忌み子のわたし、精霊に愛されてました。知らなかったの!見えないんだもん! 作:さとう_2701
オーク戦から半月が過ぎた。
北から吹く風は、さらにこの地を冬へと引きずり込み、屋外は一面の雪に覆われている。
ぱちっ、と薪が大きく爆ぜ火花が散った。
「フェリ、こっち集中して」
ラウの舌が執拗に追いかけてきて、しつこく舐められる。
こんなの慣れっこのはずなのに、やけにラウの口腔が甘く感じられる。
それに・・・。
「大好き。好き。フェリ、大好き」
キスの合間に何度も何度もささやかれる。
上顎のくぼみを何度も責められ、舌を吸われて甘噛みされる。
「はぁっ・・・」
手は体中のあちこちを舐めるように撫でる。
なで方もねちっこい。
腰骨を強く押されて、背中が跳ねた。
「っ・・・」
変な声でそう。
せっかく我慢したのに、もれ出た吐息からラウにばれた。
「声ききたい。我慢しないで。大好き」
ようやく唇を離れたかと思うと、耳朶をなぶられた。
浮いたあばらを一本一本なぞられ、下腹に手が伸びる。
むずむずとしていた下腹がきゅんと蠢いた気がした。
最近体の奥がおかしい。
ラウとキスしていると下腹のあたりがむずむず? する。
ラウに話してみると、喜ばれて全身スリスリされた。ちょっと意味が分からない。
「嬉しい!!」
下腹をなでなでなでなでされる。
「むずむず・・・? うずうず? よくわからないわ」
下腹を撫でる艶やかな指が、実際にショーツの中に入れられたことはない。
ないけど、入りたそうにしているのは伝わってくる。
「どうしてこんなところ触りたいの? 交尾の時に動物たちしてないよね?」
「そおねえ! 動物はねえ!」
どうしてちょっと怒ってるの?
「フェリは人間が交尾の時何をするか知ってる? 具体的に」
「男のあれを女の股・・・にいれるんでしょ?」
昔、川で遊んでいた男児の股の間を見たことがあるから、何が付いているのかは知ってるつもり。
「具体的に」
愛撫もすっかり止まっているが、手は下腹のうえのまま。
具体的にと言われてもそれ以上のことは分からない。
「・・・おしりの穴?」
股の間に穴と言えば、おしりしかない。
ラウが下に敷いたマットをバンバン叩いて大笑いした。
「お、お尻って!!! あははははは」
「う”---! 失礼じゃない!?」
「ごめんね。でも可愛くて」
笑い涙を拭っている。
「年が明けたらフェリも14でしょう? 大人まであと1年あるか~。でも、どこにあるか教えてあげたいな~」
それは股を触りたいというのと同義・・・。
「どうしてそんなところ触りたいの? 汚いでしょ?」
「汚くないよ。大事なところだもの。今から楽しみね」
「触っていいなんて言ってないから!」
いつも通りじゃれ合って眠った翌朝。
ショーツの中に違和感を感じてトイレに立った。
脱いでみると血痕が点々と付着し、股の間からさらに1滴したった。
え? 血? こんなところから? なにかの病気?
どうしよう? ラウに話したら悲しむかしら・・・?
でも言わなくてもこんな出血が続けば遠からず死ぬ。
こんなところから血が出てるなんて恥ずかしいけど、ちゃんと伝えよう。
「ラウ、起きて」
寝ている彼女を揺する。
いつもはスースー寝ている彼女が、今日はなぜか寝起きがよかった。
「どうかした? 不安そうな顔してる」
「あ、あのね・・・」
恥ずかしさをこらえて事実を告げると、ラウの表情がほっと和らいだ。
「それはフェリが大人になった証。病気じゃないの。昨日交尾の話をしたでしょ?」
ラウが月経の話や交尾の話を少し詳しく教えてくれた。
「でもラウは? 月経きてるの?」
「きてるわよ。もと水精だし外に出る前に精霊術で処理しちゃってる」
「ずるい・・・」
精霊術万能過ぎない?
「町に行けば専用のショーツも売ってると思うけど、術でショーツ作る?」
「そんなことできるの?」
「フェリの傷口に貼ってる湿布もわたしの術よ。結界術の応用ね。漏れないようにぴったり作るから」
それはそれで、私の体のサイズがばれて恥ずかしい。
ふぇ? もう知ってるの!?
うん、て言ってないのに、ラウの手に私向けのショーツができあがってる。
傷口に貼ってる湿布と同じ薄い水色。
「はい!履いてみて。元々結界だから洗濯とか必要ないし、汚れたらまた結界術で作るから」
「・・・ありがとう」
展開が早すぎて素直にお礼が言いづらいわね。
履き替えてみると、ぴったり密着しすぎる気もするけど漏れないなら安心かも。
「汚れちゃった下着は自分で洗うわね」
外で洗おうとすると、すごい勢いで止められた。
「いいの!いつも通りわたしが洗うから!」
「でも恥ずかしいし」
「わたしも手で洗うわけじゃないでしょ? 精霊術で洗うだけだから。ね。大丈夫。外雪だよ? 手凍っちゃう。フェリが冷たくなるの、わたしが嫌なの」
手が凍るといっても、冬の洗い物はそんなものだけれど。
そこまで言われたら、うなずくしかない。
「わかったわ。ありがとう」
「ううん! いいの。それよりご飯の準備してたべよう?」
「ええ」
ムームとフォーレが呆れたように見てたけど、どうしてかしら?
いつもの深夜の屋外会議。
プティは何処かに遊びに行っていて不在。
「ラウラリーエ、さすがにやりすぎじゃないかの?」
「どこが?」
『さすがにこちもドン引きだも』
「寝具代わりのマットも気が引けるというのに」
「どうして? 衛生的でいいでしょ?」
『毎日結界を張り替えるのはいいだも。でもその機能が気持ち悪いだも。皮脂も汗も全部取り込みたいとか。普通に全部綺麗にしたらいいだも・・・」
「そうじゃの」
『洗濯でもお風呂でもフェリ様の老廃物集めて、自分の糧にしてるだも。気持ち悪いけど、ずるいも」
「ふふん。フェリの血がほしいならほしいと言えば?」
『くれるだも!?』
「あげるわけないでしょ」
『・・・ほんとラウラリーエは性格悪いだも!!!! ムーム殿! フェリ様に訴えてほしいも!!』
「そうじゃのう。フェリ様に黙って血を集めてると言ったら、ドン引きされるであろうなぁ」
「ムーム、そういうこと言うのね。・・・仕方ないわね。お世話になってるし、1滴ずつあげるわ」
「わぁああああ! やったも!! うれしいも!」
「だから黙っててよね」
この共犯関係はしばらく続く。