだけ可愛い声出してたら仕方ないですよ」

 

 ペットボトルを渡してくる氷織を視線で殺せるんじゃないかというくらい睨み付けたが、当の彼女はどこ吹く風だった。完全にベッドの上では俺を舐め腐っている。

 

「でも、どれくらいまでならやっても気絶しないか分かったので。次は大丈夫です!」

 

 つまり、これからも気絶1歩手前までいくという事になる。

 終わった。

 これからヤる日は、多分すっぽん1匹丸呑みでもしてからじゃないとそのうち衰弱死する。

 

「腹減ってないけど飯作るか……」

 

 気怠さの残る身体になんとか鞭打って起き上がろうとした時。

 

「今日、お休みでしたよね」

 

 そう言いながらベッドに潜り込んできた氷織が俺を押し倒す。

 

「おい、待て。お前まだ満足してないのかよ……というかその前に無理無理無理、そもそも勃たないって……あっ……」

 

 根元から舐め上げられたかと思うと、亀頭を口に含んで舌を這わせられる感覚に脳が溶けそうだった。与えられる快感に堪らず、俺のそれは屈していた。

 

「ちゅ、んむ、ぷは……はい、大きくなりましたよ?」

 

 くすくすと小馬鹿にしたように笑う様は、まさしく魔性の女(ファム・ファタール)だった。

 もう終わりだよ、終わり。

 

「お前、二度と自分の事清楚って言うなよ」

 

 そんな負け惜しみを意にも介さず、氷織が負けじと言い返してくる。

 

「朔さんだってすっごく気持ち良さそうにしてたんですから、清楚じゃないですよ。今だってこんなに硬くしてるのに」

 

「先の方ばっか弄るな、敏感なんだよ……!」

 

「……ふーん♡」

 

 そう言いながら氷織がぐりぐりと弄り回す。

 

「お前、本当に……!」

 

 立て続けに与えられる快楽に必死で抗っている中、氷織が甘い声で囁いてくる。

 

「ねえ、朔さん。小説なんかでこう……えっちするのを誤魔化して書く時に『愛し合う』とか書いてたりするじゃないですか」

 

 何を読んでいるんだ、こいつは。どうせスケベな物ばっか読んでるんだろ、エロガキがよ。

 下手にそんな事を言って怒らせると後が怖いから、とてもじゃないが言えない。

 

「まあ、あるな。それがどうかしたのかよ」

 

「私、今まではそれがピンと来なかったんですけど。何となく分かった気がしました」

 

 俺に馬乗りになった後、氷織はそっと耳元に顔を近付けてきた。涼やかな吐息がくすぐったい。

 

「ずっとずっと、大好きですよ」

 

 満ち足りた声でそんな事を呟くから。

 

「……俺もだよ」

 

 諦めて溜息を吐くと、そう笑ってみせる。

 そんな敗北宣言を、氷織は口付けで飲み込んだ。

 

 

 




清楚なお兄さんをやりたかった主人公vsコミュ障だった魔法少女は、魔法少女の勝利で終わりました(本編あらすじ回収)
恥を忍んで書いたので感想と評価いっぱいくれよな!!味を占めるかもしれないぞ!!
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