千枝ママ、岡村直央の魔手に囚われる 魔性ショタの巨根に孕んで 作:高牧園
1
スマートフォンに通知がひとつ。
「!」
佐々木百枝(ももえ)は飛びつくようにスマートフォンを手に取ると、すぐさまロックを解除した。
チャットアプリのトーク画面が表示されるまでの短い間に、百枝は素早く視線を巡らせる。まもなく日付が変わろうとしている今、娘の千枝はすでに眠っている。夫は少し前まで晩酌していたが今は夫婦の寝室にいて、今は百枝が家事を済ませるのを待っていることだろう。
「……!」
画面に表示された『岡村さん』の文字に心臓が跳ねる。
(直央くんの……)
岡村さん――岡村直央の母親と知り合ってから半年ほどになる。
百枝の娘・千枝は小学生ながらアイドル活動を行っている。千枝が準レギュラーとして出演した子ども向け番組に直央はレギュラー出演しており、その際の縁で直央の母である岡村さんとも話すようになったのだ。
丸眼鏡にどこか自信なさげな様子の直央はどこか千枝に似ていて、百枝は年長者として彼を気にかけていた。同い年の子どもを持ちながらステージママ歴の長い岡村さんは頼れる存在で、百枝は岡村さんと何かと連絡を取ることも多い。
ステージママならではの育児の悩みを話せるのは岡村さんだけ。百枝にとって岡村さんからのメッセージは嬉しいもののはずなのに、最近は彼女から連絡が来るたびにドキリとしてしまう。
(――あんなことがあったんだもの)
岡村さんから届いたメッセージを開くのに勇気が要るのは、三週間前の出来事が理由だ。
――三週間前。
百枝は、自分の娘と同い年の直央と、身体を重ねてしまったのだ。
(……)
夫がいる身で、娘と同い年の少年に抱かれる。
とんでもない禁忌を犯した百枝にとって、隠し通さなければいけない出来事。特に直央の母親である岡村さんには知られるわけにはいかないのだから、百枝は岡村さんから連絡が来るたびに心臓が暴れ回ってしまう。
「……」
勇気を出してメッセージを開けば、他愛ないメッセージだった。
先日、直央が撮影したロケ地の近くでウサギ型のクッキーが売っていた――そんなどうってことないメッセージに一枚の画像が続く。その店で買ったらしいウサギ型クッキーを手にした直央がこちらに笑いかける画像は微笑ましいもののはずなのに、百枝は自分でもおかしいくらい身体が熱くなってしまう。
(直央……くん……)
熱は下半身からこみ上げる。
眼鏡の奥の瞳が自分の身体を映した時のことを、ウサギ型クッキーを持つ小さな手が自分の上で何をしたのかを、彼の見切れた下半身がどんなものだったかは、あの日から三週間が経った今でもハッキリと思い出せる。
(……ダメよ)
思い出してしまったソレを振り払うようにかぶりを振って、百枝は手短なメッセージを返してから寝室へ急ぐ。
別室で寝ているだろう千枝に気遣ってゆっくりとドアを開けると、寝室の照明はすでに落とされていた。暗い室内にある明かりはすでにベッドにいた夫のスマートフォンだけで、夫は百枝が来たことに気付くとスマートフォンから百枝へと視線を移す。
「百枝。もう寝るか?」
「ええ、あと少しで――ねえ」
呼びかける百枝が向かうのは、自分のベッドではなく夫のベッド。
夫婦生活も長い。夫はベッドの片側に寄って百枝の入るスペースを作り、ベッドの中に身体を滑らせた百枝の背中に腕を回した。
「……いい?」
夫の腕の中で、百枝の手が夫の胸板から腹へと滑る。
出会った時より幸せの分だけ豊かになった夫の身体はそれでも愛しい。この人をたった一度だけ裏切ったのだと思うだけで胸が痛んで、百枝は彼の首筋にキスを施す。
「いいよ。でも……百枝、疲れてるから――その、」
「分かってる」
頷く百枝の手は、夫の股間に行き着いていた。
まだ勃起はしていないが、服の上から何度かこすればその場所が膨らみだす。膨張率は半分くらいに思えて摩擦を繰り返す百枝だが、夫は百枝の手を止めさせると、寝間着の下を脱ぎ去った。
「百枝」
妻の名を呼ぶ夫は仰向けになり、下を脱いだ百枝が彼の上に。
夫は疲れているのだ、前戯はもちろん正常位での腰振りも難しいのだろう。夫の腰を跨いだ百枝がそっと自分の秘所を指で広げると、ろくな愛撫も受けていないのに淫部は驚くほどの水気を帯びていた。
(……思い出しただけで、こんなに……)
カッと頬を熱くする百枝の胸中を夫が知ることはない。
百枝は枕元のコンドームを手に取り、夫のモノに被せる。本当は二人目が欲しいものの、第二子をどうするかの話し合いは進んでいない。「どうするか決まるまでは避妊しよう」と言う夫は避妊具を用意しているが、行為の回数はめっきり減ってしまったせいで、コンドームの消費ペースよりも大ボトルの醤油の方が買い足すペースは速いくらいだ。
「……」
Mサイズコンドームを陰茎につければ、伸縮性に富む避妊具はこころなしか緩い。
「……挿れるわね」
囁く百枝が先端にペニスを合わせ、ゆっくりと腰を下ろす――夫は百枝のナイトブラ越しの胸を撫でながら、百枝が自分を受け入れるのを静かに待っていた。
「っ、ん……」
花蕾を開かれる感覚に自然と声が漏れる。
付け根まで受け入れてなお、百枝の中には余裕がある。疼きの源である子宮口に夫は届かず、直央との行為を覚えてしまった身体は物足りなさを覚えてしまう。
「百枝、動くぞ……」
上に乗った百枝を押し上げるように、夫のゆるやかなピストンが始まる。
とん、とん、と優しい往復運動は熟れた身体には弱すぎる。濡れきった人妻の膣洞にはほのかな喜びすらなく、直央と繋がった時の激情のような感覚には程遠い。
「……ああ、百枝……あ、出すぞ……」
「……ん、……」
静かに頷く百枝が膣に少し力を入れただけで夫は果てる。
――射精が済めばセックスは終わり。百枝が腰を上げてペニスを抜き取ると夫はすぐさま陰茎をぬぐい。百枝の身体を引き寄せる。
「気持ち良かったぞ」
「ええ……」
手元のコンドームを結びながら頷く百枝。
精液だまりには薄濁りした精液が少しだけ。むしろ表面についた百枝自身の体液の方が濃い気すらするコンドームをティッシュにくるんで捨て、百枝がショーツを穿く頃には、夫はすでにまどろみの中にいる。
「……ねえ」
「んん……?」
「まだ起きてる?」
「ん……や、……もう……」
返事をしながら、本格的に眠ってしまう夫。
心地よい眠りに落ちた夫が寝返りを打てば、ベッドに百枝の居場所はない。百枝は夫のベッドからそっと抜け出すと、鳴りだしたいびきを背にしてリビングへ向かう。
(……何もかも、大違い……)
愛しい人との行為の後なのに虚しくて、百枝はリビングで一人、三週間前のことを思い出す――。