※この作品はR-18です。

忌み子のわたし、精霊に愛されてました。知らなかったの!見えないんだもん!   作:さとう_2701

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第12話 オーク戦3 みんな早く寝ないの?

 夜はだれと同衾するかで今度は賭けが行われそうになった。ジャンケン弱いヤツにもチャンスを!ということらしい。

 ラウが今度こそ!とはりきっていたけれど、負けられると困る。

 さすがに一晩中知らない人と寝るのは嫌だから。

 

「寝るのは姉さんとがいいの。ごめんなさい」

 私なんかと寝たいと言ってくれているのに、ごめんなさいの気持ちで謝る。反応が怖くてラウの陰に隠れるようにして伝えると、お姉さま方が泣き崩れた。

「いいのよ!」

「なんて姉冥利に尽きる!」

「こんな妹欲しかったぁ!」

「尊い!」

 

 最後はよく分からなかったけれど、納得してくれたみたい?

 ラウはラウで得意げな顔で小鼻が膨らんでる。

 

 夜も群れBチームで焚き火をたき、不寝番をきめる。それぐらいなら、と思ったのに免除されそうになって異議を申し立てた。

 どうやら群れBのリーダーはロアさんだったらしい。

「フェリちゃんでもできる! かもしれないし、できないかもしれないし、というかフェリちゃんはそんなことしないでも大丈夫よ! 体力が有り余ってるバカどもがたくさんいるし」

 

「でも皆さん、明後日の作戦には参加するじゃないですか。私も役に立ちたいです。敵が近づいてきたらロアさんを起こせばいいんですよね?」

 

「そうね! というか、不寝番は2人1組で行うから、私と組む? そしたらラウお姉さんもゆっくり休めると思うの」

 

 そうか。そうだよね。

 

「分かりました。ロアさんと組みます」

 

 何故かロアさんがガッツポーズをして、ラウが膝から崩れ落ちていた。

 

 

 

「嫌じゃない?」

「嫌なわけないじゃない」

 

 ロアさんが自分の外套に私を入れてくれて、背中から抱きしめてくれる。

 私が忌み子だと知ったらこうはしてくれないだろうな。

 もし何かの拍子に知って嫌な気持ちになったら?

 やはり距離が近すぎるのはよくないのでは?

「あの、やっぱり一人で座ろうかなと」

 罪悪感からやっぱり離れて座ろうと思ったのに、ロアさんが離してくれない。

「だめよ。寒いから。くっついてると私も温かいし、一緒にぬくぬくしましょ? フェリちゃんいなくなったら寒すぎて震えちゃう」

「そんなに? 薪たします?」

「大丈夫大丈夫」

 ふふ、とロアさんが抱きしめてくる。

「やっぱり女の子は柔らかいのねー。うちにも子どもがいるんだけど、あ、男ね。ゴツゴツして痛いの。それにもう恥ずかしがっちゃって、ぎゅーってさせてくれないのよ」

 

 こんなガリガリでも男の子よりは柔らかいのかな? それか筋肉が足りない?

 

「おいくつなんですか?」

「今年で8つ。もうすぐ9つね」

 

 7つ過ぎれば周囲は子ども扱いはしないし、本人も母親に抱きしめさせたりはしないかも。

 

「だからついね。ごめんね。こうして接せられるのは短い間だけだし。夫が生きていれば2,3人産んだかもね」

「いえ・・・大丈夫です」

 

 お母さんて、こんな感じだったのかしら?

 ふわふわで温かくて。

 

「フェリちゃん、冒険者するんだったら、うちのチーム入る? お姉さんも一緒に。戦技なかなかよかったし。鍛えてあげるわよ?」

 

 先ほどまで体を動かしたいというカルロアさんに付き合って、稽古をつけてもらっていたの。

 氣による身体強化はまあまあだったし、ナイフに乗せた氣も良かったみたい。でも、動きが大振りすぎて当たらなかったけど。

 

「ええと・・・」

 

 どたん、と各自張ったテントからはまだ物音がしてるものも多い。不寝番の最初だし、みんなこれから寝るのかも。

 

「ごめんなさい。せっかく誘ってもらったけど、私は、その・・・」

「ふふ。ごめん。いじわるなこと聞いちゃった。人間相手はこわい? 組み手でも腰が引けてたものね。冒険者ギルドの依頼は盗賊や山賊討伐もあるし。でも気が変わって冒険者やっても良いな、と思ったら声かけてね」

 

「はい」

 

「ねえ、フェリちゃん」

 

「はい」

 

「一つ結びも可愛いんだけど、明日さ、私に髪の毛任せてくれない? うち男の子だから結ったりできなくてさー」

「全然良いですよ。私からお願いしたいくらいです」

 

 がたん! とあちこちのテントからまた物音がした。みんな転んだの?

 

「やったぁ! ふふ。今から楽しみ。どんな風に結っちゃおうかなぁ。少し軽く結ってもいい?」

「はい」

 

 一つ結びを解いて、ロアさんがあれやこれや試してくれる。

「ハーフアップにしよっか? それともお団子? 好きな髪型とかやってみたい髪型ある?」

「いえ。特にないので、ロアさんの好きにしてもらっていいです。誰かに結ってもらうの、久しぶりです」

 

「あら、ラウラリーエは結ってくれないの?」

「こんなことで手を煩わせたくないですし」

「そう。明日だけと言わず、遠征中ずっと結わせてくれない? 昔妹たちに結ってあげてたのよ。私も懐かしいわ」

「はい! ありがとうございます」

 

 髪を結ってもらうなんて、本当に久しぶり。昔私のお世話をしてくれていたタニア以来。

 

「毛先、少し痛んでるわね。私が使ってる髪油使ってみる? 良い匂いだし、つやつやになるからね?」

「はい。ありがとうございます」

 

 髪の毛をさらさらといじられていると、テントからケイナさんが顔を出した。

 

「ロア! あんたいい加減にしなさいよ! 私たちだって遠慮してるんだからね! フェリちゃんと匂いお揃いとか! 許すわけないでしょ!」

 

 ケイナさんの参入を機に、あちこちのテントから女性陣が顔を出し、ロアさんが非難に晒された。

 私が不寝番をするとみんな寝なくなっちゃうからと、 当番から外されることになってしまった。

 

 

 

 

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