忌み子のわたし、精霊に愛されてました。知らなかったの!見えないんだもん! 作:さとう_2701
第62話 シェラロッテとの放課後1
翌日。
右手にシェラ、左手にラウ、膝にフォーレを乗せて、私はナウシーさんとおばあ様のイレーヌ様と相対していた。
ナウシーさんのお屋敷を出る時、おばあ様のご要望で寂しいから週に一度はご飯にきて欲しいとお願いされていたの。
そのため、翌日は王太后様のところで午前中に稽古をし、ナウシーさん宅で夕飯をいただくことにしていたのだけれど、夕方血をあげるために面会したシェラもついて行きたいとのことで、こんなことになってるわ。
「ずるいずるいずるい! わたしも行きたかった!」
「そうは言われても・・・」
ラウが歌で浄化した話をすると、シェラが半ギレした。
「うふふ。いいでしょう? ラウ湖の歌も良かったけれど、今回は私たちも参加させてもらえたの」
煽らないでよ・・・。
「こちも次はもっと頑張るも!」
イレーヌおばあ様の膝で夕飯を食べていたフォーレもスプーンを掲げて宣言する。
「次はわたしも一緒に歌うから!」
「えぇと、しばらく王都を離れることになったから、それは難しいかなと」
「どういうこと?」
シェラ、近い近い。鼻がぶつかっちゃう。
少し体を離す=ラウに身を寄せることになっちゃって、またシェラにぐいっと腕を引かれちゃった。
「ヨルロン・ダンジョンの管理人から、テラニード王国のガカーヤカム・ダンジョンの浄化を頼まれたの。3ヶ月以内にって言われて、再来週向かうことになってるわ」
はあ?!と、シェラの声が跳ね上がる。
「管理人? ダンジョンにそんなのがいるなんて聞いたことないんだけど? もちろんフェリシアが嘘ついてるとは思ってないけど」
「不思議ねぇ。さすがは愛し子ね」
イレーヌおばあ様はおっとりとした様子。すかさずラウが同調した。
「さすがわたしのフェリよ! ふつうは姿を現さないみたいで、わたしもフォーレも記憶曖昧にされたの。認められたのはフェリだけ。さすがわたしのフェリ!」
どうして2回言ったの?
次こそわたしも行きたい! とシェラが意気込むけど、あなた学校あるでしょう?
「学校を卒業して機会があればね。それにシェラだけじゃなくて、ナウシーさんもお留守番なのよ」
「え!? そうなんですか?」
シェラの気炎が下火になった。
ナウシーさんは残念そうというよりは、ほっとされてる感じね。
「今回同行するメンバー、レイハス様とセリスちゃんよ〜? レイハスさんは身体強化で10本の指に入る実力者だし、セリスちゃんは若いけど、術士学院に在籍してる間はずっとトップの成績で将来有望株なの~。私の風術とは天と地ほどの差があるのよ〜。身体強化でも、飛翔術でもついていくのは無理よ〜」
「フェリシアは? 走って着いていくの?」
その瞳からは、10本の指に入るほどの人と同じレベルなの? と驚きが含まれてるけれど、安心してほしい。
「レイハスさんも全力で走ったりしないと思うけど。今回はそこまで急いでないし、私のペースで進んでいいって。王太后さまの訓練を休むことになるから、代わりに走り込みと、合い間の時間にレイハスさんと剣術の稽古をすることになってるわ」
「旅じゃなくて遠征だもんね。そりゃそっか。馬車でキャッキャウフフかと思ったのに」
「まさか。フォーレも走り込みに参加することになってるくらいよ」
ナウシーさんが肩をすくめた。
「レイハス様はストイックな方らしいからね~。ほどほどに手を抜かないと倒れちゃうわよ。ラウラちゃん、フェリちゃんのことよく見てあげてくださいね〜」
「もちろんです。任せてください!」
ラウラはいつもにこにこしてるわね。。
シェラがハッとした様子で全員を見渡した。
「移動って普通馬車だと思ってたんですけど、フェリシアと行動しようとしたら、今後も全部現地まで走っていく可能性あります?!」
どうなのかしら?
今回は時間があまりないから走っていくことにしたけど。
「王太后さまからの依頼で半年に一度くらいは祝福する約束なんだけど、それ以外遠出することあるのかしらね?」
ラウラに話を向けると、スープをすくって飲んでるところだった。
いまいち所作が荒いのよね。町の食堂だったら気にならないのだけれど。
「それはフェリが王太后さまから訓練を受ける間の話でしょ? もともと王都へはシェラロッテの治療が目的で来たんだし、その必要がなくなって訓練も終わったら王都に留まる必要ないよね」
「それもそうね」
またムームと一緒に4人と、あとあちこちうろうろしてるプティも希望があれば5人で一緒に過ごすのもいいわね。
「わたし契約してるんだけど!? 離ればなれになっていいの!?」
シェラがイレーヌおばあ様にすごい勢いで聞いてる。
「さあ? どうかしら? 契約者と離ればなれに暮らしてるのは、私は聞いたことがないわ。私が知っているのは愛し子も術士も貴族階層の方だったし・・・。王家の方が詳しいと思うから聞いてみたらどうかしら?」
シェラが鼻息荒く頷いてる。
「絶対そうします! フェリシアも勝手にどっか行ったりしないで、ちゃんと王都戻ってきてね!? 卒業したらわたしだってついて行くからね!」
「・・・うん」
ラウがすっごい渋い顔してる・・・。
「再来週っていつ?」
「10日後って言われたから、出発は2月25日よ」
「わかった。毎日会お! 放課後遊ぼ!」
私が回答する前にラウが勝手に答えちゃう。
「嫌よ。どうしてシェラロッテと毎日遊ばないといけないの?」
「ラウラリーエには聞いてないでしょ! 毎日一緒のくせに! 10日くらい良いでしょ!? わたしだって安息日は王都回ったり、観劇したり、ご飯食べたり、ショッピングしたり、フェリシアと行きたいところいっぱいあるんだから!」
すごい剣幕・・・。
楽しみにしてくれていたのなら申し訳なかったわ。王都に来てまだ1ヶ月も経ってないのに、いろいろありすぎて・・・。結婚しちゃったし・・・///////。
「わたしたちも用事があるから毎日って訳にはいかないけれど、なるべく時間を作るわ」
「じゃあ、まずは明日! 明日遊ぼう!」
「わかったわ。茶屋に集合でいい?」
「うん!!!!!!」
こうして出発まではシェラと午後を過ごすことになった。